有価証券報告書-第68期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 13:33
【資料】
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【項目】
125項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費は実質所得改善の実感がなく停滞感を残しています。また、海外経済においては、米国は雇用・所得環境の改善による消費改善が進むものの、中国経済の成長鈍化や不安含みの米朝関係など先行き不透明な状況にあります。
国内住宅関連業界におきましては、住宅ローン減税や金利優遇政策の効果一巡により、下期には新設住宅着工戸数が前年を下回ったことに加え、労働力不足や素材価格の高騰等の影響により厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループは中期経営計画『Vプラン20』の方針に基づき、国内事業の収益力の強化、海外事業の拡大に向けた取組みを進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,146億48百万円(前年同期比1.3%増)となりました。利益面につきましては、営業利益が67億8百万円(同25.0%減)、経常利益が80億94百万円(同13.4%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期計上した製品保証引当金について不具合の原因となった電子部品の納入メーカーとの和解合意にいたり、受取和解金および製品保証引当金戻入額を計上したこと等により、54億2百万円(同16.1%増)となりました。
① 国内事業
当連結会計年度の国内事業セグメントは、売上高が1,589億75百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益が40億41百万円(同32.5%減)となりました。
温水空調分野では、ガス・石油機器の需要が前年を上回る中、業界初となる「見まもり」「キレイ」機能を備えた主力商品「GT-C62シリーズ」を発売するなど、高効率ガス給湯器「エコジョーズ」の販売を促進しました。
厨房分野では、グリル料理の楽しさを広める「毎日グリル部」を運営するなど、自動でグリル調理が可能なマルチグリルの提案を進め、ガスビルトインコンロの中高級グレードとレンジフードを中心に拡販に努めました。
住設システム分野では、ジャスト対応が可能なシステムキッチン「レシピアシリーズ」や、おそうじ浴槽を標準搭載したシステムバス「ユパティオシリーズ」でリフォーム需要獲得に向けた提案に取り組みました。また、4月にはトクラス株式会社との業務提携に関する基本合意書を締結しました。
しかし、新製品の市場導入が遅れたことおよび素材価格が想定以上に高騰したことにより、減収減益となりました。
② 海外事業
当連結会計年度の海外事業セグメントは、売上高が659億39百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益が26億66百万円(同9.6%減)となりました。
中国では、経済成長の鈍化傾向が継続する中、仕入先の部品製造メーカーを能率(中国)投資有限公司の工場用地内に誘致し、品質向上および原価低減を図りました。また、伸長するインターネット販売での業績拡大を図るため、インターネット専用品の新製品開発を強化しました。
米国では、好調な経済環境を背景とする中、給湯器の熱効率基準が引き上げられたことにより、タンク式給湯器からタンクレス給湯器へのシフトが加速しました。そのような市場環境のもと、熱効率を高めた北米仕様のタンクレス給湯器「EZシリーズ」を投入しました。
その結果、中国・米国・豪州の主要3エリアにおいて増収となりました。しかし、櫻花衛厨(中国)股份有限公司の一時的な費用増加等により、海外事業全体では増収減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、342億83百万円と前連結会計年度末と比べ16億4百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は83億76百万円(前年同期比88億61百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益77億82百万円、減価償却費80億93百万円、製品保証引当金の減少額21億8百万円、売上債権の増加額20億23百万円、たな卸資産の増加額28億14百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により支出した資金は85億74百万円(前年同期比21億51百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出83億80百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により支出した資金は17億15百万円(前年同期比1億円増)となりました。これは主に配当金の支払による支出15億29百万円等によるものであります。