有価証券報告書-第65期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 14:29
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、企業収益と個人消費の伸び悩みと相次ぐ自然災害の影響や消費税率引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があること、海外では米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱の行方による海外経済の不確実性などが懸念されていることに加え、年度終盤には、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大を見せた影響による経済への深刻な打撃が見込まれるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社グループにおきましては、自動車用フロアーマットメーカーとして顧客のニーズに沿った新製品の開発から既存品の高付加価値商品化を継続的に創出し、また、2019年4月10日付けで株式会社K&Mを完全子会社化いたしました。新たに合成木材分野への営業展開を図り、異型押出成形加工の技術力強化およびプラスチック製品の成長分野を深堀りし事業基盤の一層の強化への取り組みに努めてまいりましたが、売上高80億97百万円(前期比0.1%増)、営業利益2億48百万円(前期比18.9%減)、経常利益2億32百万円(前期比34.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億36百万円(前期比47.3%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
自動車用品関連
自動車用品関連につきましては、自動車用フロアーマットの売上は、国内自動車販売台数は普通車および軽自動車ともに伸び悩んでおり、消費増税の駆け込み需要もなく新型車の販売効果も極めて少なかったことに加え、年度終盤の新型コロナウイルス感染症拡大により一部では受注減少の影響が出始めているなど、低調に推移したことから、売上高54億24百万円(前期比14.7%減)、営業利益1億17百万円(前期比54.5%減)となりました。
産業資材関連
産業資材関連につきましては、公共事業向け部材は安定した受注および売上で推移いたしましたが、半導体関連部材は米中貿易摩擦の影響による生産調整が続いているため売上は低調に推移し、家電用関連部材は消費増税後の反動減の影響などから売上微減となりました。また、新たに子会社化した株式会社K&Mの合成木材製品のデッキ材やフェンス材のエクステリア向け製品の売上および収益が加わったことなどから、売上高26億73百万円(前期比54.2%増)営業利益1億31百万円(前期比168.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は21億60百万円と前連結会計年度末と比較して74百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が2億6百万円、減価償却費2億62百万円、賞与引当金の減少35百万円、役員退職慰労引当金の減少29百万円、売上債権の減少87百万円、たな卸資産の減少2億45百万円、仕入債務の減少5億4百万円、法人税等の支払額1億9百万円などにより、当連結会計年度における資金の収入は98百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億95百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出2億24百万円、投資有価証券の取得による支出20百万円などにより、当連結会計年度における投資活動による資金の支出は2億54百万円となり、前連結会計年度末と比較して34百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出65百万円、長期借入れによる収入3億50百万円、自己株式の取得による支出34百万円、配当金の支払額82百万円により、当連結会計年度末における財務活動による資金の増加は1億68百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億46百万円の資金増加となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
自動車用品関連5,471,907△13.7
産業資材関連2,647,05356.2
合計8,118,9601.0

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
自動車用品関連5,424,151△14.7
産業資材関連2,673,66454.2
合計8,097,8150.1

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社ホンダアクセス2,213,01327.31,882,80923.3
豊通オートモーティブ
クリエーション株式会社
1,125,18613.9977,93112.1
スズキ株式会社982,11612.1935,58511.6
丸紅プラックス株式会社881,39210.9

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。また、当社グループは連結財務諸表作成にあたり、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映しております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
a.たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と移動平均法による原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)による評価額との差額に相当する陳腐化の見積額について、評価減を計上しています。実際の将来需要又は市場状況が当社グループ経営者による見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.固定資産
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しておりますが、将来キャッシュフローの見積額に修正が生じた場合において、当該固定資産に対して減損損失を認識する可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
a.経営成績
当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。
b.財政状態
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、94億42百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億71百万円の増加となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して58百万円の減少となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加74百万円、受取手形及び売掛金の増加27百万円、たな卸資産の減少1億53百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して5億29百万円の増加となりました。その主な要因は、有形固定資産の増加5億3百万円、土地使用権の減少11百万円、繰延税金資産の減少29百万円によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、25億61百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億10百万円の増加となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して4億25百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少46百万円、電子記録債務の減少3億64百万円、未払法人税等の減少75百万円、1年以内返済予定の長期借入金の増加1億27百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して6億36百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金の増加6億14百万円、繰延税金負債の増加33百万円、役員退職慰労引当金の減少29百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、68億81百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億60百万円の増加となりました。その主な要因は、資本剰余金の増加67百万円、利益剰余金の増加54百万円、自己株式の減少1億78百万円によるものであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
④経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経済環境は、雇用・所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しているものの、企業収益と個人消費の伸び悩みと相次ぐ自然災害の影響や消費税率引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があること、海外では米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱の行方による海外経済の不確実性などが懸念されていることに加え、年度終盤には、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大を見せた影響による経済への深刻な打撃が見込まれるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループは創業から今日まで異型押出成形加工を中心に合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を根底にその技術を時代に対応させながら、新しい分野へと応用していく研究開発活動を通し、合成樹脂メーカーとして産業資材分野および自動車用品分野において、企画開発設計から提案までトータルにサポートできる「ものづくり企業」を目指して社会の発展に貢献しようと考えております。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金調達について
当社グループにおける主な資金需要として、運転資金、設備投資資金、有利子負債の返済及び利息の支払い等が必要であります。当社はこれらの資金需要につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローによって賄っております。また、事業活動を円滑に行うための資金調達に際しては、事前に充分な検討を加え、低コストで安定的な資金の確保を重視しており、今後において運転資金及び設備投資資金等による資金需要が発生する場合に備えております。