有価証券報告書-第58期(平成26年11月1日-平成27年10月31日)

【提出】
2016/01/29 14:53
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題

(1) 当面の対処すべき課題の内容等
当社グループは素材の生産・仕入から商品開発・デザイン、製品の加工・工芸、販売までを一貫して手掛けるビジネスモデルを有し、ものづくりの伝統とデザインの革新性を両立したジュエリーブランドとして市場で高い評価を獲得しているものと認識しております。他方、当社グループを取り巻く市場環境については、国内ジュエリー小売市場規模では、富裕層を中心とした高額品消費の伸長、アジア諸国からの訪日外国人の増加や「ジャパン・クオリティ」への注目度の高まりなどを背景に、更なる拡大を見込んでおります。加えて、世界におけるジュエリー小売市場でも、アジアにおける高い成長が牽引し、国内市場以上の成長を見込んでおります。かかる状況を踏まえ、当社は次のような戦略を掲げ、更なる成長機会の実現を推し進め、当社の企業価値の最大化を目指してまいります。
① 新中期経営戦略の推進
a.継続的なマーケティング活動によるポジショニングの確立とブランド浸透の推進
当社グループが提案するCreativity(創造性)を具現化したビジュアルやブランドメッセージの継続的な訴求による、革新的でかつ洗練されたジュエリーを提供するブランドとしてのポジショニングの確立をしてまいりました。今後もこの活動を継続し、かつクリエーションの領域を拡張しながら、ラグジュアリーブランドとしての位置づけを確たるものとするとともに、確かなQuality(品質)、独創性溢れるCreativity(創造性)、卓越したCraftsman ship(工芸)からなる、当社ならではの価値を提供することによって、より広くより深いブランド浸透を実現すべく推進してまいります。
b.百貨店チャネルでのポジショニング向上
当社グループは、主要百貨店に販売チャネルを構えることで、ブランドの浸透を図りながら成長を遂げてまいりました。一方で、未だ進出地区が全国主要都市の一部百貨店に留まることから、将来の出店余地を残しております。今後も主力販売チャネルとして注力する方針を継続し、未出店の百貨店への新規出店及び既存店においても高い売上高水準と坪効率を達成することにより、ブティック店舗(三方向を壁で囲われた独立した常設店舗)化を実現するとともに、売場面積拡大に伴う高額商品や新商材を投入するなど商品ラインナップの拡充による売上高増加と店舗効率の更なる改善を目指します。
c.海外市場での本格的ブランディング投資
当社グループは、中国・韓国・台湾を中心とした東アジア各国において、日本国内同様のブランド展開と店舗展開を図り、中国では3つの旗艦店を展開しておりますが、今後は店舗のスクラップ&ビルドを進め、主要百貨店やモールを中心とした店舗展開へシフトすることにより、売上高の増加を計画しております。また、欧州地域においては平成26年にTASAKI FRANCE S.A.S.を設立し、ファッションの中心地であるパリの老舗百貨店Le Bon Marché Rive Gaucheに出店することでブランド展開の橋頭保を築き、今後は、欧州各国の中心都市への店舗展開を進め、ブランドの浸透を進めることで売上高増加を図る所存です。
d.新商材への展開
ブランド改革によってブランド力が向上したことで、ジュエリー以外の商材についても顧客からの支持を受けやすくなり、新商材の展開が可能となっている中、当社グループは、主力商品である真珠・ダイヤモンド等のジュエリー以外に、高級腕時計コレクション・レザーグッズ・メンズコレクション・ギフトアイテムの展開など、ブランドとしての価値を更に高めていく戦略を志向しております。
e.インバウンド需要の取込み
ジュエリー業界において、近年、訪日外国人によるインバウンド消費は重要な販売機会となっており、当社グループにおいても、訪日外国人向け媒体におけるブランド広告の露出や、接客においては外国語での応対ができる人員の配置や支援ツールの導入など、外国人顧客の獲得に注力するなど施策を講じてまいります。
② 在庫の適正化
当社グループは、引き続き、在庫内容・在庫金額の分析・検討を行い、市場の需要にリンクさせるよう在庫の適正化を推進してまいります。
③ 内部統制・コンプライアンス・コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、内部統制報告制度を導入しており、これに基づき、社内における統制・遵法を更に強化整備することを課題として取り組んでまいります。
また、コーポレートガバナンスを経営上の重要課題のひとつとしてとらえており、経営の透明化・効率化を通して、企業価値の向上を目指しております。