訂正有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/07/08 16:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
154項目

対処すべき課題

以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。
<経営理念>社是
・人間性尊重
・技術革新
・堅実経営
行動指針
・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう
・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう
・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう
<経営ビジョン>先進技術と良質廉価技術の融合で低炭素社会に貢献し、世界中のお客様に満足される企業
(2)経営指標
当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、自己資本に対する収益性を高めること、そのために、売上・利益の持続的な拡大を図ることを目指しています。
健全な財務体質を維持向上するため、自己資本比率は50%以上を維持すること、同時に、資本効率の面では資本利益率(ROE)は8%以上を目指します。そのためには、安定した利益成長が求められます。当社は売上・利益の拡大を図るため、売上高成長率及び売上高営業利益率の向上を目指します。また、設備産業の特性から、売上拡大のための設備投資と資産は効率性を重視し、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)の向上を目指します。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループが属する自動車業界は、電動化、自動運転における急速な技術革新と異業種参入、さらには、世界各国の政府が定める温暖化・気候変動にかかる環境基準への対応のため、大きな転換点を迎えています。
このような経営環境の中、当社は、「情熱と革新を融合させ、人とクルマのより良い未来をかたちづくる」をビジョンに掲げ、開発から量産までを担う車体専門メーカーとなり環境と安全性で車づくりをリードする企業を目指し、以下の取り組みを加速させていきます。
① 成長加速、売上・利益の拡大
気候変動問題への対応として、各OEMは戦略を見直し、EV化を加速させています。当社は、今後のEVの需要増加を事業拡大に繋げるため、EV関連事業を確立します。
新規事業創出として、従来から取り組んできた車体1台解析技術を土台として、EV専用プラットフォームの開発への参入を目指します。
また、EV関連商品のラインナップ拡充のため、顧客のニーズに合わせてカスタマイズできるバッテリーハウジングや電動パワートレイン関連部品領域での事業創出にも取り組んでまいります。
② 企業の変革
新たにDX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトを立ち上げ、デジタル技術を活用した自社内のバリューチェーンの革新を進めてまいります。
顧客との信頼の基礎である品質保証領域では、グローバルでグループの品質情報を可視化し、モニタリングすることで、予知予防による管理を目指します。
③ 人財の育成・確保
多様な社員が、互いに尊重し合い、能力や個性を発揮し、働くことを通じてやりがいや成長を感じられる組織を目指して、マネジメント力のレベルアップに取り組み、「管理」から、人や組織に光を当てるマネジメントに転換します。
また、それぞれの社員には、公正かつ継続的に教育機会を提供し、一人一人が強みを認識し持ち味を存分に高め発揮できる育成施策を講じます。
さらには、公正な採用選考、平等な登用制度、ジョブ型処遇制度を掲げ、ジェンダー、国際性、職歴、年齢の面を含む多様な人財の育成・確保に努めてまいります。
④ 社会貢献
企業の持続的な成長のため、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、あらゆるステークホルダーとの適切な協働により、サステナビリティの課題に取り組んでまいります。
⑤ 気候変動問題への取り組み
地球環境問題の中でも、とりわけ気候変動に関する問題は喫緊の課題であり、世界的にも対応が加速しています。当社はグループ全体でCO₂削減に強力に取り組み、企業の社会的責任を果たすべく、2021年4月にGX(グリーン・トランスフォーメーション)プロジェクトを発足しました。具体的な取り組みとして、生産性向上による電力使用量の削減、再生可能エネルギーへの置換、太陽光発電の導入拡大と自家消費への切り替えを推進しております。再生可能エネルギーの利用状況に関しましては、2021年4月時点で国内の生産工程で使用する電力の約30%を再生可能エネルギーに切り替えました。以上の日本国内における取り組みを順次海外拠点へ展開していきます。