有価証券報告書-第82期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 11:56
【資料】
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【項目】
117項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
当社グループは、2017年度から2020年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画を策定しました。その前提条件となる外部環境課題として、ファスニング事業においては、アジア地域の縫製市場の更なる拡大と中国縫製市場の動向、eコマース取引形態の加速によるアパレルサプライチェーンへの影響などを認識しております。AP事業においては、日本国内では、中長期的な人口・世帯数の減少などによる新設住宅着工戸数の減少と、開口部リフォームの認知度に課題があることを認識しており、また海外では、米国・インドネシアの市場は堅調に推移し、台湾の市場は回復する一方で、中国不動産市場は停滞するものと見込んでいます。
第5次中期経営計画においては、「Technology Oriented Value Creation 『技術に裏付けられた価値創造』」という経営ビジョンの下、激しい事業環境の中において、当社グループでは、ものづくりを通して市場や顧客が求める多様な価値を追究し実現するために求められる最も重要な力を「商品力と提案力」とそれらを支える「技術力と製造力」とし、そしてこれら4つの力を発揮する社員の力を高めるために求められる「人材育成」を最重要ポイントと位置付けました。
当社におきましては、2017年4月より大谷裕明が社長に就任し、新たな体制で第5次中期事業計画に取り組んでまいりますが、当社では、「ものづくりの進化と革新―Standard向けのYKKものづくりへの挑戦―」、またYKK AP㈱では、「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」をそれぞれの中期事業方針に掲げ、中期経営目標である「売上高営業利益率 8.0%以上」と「ROA 5.0%以上」を目指してまいります。
①ファスニング事業
ファスニング事業では、2017年度からの第5次中期事業方針として「更なる量的成長を目指して」を掲げ、ファストファッションを始めとする衣料専門店などカジュアル衣料顧客や欧米量販店といったボリュームゾーンである市場を“Standard”と定義し、「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より早く」顧客に提供することを目指します。量的成長に向けて、成長するアジア市場における事業基盤の一層の強化、開発体制の基盤強化による更なる顧客要望の実現などの課題に取り組みます。
重点施策として、「更なる開発体制の強化」「バリエーションの拡充」「納期対応」「コスト競争力強化」の4つに注力し、Standard向けの商品とものづくりに挑戦します。
具体的に、「更なる開発体制の強化」では、各地域の開発力を高め、顧客要望に対して、より迅速に対応できる体制を整えるとともに、黒部を総本山とした開発機能を強化することで、事業全体の開発力及び競争力を向上します。開発拠点はR&Dセンターをトルコ・インド・ベトナムに新設、拠点数も人員も更に増強します。
「バリエーションの拡充」では、顧客要望に沿った表面処理技術の強化や内製化、顧客ロゴスライダーの納期対応強化など、顧客の様々な要望に応じた商品バリエーションを展開します。
「納期対応」では、受注に紐づく製造フローと短納期ラインの構築を目指します。
「コスト競争力強化」では、設備総合効率の向上や設備の連続稼働・省人化など、徹底した製造ロスの排除により価格競争力のある商品提供を行います。
また、第5次中期の投資計画は、量的成長に向けた積極投資として総投資額の約60%をアジア・中国向けとしており、「YKKバングラデシュ社ダッカ工場増設」や「YKKインド社ハリアナ工場増設」などで生産能力の引き上げ、製造基盤の増強を図ります。
②AP事業
AP事業では、2017年度からの第5次中期事業方針として「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」を掲げ、以下の7つの重点施策を遂行し、中期事業計画の達成を目指します。
「住宅事業:窓の高断熱化」では、開口部の断熱性能の重要性がますます高まることが予想される中、樹脂窓を高断熱化の中心と位置付け、更なる樹脂窓化の拡大を継続します。併せて、新しいアルミ樹脂複合窓「エピソードNEO」を投入し、アルミ窓市場を一気に高断熱窓へシフトさせます。
「エクステリア事業:商品力をベースにした販売強化」では、商品バリエーションの拡充を進め、窓・ドアまわりから外構商品へトータルコーディネイト提案を強化します。
「リノベーション事業:需要創造による成長戦略の推進」では、「断熱」「防災」を軸とした開口部リフォームの需要創造を図るとともに、工法の開発を強化し成長戦略を展開します。また、消費者接点強化としてTDYコラボレーションショールームの活用、MADOショップの強化を図ります。
「ビル事業:エンジニアリング力強化と高断熱化への取組」では、設計・施工といった技術分野に対する取り組みを強化するとともに、ゼロエネルギー化の推進に向けた高断熱商品の投入に取り組みます。
「海外AP事業:基盤再強化とターゲット市場拡大」では、商品技術力をベースに各国/地域の気候・風土に合わせた商品開発を継続します。米国ではビル建材の全米展開を本格化し、不動産市況が不透明な中国では事業基盤の建て直しを図ります。台湾では商品拡充によるターゲット居住市場の1棟当たりの受注額アップを図り、インドネシアではジャカルタ首都圏で基幹商品「NEXSTA」を中心に更なる拡販を進めます。
「ファサード事業:ファサード事業のプレゼンス拡大」では、建築の全ての工程をコンピューター上の3Dモデルで管理する手法である、BIMをコアとしたオペレーションの確立を図ります。
「業務改革:ビジネスプロセスの標準化と最適化」では、事業毎のビジネスプロセスの標準化を行い、業務の効率化を図ります。
③両事業を支える技術力 -工機技術本部-
工機技術本部は、YKKグループの一貫生産を支える技術開発機能の中核と位置付け、第4次中期執行方針である「技術開発の基盤確立」の下、その重点取り組みとして「事業の製造現場に適応する設備開発」と「中長期視点での技術開発」を推進してまいりました。2016年4月に本格稼働した「ファスナー専用機械部品工場」による合理化効果や設備総合効率の分析に基づく「設備サービス機能」の構築を通して、これらの取り組みが計画通り進捗したと認識しています。
第5次中期経営計画では、これまでに構築した技術開発基盤に基づき、執行方針を「基盤となる要素技術の強化と進化」と定め、「高機能」「低価格」の追求を通して「スタンダードへの挑戦」を目指します。その重点取り組みとして、これまでの取り組みを基盤とした「第2段階の事業の製造現場に適応する設備開発」を進めるとともに、「中長期視点に立った技術開発」として要素技術の深耕、技術人材の戦略的な育成を図ります。
具体的には、事業に特化した専用の要素技術開発、ロボット活用のための技術人材の育成など、「ロボット活用技術力の強化」を図ります。この取り組みとともに、省人化をはじめとした「事業の製造現場で最適なロボットシステムを構築」し、「人とロボットが共働し、商品とものづくりの進化に対応できるラインづくり」をファスニング事業とAP事業とともに進めてまいります。

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