有価証券報告書-第83期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
当社グループは、2017年度から2020年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画を策定していますが、当該中期経営計画の2年目となる2018年度の事業を取り巻く外部環境として、ファスニング事業においては、アジア地域の縫製市場の更なる拡大と中国縫製市場の動向、またeコマース取引の拡大による縫製品サプライチェーンへの影響等を見込んでいます。AP事業では、日本国内においては、新設住宅市場は長期的に縮小傾向にある中で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及に向けた住宅の断熱性能に対する需要の高まりを、海外においては、米国の緩やかな回復やアジアの堅調な推移を見込む一方で、中国華東・華南ともに高級市場は停滞すると見込んでいます。
激しく変化する事業環境の中においても、メーカーとしてのものづくりと市場や顧客が求める多様な価値を追究し実現するための最重要ポイントを「商品力と提案力」とそれを支える「技術力と製造力」の4つの力、またそれらを実現する社員の力を高めるための「人材育成」と位置づけており、当社とYKK AP㈱それぞれで掲げた中期事業方針に基づき、中期経営目標である「売上高営業利益率 8.0%以上」と「ROA 5.0%以上」の達成を目指してまいります。
①ファスニング事業
ファスニング事業では、第5次中期事業方針として「更なる量的成長を目指して」を掲げ、ファストファッションをはじめとする衣料専門店等カジュアル衣料顧客や欧米量販店といったボリュームゾーンである市場を“Standard”と定義し、「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より速く」顧客に提供することを目指します。2018年度はその方針の下、「更なる開発体制の強化」「バリエーション拡充」「納期対応」「コスト競争力強化」の4つの重点施策に注力するとともに、成長するアジア市場における供給基盤の一層の強化、開発体制の基盤強化による更なる顧客要望の実現、日本の成長戦略に基づく国内事業の再強化等の課題に取り組みます。
具体的には、「更なる開発体制の強化」では、各地域の開発力を高め、顧客要望に対して、より迅速に対応できる体制を整え、黒部を総本山とした開発機能を強化することで、事業全体の開発力及び競争力を向上します。開発拠点はファスニングR&Dセンターをベトナムに新設し、拠点数及び人員を更に増強します。「バリエーション拡充」では、表面処理技術の強化や顧客ロゴスライダーの納期対応等、顧客の様々な要望に応じた商品バリエーションを展開します。「納期対応」では、受注に紐づく製造フローと短納期ラインを活用し、顧客の希望納期を守るための体制構築を目指します。「コスト競争力強化」では、設備総合効率の向上や設備の連続稼動・省人化等、徹底した製造ロスの排除・人に頼らないものづくりにより価格競争力のある商品提供を行います。
また、日本市場における事業競争力、顧客要望への対応力強化のため、ファスニング事業の社内カンパニーとして、日本事業の製造・開発機能と販売機能を一体化した、ジャパンカンパニーを設置し、2018年7月1日を効力発生日として、YKK株式会社を存続会社として当社のファスニング製品の販売に関する完全子会社であるYKKファスニングプロダクツ販売株式会社を吸収合併する予定です。更に、2018年度も量的成長に向けた積極投資を継続し、ベトナム・バングラデシュ・インド等の成長市場での生産能力の引き上げを中心に総投資額の約45%をアジア地域に投資することを計画しています。
②AP事業
AP事業では、2017年度に引き続き、第5次中期事業方針で掲げた「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」に向けて、それぞれの事業・業務領域の重点施策に取り組みます。
「住宅事業:窓の高断熱化」では、樹脂窓とアルミ樹脂複合窓による高断熱化の推進に加え、「防火窓Gシリーズ アルミ樹脂複合NEO」の拡販等による防火窓の高付加価値化も推進します。「エクステリア事業:商品力をベースにした販売強化」では、商品力をベースにした、住宅の価値を高める「建築と外構の一体設計提案」の拡大による販売を更に強化します。「リノベーション事業:需要創造による成長戦略の推進」では、「かんたん マドリモ」「かんたん ドアリモ」等の住宅リフォームに加え、ビル低層集合住宅向けアルミ樹脂複合窓「エピソードNEO-LB」に、日本特許を取得している「GRAF(グラフ)工法」を活かした改装用カバー枠を設定する等、集合住宅でも進むZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化に対応するとともに、引き続き商品・工法の両面から需要創造に取り組みます。「ビル事業:エンジニアリング力強化と高断熱化への取組」では、設計・施工管理人員の育成と、集合住宅向けに加えホテル向けの商品投入等を行い、ビルの高断熱化への取り組みを進めていきます。「海外AP事業:事業の基盤再強化とターゲット市場の拡大」では、米国においてはビル建材の全米展開、戸建住宅用樹脂窓の深耕により更なる事業の拡大を進め、中国ではナショナルディベロッパー市場での更なる拡販を図ります。台湾では、高級市場での受注拡大と改装・非居住分野の受注強化、インドネシアでは高級戸建住宅受注拡大とミドルセグメント市場におけるブランド確立に取り組みます。また、蒸暑地域の窓研究開発を目的に「YKK AP R&Dセンター(インドネシア)」を開設します。インドではAP事業の本格展開に向けて、事業検証を行います。また海外物件の管理・監査体制の再構築も進めます。「業務改革:ビジネスプロセスの標準化と最適化」では、効率的なビジネスへの転換と事業環境変化に対応できる経営基盤確立の実現に向けて、標準ビジネスプロセスを再構築し新たなITソリューションの導入を進め、業務の効率化を図るとともに働き方改革にも寄与します。
③両事業を支える技術力 -工機技術本部-
工機技術本部は、YKKグループの一貫生産を支える技術開発機能の中核として、第5次中期経営計画では、これまでに構築した技術開発基盤に基づき、執行方針を「基盤となる要素技術の強化と進化」と定め、「高機能」「低価格」の追求を通して「スタンダードへの挑戦」を目指します。その重点取り組みとして、引き続き「第2段階の事業の製造現場に適応する設備開発」を進めるとともに、「中長期視点に立った技術開発」として要素技術の深耕、技術人材の戦略的な育成を図ります。
当社グループは、2017年度から2020年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画を策定していますが、当該中期経営計画の2年目となる2018年度の事業を取り巻く外部環境として、ファスニング事業においては、アジア地域の縫製市場の更なる拡大と中国縫製市場の動向、またeコマース取引の拡大による縫製品サプライチェーンへの影響等を見込んでいます。AP事業では、日本国内においては、新設住宅市場は長期的に縮小傾向にある中で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及に向けた住宅の断熱性能に対する需要の高まりを、海外においては、米国の緩やかな回復やアジアの堅調な推移を見込む一方で、中国華東・華南ともに高級市場は停滞すると見込んでいます。
激しく変化する事業環境の中においても、メーカーとしてのものづくりと市場や顧客が求める多様な価値を追究し実現するための最重要ポイントを「商品力と提案力」とそれを支える「技術力と製造力」の4つの力、またそれらを実現する社員の力を高めるための「人材育成」と位置づけており、当社とYKK AP㈱それぞれで掲げた中期事業方針に基づき、中期経営目標である「売上高営業利益率 8.0%以上」と「ROA 5.0%以上」の達成を目指してまいります。
①ファスニング事業
ファスニング事業では、第5次中期事業方針として「更なる量的成長を目指して」を掲げ、ファストファッションをはじめとする衣料専門店等カジュアル衣料顧客や欧米量販店といったボリュームゾーンである市場を“Standard”と定義し、「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より速く」顧客に提供することを目指します。2018年度はその方針の下、「更なる開発体制の強化」「バリエーション拡充」「納期対応」「コスト競争力強化」の4つの重点施策に注力するとともに、成長するアジア市場における供給基盤の一層の強化、開発体制の基盤強化による更なる顧客要望の実現、日本の成長戦略に基づく国内事業の再強化等の課題に取り組みます。
具体的には、「更なる開発体制の強化」では、各地域の開発力を高め、顧客要望に対して、より迅速に対応できる体制を整え、黒部を総本山とした開発機能を強化することで、事業全体の開発力及び競争力を向上します。開発拠点はファスニングR&Dセンターをベトナムに新設し、拠点数及び人員を更に増強します。「バリエーション拡充」では、表面処理技術の強化や顧客ロゴスライダーの納期対応等、顧客の様々な要望に応じた商品バリエーションを展開します。「納期対応」では、受注に紐づく製造フローと短納期ラインを活用し、顧客の希望納期を守るための体制構築を目指します。「コスト競争力強化」では、設備総合効率の向上や設備の連続稼動・省人化等、徹底した製造ロスの排除・人に頼らないものづくりにより価格競争力のある商品提供を行います。
また、日本市場における事業競争力、顧客要望への対応力強化のため、ファスニング事業の社内カンパニーとして、日本事業の製造・開発機能と販売機能を一体化した、ジャパンカンパニーを設置し、2018年7月1日を効力発生日として、YKK株式会社を存続会社として当社のファスニング製品の販売に関する完全子会社であるYKKファスニングプロダクツ販売株式会社を吸収合併する予定です。更に、2018年度も量的成長に向けた積極投資を継続し、ベトナム・バングラデシュ・インド等の成長市場での生産能力の引き上げを中心に総投資額の約45%をアジア地域に投資することを計画しています。
②AP事業
AP事業では、2017年度に引き続き、第5次中期事業方針で掲げた「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」に向けて、それぞれの事業・業務領域の重点施策に取り組みます。
「住宅事業:窓の高断熱化」では、樹脂窓とアルミ樹脂複合窓による高断熱化の推進に加え、「防火窓Gシリーズ アルミ樹脂複合NEO」の拡販等による防火窓の高付加価値化も推進します。「エクステリア事業:商品力をベースにした販売強化」では、商品力をベースにした、住宅の価値を高める「建築と外構の一体設計提案」の拡大による販売を更に強化します。「リノベーション事業:需要創造による成長戦略の推進」では、「かんたん マドリモ」「かんたん ドアリモ」等の住宅リフォームに加え、ビル低層集合住宅向けアルミ樹脂複合窓「エピソードNEO-LB」に、日本特許を取得している「GRAF(グラフ)工法」を活かした改装用カバー枠を設定する等、集合住宅でも進むZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化に対応するとともに、引き続き商品・工法の両面から需要創造に取り組みます。「ビル事業:エンジニアリング力強化と高断熱化への取組」では、設計・施工管理人員の育成と、集合住宅向けに加えホテル向けの商品投入等を行い、ビルの高断熱化への取り組みを進めていきます。「海外AP事業:事業の基盤再強化とターゲット市場の拡大」では、米国においてはビル建材の全米展開、戸建住宅用樹脂窓の深耕により更なる事業の拡大を進め、中国ではナショナルディベロッパー市場での更なる拡販を図ります。台湾では、高級市場での受注拡大と改装・非居住分野の受注強化、インドネシアでは高級戸建住宅受注拡大とミドルセグメント市場におけるブランド確立に取り組みます。また、蒸暑地域の窓研究開発を目的に「YKK AP R&Dセンター(インドネシア)」を開設します。インドではAP事業の本格展開に向けて、事業検証を行います。また海外物件の管理・監査体制の再構築も進めます。「業務改革:ビジネスプロセスの標準化と最適化」では、効率的なビジネスへの転換と事業環境変化に対応できる経営基盤確立の実現に向けて、標準ビジネスプロセスを再構築し新たなITソリューションの導入を進め、業務の効率化を図るとともに働き方改革にも寄与します。
③両事業を支える技術力 -工機技術本部-
工機技術本部は、YKKグループの一貫生産を支える技術開発機能の中核として、第5次中期経営計画では、これまでに構築した技術開発基盤に基づき、執行方針を「基盤となる要素技術の強化と進化」と定め、「高機能」「低価格」の追求を通して「スタンダードへの挑戦」を目指します。その重点取り組みとして、引き続き「第2段階の事業の製造現場に適応する設備開発」を進めるとともに、「中長期視点に立った技術開発」として要素技術の深耕、技術人材の戦略的な育成を図ります。