有価証券報告書-第112期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 13:06
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、産業防災保安機器メーカーとして、「人々が安心して働ける環境づくり」を永久のテーマとして社会の発展に貢献することを経営理念とし、良き企業市民として、法令遵守と環境保全に努め社会的責任を果たすため、以下の5つの経営方針を掲げております。
・技術の開発と経営の合理性から、適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す
・お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する
・株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる
・取引先とは、安定した取引を目指し、共存共栄を図る
・従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる
(2) 目標とする経営指標
事業活動における収益性の向上と同時に、資本効率の向上を図るため、営業利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、中長期的な目標として産業用ガス検知警報器分野で国内のトップメーカーから、世界のトップメーカーを目指し、①競争力(価格・技術・品質)の強化、②販売サービス体制の最適化を積極的に推進しております。
競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により、「多機能化」、「小型化」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略で、価格・技術・品質面での競争力の強化を目指します。
販売サービス体制の最適化につきましては、販売サービス体制の最適化については、ユーザーの工場の新設・移転等の事業環境の変化に対応するため、拠点の新設・統合等を含む柔軟かつ機動的な再配置、最適なサービス体制を目指し、運用面での技術指導から保守点検に至るまで万全なサービスネットを構築し、ユーザーニーズを素早くキャッチアップする体制づくりを推進しております。
今後は、海外市場シェア拡大の経営方針のもと、海外進出を加速させ、世界市場における当社シェアの拡大を目指します。
(4) 当面の対処すべき課題の内容
次期連結会計年度の見通しにつきましては、国内経済は、好調な企業業績や堅調な雇用・所得情勢により景気は緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。
産業防災保安機器業界におきましても同様の傾向と推察されますが、為替変動による企業の投資抑制や米国の通商政策などによる経営環境の変化は否めないものと考えられます。
このような状況のもと、当社グループは、防災保安機器メーカーとして品質管理体制並びにサービス体制の更なる充実、ユーザーニーズを的確にとらえた新製品の開発、生産体制の効率化と省力化による原価低減、一層徹底した経費削減に努めると同時に国内外での積極的な販売活動を展開し、全社をあげて今後の業績確保を図ってまいります。
現在の取組み状況は次のとおりです。
・海外市場シェア拡大に注力する経営方針のもと、北米市場におけるシェア拡大のため、平成29年3月31日付で北米市場における総代理店であるRKI Instruments,Inc.の株式を追加取得し、子会社化することで一層の販売力強化を図っております。
・欧州市場におけるシェア拡大および充実したアフターメンテナンスサービスの提供を目的として、ドイツに子会社RIKEN KEIKI GmbHを設立いたしました。
・平成28年4月に開始した本社新社屋建築工事(一期工事)が、平成29年9月に完了いたしました。今後、旧社屋解体・駐車場整備等を含めた外構工事(二期工事)を行い、平成30年9月に全工程が完了する予定です。
(5) 会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、当社の株主は、一般に市場での自由な取引を通じて決まるものであるとともに、会社の方針の決定を支配する者も株主の皆さまの意思に基づき決定されるべきものと考えており、また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案がなされた場合にこれに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、次のような取組みを実施しております。
(ⅰ)中長期的な企業価値・株主共同の利益向上への取組み
当社は、“人々が安心して働ける環境づくり”を経営理念として掲げ、各種爆発事故防止をはじめとし、排気ガス規制、CO2測定など環境保全ニーズにも幅広く対応したガスセンサー技術のパイオニアとして社会に貢献するとともに、「安全」を供給する企業としての責務を果たすべく、機器の販売のみならず、販売後の保守・点検及びガスを検知するセンサーの交換など定期的なメンテナンスにも積極的に取り組んでまいりました。その結果、現在、当社の主力製品である産業用ガス検知警報機器は、半導体・液晶、石油化学、建設、電力・ガス、鉄鋼、造船等の幅広い業種にてご利用いただいております。
また当社では、経営方針として、a.技術の開発と経営の合理性から適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す
b.お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する
c.株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる
d.取引先には、安定した取引を目指し共存共栄を図る
e.従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる
を掲げ、国内のトップメーカーから世界のトップメーカーへの飛躍を目標として日々邁進しております。
この目標を達成するため、(ア)競争力(価格・技術・品質)の強化、(イ)販売サービス体制の最適化という2つの観点から次の具体的施策を推進しております。
まず、(ア)競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により「多機能化・小型化」、「操作性・メンテナンス性の向上」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略を推進しており、これにより、価格・技術・品質面での競争力のさらなる強化を目指しております。
次に、(イ)販売サービス体制の最適化については、ユーザーの工場の新設・移転等の事業環境の変化に対応するため、拠点の新設・統合等を含む柔軟かつ機動的な再配置、最適なサービス体制を目指し、運用面での技術指導から保守点検に至るまで万全なサービスネットを構築し、ユーザーニーズを素早くキャッチアップする体制づくりを推進しております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化による企業価値・株主共同の利益向上への取組み
当社では、適切な企業集団の形成を図るため、次のとおりコーポレート・ガバナンス体制をとっております。
a.当社の取締役会は、9名の取締役からなり、迅速かつ適切な意思決定を行うため、定期的に取締役会を開催しております。また、執行役員制度を導入し、経営組織の効率化と責任の明確化を図っております。
b.社外取締役を除く全取締役及び執行役員で構成する経営企画会議を隔週で開催し、経営・研究開発・生産・販売・品質管理・情報管理を中心とした業務全般に亘る意思決定と業務執行の迅速な対応を図っております。
c.監査等委員会は監査等委員4名で構成されており、内3名は、社外取締役であります。監査等委員は取締役会、経営企画会議その他重要な会議に出席並びに重要文書の閲覧等厳正な監査を実施して、取締役の意思決定の過程及び取締役の職務執行状況についても常に監視し、また、会計監査人より会計監査の監査計画の説明、会計監査の監査実施状況並びに監査結果の報告を受けると同時に、適宜情報交換を行っております。
以上当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・社員一丸となって取り組んでおり、これらの取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
(注)当社は、平成30年5月14日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)の有効期限満了時をもって本プランを継続せず、廃止することを決議いたしました。なお、当社は、本プランの廃止後も引き続き、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に向けた取組みを進めてまいります。当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、株主の皆様が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。