有価証券報告書-第32期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 15:53
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社は、水を電気分解して得られる水素を豊富に含み「抗酸化性」を持った水、「電解水素水」の研究及びそれを生成する「整水器」等の開発を行っております。
電解水素水の研究につきましては、東北大学大学院医学系研究科、九州大学大学院遺伝子工学科、高知大学医学部、カロリンスカ研究所(スウェーデン)、台湾大学院臨床医学研究所等、国内外の大学、研究機関との産学共同体制で行っており、飲用から、医療・予防医療分野を始め、食品、農・工業、化粧品、アンチエイジング分野等への多用途化を目的に、積極的に研究開発を推進しております。
[医療・予防医療分野]
「電解水透析®」では、カロリンスカ研究所、東北大学、福島県立医科大学等との臨床研究及び前述の補助金を得ている研究開発を引き続き推進してまいります。現在、新規に4病院からの電解水透析システムの受注を見込んでおりますが、その認知の広がりとともに、医療機関等からの問い合わせも徐々に増えており、今後、着実に普及を拡大していけると考えております。
[基礎研究分野]
基礎研究分野では、電解水素水の効果の機序解明を目的に、九州大学及びカロリンスカ研究所との共同研究を引き続き推進してまいります。
[遺伝子診断分野]
㈱トリムジンホールディングス(及びTRIMGEN CORPORATION)では、当連結会計年度にFDAの治験キットに採用さ
れる等、製品の精度や技術力の高さを実証致しました。
治験関連については、現在データの最終纏め段階に入っており、次期につきましては、本来のターゲットである
「がん関連遺伝子診断キット」の事業開発に注力いたします。がん関連では、すでに保険適用されている遺伝子が複数あり、診断用途として市場が最も大きい分野です。
2015年度からの国内外での本格的展開を目指し、日本においては2014年度中の体外診断薬申請に向けて、三重大学と臨床試験を実施しております。同時に、欧州、中国への展開を目的に、本年中のCEマークの認証取得に向けて取り組んでおります。
[再生医療分野]
再生医療分野では、iPS細胞等、日・米を中心に産官学共同での国を挙げた研究開発が強力に進められておりま
す。とりわけ、現在は治療法がない疾患に対する効果が待ち望まれる中、将来の疾病や再生医療・細胞治療に備え、さい帯血や再生医療に必要な細胞を長期保管するサービスへの需要は益々拡大すると考えております。なお、新生児数に対するさい帯血の保管割合は、米国で約7%、韓国で約12%に対し、日本ではまだ約0.4%であり、市場の成長余地は非常に大きいと考えております。
[農業分野]
農業分野では、5月より高知県南国市において大型ハウス(約1,300㎡)で還元野菜の本格的栽培を開始いたしま
す。また、さらなる規模拡大にも取り組んでまいる予定です。今後、農作物の生産効率向上、栄養価の高い機能性
作物の生産への寄与、植物工場での活用等、「還元野菜®」による農業分野での事業構築、拡大を積極的に推進し、高品質、高付加価値農業を世界へ広げるべくチャレンジして参ります。
[製品開発]
様々な研究成果を反映し、家庭用、業務用、医療用の電解水素水整水器の更なる改良及び新製品の開発を進めております。家庭用では、「整水器は家電」のコンセプトのもと、一般普及品として「デザイン」、「エコ」、「機
能」を追及してまいります。また、中国等での整水器普及を目指した製品開発も進めております。業務用、医療用でも更なる機能の向上、また、新たな市場、販路開拓を目的とした製品開発に取り組んでまいります。
[知的財産権]
当社では、経営戦略として知的財産権の取得を最重要事項と位置付けております。安定した質の電解水素水を生成する為の当社独自の技術「ダブル・オートチェンジ・クロスライン方式」を始め、医療への応用に関する特許等、国内外で申請、取得を進めております。今後も更に広い分野での知的財産権の取得により、事業基盤をより強固なものとするとともに、独占的市場の構築を目指してまいります。
当社グループは、血液透析をはじめとする医療分野への進出による新たな事業軸の構築、その波及効果による整水器販売事業の更なる拡大を目指し、研究開発及びその事業化並びに、より高機能な製品開発に注力しております。また、アジア地域を中心とした海外進出や、M&Aも視野に入れた新規事業分野への進出などにより、企業価値向上に取り組んでまいります。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度に要した費用の総額は、236百万円であります。