有価証券報告書-第101期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(3)【監査の状況】
①監査役会の状況
組織・人員:
・本報告書提出時点において監査役は5名であり、常勤監査役2名と社外監査役3名から構成されています。監査役のうち1名は女性で、監査役会における女性比率は20%です。監査役会は、塩谷公朗監査役及び森公高監査役を財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役として選任しています。塩谷公朗監査役は、1984年に当社に入社して以降、会計業務に携わり、2012年にセグメント経理部長、2015年に執行役員経理部長に就任し、2019年に現職に就任しました。森公高監査役は、公認会計士として企業会計に長年携わり、また日本公認会計士協会会長などの要職を歴任しています。
・当社は、会社法第427条第1項に基づき、各監査役との間で、法令の定める限度まで監査役の責任を限定する契約を締結しています。
・監査役の職務遂行を補助する組織として監査役室を設置し、これに必要な適正な知識、能力を有する専任スタッフを3名以上配置することとしています。
監査役会の活動状況:
・監査役会は、取締役会開催に先立ち定期的に開催されるほか必要に応じて随時開催されます。当連結会計年度は合計24回開催しました。常勤監査役については、2019年6月20日の監査役就任以降に開催された監査役会17回すべてに出席しております。社外監査役の監査役会出席状況については、第4.4.(2)②(d)2020年3月期における社外監査役の活動状況に記載の通りです。
・監査役会は、法令、定款及び監査役会規程の定めるところにより、監査に係る重要事項について報告を受け、協議を行い、または決議をします。当社連結グループの監査においては、関係会社が地域・業種・成長発展段階ともに多岐にわたることに鑑み、監査方針の策定において内部統制体制の構築・運用の土台となるグループ行動指針の浸透とそれに沿った企業活動の実施の確認に重点を置いております。更に、企業活動を取り巻く外部環境の変化を捉え、気候変動問題、新しい働き方等多角的な視点で監査方針の策定を行っております。また、有効かつ効率的な監査の実施のため、会計監査人、内部監査部との緊密な連携に加えて、関係会社において内部統制体制の構築・運用を監督する組織・役職員(関係会社の監査役、会計監査人及び内部監査組織等)との更なる連携強化にも重点を置いて取り組んでおります。
・監査役会における主な検討事項や協議事項は、以下のとおりです。
- 監査方針、監査計画及び業務分担
- 会計監査人に関する評価
- 常勤監査役による監査活動状況
- 取締役会に付議される主要案件の内容及び審議過程
- 当社連結内部統制上の課題等の当社執行状況
- 監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)に関する当社及び会計監査人の対応状況
・年間の監査結果を踏まえ、監査役会として認識された課題につき、取締役会に対して提言を行い、取締役会において意見交換を行い、これらの内容の社内周知を図っています。
・監査活動においては企業活動の現場への往訪とそこで活動するグループ役職員とのコミュニケーションを重視しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大により企業活動が著しく制約を受ける中、これら監査活動が実施できない場合の代替監査手段について一部試行を行うと共に、その試行を踏まえた監査計画の検討を開始しております。
・監査役会の実効性評価に関して、全社外監査役に対する個別ヒアリング実施の上、監査役会において意見交換及び自己評価を行った結果、実効性は概ね適切に確保されていると判断しました。一方で、実効性を更に高めていくための課題として、関係会社監査役とのより一層の連携等にも取り組んでいく必要性が認識されました。
監査役の主な活動:
・監査役は、業務監査として、取締役の職務執行の監査、取締役会等の意思決定の監査、内部統制システムの整備・運用状況の監査、会計監査として、会計監査人の独立性の監視及び財務報告体制の監査、会計方針・会計処理等の監査、計算書類などの監査、会計監査人からの報告の監査、更に企業情報開示体制の監査にあたります。
・監査役は、取締役会に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、積極的に意見表明を行っています。また、常勤監査役は、経営会議を始めとする社内の重要な会議または委員会に出席します。また、監査役全員による会長・社長各々との会談を定期的に開催するほか、常勤監査役は取締役及び執行役員との個別対話並びにコーポレートスタッフ部門担当役員及び部長との定例会議において報告を受け意見交換を行います。その他、常勤監査役は内部監査部より内部監査の報告を受け、内部監査講評会に原則として全て出席し、被監査組織に対して所感を伝えます。
・監査役は、国内外の主要な関係会社の中から重要と位置づけられる会社を監査役会指定重要関係会社に指定し、これらを中心に関係会社を往訪し、また関係会社の監査役等との日頃の連携を通して、関係会社管理の状況の監査を行っています。その他、監査役は会計監査人との月例連絡会議において四半期毎のレビュー状況等の会計監査の状況について適時に報告を受け、当社対応状況等の監査環境についても意見交換を行います。
②内部監査の状況
・内部監査部は、社長の命または承認に基づき、経営目標の効果的な達成に資することを目的として、内部統制の整備・運用状況を、業務の有効性・効率性、財務報告等の信頼性、法令遵守、及び会社資産の保全の観点から評価します。また、それぞれの組織体のリスクマネジメント、コントロール、及びガバナンスの各プロセスの妥当性・有効性を評価し、その改善に向けて助言・提言を行います。
・内部監査の独立性・客観性を担保するため、内部監査部は社長直轄の組織としています。人員構成は以下のとおり、2020年3月末現在、部長1名、検査役40名(再雇用嘱託24名含む)、その他の監査担当職員24名、スタッフ12名の合計77名を、本店内部監査部(55名)、海外内部監査室(6名)、業務部業務監査室(3名)、及び関係会社常勤監査役(13名)に配置しています。
・当社、海外店及び現地法人、子会社を中心とする内外関係会社を対象に行う定例監査においては、リスクマネジメント、経営・業務の有効性、コンプライアンス、適切な財務報告の視点から、内部監査規程等に則り独立・客観的な評価を行います。また、複数の組織や業務プロセスに関わる課題や安全保障貿易の管理状況に係る監査といった監査目標・項目ごとの組織横断監査、機能別に行う監査や、異例の経済的損失や信用毀損を招いた、またはそのおそれが高い事象に対し、これらの事象の全貌を把握し、責任の所在を明らかにするとともに、原因究明及び再発防止に向けた施策を提言する特命検査を実施しています。また、同部は、金融商品取引法に基づき独立部署として当社全体の財務報告に係る内部統制についての評価を取り纏め、確認した上で後述のJ-SOX委員会に付議します。
・各年度の内部監査方針は内部監査計画とともに社長の承認を得る必要があります。内部監査は、監査対象組織に対して事前の予告をして、または予告なしで実施します。監査人は内部監査報告書の作成に先立ち監査対象組織に対し内部監査結果の講評を行い、指摘事項については充分意見の交換を行います。監査結果は社長に報告し、改善すべき事項は改善状況の報告を求め、再評価を行います。
③会計監査の状況
・監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
当社は、連結決算の早期化及び信頼性確保のために、原則として監査業務の委託先をDeloitte Touche Tohmatsuに統一することとしています。なお、当社会計監査人は会社法監査、金融商品取引法監査、英文連結財務諸表監査を実施しています。
・継続監査期間
47年間
業務執行社員のローテーションに関しては適切に実施されており、原則として連続して7会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。
なお、筆頭業務執行社員については連続して5会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。
・業務を執行した公認会計士
森重 秀一
北村 崇
大橋 武尚
岡 良夫
・監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の人数は、2020年3月末現在113名であり、その構成は、公認会計士36名、日本公認会計士協会準会員等20名、その他57名となっています。
・会計監査人の選定方針と理由
当社は会計監査人の再任、解任、不再任および選任の決定の方針を次のとおりとしています。
(a)会計監査人の任期は1年とし、再任を妨げない。
(b)会計監査人の解任、不再任および選任は、監査役会において、これを株主総会の付議議案とする旨決議する。再任および選任のための会計監査人の選定については、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を持続的に実施できる体制を構築していることを評価・確認のうえ監査役会にて決議する。
(c)当社都合の場合の他、会計監査人が、会社法、公認会計士法等の法令に違反または抵触した場合、公序良俗に反する行為があった場合、及び、監査契約に違反した場合、会計監査人の解任または不再任を株主総会の付議議案とすることが妥当かどうかを監査役会にて検討する。
(d)監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当する場合は、監査役の全員の同意に基づき会計監査人を解任することができる。
監査役会は第101期事業年度の会計監査について下記の項目・プロセスについて評価を実施しその妥当性を確認し、第102期事業年度における会計監査人の再任決議を行いました。
・監査役会による会計監査人の評価
監査役会は会計監査人の評価を以下の項目で実施しております。
- 会計監査人としての相当性
- 監査チームの期初・期中・期末の監査対応
- 監査報酬決定プロセス
また監査役会は上記3項目の評価を以下のプロセスを通じて実施しております。
- 会計監査人による自己評価の確認および会計監査人のマネジメント、監査責任者及び補助者等からのヒアリング
- 業務執行部門(経理部、内部監査部等)の会計監査人評価の確認および業務執行部門の責任者、担当者等からのヒアリング
再任決議にあたり、当社事業の多様化・複雑化による高度な会計論点、監査論点への対応力の必要性に鑑み監査責任者及び補助者の長期的なサクセッションプランの適時な意見交換の実施について会計監査人と摺り合わせを行っております。また更なる監査品質向上のために、会計監査人に対する課題を提示し、次年度の会計監査においてPDCAサイクルを実施するように求めております。また、上記評価は、業務執行部門と会計監査人、それぞれが会計監査業務の過程で課題とした事項を双方で共有した上で実施することとし、両者の建設的な対話を促し、より高品質な監査の実効性確保に努めています。
④監査報酬の内容等
(a)監査公認会計士等に対する報酬
下表は、前連結会計年度及び当連結会計年度に関する当社及び連結子会社の有限責任監査法人トーマツに対する報酬額を示しております。
(注)監査証明業務に基づく報酬は、会社法に基づく監査、金融商品取引法に基づく監査、及び英文連結財務諸表監査の報酬額です。これには、監査証明業務の一環として実施される業務、監査証明業務と直接的関連性を有する業務、及び法規制により監査人が実施することを要請される業務であり、かつ監査人のみが合理的に提供可能である業務に対する報酬額を含めております。
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(b)有限責任監査法人トーマツと同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu)に属する組織に対する報酬下表は、前連結会計年度及び当連結会計年度に関する当社及び連結子会社のDeloitte Touche Tohmatsuのメンバーファーム(有限責任監査法人トーマツを除く)に対する報酬額を示しております。
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(c)監査報酬の決定方針
監査報酬の決定にあたっては、監査計画の内容や従前の会計年度における職務執行状況等を踏まえ、監査品質の維持・向上と監査の効率的な実施の両立の観点から、監査手続の工程確認や会計監査人と執行業務部門との役割分担、個別案件の論点整理を実施し、監査時間の透明化を進め、報酬額を最適化する方針としております。
加えて、四半期毎に予実管理及び増減理由の分析、効率化の検討およびその進捗の確認を実施し、適時に会計監査人と協議しております。
上記方針に沿って監査報酬の妥当性を確認し、監査役会の同意を得て最終決定しております。
(d)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の評価の中で監査報酬決定プロセスについても確認を行なっております。その状況も踏まえ取締役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っています。
⑤監査役監査、内部監査部監査及び会計監査人監査との連携並びに内部統制部門との関係
・監査役会は、内部監査部及び会計監査人との三様監査連絡会を開催し、各監査方針・監査計画・監査重点項目等について期初に意見交換を行うほか、監査状況等について適宜報告を行い、効率的かつ実効性の高い各監査のための情報交換を行っています。
・常勤監査役は、効率的な監査の遂行のため内部監査部と都度情報交換を行うほか、内部監査部の定例内部監査の講評会に原則として全て出席しています。内部監査部長は、内部監査の計画及び実績を定期的に監査役会に報告します。監査役は、必要に応じ、内部監査部及びその他内部統制を所管する部署に対して、内部統制システムの状況及びリスク評価等について報告を求め、また、監査への種々協力を求めます。
・監査役会は、期末において会計監査人より会計監査及び内部統制監査の手続及び結果の概要につき報告を受け、意見交換を行うほか、期中において会計監査人との月例連絡会議を開催し、会計監査人の監査計画・重点監査項目・監査状況等の報告を受け、情報交換を図るとともに、有効かつ効率的な会計監査及び内部統制監査の遂行について協議します。
①監査役会の状況
組織・人員:
・本報告書提出時点において監査役は5名であり、常勤監査役2名と社外監査役3名から構成されています。監査役のうち1名は女性で、監査役会における女性比率は20%です。監査役会は、塩谷公朗監査役及び森公高監査役を財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役として選任しています。塩谷公朗監査役は、1984年に当社に入社して以降、会計業務に携わり、2012年にセグメント経理部長、2015年に執行役員経理部長に就任し、2019年に現職に就任しました。森公高監査役は、公認会計士として企業会計に長年携わり、また日本公認会計士協会会長などの要職を歴任しています。
・当社は、会社法第427条第1項に基づき、各監査役との間で、法令の定める限度まで監査役の責任を限定する契約を締結しています。
・監査役の職務遂行を補助する組織として監査役室を設置し、これに必要な適正な知識、能力を有する専任スタッフを3名以上配置することとしています。
監査役会の活動状況:
・監査役会は、取締役会開催に先立ち定期的に開催されるほか必要に応じて随時開催されます。当連結会計年度は合計24回開催しました。常勤監査役については、2019年6月20日の監査役就任以降に開催された監査役会17回すべてに出席しております。社外監査役の監査役会出席状況については、第4.4.(2)②(d)2020年3月期における社外監査役の活動状況に記載の通りです。
・監査役会は、法令、定款及び監査役会規程の定めるところにより、監査に係る重要事項について報告を受け、協議を行い、または決議をします。当社連結グループの監査においては、関係会社が地域・業種・成長発展段階ともに多岐にわたることに鑑み、監査方針の策定において内部統制体制の構築・運用の土台となるグループ行動指針の浸透とそれに沿った企業活動の実施の確認に重点を置いております。更に、企業活動を取り巻く外部環境の変化を捉え、気候変動問題、新しい働き方等多角的な視点で監査方針の策定を行っております。また、有効かつ効率的な監査の実施のため、会計監査人、内部監査部との緊密な連携に加えて、関係会社において内部統制体制の構築・運用を監督する組織・役職員(関係会社の監査役、会計監査人及び内部監査組織等)との更なる連携強化にも重点を置いて取り組んでおります。
・監査役会における主な検討事項や協議事項は、以下のとおりです。
- 監査方針、監査計画及び業務分担
- 会計監査人に関する評価
- 常勤監査役による監査活動状況
- 取締役会に付議される主要案件の内容及び審議過程
- 当社連結内部統制上の課題等の当社執行状況
- 監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)に関する当社及び会計監査人の対応状況
・年間の監査結果を踏まえ、監査役会として認識された課題につき、取締役会に対して提言を行い、取締役会において意見交換を行い、これらの内容の社内周知を図っています。
・監査活動においては企業活動の現場への往訪とそこで活動するグループ役職員とのコミュニケーションを重視しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大により企業活動が著しく制約を受ける中、これら監査活動が実施できない場合の代替監査手段について一部試行を行うと共に、その試行を踏まえた監査計画の検討を開始しております。
・監査役会の実効性評価に関して、全社外監査役に対する個別ヒアリング実施の上、監査役会において意見交換及び自己評価を行った結果、実効性は概ね適切に確保されていると判断しました。一方で、実効性を更に高めていくための課題として、関係会社監査役とのより一層の連携等にも取り組んでいく必要性が認識されました。
監査役の主な活動:
・監査役は、業務監査として、取締役の職務執行の監査、取締役会等の意思決定の監査、内部統制システムの整備・運用状況の監査、会計監査として、会計監査人の独立性の監視及び財務報告体制の監査、会計方針・会計処理等の監査、計算書類などの監査、会計監査人からの報告の監査、更に企業情報開示体制の監査にあたります。
・監査役は、取締役会に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、積極的に意見表明を行っています。また、常勤監査役は、経営会議を始めとする社内の重要な会議または委員会に出席します。また、監査役全員による会長・社長各々との会談を定期的に開催するほか、常勤監査役は取締役及び執行役員との個別対話並びにコーポレートスタッフ部門担当役員及び部長との定例会議において報告を受け意見交換を行います。その他、常勤監査役は内部監査部より内部監査の報告を受け、内部監査講評会に原則として全て出席し、被監査組織に対して所感を伝えます。
・監査役は、国内外の主要な関係会社の中から重要と位置づけられる会社を監査役会指定重要関係会社に指定し、これらを中心に関係会社を往訪し、また関係会社の監査役等との日頃の連携を通して、関係会社管理の状況の監査を行っています。その他、監査役は会計監査人との月例連絡会議において四半期毎のレビュー状況等の会計監査の状況について適時に報告を受け、当社対応状況等の監査環境についても意見交換を行います。
②内部監査の状況
・内部監査部は、社長の命または承認に基づき、経営目標の効果的な達成に資することを目的として、内部統制の整備・運用状況を、業務の有効性・効率性、財務報告等の信頼性、法令遵守、及び会社資産の保全の観点から評価します。また、それぞれの組織体のリスクマネジメント、コントロール、及びガバナンスの各プロセスの妥当性・有効性を評価し、その改善に向けて助言・提言を行います。
・内部監査の独立性・客観性を担保するため、内部監査部は社長直轄の組織としています。人員構成は以下のとおり、2020年3月末現在、部長1名、検査役40名(再雇用嘱託24名含む)、その他の監査担当職員24名、スタッフ12名の合計77名を、本店内部監査部(55名)、海外内部監査室(6名)、業務部業務監査室(3名)、及び関係会社常勤監査役(13名)に配置しています。
・当社、海外店及び現地法人、子会社を中心とする内外関係会社を対象に行う定例監査においては、リスクマネジメント、経営・業務の有効性、コンプライアンス、適切な財務報告の視点から、内部監査規程等に則り独立・客観的な評価を行います。また、複数の組織や業務プロセスに関わる課題や安全保障貿易の管理状況に係る監査といった監査目標・項目ごとの組織横断監査、機能別に行う監査や、異例の経済的損失や信用毀損を招いた、またはそのおそれが高い事象に対し、これらの事象の全貌を把握し、責任の所在を明らかにするとともに、原因究明及び再発防止に向けた施策を提言する特命検査を実施しています。また、同部は、金融商品取引法に基づき独立部署として当社全体の財務報告に係る内部統制についての評価を取り纏め、確認した上で後述のJ-SOX委員会に付議します。
・各年度の内部監査方針は内部監査計画とともに社長の承認を得る必要があります。内部監査は、監査対象組織に対して事前の予告をして、または予告なしで実施します。監査人は内部監査報告書の作成に先立ち監査対象組織に対し内部監査結果の講評を行い、指摘事項については充分意見の交換を行います。監査結果は社長に報告し、改善すべき事項は改善状況の報告を求め、再評価を行います。
③会計監査の状況
・監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
当社は、連結決算の早期化及び信頼性確保のために、原則として監査業務の委託先をDeloitte Touche Tohmatsuに統一することとしています。なお、当社会計監査人は会社法監査、金融商品取引法監査、英文連結財務諸表監査を実施しています。
・継続監査期間
47年間
業務執行社員のローテーションに関しては適切に実施されており、原則として連続して7会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。
なお、筆頭業務執行社員については連続して5会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。
・業務を執行した公認会計士
森重 秀一
北村 崇
大橋 武尚
岡 良夫
・監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の人数は、2020年3月末現在113名であり、その構成は、公認会計士36名、日本公認会計士協会準会員等20名、その他57名となっています。
・会計監査人の選定方針と理由
当社は会計監査人の再任、解任、不再任および選任の決定の方針を次のとおりとしています。
(a)会計監査人の任期は1年とし、再任を妨げない。
(b)会計監査人の解任、不再任および選任は、監査役会において、これを株主総会の付議議案とする旨決議する。再任および選任のための会計監査人の選定については、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を持続的に実施できる体制を構築していることを評価・確認のうえ監査役会にて決議する。
(c)当社都合の場合の他、会計監査人が、会社法、公認会計士法等の法令に違反または抵触した場合、公序良俗に反する行為があった場合、及び、監査契約に違反した場合、会計監査人の解任または不再任を株主総会の付議議案とすることが妥当かどうかを監査役会にて検討する。
(d)監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当する場合は、監査役の全員の同意に基づき会計監査人を解任することができる。
監査役会は第101期事業年度の会計監査について下記の項目・プロセスについて評価を実施しその妥当性を確認し、第102期事業年度における会計監査人の再任決議を行いました。
・監査役会による会計監査人の評価
監査役会は会計監査人の評価を以下の項目で実施しております。
- 会計監査人としての相当性
- 監査チームの期初・期中・期末の監査対応
- 監査報酬決定プロセス
また監査役会は上記3項目の評価を以下のプロセスを通じて実施しております。
- 会計監査人による自己評価の確認および会計監査人のマネジメント、監査責任者及び補助者等からのヒアリング
- 業務執行部門(経理部、内部監査部等)の会計監査人評価の確認および業務執行部門の責任者、担当者等からのヒアリング
再任決議にあたり、当社事業の多様化・複雑化による高度な会計論点、監査論点への対応力の必要性に鑑み監査責任者及び補助者の長期的なサクセッションプランの適時な意見交換の実施について会計監査人と摺り合わせを行っております。また更なる監査品質向上のために、会計監査人に対する課題を提示し、次年度の会計監査においてPDCAサイクルを実施するように求めております。また、上記評価は、業務執行部門と会計監査人、それぞれが会計監査業務の過程で課題とした事項を双方で共有した上で実施することとし、両者の建設的な対話を促し、より高品質な監査の実効性確保に努めています。
④監査報酬の内容等
(a)監査公認会計士等に対する報酬
下表は、前連結会計年度及び当連結会計年度に関する当社及び連結子会社の有限責任監査法人トーマツに対する報酬額を示しております。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | |
当社 | 750 | 6 | 742 | 8 |
連結子会社 | 697 | 3 | 719 | 11 |
計 | 1,447 | 9 | 1,461 | 19 |
(注)監査証明業務に基づく報酬は、会社法に基づく監査、金融商品取引法に基づく監査、及び英文連結財務諸表監査の報酬額です。これには、監査証明業務の一環として実施される業務、監査証明業務と直接的関連性を有する業務、及び法規制により監査人が実施することを要請される業務であり、かつ監査人のみが合理的に提供可能である業務に対する報酬額を含めております。
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(b)有限責任監査法人トーマツと同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu)に属する組織に対する報酬下表は、前連結会計年度及び当連結会計年度に関する当社及び連結子会社のDeloitte Touche Tohmatsuのメンバーファーム(有限責任監査法人トーマツを除く)に対する報酬額を示しております。
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に基づく報酬(百万円) | 非監査業務に基づく報酬(百万円) | |
当社 | 3 | 37 | 3 | 85 |
連結子会社 | 2,227 | 273 | 2,251 | 207 |
計 | 2,230 | 310 | 2,254 | 292 |
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(c)監査報酬の決定方針
監査報酬の決定にあたっては、監査計画の内容や従前の会計年度における職務執行状況等を踏まえ、監査品質の維持・向上と監査の効率的な実施の両立の観点から、監査手続の工程確認や会計監査人と執行業務部門との役割分担、個別案件の論点整理を実施し、監査時間の透明化を進め、報酬額を最適化する方針としております。
加えて、四半期毎に予実管理及び増減理由の分析、効率化の検討およびその進捗の確認を実施し、適時に会計監査人と協議しております。
上記方針に沿って監査報酬の妥当性を確認し、監査役会の同意を得て最終決定しております。
(d)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の評価の中で監査報酬決定プロセスについても確認を行なっております。その状況も踏まえ取締役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っています。
⑤監査役監査、内部監査部監査及び会計監査人監査との連携並びに内部統制部門との関係
・監査役会は、内部監査部及び会計監査人との三様監査連絡会を開催し、各監査方針・監査計画・監査重点項目等について期初に意見交換を行うほか、監査状況等について適宜報告を行い、効率的かつ実効性の高い各監査のための情報交換を行っています。
・常勤監査役は、効率的な監査の遂行のため内部監査部と都度情報交換を行うほか、内部監査部の定例内部監査の講評会に原則として全て出席しています。内部監査部長は、内部監査の計画及び実績を定期的に監査役会に報告します。監査役は、必要に応じ、内部監査部及びその他内部統制を所管する部署に対して、内部統制システムの状況及びリスク評価等について報告を求め、また、監査への種々協力を求めます。
・監査役会は、期末において会計監査人より会計監査及び内部統制監査の手続及び結果の概要につき報告を受け、意見交換を行うほか、期中において会計監査人との月例連絡会議を開催し、会計監査人の監査計画・重点監査項目・監査状況等の報告を受け、情報交換を図るとともに、有効かつ効率的な会計監査及び内部統制監査の遂行について協議します。