有価証券報告書-第151期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 13:11
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引上げによる急速な落ち込みがあったものの、年度の後半は個人消費も底堅い動きとなり、また、日銀の追加金融緩和等を背景に円安が加速し、輸出企業を中心とする企業収益の改善がみられ、景気は緩やかに持ち直してまいりました。
このような情勢のもと、鋼管業界におきましては、消費税増税の影響により自動車・住宅関連で消費が落ち込み、下期に入っても回復は見られませんでした。また、建設関連ではインフラ投資、震災復興需要などの期待があったものの、一部で人手不足に起因する進捗遅れなどにより荷動きが低迷し、厳しい状況が続きました。さらに、中国経済の成長鈍化に伴う鉄鋼製品の供給過剰を背景に国際マーケット価格は下落しており、国内の鉄鋼市場においても弱含みとなっております。
当社グループといたしましては、年度前半の販売価格是正によりステンレス製品は比較的好調に推移しましたが、年度末に向けて消費税増税などの影響により需要が落ち込み、厳しい状況となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は36,819百万円(前年度比0.8%減)、営業利益770百万円(前年度比3.0%増)、経常利益884百万円(前年度比35.0%増)となり、当期純利益は601百万円(前年度比41.4%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりです。
(鋼管関連)
普通鋼製品においては、前年度の販売が消費税増税前の駆け込み需要などの影響により高水準に推移したこともあり、建築着工数の落ち込みや自動車生産の減産傾向など、一部で弱い動きとなりました。また、人手不足による人件費の上昇等に伴う建設計画の見直し、電力料金の値上げや円安に伴う諸費用の高騰による生産コストの上昇など、取り巻く環境は厳しい状況となりました。
ステンレス製品につきましては、年度前半には原材料であるニッケル価格の上昇により、販売価格是正を進めましたが、下期に入りニッケル価格が下落に転じ、市場は軟化傾向となりました。そのような中、製薬、医療などの業種や水処理関連の需要は安定しており、食品飲料、鉄道車両関連なども比較的堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は34,645百万円(前年度比1.6%減)、営業利益は522百万円(前年度比5.8%増)となりました。
(自転車関連)
国内の自転車業界につきましては、消費税増税の影響に伴う需要の減少からの回復が弱く、国内生産車、輸入車共に販売は昨年以上に減少しました。しかし、健康志向や環境・省エネなどの配慮から愛好者の広がりがあるスポーツ用自転車は、比較的安定した需要があるものの、多くが輸入商品であることから、円安の影響を受け利益率が低下しており、価格是正に伴い販売台数に影響を受けました。
このような状況の中で、「アラヤ」及び「ラレー」ブランドのスポーツ用自転車は、販売台数を伸ばしておりますが、急激な円安により販売価格是正が遅れ利益率が低下しております。
タイをはじめ東南アジア諸国をスポーツ用自転車の新しい市場として取り組んでおり、販売は増加しております。
国内生産の中心となっている電動アシスト自転車は、徐々に品揃えが多様化しており、需要は堅調に推移しております。それに採用されている当社のステンレスリムは強度・精度面の評価が高く、販売を維持しております。アルミリムにつきましては、引き続き中高級品に絞り込み、インドネシア子会社との連携により拡販に努めました。
この結果、当セグメントの売上高は1,626百万円(前年度比15.4%増)、営業損失は59百万円(前年度は営業損失67百万円)となりました。
(不動産等賃貸)
不動産賃貸収入につきましては、東京工場跡地の地代収入を中心として、新たに東京都江東区に建設した自社ビル「アラヤ清澄白河ビル」の賃貸収入が加わり安定した業績をあげております。
この結果、当セグメントの売上高は387百万円(前年度比1.3%増)、営業利益は312百万円(前年度比13.9%減)となりました。
(その他)
その他は機械設備・福祉機器関連の事業であります。
機械設備関連の販売につきましては、景気が回復基調にあるなかで、企業の収益改善から設備投資が持ち直しており、主要ユーザーの自動車部品業界においても新規設備の引き合い案件が出てきており、一部について受注、販売ができました。しかし、輸入機械設備の販売は、為替動向、製品輸出動向など企業にとって先行きに不透明感があり、引き合い案件の進捗は不確かな状況が続いております。
この結果、売上高は159百万円(前年度比10.5%増)、営業利益は12百万円(前年度比42.2%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,686百万円となり、前連結会計年度末より571百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は622百万円(前年度は1,215百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が320百万円増加したことや、売上債権の増減額が273百万円の資金増加から774百万円の資金増加になったものの、たな卸資産の増減額が218百万円の資金減少から1,048百万円の資金減少になったことや、法人税等の支払額が245百万円増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は625百万円(前年度は1,103百万円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が140百万円減少したことや、有形固定資産の売却による収入が105百万円増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は583百万円(前年度は502百万円の資金の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が262百万円の資金減少から305百万円の資金減少になったことや、配当金の支払額が55百万円増加したことなどによるものであります。