四半期報告書-第62期第1四半期(平成27年1月1日-平成27年3月31日)

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2015/05/13 9:17
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27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績
当第1四半期連結累計期間におけるスポーツ用品業界は、健康志向によるスポーツへの関心の高まりやランニングブームを背景に、堅調に推移しました。
このような情勢のもと、当社グループは、中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)2015」に基づき、引き続きグローバルレベルでの事業の強化・拡大を図りました。
ランニングは、コア事業として更なる拡大を目指しました。高機能ランニングシューズ「GEL-NIMBUS 17」を市場投入しました。さらに、当社がタイトルスポンサーを務めた「アシックスLAマラソン」をはじめ、バルセロナ、ムンバイ、ソウル、東京など世界各地のマラソン大会への協賛などを行いました。
スポーツライフスタイルは、先鋭的で洗練されたブランドとしての価値向上およびブランドコンセプトに基づく戦略の実行による売上拡大に努めました。アシックス、オニツカタイガーに続く第三のブランドとして、1980年代から1990年頃に人気を集めた競技用シューズにカジュアルなアレンジを加え、「アシックスタイガー」ブランドとして復活させました。アシックスの歴史とテクノロジーをコアとした同ブランドは、ストリートファッションを好む層をターゲットとしており、市場での新たな地位の獲得を目指し、国内外の有名ショップとのコラボレーションモデルの発売等を開始しました。また、オニツカタイガーブランドでは、東京での独自のランウェイショーの開催などを行いました。
販売面では、自主管理売場の拡大を通じた売上拡大に努めました。マドリードにアシックスブランドの旗艦店をオープンしたのをはじめ、リスボンにアシックスブランドの直営店を、また渋谷にオニツカタイガーブランドおよびアシックスタイガーブランドの直営店をオープンするなど、世界各地への出店を進めました。さらに、世界共通のITプラットフォームに基づく自社独自のEコマースサイトでの販売を、新たにオーストリアをはじめとする4カ国で開始しました。このほか、インドにおける当社製品の販売強化のため、アシックスインディアPRIVATE LIMITEDを販売会社としてスタートさせました。
アパレル事業では、企画開発生産から販売まで一貫した事業戦略の遂行に努めました。グローバルレベルで統一的に企画開発を行ったランニングウエアのグローバルコンセプトシリーズの発売などを行いました。
これらの企業活動が評価され、インターブランド社の「Japan's Best Global Brands 2015」において、当社は、過去最高のブランド評価額にて19位に選ばれました。また、従業員などの健康管理を経営的な視点で考えて戦略的に実践している企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」にも選ばれました。
加えて、多様な人財が最大限能力を発揮できる企業文化・環境の中でイキイキと働き、持続的な会社の成長に貢献することを目的として、「'One Team'違いを活かす、高め合う。」をスローガンにダイバーシティを引き続き推進しました。
当第1四半期連結累計期間における売上高は117,445百万円となりました。このうち国内売上高は32,023百万円、海外売上高は85,421百万円となりました。売上総利益は52,628百万円、営業利益は15,387百万円、経常利益は12,162百万円、四半期純利益は8,515百万円となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、前連結会計年度は決算期変更の経過期間であったことから、前第1四半期連結累計期間につきましては、当社および従前の決算日が3月31日であった連結子会社は3ヶ月間(平成26年4月1日~平成26年6月30日)、決算日が12月31日の連結子会社は6ヶ月間(平成26年1月1日~平成26年6月30日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。このため、前年同期間比につきましては記載しておりません。
① 日本地域
日本地域におきましては、売上高は37,972百万円となり、セグメント利益につきましては2,452百万円となりました。
② 米州地域
米州地域におきましては、売上高は34,291百万円となり、セグメント利益につきましては2,968百万円となりました。
③ 欧州地域
欧州地域におきましては、売上高は31,628百万円となり、セグメント利益につきましては4,213百万円となりました。
④ オセアニア/東南・南アジア地域
オセアニア/東南・南アジア地域におきましては、売上高は6,288百万円となり、セグメント利益につきましては1,242百万円となりました。
⑤ 東アジア地域
東アジア地域におきましては、売上高は9,969百万円となり、セグメント利益につきましては1,493百万円となりました。
⑥ その他事業
その他事業におきましては、売上高は3,364百万円となり、セグメント利益につきましては131百万円となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末の財政状態といたしましては、総資産360,855百万円(前連結会計年度末比1.4%増)、負債の部合計153,162百万円(前連結会計年度末比0.5%減)、純資産の部合計207,693百万円(前連結会計年度末比2.8%増)でした。
流動資産は、現金及び預金、たな卸資産の減少、売上債権および短期デリバティブ資産の増加によるその他の資産の増加などにより、267,140百万円(前連結会計年度末比0.8%増)となりました。
固定資産は、のれんおよびブランドなどの無形固定資産の減少、長期デリバティブ資産の増加による投資その他の資産の増加などにより、93,715百万円(前連結会計年度末比3.1%増)となりました。
流動負債は、短期借入金の減少、主として償還期限が1年以内となった社債の固定負債から流動負債への振り替えによるその他の負債の増加などにより、86,457百万円(前連結会計年度末比11.8%増)となりました。
固定負債は、上述の振り替えによる社債の減少などにより、66,705百万円(前連結会計年度末比12.9%減)となりました。
株主資本は、利益剰余金の増加により、172,507百万円(前連結会計年度末比2.4%増)となりました。
その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定の減少があったものの、繰延ヘッジ損益が増加したことなどにより、33,706百万円(前連結会計年度末比3.5%増)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者による当社株式の大規模な買付行為等に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかし、当社および当社グループは、スポーツを核とした事業領域で、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に取り組んでおり、そのために幅広いノウハウと豊富な経験、ならびに国内外の顧客・取引先および従業員等のステークホルダーとの間に築かれた良好な関係を維持し促進することが重要な要素であり、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては、これらに関する十分な情報や理解がなくては、将来実現することのできる当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する可能性があり、不適切であると考えます。
② 当社の状況および企業価値向上に向けた取り組み
当社は、1949年(昭和24年)に、スポーツを通じて青少年の健全な育成に貢献することを願い鬼塚商会として創業以来、「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学とし、「スポーツを通して、すべてのお客様に価値ある製品・サービスを提供する」ことを理念に、お客様の求めるものを徹底的に追求し、世界のスポーツをする選手、スポーツを愛するすべての人々や健康を願う方々の役に立つよう、技術とものづくりに対するこだわりを持ち続けてまいりました。
1977年(昭和52年)に、同業2社との合併を機に、この創業哲学のラテン語「Anima Sana In Corpore Sano」の頭文字から社名を株式会社アシックス(ASICS)へ変更し、社業の発展に努めてまいりました。
当社および当社グループは、スポーツシューズ類、スポーツウエア類、スポーツ用具類などスポーツ用品等を、国内および海外で製造販売しております。そして、長年トップアスリートのニーズに応えてきた技術力とものづくりへのこだわりや海外でのシューズを中心としたランニング事業における高いブランドイメージを基盤として、2015年度までの中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)2015」を発表し、その最終年度である2015年度(平成27年度)に、売上高4,000億円以上、営業利益率10%以上、ROE 15%以上、ROA 8%以上を目指しております。「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」をビジョンとして定め、3つの事業領域である①アスレチックスポーツ事業領域、②スポーツライフスタイル事業領域および③健康快適事業領域において、製品戦略:「革新的な価値の提供とお客様ニーズ対応の融合」、組織戦略:「グローバル組織の構築」をそれぞれ進め、事業の拡大・強化に取り組んでおります。
当社および当社グループは、「グループ全体で、お客様起点の活動を徹底する」を基本方針とし、今後も中長期的な視野に立ち、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成26年6月19日開催の定時株主総会において、当社株式の大規模な買付行為への対応方針の一部を改定して3年間継続することを決定いたしました(以下、改定後の当社株式の大規模な買付行為への対応方針を「本対応方針」といいます。)。
本対応方針の概要は次のとおりであります。
当社は、突然大規模な買付行為がなされたときに、大規模買付者による当社および当社グループの従業員、顧客および取引先等のステークホルダーとの関係についての方針や当社グループの経営に参画したときの経営方針・事業計画等が、当社の企業価値・株主共同の利益を高めるものか等を当社株主に短期間のうちに適切に判断していただくためには、大規模買付者および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠と考え、大規模買付行為に際しては、まず、大規模買付者が事前に当社株主の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報を提供すべきであると考えます。
また、当社取締役会も、かかる情報が提供された後、大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見の検討を速やかに開始し、独立委員会からの勧告や外部専門家等の助言を受けながら慎重に検討したうえで意見を形成して公表いたします。
かかるプロセスを経ることにより、当社株主は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案に対する諾否を検討することが可能となり、大規模買付者の提案に対する最終的な諾否を適切に決定するために必要かつ十分な情報の取得と検討の機会を得られることとなります。
当社取締役会は、上記の見解を具現化した一定の合理的なルールに従って大規模買付行為が行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に資すると考え、事前の情報提供に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定いたしました。
大規模買付ルールの骨子は、①大規模買付者は、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対し、予定する大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を提供し、②当社取締役会は、一定の評価期間内に当該大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見をまとめて公表し、③大規模買付者は、当該評価期間経過後に大規模買付行為を開始するというものであり、その概要は次のとおりであります。
(ⅰ)大規模買付者には、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対して、当社株主の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を書面で提供していただきます。当社取締役会は、取締役会による評価、検討、意見形成等のため必要かつ十分な本必要情報が大規模買付者から提出されたと判断した場合には、直ちにその旨大規模買付者に通知するとともに、速やかに当社株主に公表します。なお、当社取締役会は、必要に応じて情報提供の期限(意向表明書受領から60日を上限とします。)を設定しますが、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合には、その期限を延長することができるものとします。
(ⅱ)当社取締役会は、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了したと公表した日の翌日から、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を設定します。取締役会評価期間の終了までに、取締役会が評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案をなしえないときは、合理的な範囲内において取締役会評価期間を延長することができるものとしますが、その場合でも取締役会評価期間は最長120日までとします。なお、取締役会評価期間を延長する場合は、延長する理由、延長期間等を開示いたします。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。当社取締役会は、取締役会評価期間中、独立委員会に諮問し、必要に応じて外部専門家等の助言および監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動を含め、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめて決議し公表します。
大規模買付行為がなされた場合の対応方針の概要は次のとおりです。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合、当社取締役会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動要件を満たすときを除き、当社株主に対して、当該買付提案に対する諾否の判断に必要な判断材料を提供させていただくにとどめ、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守する場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときに限り、取締役会から独立した組織の独立委員会に必ず諮問し、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、当該勧告を踏まえて当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から取締役会評価期間の期間内に速やかに相当と認める範囲内での対抗措置の発動または不発動について決議を行うものとします。なお、当社取締役会は、対抗措置を発動するに際し、株主共同の利益に照らし株主意思を確認することが適切と判断する場合は、株主総会を招集し、対抗措置に関する当社株主の意思を確認することができるものとします。
④ 上記取り組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
まず、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿って、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを当社株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、当社株主のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
次に、本対応方針は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守する場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときに限り、対抗措置が発動されるように設定されており、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための仕組みが確保されています。
また、本対応方針における対抗措置の発動等に際しては、当社取締役会から独立した社外役員等によって組織された独立委員会に諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。また、その判断の概要については当社株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応方針の公正・透明な運用が行われる仕組みが確保されています。
最後に、本対応方針は、株主総会における当社株主の承認を条件に継続されるものであり、その継続について当社株主の意向が反映されることとなっております。また、本対応方針継続後、その後の株主総会において本対応方針の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応方針も当該決議に従い変更又は廃止されることになります。さらに、当社取締役の任期は1年間となっており、毎年の取締役選任手続を通じて本対応方針の継続、廃止または変更の是非の判断に当社株主の意向が反映されます。
これらの措置により、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は667百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員の状況
当第1四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の状況
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。
(7)設備の状況
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。