有価証券報告書-第73期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/23 11:19
【資料】
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【項目】
169項目
④気候変動のリスク及び機会に対する取組及び指標と目標
a 気候変動に関するリスク及び機会の重要な取組と指標及び目標
国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、財務面及び非財務面の両面から影響度の大きい気候変動のリスク項目を絞りこみ、検討を行いました。市場リスクでは、電気自動車の普及が進み、従来のエンジン周りの部品や給油口周りの部品など、ガソリン車特有の構造に関する機能部品が徐々に少なくなる可能性や、異業種からの自動車業界への参入が増え、異業種に納入していたメガサプライヤーなどが新たに競争相手となることが、中長期的に予想されます。市場/
技術リスクでは、CO2排出量を抑えた代替製品の出現により既存及び新興の自動車メーカーでの当社グループの商圏が減少する可能性があります。急性リスクでは、暴風雨、雪、凍結等の気候の激甚化によりサプライチェーンの断絶が起こる可能性が高まり、それによって引き起こされる材料調達不足による顧客への供給リスク回避のために、高価な材料購入及び輸送費負担が増加する可能性があります。一方、市場/製品/サービスの機会として、CO2排出量削減を目的とした、より軽量な車や、非ICE車、再生可能エネルギー使用の機会などが急拡大することにより、モーター、バッテリー、電池(全固体電池含む)、ブレーキ周りなど、特有の機能部品の需要が拡大する可能性があると考えます。これらのリスク及び機会の主な取組は、対応を主管する各組織において、通常業務の中に様々な形で対応が取られています。2024年に発表した開発製品としては、生産時のCO2発生量は他の材料のブラッシュクリップよりも少なく、使用後は水と二酸化炭素に分解され、自然に還る生分解性プラスチック製ブラッシュクリップ等があります。これらの移行リスク及び物理的リスク、そして気候変動に伴う機会に関する全ての指標は、社内において定め、すでに実行中ですが、事業戦略における重要性を鑑み、現在は非公開としています。今後、公開も視野に入れ慎重に検討していきます。
その他、2024年度に重要な取組として行われたものは、市場規制や顧客からの再生原材料の使用要求に対し、適時適切な対応ができないことによる売上の減少及び調達コストが上昇する可能性があるという市場リスクに対する、非化石資源材料、リサイクルプラスチック材、天然資源(バイオマス)を利用した材料の活用推進と、再生材(含むバイオマスプラスチック)を採用した製品の仕様を満たす製品形状と工法の開発です。これらの重要な取組は、「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」というマテリアリティにもつながっています。2024年度は、「XtoCarプロジェクト」と称し、製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動に取組を開始しました。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。
b 「2050年カーボンニュートラル宣言」を実現するための指標及び目標
当社は、気候変動に対する中長期戦略として「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。CO2排出量削減に関する大枠の指標としまして、Scope1とScope2を対象に、2030年に当社及び国内グループ会社において2020年比で33%削減、2050年にカーボンニュートラルを目指して取組を進めています。名古屋工場においては、オンサイトPPA及びオフサイトの自己託送を25年度に開始予定としており、これにより再生可能エネルギーの比率を年々上昇させ、早期にカーボンニュートラル達成モデル工場となることを目指しています。その他、詳細の指標及び目標については、2027年度の次期中期経営計画に反映を予定しています。
また、集計済みとなっている最新の当社及び国内グループ会社のCO₂排出量は以下のとおりです。集計方法は、世界的な標準算出方法となっているGHGプロトコルを採用しています。継続的な省エネ活動を推進しておりましたが、2023年度において生産量の増加に伴うエネルギー量の増加が省エネ等による削減量を上回ったため、Scope1及びScope2は微増いたしました。しかしながら前述のとおり、名古屋工場をはじめとして再生可能エネルギー比率を最大限上昇させていく対応を目指していきます。また、Scope3は算出根拠を発注金額としており、為替変動、資材及び輸送費の高騰により、結果増加となりました。なお、2024年度の数値については、2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定です。
https://www.nifco.com/csr/environment/index.html
Scope1、Scope2推移グラフ(提出会社)0102010_005.png
Scope3推移グラフ(提出会社)0102010_006.png

現在、Scope1及びScope2については、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示となっていますが、これらの情報把握及び開示は、CO2排出に関する規制強化や炭素税の導入により事業コストの上昇や、脱炭素化に向けた顧客及び取引先からの期待の高まりに対し、当社及び国内グループ会社内で影響の大きい分野や工程を特定して事前に対策を講じることや、再生可能エネルギーの導入や効率的な設備投資、新技術開発の必要性を具体化することで、競争優位性を維持するための行動指針の立案につながります。これにより、持続可能な成長の基盤を強化、そして国内という限定的な範囲であっても、積極的なデータ開示は環境配慮を重視する顧客や投資家の信頼を得る手段となり、ビジネス機会を広げるきっかけとなるため、将来的には連結会社全体への展開に資するものと考えています。
なお、現時点で海外拠点からのデータについては、収集がエクセルベースであり、データ精度の観点から現状では正式開示に至っておりませんが、2025年度よりScope1及びScope2の参考値としての開示を予定しております。今後はグローバルでのデータ精度向上と第三者保証に耐えうる水準の管理体制の整備を視野に入れ、システム導入等を検討してまいります。
また、Scope3(サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量)の算定については、サプライチェーン全体におけるデータの保有状況や管理方法にばらつきがあるため、現時点では統一的に把握・算定することが困難となっています。そのため、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示としています。今後は、重要関係会社との連携強化を行い、Scope3に関するデータの整備及び開示を段階的に検討していきます。
気候変動のリスク及び機会の影響の可能性は様々ですが、当社は企業価値を最大化すべく、これらのガバナンス及びリスク機会管理によって、今後も取組を適切に実施してまいります。

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