有価証券報告書-第73期(2024/04/01-2025/03/31)
③各重要課題の戦略及び目標と取組状況
[マテリアリティの特定]
当社グループは、サステナビリティ経営の基盤を強化すべく2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティの特定にあたり、はじめにバリューチェーン分析を行い、当社グループの事業が社会や環境にどのような影響を及ぼしているかを整理、把握しました。その分析結果に基づき、重要なテーマの洗い出し、環境・社会へのインパクト評価、財務に影響するリスクと機会の分析などを行いました。その後、対応を主管する組織で見直しを重ね、ESG推進室にてとりまとめを行い、取締役会にて承認され、下記のマテリアリティが決定しました。これは、中期経営計画の実行と、長期ビジョン及びパーパスの実現、そして持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としたものです。
2025年度からは体制を見直し、これらのマテリアリティの、主にリスクについては、リスクマネジメント委員会を通して、機会についてはサステナビリティ委員会を通して、対応を主管する各組織に落とし込まれ、両委員会がその進捗モニタリング行います。各マテリアリティの取組内容は、両委員会より定期的に経営会議に報告されます。同会議にて改善や新たな取組が決定され、両委員会を通して、再び各組織及びグループ各社へ指示が出されます。こうしたサイクルを実施し、マテリアリティを随時見直しつつ、リスクと機会に適切に対応し、中長期の目標を実現してまいります。
2024年度 ニフコマテリアリティ

[サステナビリティ経営の強化]
・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組
持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。
・取締役会実効性の向上
当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。
・次世代取締役層の育成
2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。
・コンプライアンスの徹底
もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。
「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。
[情報セキュリティの確保]
「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。
[製品の安全性と品質の確保]
当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。今後順次、他の地域も展開を行います。近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。
信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。
[廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進]
当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。
※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団
※2024年度の実績は2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定
https://www.nifco.com/csr/environment/index.html
この他、マテリアリティの重要な部分を占める気候変動と人的資本に関する取組を、それらの戦略に沿って(2)以降に記載します。
[マテリアリティの特定]
当社グループは、サステナビリティ経営の基盤を強化すべく2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティの特定にあたり、はじめにバリューチェーン分析を行い、当社グループの事業が社会や環境にどのような影響を及ぼしているかを整理、把握しました。その分析結果に基づき、重要なテーマの洗い出し、環境・社会へのインパクト評価、財務に影響するリスクと機会の分析などを行いました。その後、対応を主管する組織で見直しを重ね、ESG推進室にてとりまとめを行い、取締役会にて承認され、下記のマテリアリティが決定しました。これは、中期経営計画の実行と、長期ビジョン及びパーパスの実現、そして持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としたものです。
2025年度からは体制を見直し、これらのマテリアリティの、主にリスクについては、リスクマネジメント委員会を通して、機会についてはサステナビリティ委員会を通して、対応を主管する各組織に落とし込まれ、両委員会がその進捗モニタリング行います。各マテリアリティの取組内容は、両委員会より定期的に経営会議に報告されます。同会議にて改善や新たな取組が決定され、両委員会を通して、再び各組織及びグループ各社へ指示が出されます。こうしたサイクルを実施し、マテリアリティを随時見直しつつ、リスクと機会に適切に対応し、中長期の目標を実現してまいります。
2024年度 ニフコマテリアリティ

[サステナビリティ経営の強化]
・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組
持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。
・取締役会実効性の向上
当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。
・次世代取締役層の育成
2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。
・コンプライアンスの徹底
もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。
「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。
[情報セキュリティの確保]
「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。
[製品の安全性と品質の確保]
当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。今後順次、他の地域も展開を行います。近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。
信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。
[廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進]
当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。
※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団
| 回次 | 第69期 | 第70期 | 第71期 | 第72期 |
| 決算年月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
| 総排出量 (t) | 1,434.4 | 1,265.4 | 1,478.3 | 1,295.5 |
| 有価物重量 (t) | 349.7 | 487.9 | 942.5 | 1,020.6 |
| 総廃棄物量 合計 (t) | 1,784.1 | 1,753.3 | 2,420.8 | 2,316.1 |
※2024年度の実績は2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定
https://www.nifco.com/csr/environment/index.html
この他、マテリアリティの重要な部分を占める気候変動と人的資本に関する取組を、それらの戦略に沿って(2)以降に記載します。