有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営方針
①経営の基本方針
当社は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の使命と認識し、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに信頼される会社を目指し、事業活動を行ってまいります。
②目標とする経営指標
当社は、その時々の環境に見合った利益を確保しつつグループの全体価値を高め、事業の巾を広げつつグローバル展開を進め、売上の拡大と適正利益の確保を目指します。昨今の新型コロナウイルスの影響や中国進出に伴う負担増等により目先の利益確保は厳しくなりますが、中長期的には8%以上の営業利益率確保を目標に事業を進めてまいります。
③中長期的な会社の経営戦略
金属関連部品事業につきましては、既存客先へのさらなる浸透を基本戦略として展開してまいります。中でも、EVも含めた電動車等の環境対応車を中心とした製品分野への対応強化を重点課題として取り組むと共に、従来にも増して技術開発重視の「真にお客様に求められるものづくり」を目指し、問題解決型、提案型の事業展開を進めてまいります。 また、いがり産業を主体とする樹脂関連部品事業につきましては、当社の営業基盤を活用し、金属関連部品事業の既存客先や新規開拓先への提案を積極的に行い、樹脂部品単体のみならず樹脂+金属のハイブリッド部品の拡販を進め、新たな事業の柱として育ててまいります。 その他事業につきましては、ビスライダー既存品のグローバル市場での拡販を基本戦略として展開してまいります。ツールや新ラインナップ開発を重点課題とし、さらに次なる新商品の開発を進め、他社とのコラボレーションや産学協同事業も試行しつつ引き続きこの事業分野を大きくしてまいります。 海外拠点につきましては、北米・アジア地域への直接販売をさらに強化するために、生産・供給体制の整備と財務体質の強化を図ってまいります。また、2019年10月に設立いたしました睦諾汽車部件(湖北)有限公司の量産稼働も直近での大きな課題となります。昨年からのコロナ禍の影響により立上準備計画も軌道修正しながら進めておりますが、今夏量産開始のスケジュールには変更ありませんので、万難を排して予定通り立上げ、軌道に乗せられるように進めてまいります。その他の海外子会社につきましても、全拠点のネットワークを活用し、さらなる拡販と企業体質強化のための活動を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主要取引先であります自動車業界は、期初から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、生産ラインの稼働停止等もあり第1四半期は大きく落ち込みました。感染が落ち着いた第2四半期からは徐々に回復し始め、第3四半期には需要が拡大して前年同期以上の増産となりましたが、サプライチェーンの混乱により半導体等の部品不足に陥り、第4四半期には失速しました。このような状況の中、当社グループの売上も上半期の減産が響いて減少しましたが、経費削減等の効果により最終増益となりました。 このような経営環境下における当社グループの対処すべき課題は、以下の通りであります。
① 事業領域の拡大と見直し
新型コロナウイルスの蔓延を契機に、脱炭素社会への取り組みが大きく加速しました。これに伴い自動車の電動化は一気にEV化へと方向付けられ、近い将来自動車を構成する部品の種類が大きく変わり、部品点数も大きく減少する見込みです。これは摺り合わせから組み合わせへ、専用から汎用へとの流れであり、自動車がコモディティー化して家電のような存在になろうとしていることを意味します。様々なプレイヤーがEV事業に名乗りを上げ、OEMのEV組立メーカーが物量で勝負する世界が間近に迫ろうとしています。自動車を取り巻く産業構造が大きく変わって行く中、当社も従来のビジネスの延長線上では生き残れません。新事業を立ち上げ、既存事業でも供給製品の販売先や供給可能な製品の巾を広げる取り組みが必要です。いがりグループの子会社化や睦諾汽車部件有限公司の設立もこうした課題に対する取り組みの一環ですが、基盤となる精密プレス部品と新たに加わった精密樹脂成形部品の販売領域において、また新たに加わる中国という一大消費地域へのアクセスにより、持てるリソースを最大限に活用しつつグループのシナジーを十二分に発揮して事業領域の拡大につなげてまいります。
② 中国拠点量産開始
2019年10月に中国湖北省に設立しました「睦諾汽車部件(湖北)有限公司」は、現在工場稼働準備中です。新型コロナウイルスの影響で立上げ支援も思い通りにできている状態ではありませんが、6月からの稼働に向けて着々と準備を進めています。また、現地のお客様からも引き合いや問い合わせをいただいており、新たなビジネスを獲得できております。EV化が進む中国市場において、これまでに無かった事業領域も模索しながら、中国拠点を早期に軌道に乗せてまいりたいと考えております。
③ 安全と品質の取り組み強化
ここ数年来特に重点を置いて取り組んでまいりました製造業の基本であるS・Q(安全・品質)の強化につきましては、引き続きさらなるレベルアップを目指して改善を進めてまいります。現在稼働準備中となります睦諾汽車部件有限公司につきましても、稼働初期からしっかりと取り組んでまいります。 また、当社は「ISO9001品質マネジメントシステム」を取得しておりますが、サプライチェーン上位の自動車部品メーカーでは自動車産業向けに作られた「IATF16949品質マネジメントシステム」の認証取得が拡大しており、当社客先からも当該システムの認証取得を求められております。このようなことから、2022年度の認証取得を目標に当該システムの構築・運用を進めてまいります。
④ 人材確保の取り組みと働き方の見直し
労働人口が減少して働き方も変化する時代となり、人材の確保が難しくなっています。当社グループの課題を解決していくためには、現状の課題を引き継いで解決していく人材が必要となります。この対応として、人材確保のために中長期的な視野で既存人員も含めた人への投資を厚くし、働き方の見直しを行い、改善を進めていく必要があります。今後もグループ全体を通じて待遇改善と共に働き方の見直しを進め、生産性の向上を図ってまいります。
⑤ 自動化・合理化投資の促進
人材確保の取り組みとの裏表になりますが、工数確保が難しくなる環境下においては、付加価値の低い機械的な単純作業、高度な判断を必要としない仕事等は出来る限り自動化・合理化を進めていく必要があります。当社グループはこれらの自動化・合理化投資を積極的に行い、人材が付加価値の高い仕事に従事できる環境づくりを進めてまいります。またこれからは、これらの取り組みを事務系や間接部門系にも広げてまいりたいと考えております。
⑥ 新型コロナウイルスへの対応
発生から既に1年以上が経過している新型コロナウイルス感染症ですが、ワクチンが開発されて接種が進む一方、世界各地では変異株が発生して感染がさらに拡大しており、変異株へのワクチンの有効性も懸念される中、変異を重ねてワクチンが効かなくなる前に封じ込めなければこれまでのウイルスとの戦いをいつまでも繰り返すことになりそうで、ますます不透明な状態が続いているように思われます。現状では世界のどこかで変異を繰り返すウイルスに対し、どのように終息させるのか終わりが見えなくなっているように感じられます。鍵を握るワクチン接種もなかなか進まない中、会社としても対応を継続・強化する必要があります。当社では感染者を出さないために、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置発令中の全拠点での出張自粛と都市部の営業支店を中心とした時差出勤やテレワークを実施しております。今後の感染状況や社会情勢の変化等により、どのように事業運営し行動しなければならないのかは変わりますが、どのような環境下でもその時々の状況に応じて迅速に行動してまいります。
⑦ 変化に合わせた稼働対応
新型コロナウイルス感染拡大により、様々な潜在的弱点が顕在化しました。日本ではデジタル化や政治・行政の機能不全、危機管理対応でも大きな課題が顕在化しました。産業界ではサプライチェーンの弱点が露わになり、半導体や樹脂材料等の供給不足で自動車生産のラインが停まる事態となっています。鉄鋼材料や非鉄材料の供給不安も水面下では発生しており、いつどんなサプライチェーンが絶たれてラインが停まるか分からない状態となっています。これも効率化のための分業と寡占が進んだ結果だと思われますが、一度供給不足になると挽回するだけの十分な生産能力が無いのが現状であり、問題は長期化する傾向にあります。当社でもこれらの要因で受注が変動する可能性があり、変動には対応していく必要があります。上半期には新型コロナウイルスの影響により一時帰休を実施して稼働を減らす等の対応を行いましたが、今後はサプライチェーンの混乱から同様の稼働調整をする必要が出て来る可能性があります。そうした事が今後現実に発生した場合、これまでの経験を活かし、さらにこれまで以上にしっかりと対応してまいりたいと思います。
⑧カーボンニュートラルへの対応
日本政府が2050年にカーボン排出量実質ゼロを目指すとの方針を打ち出したことに伴い、当社でも事業活動におけるカーボンニュートラル実現のための努力をする必要があります。当社の主力事業では、大型のプレス機や熱処理炉等の様々な設備を稼働させるため、カーボンニュートラル実現のハードルは高く、どのように実現していくのかは今後の大きな課題となります。他社の事例や世の中の技術動向等を参考にして、実現のための長期ロードマップを策定して対応していく必要があります。
①経営の基本方針
当社は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の使命と認識し、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに信頼される会社を目指し、事業活動を行ってまいります。
②目標とする経営指標
当社は、その時々の環境に見合った利益を確保しつつグループの全体価値を高め、事業の巾を広げつつグローバル展開を進め、売上の拡大と適正利益の確保を目指します。昨今の新型コロナウイルスの影響や中国進出に伴う負担増等により目先の利益確保は厳しくなりますが、中長期的には8%以上の営業利益率確保を目標に事業を進めてまいります。
③中長期的な会社の経営戦略
金属関連部品事業につきましては、既存客先へのさらなる浸透を基本戦略として展開してまいります。中でも、EVも含めた電動車等の環境対応車を中心とした製品分野への対応強化を重点課題として取り組むと共に、従来にも増して技術開発重視の「真にお客様に求められるものづくり」を目指し、問題解決型、提案型の事業展開を進めてまいります。 また、いがり産業を主体とする樹脂関連部品事業につきましては、当社の営業基盤を活用し、金属関連部品事業の既存客先や新規開拓先への提案を積極的に行い、樹脂部品単体のみならず樹脂+金属のハイブリッド部品の拡販を進め、新たな事業の柱として育ててまいります。 その他事業につきましては、ビスライダー既存品のグローバル市場での拡販を基本戦略として展開してまいります。ツールや新ラインナップ開発を重点課題とし、さらに次なる新商品の開発を進め、他社とのコラボレーションや産学協同事業も試行しつつ引き続きこの事業分野を大きくしてまいります。 海外拠点につきましては、北米・アジア地域への直接販売をさらに強化するために、生産・供給体制の整備と財務体質の強化を図ってまいります。また、2019年10月に設立いたしました睦諾汽車部件(湖北)有限公司の量産稼働も直近での大きな課題となります。昨年からのコロナ禍の影響により立上準備計画も軌道修正しながら進めておりますが、今夏量産開始のスケジュールには変更ありませんので、万難を排して予定通り立上げ、軌道に乗せられるように進めてまいります。その他の海外子会社につきましても、全拠点のネットワークを活用し、さらなる拡販と企業体質強化のための活動を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主要取引先であります自動車業界は、期初から新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、生産ラインの稼働停止等もあり第1四半期は大きく落ち込みました。感染が落ち着いた第2四半期からは徐々に回復し始め、第3四半期には需要が拡大して前年同期以上の増産となりましたが、サプライチェーンの混乱により半導体等の部品不足に陥り、第4四半期には失速しました。このような状況の中、当社グループの売上も上半期の減産が響いて減少しましたが、経費削減等の効果により最終増益となりました。 このような経営環境下における当社グループの対処すべき課題は、以下の通りであります。
① 事業領域の拡大と見直し
新型コロナウイルスの蔓延を契機に、脱炭素社会への取り組みが大きく加速しました。これに伴い自動車の電動化は一気にEV化へと方向付けられ、近い将来自動車を構成する部品の種類が大きく変わり、部品点数も大きく減少する見込みです。これは摺り合わせから組み合わせへ、専用から汎用へとの流れであり、自動車がコモディティー化して家電のような存在になろうとしていることを意味します。様々なプレイヤーがEV事業に名乗りを上げ、OEMのEV組立メーカーが物量で勝負する世界が間近に迫ろうとしています。自動車を取り巻く産業構造が大きく変わって行く中、当社も従来のビジネスの延長線上では生き残れません。新事業を立ち上げ、既存事業でも供給製品の販売先や供給可能な製品の巾を広げる取り組みが必要です。いがりグループの子会社化や睦諾汽車部件有限公司の設立もこうした課題に対する取り組みの一環ですが、基盤となる精密プレス部品と新たに加わった精密樹脂成形部品の販売領域において、また新たに加わる中国という一大消費地域へのアクセスにより、持てるリソースを最大限に活用しつつグループのシナジーを十二分に発揮して事業領域の拡大につなげてまいります。
② 中国拠点量産開始
2019年10月に中国湖北省に設立しました「睦諾汽車部件(湖北)有限公司」は、現在工場稼働準備中です。新型コロナウイルスの影響で立上げ支援も思い通りにできている状態ではありませんが、6月からの稼働に向けて着々と準備を進めています。また、現地のお客様からも引き合いや問い合わせをいただいており、新たなビジネスを獲得できております。EV化が進む中国市場において、これまでに無かった事業領域も模索しながら、中国拠点を早期に軌道に乗せてまいりたいと考えております。
③ 安全と品質の取り組み強化
ここ数年来特に重点を置いて取り組んでまいりました製造業の基本であるS・Q(安全・品質)の強化につきましては、引き続きさらなるレベルアップを目指して改善を進めてまいります。現在稼働準備中となります睦諾汽車部件有限公司につきましても、稼働初期からしっかりと取り組んでまいります。 また、当社は「ISO9001品質マネジメントシステム」を取得しておりますが、サプライチェーン上位の自動車部品メーカーでは自動車産業向けに作られた「IATF16949品質マネジメントシステム」の認証取得が拡大しており、当社客先からも当該システムの認証取得を求められております。このようなことから、2022年度の認証取得を目標に当該システムの構築・運用を進めてまいります。
④ 人材確保の取り組みと働き方の見直し
労働人口が減少して働き方も変化する時代となり、人材の確保が難しくなっています。当社グループの課題を解決していくためには、現状の課題を引き継いで解決していく人材が必要となります。この対応として、人材確保のために中長期的な視野で既存人員も含めた人への投資を厚くし、働き方の見直しを行い、改善を進めていく必要があります。今後もグループ全体を通じて待遇改善と共に働き方の見直しを進め、生産性の向上を図ってまいります。
⑤ 自動化・合理化投資の促進
人材確保の取り組みとの裏表になりますが、工数確保が難しくなる環境下においては、付加価値の低い機械的な単純作業、高度な判断を必要としない仕事等は出来る限り自動化・合理化を進めていく必要があります。当社グループはこれらの自動化・合理化投資を積極的に行い、人材が付加価値の高い仕事に従事できる環境づくりを進めてまいります。またこれからは、これらの取り組みを事務系や間接部門系にも広げてまいりたいと考えております。
⑥ 新型コロナウイルスへの対応
発生から既に1年以上が経過している新型コロナウイルス感染症ですが、ワクチンが開発されて接種が進む一方、世界各地では変異株が発生して感染がさらに拡大しており、変異株へのワクチンの有効性も懸念される中、変異を重ねてワクチンが効かなくなる前に封じ込めなければこれまでのウイルスとの戦いをいつまでも繰り返すことになりそうで、ますます不透明な状態が続いているように思われます。現状では世界のどこかで変異を繰り返すウイルスに対し、どのように終息させるのか終わりが見えなくなっているように感じられます。鍵を握るワクチン接種もなかなか進まない中、会社としても対応を継続・強化する必要があります。当社では感染者を出さないために、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置発令中の全拠点での出張自粛と都市部の営業支店を中心とした時差出勤やテレワークを実施しております。今後の感染状況や社会情勢の変化等により、どのように事業運営し行動しなければならないのかは変わりますが、どのような環境下でもその時々の状況に応じて迅速に行動してまいります。
⑦ 変化に合わせた稼働対応
新型コロナウイルス感染拡大により、様々な潜在的弱点が顕在化しました。日本ではデジタル化や政治・行政の機能不全、危機管理対応でも大きな課題が顕在化しました。産業界ではサプライチェーンの弱点が露わになり、半導体や樹脂材料等の供給不足で自動車生産のラインが停まる事態となっています。鉄鋼材料や非鉄材料の供給不安も水面下では発生しており、いつどんなサプライチェーンが絶たれてラインが停まるか分からない状態となっています。これも効率化のための分業と寡占が進んだ結果だと思われますが、一度供給不足になると挽回するだけの十分な生産能力が無いのが現状であり、問題は長期化する傾向にあります。当社でもこれらの要因で受注が変動する可能性があり、変動には対応していく必要があります。上半期には新型コロナウイルスの影響により一時帰休を実施して稼働を減らす等の対応を行いましたが、今後はサプライチェーンの混乱から同様の稼働調整をする必要が出て来る可能性があります。そうした事が今後現実に発生した場合、これまでの経験を活かし、さらにこれまで以上にしっかりと対応してまいりたいと思います。
⑧カーボンニュートラルへの対応
日本政府が2050年にカーボン排出量実質ゼロを目指すとの方針を打ち出したことに伴い、当社でも事業活動におけるカーボンニュートラル実現のための努力をする必要があります。当社の主力事業では、大型のプレス機や熱処理炉等の様々な設備を稼働させるため、カーボンニュートラル実現のハードルは高く、どのように実現していくのかは今後の大きな課題となります。他社の事例や世の中の技術動向等を参考にして、実現のための長期ロードマップを策定して対応していく必要があります。