有価証券報告書-第109期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/26 12:57
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122項目

対処すべき課題

(1) 当面の対処すべき課題の内容
今後のわが国経済は米国の景気拡大に牽引され、全体として景気は緩やかに回復するものと見込まれる一方、消費税率引き上げによる需要の変動や為替変動の懸念など先行き不透明感が続くものと考えられます。
産業防災保安機器業界におきましても、緩やかな景気回復が期待されますが、企業間競争の激化や為替変動等の懸念材料を考慮に入れると、予断を許さない状況が続くものと予想されます。
このような状況のもと、当社グループは、防災保安機器メーカーとして品質管理体制並びにサービス体制の充実、ユーザーニーズにそった製品開発、生産体制の効率化と省力化による原価低減、経費削減に努めると同時に国内外での積極的な販売活動を展開し、今後の業績確保を図ってまいります。
現在の取り組み状況は次のとおりです。
・中長期的な技術開発力の強化及び生産技術力の向上を図るため、埼玉県春日部市に開発センターを建設し、平成27年1月より稼働しております。
・販売部門とアフターメンテナンス部門の連携をより一層強化するため、平成27年1月1日付で、当社の完全子会社であり、当社製品のアフターメンテナンス事業を行っている理研サービス株式会社、理研計器関西サービス株式会社及び理研計器西日本サービス株式会社の3社を吸収合併いたしました。
・平成27年6月26日開催の定時株主総会において定款の変更が決議されたことにより、監査・監督機能の強化とコーポレート・ガバナンス体制の充実およびさらなる経営の健全性と透明性の向上を図るため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。
(2) 会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、当社の株主は、一般に市場での自由な取引を通じて決まるものであるとともに、会社の方針の決定を支配する者も株主の皆さまの意思に基づき決定されるべきものと考えており、また、当社の支配権の移転を伴う大規模な買付行為や買付提案がなされた場合にこれに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社では、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上のために、次のような取り組みを実施しております。
(ⅰ)中長期的な企業価値・株主共同の利益向上への取り組み
当社は、“人々が安心して働ける環境づくり”を経営理念として掲げ、各種爆発事故防止をはじめとし、排気ガス規制、CO2測定など環境保全ニーズにも幅広く対応したガスセンサー技術のパイオニアとして社会に貢献するとともに、「安全」を供給する企業としての責務を果たすべく、機器の販売のみならず、販売後の保守・点検およびガスを検知するセンサーの交換など定期的なメンテナンスにも積極的に取り組んでまいりました。その結果、現在、当社の主力製品である産業用ガス検知警報機器は、半導体・液晶、石油化学、建設、電力・ガス、鉄鋼、造船等の幅広い業種にてご利用いただいております。
また当社では、経営方針として、a.技術の開発と経営の合理性から適正な利益を追求し、持続的な発展を目指す
b.お客様には、高品質の製品と充実したサービスを提供し、安全な環境づくりに貢献する
c.株主には、長期的視点に立った企業価値の向上をもって報いる
d.取引先には、安定した取引を目指し共存共栄を図る
e.従業員には、生活の安定と労働環境の向上をもって報いる
を掲げ、国内のトップメーカーから世界のトップメーカーへの飛躍を目標として日々邁進しております。
この目標を達成するため、(ア)競争力(価格・技術・品質)の強化、(イ)販売サービス体制の充実という2つの観点から次の具体的施策を推進しております。
まず、(ア)競争力強化の具体策としては、自社独自の技術による新製品の開発により「多機能化・小型化」、「操作性・メンテナンス性の向上」、「高信頼性」を実現する製品差別化戦略を推進しており、これにより、価格・技術・品質面での競争力のさらなる強化を目指しております。
次に、(イ)販売サービス体制の充実については、全国各地に営業所及びサービスステーションを配置し、運用面での技術指導から保守点検に至るまでの万全なサービスネットの構築を推進しており、ユーザーニーズをすばやくキャッチアップする体制のさらなる強化を目指しております。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化による企業価値・株主共同の利益向上への取り組み
当社では、適切な企業集団の形成を図るため、次のとおりコーポレート・ガバナンス体制をとっております。
a.当社の取締役会は、9名の取締役からなり、迅速かつ適切な意思決定を行うため、定期的に取締役会を開催しております。また、執行役員制度を導入し、経営組織の効率化と責任の明確化を図っております。
b.社外取締役を除く全取締役および執行役員で構成する経営企画会議を隔週で開催し、経営・研究開発・生産・販売・品質管理・情報管理を中心とした業務全般に亘る意思決定と業務執行の迅速な対応を図っております。
c.平成27年6月26日開催の定時株主総会以降、監査等委員会設置会社に移行いたしました。監査等委員会は監査等委員4名で構成されており、内3名は、社外取締役であります。監査等委員は取締役会、経営企画会議その他重要な会議に出席並びに重要文書の閲覧等厳正な監査を実施して、取締役の意思決定の過程及び取締役の職務執行状況についても常に監視する体制となります。また、会計監査人より会計監査の監査計画の説明、会計監査の監査実施状況並びに監査結果の報告を受けると同時に、適宜情報交換を行い、監査体制の充実を図ります。
以上当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることに役員・社員一丸となって取り組んでおり、これらの取り組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みの概要
当社は会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を導入・継続しております。
その概要は以下のとおりです。
(ⅰ)本プラン継続の目的
本プランは、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして継続するものです。
(ⅱ)本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる大規模買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
(ⅲ)特別委員会の設置
本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、特別委員会規程に基づき、特別委員会を設置いたします。特別委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行から独立している社外取締役または社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任します。
(ⅳ)大規模買付ルールの概要
a.大規模買付者による当社に対する意向表明書・必要情報の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、大規模買付行為または大規模買付行為の提案に先立ち、大規模買付ルールに従う旨の法的拘束力を有する誓約文言を含む大規模買付の内容等を記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただき、当社取締役会は、意向表明書を受領した日から10営業日以内に、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する情報(以下「必要情報」といいます。)として当社取締役会への提出を求める事項について記載した書面(以下「必要情報リスト」といいます。)を交付し、大規模買付者には、必要情報リストに従い、必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。
b.当社取締役会による必要情報の評価・検討等
当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し必要情報の提出を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合は最長60日間またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定し、提供された必要情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ公表いたします。
c.取締役会の決議および株主総会の開催
当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動または不発動等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。また、当社取締役会は、特別委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、当社株主総会を開催する場合があります。
(ⅴ)大規模買付行為がなされた場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合には、例外的に、特別委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性を十分検討した上で、また、必要に応じて株主総会を開催し、株主の皆様の承認を得た上で、対抗措置の発動を決定することができるものとします。
(ⅵ)本プランの有効期限等
本プランの有効期限は、平成30年6月30日までに開催予定の当社第112回定時株主総会終結の時までとなっております。
また、本プランの有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
なお、本プランの詳細につきましては、当社ホームページにその開示資料(平成27年4月27日付「当社株式の大規模買付行為に関する(買収防衛策)の継続について」を掲載しておりますのでご参照ください(http://www.rikenkeiki.co.jp/)。
④ 本プランの合理性について(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)
当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮することにより、本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
(i)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものになっております。
(ⅱ)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入・継続されていること
本プランは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入・継続したものです。
(ⅲ)株主意思を反映するものであること
本プランは、当社定時株主総会において株主の皆様のご承認をもって発効することとしており、その導入・継続について株主の皆様のご意向が反映されております。また、本プランの有効期間中であっても、当社株主総会において本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
(ⅳ)独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されております。
(ⅴ)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。従いまして、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の任期が1年のため、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではございません。
なお、当社では取締役解任決議要件につきましても、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしておりません。