有価証券報告書-第60期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 9:44
【資料】
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【項目】
126項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表作成にあたり、当社グループが採用している会計方針において使用されている重要な会計上の見積りおよび前提条件は、以下のとおりであります。
①貸倒引当金
当社グループは、支払実績および信用情報等を査定して販売先に対して与信限度額を設定しており、貸倒懸念債権等特定の債権につきましては個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額につきましては貸倒引当金を計上しております。
販売先の財務状況および支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
②たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の貸借対照表価額につきましては収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により計上しております。
将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③投資の評価
主として当社は、余資の運用および長期的な取引関係の観点から株式等を所有しております。当社は、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施しております。すなわち、時価のある「その他有価証券」につきましては期末時価が帳簿価格を30%以上下回った場合に、また、時価のない「その他有価証券」につきましては評価対象となる純資産額が帳簿価格を50%以上下回った場合に減損処理を実施しております。
将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画および将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行っております。その結果将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
将来の業績および課税所得実績の変動により、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤退職給付費用および債務
当社の従業員退職給付費用および債務は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて計上しております。この前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、年金資産の期待運用収益率が含まれており、時価の変動、年金資産の運用利回りの変動、退職給付債務を計算する際に用いる保険数理上の前提の変更、年金制度の変更による未認識の過去勤務債務の発生等により、退職給付費用および債務の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥減損損失
主として当社は、収益性の低下や時価の下落といった兆候の見られる固定資産につきましては、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
将来の収益性の低下や時価の下落等により、これら固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「第2「事業の状況」1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
(3)資本の財源および資金の流動性についての分析
①資金調達について
当社グループは、事業活動を行うための資金の調達に際して低コストで安定的な資金の確保を重視しております。当連結会計年度末の有利子負債は、国内が54,546百万円、海外が19,117百万円の合計73,664百万円であります。国内につきましては当社への集中化を図っておりますので、約98%が当社での調達となっております。海外につきましては主に当社保証による各子会社での調達であります。
②財政状態について
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産317,528百万円(前連結会計年度末比29.7%増)、負債の部合計157,960百万円(前連結会計年度末比48.1%増)、純資産の部合計159,567百万円(前連結会計年度末比15.6%増)となりました。
流動資産は、新株予約権付社債の発行などによる現金及び預金の増加およびたな卸資産の増加などにより、240,312百万円(前連結会計年度末比36.0%増)となりました。
固定資産は、アシックスジャパン株式会社新社屋の建設に伴う有形固定資産の増加および当社の連結子会社であるアシックス商事株式会社の株式を追加取得したことに伴うのれんの計上による無形固定資産の増加などにより、77,216百万円(前連結会計年度末比13.5%増)となりました。
流動負債は、仕入債務および短期借入金ならびに未払費用の増加などにより、81,177百万円(前連結会計年度末比26.8%増)となりました。
固定負債は、新株予約権付社債の発行による増加および長期デリバティブ負債の増加などにより、76,782百万円(前連結会計年度末比80.2%増)となりました。
株主資本は、利益剰余金の増加により、149,105百万円(前連結会計年度末比10.7%増)となりました。
その他の包括利益累計額は、繰延ヘッジ損益は減少しましたが、為替換算調整勘定の増加などにより、9,338百万円と前連結会計年度末に比べ14,150百万円増加しました。
少数株主持分は、当社の連結子会社であるアシックス商事株式会社を完全子会社化したことにより、1,109百万円(前連結会計年度末比86.5%減)となりました。
また、キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、53,633百万円と前年同期末に比べ21,300百万円増加しました。
③キャッシュ・フローについて
当社グループは営業活動により得たキャッシュ・フロー(6,393百万円)および新株予約権付社債の発行により得たキャッシュ・フロー(30,049百万円)を、株主への還元のための配当金の支払(2,274百万円)および子会社株式の取得(9,037百万円)に充てたほか、有形および無形固定資産の取得(7,342百万円)に充当いたしました。
また、当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、子会社の余剰資金を当社において集中管理し、運転資金または設備投資資金を必要とする子会社に還流して、当社グループの資金をできる限り効率的に活用しております。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
平成22年3月期平成23年3月期平成24年3月期平成25年3月期平成26年3月期
自己資本比率(%)53.949.650.853.149.9
時価ベースの自己資本比率(%)93.8105.083.6122.1121.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.53.93.72.86.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ35.520.915.921.08.9

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。