有価証券報告書-第119期(2025/01/01-2025/12/31)
(5)人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について
<人的資本投資への基本的な考え方>当社グループは、創業以来、「和して厳しく」の精神のもと、多様な価値観・強みを持つ従業員に応じたキャリア開発を推し進めています。一人ひとりの持つ技術や才能が存分に発揮される環境づくり、その上で、個々が高いこころざしで切磋琢磨、鋭意努力することによる自律的な成長が重要と考えています。
上記の実現に向け、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し、必要な能力を伸ばし、中長期的な企業価値の向上に貢献するための人的資本への投資は、当社経営において重要と考えています。
■人材育成方針
当社グループでは、企業理念やこころざしを体現する人材育成の基本的な考え方として「シマノコンピテンシー」を制定し、「企業」「組織」「個人」の3つの側面から、「価値創造企業」の実現に向けた人材像を可視化しています。当コンピテンシーに基づき、従業員が自発的に学ぶ風土の醸成、新しい知識の発見・実践・体験の場の提供、従業員同士のつながりの創出を通じて、「こころ躍る製品」の提供につなげています。
代表的な取り組みとして、2022年に社内大学「Shimano Campus」を創設し、会社の歴史や理念などへの理解を浸透させるためのコンテンツや、従業員同士がつながり、互いの専門知識や経験を共有できる場を、バーチャルとリアルの二つの側面で構築しました。バーチャルでは、WEB上で一般教養や専門知識など多様なコンテンツにアクセスできる環境を整備し、リアルでは、経営層と従業員が率直に意見を交換する対話型セッション「ラウンドテーブル」を開催しています。
また、新しい知識の発見・実践・体験の場の提供として、国内・海外拠点間、または海外拠点同士での人材育成プログラムを実施し、グローバルリーダーの育成を推進しています。その例として、Shimano Leadership Development(SLD)のプログラムでは、若手技術者が欧米の小売現場に滞在し、製品の使用・販売現場を体験します。他にも、海外拠点の次世代リーダーを本社に招き、企業理念や文化への理解を深めるプログラムとして、Learning Team Shimano Program(LTSP)の実施、また、勤務地とは異なる拠点で約3ケ月間働き、拠点間の人的交流と相互理解を深めるプログラムであるApprentice Programを2024年に開始し、2025年には本社と欧州の拠点で実施しました。その他にも、新入社員向けのオンボーディング研修、職位ごとに求められる資質やスキルの開発を目的とした中堅層の階層別研修(管理職研修含む)、語学研修および通信教育の充実に努めています。なお、一部の管理職層以上に対しては、自己分析と能力強化を促すグローバルアセスメントツールを導入し、アセスメント結果を活用した全世界共通の強化トレーニングを開始しています。
加えて、従業員一人ひとりが生産性を飛躍的に高められるよう、生成AIをグループ全体に順次導入し、“With AI”の環境づくりを推進しています。この理解促進とスキル向上を目的とした研修を、受講を希望した従業員に対して実施しています。
※各取り組みにおける指標については、(表1)にて記載しています。
これらの人材育成の考え方や取り組みをグループ全体でさらに浸透させるための取り組みとして、「Career Development Project(CDP)」を進めています。CDPは、海外拠点を含む約25社・80名超のメンバーが関与するプロジェクトであり、Team Shimanoメンバーの自己実現とキャリア開発を支援することを目的に、グループ全体での人材育成を体系的に推進しています。
月1回のチームメールマガジン発行や年2回のCDP全体会議を中心に、各拠点の人事担当者が連携し、地域特性を踏まえた育成施策を企画・実行しています。さらに、Shimano (Singapore) Pte. Ltd.、Shimano Europe B.V.と本社の3拠点では、CDPの基幹として毎月の定例会議を実施し、それぞれの人材育成テーマに基づく議論と施策の共有を行っています。当施策を通じ、当社はグループ全体での人材育成を強化し、持続的な企業価値向上を目指しています。
(表1)
*1 提出会社のみ
*2 国内・海外主要拠点(提出会社/Shimano (Singapore) Pte. Ltd./ Shimano Europe B.V.)
*3 国内・海外を含む、連結会社の集計値
提出会社のみで実施している取り組み(*1)については、提出会社の従業員育成を目的としているため、提出会社単独の取り組みとして開示しています。対象拠点を主要拠点に限定している取り組み(*2)については、主要拠点のみで集計を行っていることから、その内容を対象範囲に即して開示しています。今後は、主要拠点を起点として、各管轄拠点へと取り組みを拡大していくことを目指します。
また、年間目標を定量的に設定していない取り組みについては、各拠点が受講を必要と判断した方を受講対象とする方針、もしくは従業員が自ら手を挙げて受講する方針であるため、人数を指標とした目標は設けていません。今後も、対象者全員が受講している状態を継続していきます。
■社内環境整備方針
当社グループでは、経営方針の1つである「達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める」を実現するために、多様な経験・知見を持つ人材を積極的に取り入れ、従業員ごとの働き方のニーズに応え、健康に安心して働ける職場環境の構築が重要と考えています。
提出会社の具体的な取り組みとしては、時間や場所に捉われず、柔軟な働き方が可能となる時差勤務制度・時間単位での有給休暇制度・在宅勤務制度や、育児・介護・病気・不妊治療と仕事の両立を支援する取り組みの拡充に努めています。時差勤務制度・時間単位での有給休暇制度・在宅勤務制度については、指標や目標は設けず、必要なタイミングで取得できる制度となっています。育児支援においては、育児休業の取得率を指標とし、提出会社の実績で女性100%、男性74.4%でした。今後も、男性の育休取得率50%以上を目標とし、取得しやすい環境整備に努めます。介護支援においては、従業員の不安解消や事前準備を促すことを目的とした支援を新たに導入し、介護ハンドブックの発行や社内だけでなく外部の専門相談窓口設置を開始した他、国内連結子会社も対象に含めた介護支援セミナーを年2回実施し情報発信を行っています。
また、職場の心理的安全性は重要であり、当社グループ全体が遵守している「行動規範」においても差別、ハラスメントの禁止をうたい、コンプライアンス意識の浸透を目的としたE-ラーニングを提出会社の従業員の96%が受講しており、今後は全員受講を目指し、引き続きコンプライアンス意識の更なる向上を行ってまいります。その他、ストレスチェックの結果をもとに部署へのフィードバックやサポートなどを実施しています。
従業員の健康促進の観点では、自転車通勤の促進として、駐輪場、浴場、メンテナンス場の整備、自転車通勤手当の支給や、自転車・ヘルメット購入補助などを実施しています。現在では提出会社の従業員の約4割にあたる729名が自転車通勤を選択し、社内においても自転車文化の向上、従業員の健康支援を促進しています。
当社グループ全体としては、労働安全衛生方針に定める「安全と健康はすべてに優先する」という精神に基づき、従業員が安心して安全に働くことができる職場構築に努めています。労働災害ゼロを目指し、2018年に本社でスタートした安全特化(守破離)プロジェクトは本社および下関工場において継続的な安全活動として定着してきました。安全な職場づくり、安全なひとづくりが根付きつつある中、安全衛生活動を国内外の他拠点へも展開しています。一例として、Shimano (Singapore) Pte. Ltd.をはじめ東南アジア工場や欧州工場へ展開し、自律的かつ継続的な活動が実現できる、潜在的な危険認知力の強化を目的とした人材育成を進めています。
また、労働災害や事故事例を国内外の工場全体へ速やかに共有し、疑似災害や事故の未然防止を図る取り組みをグループ全体で開始しています。
上記のように、社内環境整備方針における取り組みについて、「行動規範」におけるハラスメントの禁止や労働安全衛生方針を除き、提出会社を中心に開示を行っていますが、これは、グループ全体で統一的な情報収集体制が整備途上であり、特に海外拠点においては、各国の法制度や文化的背景、労働慣行の違いにより、共通の定義や指標を用いたデータ集約が容易ではなく、現段階で連結会社を対象とした網羅的な開示は困難であると判断したためです。一方で、提出会社はグループの中核拠点であり、従業員数や業務規模の観点からも、当社グループの施策を代表する事例として重要な情報を提供できると考え、開示対象としています。今後は、グループ全体での情報収集体制を強化し、連結ベースでの包括的な開示を目指し、より充実した情報提供を行ってまいります。
<人的資本投資への基本的な考え方>当社グループは、創業以来、「和して厳しく」の精神のもと、多様な価値観・強みを持つ従業員に応じたキャリア開発を推し進めています。一人ひとりの持つ技術や才能が存分に発揮される環境づくり、その上で、個々が高いこころざしで切磋琢磨、鋭意努力することによる自律的な成長が重要と考えています。
上記の実現に向け、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し、必要な能力を伸ばし、中長期的な企業価値の向上に貢献するための人的資本への投資は、当社経営において重要と考えています。
■人材育成方針
当社グループでは、企業理念やこころざしを体現する人材育成の基本的な考え方として「シマノコンピテンシー」を制定し、「企業」「組織」「個人」の3つの側面から、「価値創造企業」の実現に向けた人材像を可視化しています。当コンピテンシーに基づき、従業員が自発的に学ぶ風土の醸成、新しい知識の発見・実践・体験の場の提供、従業員同士のつながりの創出を通じて、「こころ躍る製品」の提供につなげています。
代表的な取り組みとして、2022年に社内大学「Shimano Campus」を創設し、会社の歴史や理念などへの理解を浸透させるためのコンテンツや、従業員同士がつながり、互いの専門知識や経験を共有できる場を、バーチャルとリアルの二つの側面で構築しました。バーチャルでは、WEB上で一般教養や専門知識など多様なコンテンツにアクセスできる環境を整備し、リアルでは、経営層と従業員が率直に意見を交換する対話型セッション「ラウンドテーブル」を開催しています。
また、新しい知識の発見・実践・体験の場の提供として、国内・海外拠点間、または海外拠点同士での人材育成プログラムを実施し、グローバルリーダーの育成を推進しています。その例として、Shimano Leadership Development(SLD)のプログラムでは、若手技術者が欧米の小売現場に滞在し、製品の使用・販売現場を体験します。他にも、海外拠点の次世代リーダーを本社に招き、企業理念や文化への理解を深めるプログラムとして、Learning Team Shimano Program(LTSP)の実施、また、勤務地とは異なる拠点で約3ケ月間働き、拠点間の人的交流と相互理解を深めるプログラムであるApprentice Programを2024年に開始し、2025年には本社と欧州の拠点で実施しました。その他にも、新入社員向けのオンボーディング研修、職位ごとに求められる資質やスキルの開発を目的とした中堅層の階層別研修(管理職研修含む)、語学研修および通信教育の充実に努めています。なお、一部の管理職層以上に対しては、自己分析と能力強化を促すグローバルアセスメントツールを導入し、アセスメント結果を活用した全世界共通の強化トレーニングを開始しています。
加えて、従業員一人ひとりが生産性を飛躍的に高められるよう、生成AIをグループ全体に順次導入し、“With AI”の環境づくりを推進しています。この理解促進とスキル向上を目的とした研修を、受講を希望した従業員に対して実施しています。
※各取り組みにおける指標については、(表1)にて記載しています。
これらの人材育成の考え方や取り組みをグループ全体でさらに浸透させるための取り組みとして、「Career Development Project(CDP)」を進めています。CDPは、海外拠点を含む約25社・80名超のメンバーが関与するプロジェクトであり、Team Shimanoメンバーの自己実現とキャリア開発を支援することを目的に、グループ全体での人材育成を体系的に推進しています。
月1回のチームメールマガジン発行や年2回のCDP全体会議を中心に、各拠点の人事担当者が連携し、地域特性を踏まえた育成施策を企画・実行しています。さらに、Shimano (Singapore) Pte. Ltd.、Shimano Europe B.V.と本社の3拠点では、CDPの基幹として毎月の定例会議を実施し、それぞれの人材育成テーマに基づく議論と施策の共有を行っています。当施策を通じ、当社はグループ全体での人材育成を強化し、持続的な企業価値向上を目指しています。
(表1)
| 取り組み | 指標 | 実績 (2025年) | 目標 (2026年) | |
| ラウンドテーブル | 参加人数 | 211名*3 | 設けない | |
| グローバル リーダー研修 | Shimano Leadership Development (SLD) | 開催数・参加人数 | 1回、6名*1 | 年1回実施 |
| Learning Team Shimano Program (LTSP) | 開催数・参加人数 | 2回、12名*2 | 年2回実施 | |
| Apprentice Program | 開催数・参加人数 | 1回、5名*2 | 年1回実施 | |
| 階層別研修 | 新入社員オンボーディング研修 | 研修受講者数 | 842名*3 | 全対象者が受講 |
| 中堅層階層別研修 | 研修受講者数 | 134名*1 | 全対象者が受講 | |
| 管理職研修 | 研修受講者数 | 562名*2 | 全対象者が受講 | |
| グローバルアセスメントツール | 研修受講者数 | 115名*2 | 全対象者が受講 | |
| 語学研修 | 研修受講者数 | 420名*1 | 主体的受講を支援 | |
| 通信教育 | 受講者数 | 209名*1 | 主体的受講を支援 | |
| “With AI”の環境づくり | AI研修受講者数 | 164名*1 | 主体的受講を支援 | |
*1 提出会社のみ
*2 国内・海外主要拠点(提出会社/Shimano (Singapore) Pte. Ltd./ Shimano Europe B.V.)
*3 国内・海外を含む、連結会社の集計値
提出会社のみで実施している取り組み(*1)については、提出会社の従業員育成を目的としているため、提出会社単独の取り組みとして開示しています。対象拠点を主要拠点に限定している取り組み(*2)については、主要拠点のみで集計を行っていることから、その内容を対象範囲に即して開示しています。今後は、主要拠点を起点として、各管轄拠点へと取り組みを拡大していくことを目指します。
また、年間目標を定量的に設定していない取り組みについては、各拠点が受講を必要と判断した方を受講対象とする方針、もしくは従業員が自ら手を挙げて受講する方針であるため、人数を指標とした目標は設けていません。今後も、対象者全員が受講している状態を継続していきます。
■社内環境整備方針
当社グループでは、経営方針の1つである「達成感と、よろこびを分かち合える、公正でいきいきとした職場づくりに努める」を実現するために、多様な経験・知見を持つ人材を積極的に取り入れ、従業員ごとの働き方のニーズに応え、健康に安心して働ける職場環境の構築が重要と考えています。
提出会社の具体的な取り組みとしては、時間や場所に捉われず、柔軟な働き方が可能となる時差勤務制度・時間単位での有給休暇制度・在宅勤務制度や、育児・介護・病気・不妊治療と仕事の両立を支援する取り組みの拡充に努めています。時差勤務制度・時間単位での有給休暇制度・在宅勤務制度については、指標や目標は設けず、必要なタイミングで取得できる制度となっています。育児支援においては、育児休業の取得率を指標とし、提出会社の実績で女性100%、男性74.4%でした。今後も、男性の育休取得率50%以上を目標とし、取得しやすい環境整備に努めます。介護支援においては、従業員の不安解消や事前準備を促すことを目的とした支援を新たに導入し、介護ハンドブックの発行や社内だけでなく外部の専門相談窓口設置を開始した他、国内連結子会社も対象に含めた介護支援セミナーを年2回実施し情報発信を行っています。
また、職場の心理的安全性は重要であり、当社グループ全体が遵守している「行動規範」においても差別、ハラスメントの禁止をうたい、コンプライアンス意識の浸透を目的としたE-ラーニングを提出会社の従業員の96%が受講しており、今後は全員受講を目指し、引き続きコンプライアンス意識の更なる向上を行ってまいります。その他、ストレスチェックの結果をもとに部署へのフィードバックやサポートなどを実施しています。
従業員の健康促進の観点では、自転車通勤の促進として、駐輪場、浴場、メンテナンス場の整備、自転車通勤手当の支給や、自転車・ヘルメット購入補助などを実施しています。現在では提出会社の従業員の約4割にあたる729名が自転車通勤を選択し、社内においても自転車文化の向上、従業員の健康支援を促進しています。
当社グループ全体としては、労働安全衛生方針に定める「安全と健康はすべてに優先する」という精神に基づき、従業員が安心して安全に働くことができる職場構築に努めています。労働災害ゼロを目指し、2018年に本社でスタートした安全特化(守破離)プロジェクトは本社および下関工場において継続的な安全活動として定着してきました。安全な職場づくり、安全なひとづくりが根付きつつある中、安全衛生活動を国内外の他拠点へも展開しています。一例として、Shimano (Singapore) Pte. Ltd.をはじめ東南アジア工場や欧州工場へ展開し、自律的かつ継続的な活動が実現できる、潜在的な危険認知力の強化を目的とした人材育成を進めています。
また、労働災害や事故事例を国内外の工場全体へ速やかに共有し、疑似災害や事故の未然防止を図る取り組みをグループ全体で開始しています。
上記のように、社内環境整備方針における取り組みについて、「行動規範」におけるハラスメントの禁止や労働安全衛生方針を除き、提出会社を中心に開示を行っていますが、これは、グループ全体で統一的な情報収集体制が整備途上であり、特に海外拠点においては、各国の法制度や文化的背景、労働慣行の違いにより、共通の定義や指標を用いたデータ集約が容易ではなく、現段階で連結会社を対象とした網羅的な開示は困難であると判断したためです。一方で、提出会社はグループの中核拠点であり、従業員数や業務規模の観点からも、当社グループの施策を代表する事例として重要な情報を提供できると考え、開示対象としています。今後は、グループ全体での情報収集体制を強化し、連結ベースでの包括的な開示を目指し、より充実した情報提供を行ってまいります。