有価証券報告書-第150期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/27 13:20
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【項目】
170項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年1月1日から2024年12月31日まで)におけるわが国経済は、企業収益の改善や雇用環境の安定を背景に所得の増加から個人消費の堅調さが見られ、緩やかな回復基調にあります。一方で、海外に目を向けると、地政学的要因をはじめとする不安定な国際情勢から原材料やエネルギー価格が高止まりの様相を呈していることに加え、主要国の金融政策の動向や中国経済の先行き懸念が世界経済に与える影響の不確実性から、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く外部環境といたしましては、国内市場に限定されず多くの先進諸国で少子高齢化や人口減少といった構造的な問題を抱えていることに加え、デジタル化の進展によって事務用品としての筆記具の需要は縮小傾向にあります。他方、ライフスタイルや価値観の多様化により、お客様が商品に求める役割や体験価値は変化しております。また、インターネットを介した流通の普及により一層ボーダーレス化が進んだことや新興企業の参入といった背景から、品質・コスト面を中心として業界全体の競争環境は激化しつつあります。さらに、環境問題をはじめとするサステナビリティという共通課題は、今や企業活動の中心的な価値観となり、商品やサービスの提供において不可欠なものとなりました。こうした市場環境の変化に迅速に対応し、お客様の求める価値を具現化し続けていくことがより重要となっております。
このような経営環境のなか、当社グループは、「書く、描く」を通じた“表現体験そのもの”を創造することで、すべての人が生まれながらにして持つ個性や才能といった「ユニーク」を表現する機会を創り出すことが、お客様への提供価値ととらえ、「違いが、美しい。」というコーポレートブランドコンセプト(企業理念)に基づき、活動してまいりました。
具体的な活動として、世界販売本数が年間1億本以上の「ジェットストリーム」シリーズから、従来の高級感を維持しつつ、ビジネスシーンだけでなく日常のあらゆる場面に調和するデザインへとリニューアルした「JETSTREAM PRIME(ジェットストリーム プライム)」を発売しました。また、同シリーズの新たな選択肢として、よりかろやかな書き心地を特長とする「JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)」を搭載した商品の展開を拡充しました。さらに、十人十色、多様な表現に寄り添える存在になりたい、暮らしやコミュニケーションが豊かになる色の楽しさを伝えていきたいという想いから企画した色鉛筆「toirono(トイロノ)」を発売しました。加えて、長期的な成長戦略の一環として、「書く、描く」という体験そのものの価値を広げ、誰もが自分らしく表現できる場を創造するための取り組みとして、本格的に一般財団法人表現革新振興財団の活動を開始するとともに、グローバル市場での事業基盤強化に向け、2024年3月に当社グループに加わったC.Josef Lamy GmbH(Lamy社)との連携を強めることでシナジーを最大化するための体制構築を進め、またインド・東南アジア市場への展開を見据えたインドでの合弁会社設立に着手いたしました。
これらの活動の結果、当連結会計年度における売上高は88,820百万円(対前年同期比18.7%増)、営業利益は12,189百万円(対前年同期比2.9%増)、経常利益は12,952百万円(対前年同期比0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,272百万円(対前年同期比10.9%増)となりました。また、「中期経営計画2022-2024」の最終年にあたる当期は、海外売上高の構成比が約60%に到達するなど、筆記具事業のグローバル化が着実に進展いたしました。新規事業分野においては主に化粧品が好調に推移しております。
セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業におきましては、欧米市場における売上が堅調に推移したことや、為替による押し上げ影響により、外部顧客への売上高は86,490百万円(対前年同期比19.3%増)となりました。粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、事業を取り巻く市場環境は依然として厳しいものの、外部顧客への売上高は2,329百万円(対前年同期比1.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて16,268百万円減少し、39,587百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、主に税金等調整前当期純利益16,642百万円、減価償却費4,069百万円に対し、法人税等の支払額4,524百万円、固定資産売却損益3,543百万円により、合計で6,467百万円(前年同期比5,296百万円の収入の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出21,122百万円、投資不動産の取得による支出5,993百万円に対し、固定資産の売却による収入3,746百万円により、合計で27,910百万円(前年同期比27,838百万円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、主に配当金の支払額2,360百万円、自己株式の取得による支出1,540百万円に対し、長期借入れによる収入10,000百万円により、合計で4,108百万円(前年同期比7,830百万円の収入の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
筆記具及び筆記具周辺商品事業(百万円)64,219134.8
その他の事業(百万円)937114.1
合計(百万円)65,157134.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
筆記具及び筆記具周辺商品事業(百万円)86,490119.3
その他の事業(百万円)2,329101.9
合計(百万円)88,820118.7

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
・ 売上高
国内市場ではジェットストリーム、KURUTOGAの販売が堅調に推移したことに加え、ノベルティ需要も堅調に推移いたしました。海外市場では欧米における販売が堅調に推移したことや為替の押し上げ影響もあり、売上高は大きく伸長しました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて14,018百万円増加し88,820百万円(前年同期比18.7%増)となりました。
・ 営業利益
資源価格、原材料価格、物流費の高騰など利益を押し下げる要因はありましたが、売上高の増加に伴い販売差益額が増加したことにより、営業利益は前連結会計年度に比べて337百万円増加し12,189百万円(前年同期比2.9%増)となりました。
・ 経常利益
営業利益の増加に加え、主に受取利息や受取配当金、受取地代家賃の増加により、経常利益は前連結会計年度に比べて62百万円増加し12,952百万円(前年同期比0.5%増)となりました。
・ 税金等調整前当期純利益
経常利益の増加に加え、固定資産売却益の増加により、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて2,345百万円増加し16,642百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
・ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益が前連結会計年度に比べて2,345百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純利益が11百万円増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度から1,105百万円増加し11,272百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
・ 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産、負債、純資産の状況は次のとおりであります。
資産は、主に投資不動産やのれん、商標権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて30,874百万円増加し176,881百万円となりました。
負債は、主に繰延税金負債や長期借入金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて17,026百万円増加し46,173百万円となりました。
純資産は、主に利益剰余金やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて13,848百万円増加し130,708百万円となりました。
・ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に筆記具及び筆記具周辺商品事業に係る設備投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関等からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関等からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は12,162百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は39,587百万円となっております。

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