有価証券報告書-第84期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
当社グループは、2017年度から2020年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画を策定していますが、当該中期経営計画の3年目となる2019年度の事業を取り巻く外部環境として、ファスニング事業においては、米中貿易摩擦や欧州の通商リスク等の不確実性の高まり、アジア地域の縫製市場拡大やアジア各国の内需小売市場の成長、情報技術の進化やeコマース商流拡大、また、社会・経済におけるESG(環境 Environment、社会 Social、ガバナンス Governance)への意識の更なる高まりを見込んでいます。AP事業では、日本国内においては、消費増税についてはそれに向けた各種支援策により前回ほどの駆け込みとその反動は見られないものの、住宅取得者の人口減少等によって新設住宅着工戸数は減少するものと見込んでいます。また海外においては、米国や台湾では市況が鈍化し、中国の高級市場は伸長、インドネシアの中級不動産市場が拡大するものと見込んでいます。
このように激しく変化する事業環境の中においても、メーカーとしてのものづくりと市場や顧客が求める多様な価値を追究し実現するための最重要ポイントを「商品力と提案力」とそれを支える「技術力と製造力」の4つの力、またそれらを実現する社員の力を高めるための「人材育成」と位置づけており、当社とYKK AP㈱それぞれで掲げた中期事業方針に基づき、中期経営目標である「売上高営業利益率 8.0%以上」と「ROA 5.0%以上」の達成を引き続き目指してまいります。
①ファスニング事業
ファスニング事業では、第5次中期事業方針として「更なる量的成長を目指して~Standard向けの商品&ものづくりへの挑戦」を掲げ、衣料専門店等のカジュアル衣料顧客や欧米量販店向けといったボリュームゾーンである「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より速く」顧客に提供することを目指しています。2019年度はその方針のもと、引き続き「更なる開発体制の強化」「バリエーションの拡充」「納期対応」「コスト競争力強化」を重点テーマに据え、Standard向けの商品・ものづくりの強化に取り組んでまいります。
具体的には、「更なる開発体制の強化」では、各地域の開発力を高め、顧客要望に対してより迅速に対応できる体制を整えるために、黒部を総本山とした開発機能を強化するとともに、新興成長国及び消費国にてファスナー事業、S&B事業の開発力を強化します。開発拠点は、トルコにて欧州アパレルStandard市場に向けた対応力を高めることを目的として、ファスニングR&Dセンター機能を強化し、ファスニング事業全体で拠点数及び人員を更に増強します。「バリエーションの拡充」では、Standardにおける鞄分野向け新ファスナーのバリエーション拡充や新興国内需市場対応を進めるとともに、表面処理技術を強化し、更なる需要の捕捉に取り組みます。一方、高級ブランド顧客や高機能スポーツアパレル、自動車内装等の汎用資材など、高付加価値が求められるValue Consciousへは、「Excella®Fin」や「QuickFree®」、「click―TRAK®」などの魅力ある付加価値商品を継続的に開発・展開します。投資計画については、量的成長と次期中期を見据えた積極投資を継続してまいります。ファスニング事業の総投資額の約36%をアジア地域向けとし、ベトナム・インドネシア・台湾を中心に製造基盤の強化を図ります。また、日本国内では次期中期を見据えた先行投資を行い、黒部 古御堂工場のファクトリーオートメーション設備の導入を通じて生産効率の向上を図るとともに、黒部のものづくりを通して日本のお客様へのサービス強化に取り組んでまいります。
組織体制については、ESGに関する社会・顧客の意識の高まりを受け、サステナブルな事業展開と商品開発体制の構築を推進するために「ファスニング サステナビリティ推進室」を、更に事業環境の変化に迅速に対応できるグローバルでの標準業務プロセスの立案・構築に向けて「業務改革プロジェクト」を、それぞれファスニング事業本部の本部機能として新たに設置し、取り組みを強化してまいります。
②AP事業
AP事業では、第5次中期事業方針として掲げた「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」のもと、各事業領域で重点施策に取り組みます。
住宅事業では、窓の高断熱化に向けて、アルミ樹脂複合窓「APW511」大開口スライディングの拡販等に取り組むとともに、樹脂窓の生産能力を強化すべく東北製造所でのライン新設と北海道工場のライン再構築を行い、樹脂窓・アルミ樹脂複合窓およびトリプルガラスにより更なる高断熱化の推進を行います。エクステリア事業では、これまでの取り組みに加え、テラス・バルコニー向け屋根・囲い商品を中心とした後付リフォームによる付加価値提案や、2018 年に東京都が提言した「子供のベランダからの転落防止のための手すりの安全対策」で推奨する仕様への商品対応による安全・安心な住まいづくりへの提案を行います。リノベーション事業では、「かんたんマドリモ シャッター」を中心とした「防災・防犯」や開口部を維持しながら断熱と耐震を両立する「フレームⅡ」「フレームプラス/G2」による「大開口・高断熱・耐震」を軸とした需要創造とともに、引き続きより手軽にリフォームできる商品・工法などの研究・開発を継続し、リフォームにより生活を豊かにする提案を行います。
また、2019年3月に黒部 荻生製造所内に開設したプロユーザー向け技術提案施設「パートナーズサポートスタジオ」を活用し、商品・技術・施工などの提案を更に強化していきます。品質強化については、2019年度より品質本部を新設し、サプライチェーン全プロセスによる品質確保を更に強化します。
海外においては、米国ではビル建材の西海岸エリアの営業強化と中西部での加工工場新設、また住宅建材では樹脂窓の競争力強化に取り組み、中国では大手不動産開発市場での更なる深耕、台湾では高級市場での受注拡大と改装・非居住分野の強化、インドネシアでは高級・中級市場でのセグメント別対応力強化、インドでは事業基盤安定化とAP商品の販売開始を行います。
③両事業を支える技術力 -工機技術本部-
工機技術本部は、YKKグループの一貫生産を支える技術開発機能の中核として、2019年度は引き続き中期方針である「基盤となる要素技術の強化と進化」を軸に「高機能」と「低価格」を通して「スタンダードへの挑戦」に取り組みます。
重点取り組みテーマとして、ファスニング専用設備・ライン開発における連続稼動とラインの製造原価低減、AP専用設備・ライン開発における樹脂窓・アルミ樹脂複合窓製造ラインの改善・改良・進化、機械製造におけるものづくり力と生産管理機能の強化、そして要素技術の深耕として、材料・プロセスまで踏み込んだコスト低減、またロボット活用技術とデジタル化技術の推進に取り組んでまいります。
当社グループは、2017年度から2020年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画を策定していますが、当該中期経営計画の3年目となる2019年度の事業を取り巻く外部環境として、ファスニング事業においては、米中貿易摩擦や欧州の通商リスク等の不確実性の高まり、アジア地域の縫製市場拡大やアジア各国の内需小売市場の成長、情報技術の進化やeコマース商流拡大、また、社会・経済におけるESG(環境 Environment、社会 Social、ガバナンス Governance)への意識の更なる高まりを見込んでいます。AP事業では、日本国内においては、消費増税についてはそれに向けた各種支援策により前回ほどの駆け込みとその反動は見られないものの、住宅取得者の人口減少等によって新設住宅着工戸数は減少するものと見込んでいます。また海外においては、米国や台湾では市況が鈍化し、中国の高級市場は伸長、インドネシアの中級不動産市場が拡大するものと見込んでいます。
このように激しく変化する事業環境の中においても、メーカーとしてのものづくりと市場や顧客が求める多様な価値を追究し実現するための最重要ポイントを「商品力と提案力」とそれを支える「技術力と製造力」の4つの力、またそれらを実現する社員の力を高めるための「人材育成」と位置づけており、当社とYKK AP㈱それぞれで掲げた中期事業方針に基づき、中期経営目標である「売上高営業利益率 8.0%以上」と「ROA 5.0%以上」の達成を引き続き目指してまいります。
①ファスニング事業
ファスニング事業では、第5次中期事業方針として「更なる量的成長を目指して~Standard向けの商品&ものづくりへの挑戦」を掲げ、衣料専門店等のカジュアル衣料顧客や欧米量販店向けといったボリュームゾーンである「Standardでの競争力強化」を進め、「より良いものを、より安く、より速く」顧客に提供することを目指しています。2019年度はその方針のもと、引き続き「更なる開発体制の強化」「バリエーションの拡充」「納期対応」「コスト競争力強化」を重点テーマに据え、Standard向けの商品・ものづくりの強化に取り組んでまいります。
具体的には、「更なる開発体制の強化」では、各地域の開発力を高め、顧客要望に対してより迅速に対応できる体制を整えるために、黒部を総本山とした開発機能を強化するとともに、新興成長国及び消費国にてファスナー事業、S&B事業の開発力を強化します。開発拠点は、トルコにて欧州アパレルStandard市場に向けた対応力を高めることを目的として、ファスニングR&Dセンター機能を強化し、ファスニング事業全体で拠点数及び人員を更に増強します。「バリエーションの拡充」では、Standardにおける鞄分野向け新ファスナーのバリエーション拡充や新興国内需市場対応を進めるとともに、表面処理技術を強化し、更なる需要の捕捉に取り組みます。一方、高級ブランド顧客や高機能スポーツアパレル、自動車内装等の汎用資材など、高付加価値が求められるValue Consciousへは、「Excella®Fin」や「QuickFree®」、「click―TRAK®」などの魅力ある付加価値商品を継続的に開発・展開します。投資計画については、量的成長と次期中期を見据えた積極投資を継続してまいります。ファスニング事業の総投資額の約36%をアジア地域向けとし、ベトナム・インドネシア・台湾を中心に製造基盤の強化を図ります。また、日本国内では次期中期を見据えた先行投資を行い、黒部 古御堂工場のファクトリーオートメーション設備の導入を通じて生産効率の向上を図るとともに、黒部のものづくりを通して日本のお客様へのサービス強化に取り組んでまいります。
組織体制については、ESGに関する社会・顧客の意識の高まりを受け、サステナブルな事業展開と商品開発体制の構築を推進するために「ファスニング サステナビリティ推進室」を、更に事業環境の変化に迅速に対応できるグローバルでの標準業務プロセスの立案・構築に向けて「業務改革プロジェクト」を、それぞれファスニング事業本部の本部機能として新たに設置し、取り組みを強化してまいります。
②AP事業
AP事業では、第5次中期事業方針として掲げた「高付加価値化と需要創造によるAP事業の持続的成長」のもと、各事業領域で重点施策に取り組みます。
住宅事業では、窓の高断熱化に向けて、アルミ樹脂複合窓「APW511」大開口スライディングの拡販等に取り組むとともに、樹脂窓の生産能力を強化すべく東北製造所でのライン新設と北海道工場のライン再構築を行い、樹脂窓・アルミ樹脂複合窓およびトリプルガラスにより更なる高断熱化の推進を行います。エクステリア事業では、これまでの取り組みに加え、テラス・バルコニー向け屋根・囲い商品を中心とした後付リフォームによる付加価値提案や、2018 年に東京都が提言した「子供のベランダからの転落防止のための手すりの安全対策」で推奨する仕様への商品対応による安全・安心な住まいづくりへの提案を行います。リノベーション事業では、「かんたんマドリモ シャッター」を中心とした「防災・防犯」や開口部を維持しながら断熱と耐震を両立する「フレームⅡ」「フレームプラス/G2」による「大開口・高断熱・耐震」を軸とした需要創造とともに、引き続きより手軽にリフォームできる商品・工法などの研究・開発を継続し、リフォームにより生活を豊かにする提案を行います。
また、2019年3月に黒部 荻生製造所内に開設したプロユーザー向け技術提案施設「パートナーズサポートスタジオ」を活用し、商品・技術・施工などの提案を更に強化していきます。品質強化については、2019年度より品質本部を新設し、サプライチェーン全プロセスによる品質確保を更に強化します。
海外においては、米国ではビル建材の西海岸エリアの営業強化と中西部での加工工場新設、また住宅建材では樹脂窓の競争力強化に取り組み、中国では大手不動産開発市場での更なる深耕、台湾では高級市場での受注拡大と改装・非居住分野の強化、インドネシアでは高級・中級市場でのセグメント別対応力強化、インドでは事業基盤安定化とAP商品の販売開始を行います。
③両事業を支える技術力 -工機技術本部-
工機技術本部は、YKKグループの一貫生産を支える技術開発機能の中核として、2019年度は引き続き中期方針である「基盤となる要素技術の強化と進化」を軸に「高機能」と「低価格」を通して「スタンダードへの挑戦」に取り組みます。
重点取り組みテーマとして、ファスニング専用設備・ライン開発における連続稼動とラインの製造原価低減、AP専用設備・ライン開発における樹脂窓・アルミ樹脂複合窓製造ラインの改善・改良・進化、機械製造におけるものづくり力と生産管理機能の強化、そして要素技術の深耕として、材料・プロセスまで踏み込んだコスト低減、またロボット活用技術とデジタル化技術の推進に取り組んでまいります。