有価証券報告書-第8期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 15:57
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。
<経営理念>社是
・人間性尊重
・技術革新
・堅実経営
行動指針
・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう
・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう
・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう
<経営ビジョン>先進技術と良質廉価技術の融合で低炭素社会に貢献し、世界中のお客様に満足される企業
(2)経営指標
当社グループは、良質な部品の開発及び生産に取り組むとともに、従来から重視してまいりました営業利益の対売上高比率、1株当たり利益(EPS)に加え、資本、資産効率をより意識し、総資産利益率(ROA)や自己資本利益率(ROE)についてもさらなる向上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社では、成長戦略として、2022年3月期における売上高3,000億円・営業利益200億円の達成を目指しております。
経営目標の達成、さらにはその先のEV化時代を見据えた受注拡大をより確かなものとするため、「品質管理」「生産体質改善」「技術開発」「グローバル販売戦略」「人財育成」「ダイバーシティ推進」の6つの課題に取り組んでまいります。
① 品質管理
品質は、顧客との信頼関係の基礎となる最重要課題であると考えています。顧客から求められる品質を確保するためのグローバルな仕組みを構築するとともに、品質ガバナンスを徹底し、各国、地域ごとに定められた安全、品質法規等を満たす製品、サービスを生産・提供してまいります。
② 生産体質改善
北米では、2019年3月期にJefferson Southern Corporationの事業用資産について収益性が低下したため減損処理を行いました。北米子会社のSQCDの抜本的な改革に取り組んでいます。
収益性の高い生産体制を構築するべく、生産ライン構想や作業方法、生産アロケーションの見直し等、それぞれの地域の状況に合わせた地域最適となる取り組みを行ってまいります。
また、「生産性向上プロジェクト」を推進し、デジタル技術や映像解析技術を活用した省人化等による原価低減を進めてまいります。
③ 技術開発
ドイツ、中国、米国の調査拠点が収集した技術動向・市場ニーズを日本の研究開発施設であるG-TEKT TOKYO LAB(GTL)に集約し、次世代軽量高剛性ボディの開発を加速しています。
開発領域では、G-TEKT TOKYO LAB(GTL)で、複合材活用技術、ボディ性能解析技術及びEV用のアルミバッテリーケース要素技術等の新技術開発を進めてまいります。
生産技術領域では、鉄の可能性を引き出す超高張力鋼板のプレス加工技術及びホットスタンプ技術等の既存技術に磨きをかけてまいります。
④ グローバル販売戦略
アルミボディ部品量産技術によりBMW社やジャガー・ランドローバー社等の欧州高級車メーカーとの取引を深めることで、EV化を見据えた中国市場での受注拡大に繋げてまいります。
また、次世代軽量高剛性ボディ提案等を通じて、主要得意先である本田技研工業株式会社からの受注原単位の拡大を進めるとともに、他社販売のグローバルな受注拡大を推進してまいります。
⑤ 人財育成
公平で実力が反映される人事制度と従業員が依って立つべきキャリアモデルを示した人財育成制度をスタートしました。新入社員向け海外留学制度、中堅社員に対する語学試験や海外駐在経験等を通じて「グローバル経営人財」を創出していきます。海外子会社での経営経験や幹部候補者研修を通じた「次世代経営陣」の育成にも力を入れてまいります。
⑥ ダイバーシティ推進
変革の時代を生き抜くためには、当社で働く全ての人がそれぞれ持っている多様な経験、視点、感性、スキル等を互いに尊重し合い、より大きな力を生み出すことができる組織でなければならないと考えています。ダイバーシティ推進のため、人事担当役員を委員長とするダイバーシティ推進委員会を設置し、ジェンダーや国際性の面を含む多様性に向けて取り組んでまいります。