有価証券報告書-第34期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 16:41
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念に「Really! Mad+Pure」を掲げ、常識にとらわれない発想で新たなチャレンジを続けることにより、世の中に驚きと感動を与え続ける企業を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2024年3月期の経営数値目標として、営業利益200億円を掲げ、その達成に向けて努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、未来志向型エンタテインメント企業を目指し、音楽、アニメ・映像、デジタル・プラットフォームを中心とした各領域での事業強化を図るとともに、事業間シナジーを促進するための全社最適を徹底し、新たなヒットやビジネスの創出に積極的に取り組むことで、事業拡大と企業価値向上を実現してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、日本国内の経済活動はもとより、当社グループの事業活動におきましても、感染拡大防止に伴うライヴ・イベントの開催自粛等により大きな影響を及ぼしました。また、人々の生活様式と価値観を大きく変化させ、企業活動におきましても、テレワーク対応等による働き方の改革が進み、デジタル技術活用の必要性が再認識されました。
当社グループにおきましては、引き続き必要かつ十分な感染拡大防止の対策を行いながら事業活動を展開する一方で、政府や各自治体からの要請等に対しては、引き続き積極的な措置を講じ、企業としての社会的責任を全うするとともに、業績の向上と持続的な企業価値創出のために、以下の7項目を重点課題として、取り組んでまいります。
① ヒットコンテンツの創出
当社グループは、ユーザーの消費行動の多様化、デジタルの更なる普及による国境のシームレスが進む中、コンテンツホルダーとしてヒットコンテンツを創出することが最大の命題であると認識しております。アーティスト・タレント等の発掘・育成・マネジメントの一貫した体制を構築、ヒット創出に向けた経営資源の集中を図るとともに、多様化したユーザーニーズに対応しグローバルな展開を視野に入れたヒットコンテンツの創出を実現してまいります。
② 新たな技術を活用したIPの創造
当社グループは、テクノロジーの進化に伴い市場環境の変化が進む中、新たなIP(知的財産権)を継続的に創造することを目指しております。「Entertainment×Tech×Global」をキーワードに掲げ、エンタテインメントとテクノロジーによるシナジーを最大化することで、新たな技術を活用したIPの創造への取り組みを推進してまいります。
③ デジタル・ネットワークの構築による収益の最大化
当社グループは、強みとするエンタテインメントにおける360度ビジネスを、よりユーザーフレンドリーに展開し、オンラインライヴ、サブスクリプション、ゲーム、VR等、デジタル領域における各分野を強化することで、生活環境の変化に適応できる「盤石のデジタル・ネットワーク」を構築することが重要であると認識しております。ファンクラブ、ECサイト、チケット販売ソリューションを更に充実させ、環境の変化に合わせて「オンライン・オフライン」を掛け合わせたハイブリッド型のビジネスモデルを構築することで、将来的にオン・オフ両面での収益を最大化し、より大きな成長を目指してまいります。
④ グローバル展開の促進
当社グループは、更なる市場機会の獲得のために、日本のみならず海外においてもビジネスの可能性を追求することが重要であると認識しております。海外の有望な企業とパートナーシップを組み、アーティスト・タレント、音楽・映像コンテンツに加え、ライヴ・イベント等の多様なIPをアジアをはじめ世界中のエンタテインメント市場に積極的に展開するとともに、アメリカに設立した音楽スタジオを拠点に、有望な海外のクリエイター陣がグローバルなヒットを視野に入れた楽曲制作に取り組むことで、世界的に支持されるIPを創造することを目指してまいります。
⑤ 人材育成の強化
当社グループは、事業環境の変化と業容拡大に対応し更なる成長を実現するために、人材育成の強化が必要であると認識しております。年齢・性別・国籍等に関係なく活力ある人材を積極登用することによる次世代の経営層の育成や、オフィス環境の変化による働き方改革の推進、新報酬制度の導入等により、従業員一人ひとりが意思と活力を持って働く企業を目指してまいります。
⑥ 企業風土の醸成
当社グループは、エンタテインメントを通じて世の中に驚きと感動を届けるという創業精神を無限に追求する企業風土の醸成が必要であると考えております。タグライン「Really! Mad+Pure」の下、経営陣と従業員が同じ価値観を共有すべく、社内コミュニケーションを強化するとともに、コンプライアンスポリシーを経営陣、従業員及び契約アーティスト・タレントにとってのすべての行動・判断の基準と捉え事業活動を行うことで、お客様への提供価値の向上に努めてまいります。
⑦ ガバナンス体制の強化
当社グループは、2020年6月26日に監査等委員会設置会社に移行しました。監督機能と業務執行を分離することで、的確な経営の意思決定、迅速かつ適正な業務執行及び充分なモニタリングが機能する経営体制を構築し、あわせて企業倫理の維持・向上を図っていくことをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としております。今後も当社グループを取り巻く環境の変化に応じながら業績の向上に努めると共にコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図ってまいります。