有価証券報告書-第148期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
有報資料
(1) 概観
当社は、総合商社として、長年培ってきた「信用」、10万社に及ぶ取引先との関係である「グローバルリレーション」と全世界の店舗網と事業会社群から構成される「グローバルネットワーク」、また「知的資産」といった「ビジネス基盤」を活用し、「ビジネス創出力」、「ロジスティクス構築力」、「金融サービス提供力」、「IT活用力」、「リスク管理力」、「情報収集・分析力」といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。これらのビジネス基盤と機能を活用し、当社は多岐にわたる商品・製品の商取引全般に従事しております。当社は、これらの取引において、契約当事者もしくは代理人として活動しております。また、当社は、販売先及び仕入先に対するファイナンスの提供、都市及び産業インフラ整備プロジェクトの企画立案・調整及び管理運営、システムインテグレーションや技術開発におけるコンサルティング、輸送・物流など様々なサービスを提供しております。加えて、当社は、太陽光発電から情報通信産業まで幅広い産業分野への投資、資源開発、鉄鋼製品や繊維製品等の製造・加工、不動産の開発・管理、小売店舗運営など、多角的な事業活動を行っております。
当社は、5つの業種に基づくセグメント(事業部門)と、各地域に適した商品・サービスの開発等に各事業部門と共同で取り組んでいる海外の地域セグメントにより事業活動を行っております。業種に基づくセグメントは次のとおりであります。
金属事業部門 メディア・生活関連事業部門
輸送機・建機事業部門 資源・化学品事業部門
環境・インフラ事業部門
それぞれの事業部門は、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮し、事業活動を行っております。また、各事業部門にはそれぞれ戦略策定・支援機能を担う業務部を置き、事業部門のマネジメントをサポートしております。ビジネス環境がますますグローバル化する今日、当社は、世界各地に存在する拠点、関係会社、顧客、サプライヤー、パートナー等のネットワークにより、世界各国で事業活動を営み、事業基盤を拡大しております。
5つのセグメント及び海外セグメントは、当社の掲げる目標に向かい、密接に連携を図り、総合力を発揮することで、より効率的に事業活動を推進しております。また、当社は、全ての事業部門と海外拠点に関する情報を収集・連結するためのインフラを構築し、これによりリスクを一元的に管理しております。
(2) 中期経営計画
当社の中期経営計画に関する以下の説明は、数々の判断、見積り、前提に基づき算出された今後の見通しに関するものです。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2016年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予想等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。
中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の詳細は、「3 対処すべき課題 中期経営計画」を参照願います。
(3) 企業環境
当期の世界経済は、先進国では堅調に推移しましたが、新興国では成長速度がこれまでよりも鈍化し、緩やかな成長にとどまりました。また、米国の利上げと中国経済の構造変化の影響により、世界経済の先行きの不透明感が強まりました。国際商品市況では、供給過剰に加え、需要の伸びが鈍化したことで価格の下押し圧力が一層強まりました。
国内経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人旅行者の大幅な増加が消費を下支えしました。また、企業業績の改善により設備投資も持ち直しの兆しを見せています。一方で、新興国経済の成長鈍化の影響を受け、アジア向けの輸出が伸び悩んだことで、下半期は生産活動が停滞しました。
(4) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の販売
・長期請負工事契約等に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、自動車・船舶・航空機などのファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
・その他、商取引の中で、サプライヤーと顧客に対し金融・物流等、様々なサービスを提供する取引
なお、製品、設備、ソフトウェア、取り付けサービス、融資等の組み合わせによる収益に関する複数要素取引を行っております。複数要素取引については、一定の基準が満たされる場合、会計単位を分割しております。
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
収益が総額で計上される場合、販売に直接寄与する第三者への費用または手数料は、商品販売に係る原価として計上され、売上総利益は、収益の総額から販売に係る原価を差引いた金額となります。当社はサービス及びその他の販売に係る収益の一部として手数料を計上しますが、この手数料は純額表示されるため、結果としてサービス及びその他の販売が売上総利益に占める比率は、収益合計に占める比率よりも大きくなっております。当期、サービス及びその他の販売が収益合計に占める比率は14.2%ですが、売上総利益に占める比率は40.3%となっております。
固定資産評価損
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産の含み益を実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上され
ております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
売上高
売上高は、当社が任意に開示している項目であり、当社及び子会社が契約当事者として行った取引額及び代理人等として関与した取引額の合計であります。これは、IFRSに基づく収益(「Sales」あるいは「Revenues」)とは異なっておりますので、当該売上高を収益と同等に扱ったり代用したりすることや、営業活動の成果、流動性、営業・投資・財務活動によるキャッシュ・フローの指標として利用することはできません。売上高の中には、当社が商品の購入を行わない、または在庫リスクを負わない形で参画している取引が多く含まれております。売上高は日本の総合商社において、従来から用いられている指標であり、同業他社との業績比較をする際の補足情報として有用であると判断しているため任意に開示しているものであります。
(5) 重要な会計方針
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」を参照願います。
収益の認識基準
当社の収益の大部分は、(1)所有権の移転、引渡し、出荷、または顧客の検収に基づき収益を認識する、卸売、小売、製造・加工業に関連する商品販売に係る収益と、(2)役務の提供が完了した時点で収益を認識する、サービス及びその他の販売に係る収益とで構成されております。これらの個別の取引における収益の認識にあたっては、特に複雑な判断は必要ではなく、客観的に収益の認識時点を判断することができます。
特定の長期請負工事契約等に関連し、工事進行基準により収益を認識している場合には、必要な見積総原価に対する実際発生原価の割合を基礎としてその収益を認識しております。この場合、総原価を適正に見積る能力が当社に要求されます。工事代金の総額が決まっている契約において、見積総原価の見直しに伴い見積利益が見直された場合には、その影響額は、見直しが実施された事業年度の損益として認識します。また、そのような契約で損失が見込まれる場合には、予想損失の見積りが可能となった事業年度でその損失を認識することとしております。時期または金額が不確実な場合には、現在の債務を有していることが明らかになり、信頼性のある見積りが可能となった時点で引当金を計上することとしております。
収益の表示―総額(グロス)表示と純額(ネット)表示
第三者との取引において中間的な立場に立って活動することは、総合商社の特徴的な役割の一つであります。収益の認識にあたっては、当社が「主たる契約当事者」に該当し、結果、収益を総額(グロス)で表示するのか、あるいは、当社が「代理人等」に該当し、結果、手数料等の収益のみを純額(ネット)で表示するのかを判断しなければなりません。この収益の表示方法の判断に影響を与える事実関係の評価には重要な主観による判断が入ります。ある取引における当社の収益の表示方法に関する判断に関して、状況によっては、判断が異なる可能性もあります。同様に、もしある取引において、当社のリスクや契約上の義務に変更があった場合には、当該取引及び同種の取引についても、収益をグロスで表示するか、ネットで表示するかの判断が変わる可能性があります。グロスまたはネット、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)に影響はありません。
ある取引において当社が主たる契約当事者に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロス表示する要件として、次の指標を考慮しております。
・物品及び役務を顧客へ提供する、または注文を履行する第一義的な責任を有している。
・顧客の注文の前後や物品の配送中、または返品された場合に在庫リスクを負っている。
・直接または間接的に価格決定に関する裁量権を有している。
・顧客に対する債権に係る顧客の信用リスクを負っている。
ある取引において当社が代理人等に該当し、その結果、当該取引に係る収益をネットで表示するための要件として、次の指標を考慮しております。
・提供した役務の対価(コミッションまたは手数料)が固定金額である。
・当社の対価が提供された物品及び役務の対価に対して一定の割合を乗じることで算定されている。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社は、多様な事業活動をしており、営業債権及びその他の債権等の償却原価で測定される金融資産を保有しております。債務者による支払不履行または滞納等の減損していることを示す客観的な証拠が存在するかについて定期的に評価することで、当該資産に係る減損の有無についての検討を実施しております。
減損を実施する場合、当該資産の公正価値は、実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローに基づき測定しております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社では様々な非流動資産を保有しております。当社では、不動産や償却対象の無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社では、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
(6) 営業活動の成果
収益
収益は、当期4兆108億円となり、前期の3兆7,622億円から2,486億円(6.6%)増加しました。これは、円安の影響などによるものです。
売上総利益
売上総利益は、当期8,941億円となり、前期の9,529億円から589億円(6.2%)減少しました。これは、北米鋼管事業やボリビア銀・亜鉛・鉛事業が減益となったことなどによるものです。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、当期7,627億円となり、前期の7,552億円から75億円(1.0%)増加しました。これは、円安の影響などによるものです。
固定資産評価損
固定資産評価損は、当期572億円となり、前期の2,786億円から2,214億円(79.5%)減少しました。これは、前期に米国タイトオイル開発プロジェクト、米国シェールガス事業、豪州石炭事業、米国タイヤ事業及び北海油田事業において減損損失を計上したことなどによるものです。
持分法による投資損益
持分法による投資損益は、当期538億円の損失となり、前期の491億円から1,029億円減少しました。これは、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業、ブラジル鉄鉱石事業、チリ銅・モリブデン事業など複数の案件において減損損失を計上したことなどによるものです。
親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失は、当期745億円となり、前期の732億円の損失から1,477億円増加しました。
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額は、当期1,644億円の損失となり、前期の1,460億円から3,104億円減少しました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失が増益となった一方で、FVTOCIの金融資産及び在外営業活動体の換算差額が減少したことなどによるものです。
(7) 事業セグメント
当社は、5つの業種に基づく事業部門及び海外の地域拠点を通してビジネスを行っております。
5つの事業部門は金属事業部門、輸送機・建機事業部門、環境・インフラ事業部門、メディア・生活関連事業部門、資源・化学品事業部門から構成されております。
これらに加え、当社は、海外の地域セグメントを通してビジネスを行っており、「海外現地法人・海外支店」セグメントとして、当社の連結業績に含まれております。海外現地法人・海外支店は、業種に基づく事業部門とは異なり、米州住友商事といった海外現地法人や海外支店によりビジネスを行っております。このセグメントは、地域の特性に応じて、様々な取引を行い、また、特定の地域に注力した商品及びサービスを展開させるため、事業部門と協力してビジネスを行っております。こうした場合、収益と費用は、各々の役割に応じて配分されております。
(注)2015年4月1日付で、メディア・生活関連事業部門傘下にあったタイヤ部を輸送機・建機事業部門・本部傘下の組織に移管しました。
前期及び当期の売上総利益、当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
事業セグメント別当期利益又は損失(△)(親会社の所有者に帰属)の内訳
金属事業部門
当期の売上総利益は773億円となり、前期の1,035億円から262億円(25.3%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、120億円となり、前期の325億円から205億円(63.0%)減少しました。これは、海外スチールサービスセンター事業が堅調に推移した一方で、エジェングループにおいて53億円の減損損失を計上したことなどによるものです。
輸送機・建機事業部門
当期の売上総利益は1,755億円となり、前期の1,836億円から81億円(4.4%)減少しました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、734億円となり、前期の406億円から328億円(80.9%)増加しました。これは、リース事業や米国建機レンタル事業が堅調に推移したことに加え、インドネシア自動車金融事業の再編に伴う株式売却益及び評価益を計上したことなどによるものです。
環境・インフラ事業部門
当期の売上総利益は568億円となり、前期の645億円から77億円(11.9%)減少しました。これは、国内電力事業において電力卸市場の価格変動の影響があったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、256億円となり、前期の229億円から27億円(11.7%)増加しました。これは、海外電力事業が堅調に推移したこと、また、国内外再生可能エネルギー分野におけるバリュー実現があったことなどによるものです。
メディア・生活関連事業部門
当期の売上総利益は2,546億円となり、前期の2,390億円から156億円(6.5%)増加しました。これは、国内主要事業会社の業績が堅調に推移したことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、648億円となり、前期の571億円から77億円(13.5%)増加しました。これは、豪州穀物事業において98億円の減損損失を計上した一方で、不動産事業が堅調に推移したことなどによるものです。
資源・化学品事業部門
当期の売上総利益は803億円となり、前期の869億円から66億円(7.6%)減少しました。これは、資源価格下落の影響があったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、1,516億円の損失となり、前期の1,910億円の損失から394億円(20.6%)損失が減少しました。これは、減損損失の計上額が減少したことなどによるものです。当期には、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業、ブラジル鉄鉱石事業、チリ銅・モリブデン事業、豪州石炭事業などの複数の案件において、計1,568億円の減損損失を計上しました。なお、前期には、米国タイトオイル開発プロジェクト、ブラジル鉄鉱石事業、米国シェールガス事業、豪州石炭事業などの複数の案件において、計2,278億円の減損損失及び引当金を計上しております。
海外現地法人・海外支店
当期の売上総利益は2,532億円となり、前期の2,775億円から243億円(8.7%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、211億円となり、前期の227億円の損失から437億円増加しました。これは、資産入替えに伴うバリュー実現があったことに加え、減損損失の計上額が減少したことなどによるものです。当期には、エジェングループ、豪州穀物事業などの複数の案件において、計236億円の減損損失を計上しました。なお、前期には、米国タイトオイル開発プロジェクト及び米国タイヤ事業などの複数の案件において、計750億円の減損損失及び引当金を計上しております。
(8) 流動性と資金調達
当社は、一般的に、営業活動によるキャッシュ・フローや、銀行借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により、資金調達を行っております。当社の財務運営の方針・目的は、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することです。
当社は総額3兆6,509億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比2,461億円減少の1,933億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)1,524億円、コマーシャルペーパー409億円となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金5,442億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比5,243億円減少の3兆4,576億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比4,444億円減少の3兆429億円、社債残高は前期比799億円減少の4,147億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、財務比率や純資産の最低比率の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が増資や社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「4 事業等のリスク(13) 資金の流動性に係るリスク」を参照願います。
また、当社は、金融市場の混乱等、いくつかの有事シナリオを想定し、必要な流動性の保持に努めており、当期末時点で以下の総額1,100百万米ドル、及び4,450億円を上限とする即時に借入可能な複数のコミットメントラインを締結しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,000百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による3,300億円の長期コミットメントライン(内、1,000億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,150億円の長期コミットメントライン
当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しております。当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通しネガティブ)、スタンダード&プアーズでA-/A-2(見通しネガティブ)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。
・2,000億円の国内公募普通社債発行登録枠
・国内における1兆円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)、米州住友商事及びシンガポールのSumitomo Corporation Capital Asiaが共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
当期末の資産合計は、前期末に比べ1兆2,036億円減少し、7兆8,178億円となりました。これは、営業債権や棚卸資産が減少したことに加え、インドネシア自動車金融事業の再編や再生可能エネルギー発電事業の売却等、資産入替えに伴う減少があったこと、また、マダガスカルニッケル事業や南アフリカ鉄鉱石事業において減損損失を計上したことなどによるものです。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、円高に伴う在外営業活動体の換算差額の減少があったことなどにより、前期末に比べ2,299億円減少し、2兆2,515億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分合計比率(親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計)は28.8%となりました。現預金ネット後の有利子負債は、前期末に比べ7,472億円減少し2兆7,703億円となり、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、1.2倍となりました。
資金調達の内訳
以下は、前期及び当期のキャッシュ・フロー情報となっております。
要約連結キャッシュ・フロー計算書
当期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローでは、コアビジネスが順調に資金を創出したことに加え、ワーキング・キャピタルの減少に伴うキャッシュ・インがあったことなどにより、5,997億円のキャッシュ・インとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、資産入替えによる資金回収があった一方で、約2,700億円の投融資を行ったことなどから、854億円のキャッシュ・アウトとなりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、5,143億円のキャッシュ・インとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、5,072億円のキャッシュ・アウトとなりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ271億円減少し8,688億円となりました。
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりです。
期限別内訳
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、1兆57億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(9) 偶発債務」及び「(10) 訴訟等」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産に1,204億円、また、その他の投資に1,313億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(9) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2041年)は1,633億円で、このうち関連会社の債務に対する保証が1,034億円、第三者の債務に対する保証が599億円です。これらの保証は主に関連会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(10) 訴訟等
ボリビア多民族国における当社の子会社であるMinera San Cristobal S.A.は、2011年12月30日付で同国国税局より源泉税に係る更正通知を受領しております。同社は更正税額等(約185百万米ドル)の支払いを内容とする行政不服審判所第二審審決を不服として最高裁判所に上告、また同国関連法令に定められた手続に従って所要の物的資産を担保として差し入れております。
2016年3月21日に本件訴訟を担当する最高裁判事が決定しました。
当期の連結財務諸表承認日である2016年6月17日時点において、同社は判決を受領しておりません。
上記のほか、当社は事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
(11) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2016年 3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
(12) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレート部門の財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入の大部分が変動金利であり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。例えば、当社は、収益が金利変動の影響を受ける自動車金融事業などにも取り組んでおります。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,975億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業部は、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告(取締役会への報告を含む。)
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
VaR (Value at Risk)
VaRは、特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額を統計的に計測したものです。当社は、市場に影響されやすい市況商品取引(主に貴金属、非鉄金属、燃料、農産物等)や金融取引へのリスクを計測するためにVaR計測を用いております。
詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品及び関連する開示 (2) 財務上のリスク管理方針 ④ 商品価格リスク管理」を参照願います。
当社は、総合商社として、長年培ってきた「信用」、10万社に及ぶ取引先との関係である「グローバルリレーション」と全世界の店舗網と事業会社群から構成される「グローバルネットワーク」、また「知的資産」といった「ビジネス基盤」を活用し、「ビジネス創出力」、「ロジスティクス構築力」、「金融サービス提供力」、「IT活用力」、「リスク管理力」、「情報収集・分析力」といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。これらのビジネス基盤と機能を活用し、当社は多岐にわたる商品・製品の商取引全般に従事しております。当社は、これらの取引において、契約当事者もしくは代理人として活動しております。また、当社は、販売先及び仕入先に対するファイナンスの提供、都市及び産業インフラ整備プロジェクトの企画立案・調整及び管理運営、システムインテグレーションや技術開発におけるコンサルティング、輸送・物流など様々なサービスを提供しております。加えて、当社は、太陽光発電から情報通信産業まで幅広い産業分野への投資、資源開発、鉄鋼製品や繊維製品等の製造・加工、不動産の開発・管理、小売店舗運営など、多角的な事業活動を行っております。
当社は、5つの業種に基づくセグメント(事業部門)と、各地域に適した商品・サービスの開発等に各事業部門と共同で取り組んでいる海外の地域セグメントにより事業活動を行っております。業種に基づくセグメントは次のとおりであります。
金属事業部門 メディア・生活関連事業部門
輸送機・建機事業部門 資源・化学品事業部門
環境・インフラ事業部門
それぞれの事業部門は、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮し、事業活動を行っております。また、各事業部門にはそれぞれ戦略策定・支援機能を担う業務部を置き、事業部門のマネジメントをサポートしております。ビジネス環境がますますグローバル化する今日、当社は、世界各地に存在する拠点、関係会社、顧客、サプライヤー、パートナー等のネットワークにより、世界各国で事業活動を営み、事業基盤を拡大しております。
5つのセグメント及び海外セグメントは、当社の掲げる目標に向かい、密接に連携を図り、総合力を発揮することで、より効率的に事業活動を推進しております。また、当社は、全ての事業部門と海外拠点に関する情報を収集・連結するためのインフラを構築し、これによりリスクを一元的に管理しております。
(2) 中期経営計画
当社の中期経営計画に関する以下の説明は、数々の判断、見積り、前提に基づき算出された今後の見通しに関するものです。なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末日(2016年3月31日)現在における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予想等であり、将来そのとおりに実現する保証はありません。
中期経営計画「Be the Best, Be the One 2017」の詳細は、「3 対処すべき課題 中期経営計画」を参照願います。
(3) 企業環境
当期の世界経済は、先進国では堅調に推移しましたが、新興国では成長速度がこれまでよりも鈍化し、緩やかな成長にとどまりました。また、米国の利上げと中国経済の構造変化の影響により、世界経済の先行きの不透明感が強まりました。国際商品市況では、供給過剰に加え、需要の伸びが鈍化したことで価格の下押し圧力が一層強まりました。
国内経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人旅行者の大幅な増加が消費を下支えしました。また、企業業績の改善により設備投資も持ち直しの兆しを見せています。一方で、新興国経済の成長鈍化の影響を受け、アジア向けの輸出が伸び悩んだことで、下半期は生産活動が停滞しました。
(4) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の販売
・長期請負工事契約等に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、自動車・船舶・航空機などのファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
・その他、商取引の中で、サプライヤーと顧客に対し金融・物流等、様々なサービスを提供する取引
なお、製品、設備、ソフトウェア、取り付けサービス、融資等の組み合わせによる収益に関する複数要素取引を行っております。複数要素取引については、一定の基準が満たされる場合、会計単位を分割しております。
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
収益が総額で計上される場合、販売に直接寄与する第三者への費用または手数料は、商品販売に係る原価として計上され、売上総利益は、収益の総額から販売に係る原価を差引いた金額となります。当社はサービス及びその他の販売に係る収益の一部として手数料を計上しますが、この手数料は純額表示されるため、結果としてサービス及びその他の販売が売上総利益に占める比率は、収益合計に占める比率よりも大きくなっております。当期、サービス及びその他の販売が収益合計に占める比率は14.2%ですが、売上総利益に占める比率は40.3%となっております。
固定資産評価損
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産の含み益を実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上され
ております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
売上高
売上高は、当社が任意に開示している項目であり、当社及び子会社が契約当事者として行った取引額及び代理人等として関与した取引額の合計であります。これは、IFRSに基づく収益(「Sales」あるいは「Revenues」)とは異なっておりますので、当該売上高を収益と同等に扱ったり代用したりすることや、営業活動の成果、流動性、営業・投資・財務活動によるキャッシュ・フローの指標として利用することはできません。売上高の中には、当社が商品の購入を行わない、または在庫リスクを負わない形で参画している取引が多く含まれております。売上高は日本の総合商社において、従来から用いられている指標であり、同業他社との業績比較をする際の補足情報として有用であると判断しているため任意に開示しているものであります。
(5) 重要な会計方針
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」を参照願います。
収益の認識基準
当社の収益の大部分は、(1)所有権の移転、引渡し、出荷、または顧客の検収に基づき収益を認識する、卸売、小売、製造・加工業に関連する商品販売に係る収益と、(2)役務の提供が完了した時点で収益を認識する、サービス及びその他の販売に係る収益とで構成されております。これらの個別の取引における収益の認識にあたっては、特に複雑な判断は必要ではなく、客観的に収益の認識時点を判断することができます。
特定の長期請負工事契約等に関連し、工事進行基準により収益を認識している場合には、必要な見積総原価に対する実際発生原価の割合を基礎としてその収益を認識しております。この場合、総原価を適正に見積る能力が当社に要求されます。工事代金の総額が決まっている契約において、見積総原価の見直しに伴い見積利益が見直された場合には、その影響額は、見直しが実施された事業年度の損益として認識します。また、そのような契約で損失が見込まれる場合には、予想損失の見積りが可能となった事業年度でその損失を認識することとしております。時期または金額が不確実な場合には、現在の債務を有していることが明らかになり、信頼性のある見積りが可能となった時点で引当金を計上することとしております。
収益の表示―総額(グロス)表示と純額(ネット)表示
第三者との取引において中間的な立場に立って活動することは、総合商社の特徴的な役割の一つであります。収益の認識にあたっては、当社が「主たる契約当事者」に該当し、結果、収益を総額(グロス)で表示するのか、あるいは、当社が「代理人等」に該当し、結果、手数料等の収益のみを純額(ネット)で表示するのかを判断しなければなりません。この収益の表示方法の判断に影響を与える事実関係の評価には重要な主観による判断が入ります。ある取引における当社の収益の表示方法に関する判断に関して、状況によっては、判断が異なる可能性もあります。同様に、もしある取引において、当社のリスクや契約上の義務に変更があった場合には、当該取引及び同種の取引についても、収益をグロスで表示するか、ネットで表示するかの判断が変わる可能性があります。グロスまたはネット、いずれの方法で表示した場合でも、売上総利益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)に影響はありません。
ある取引において当社が主たる契約当事者に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロス表示する要件として、次の指標を考慮しております。
・物品及び役務を顧客へ提供する、または注文を履行する第一義的な責任を有している。
・顧客の注文の前後や物品の配送中、または返品された場合に在庫リスクを負っている。
・直接または間接的に価格決定に関する裁量権を有している。
・顧客に対する債権に係る顧客の信用リスクを負っている。
ある取引において当社が代理人等に該当し、その結果、当該取引に係る収益をネットで表示するための要件として、次の指標を考慮しております。
・提供した役務の対価(コミッションまたは手数料)が固定金額である。
・当社の対価が提供された物品及び役務の対価に対して一定の割合を乗じることで算定されている。
償却原価で測定される金融資産の減損
当社は、多様な事業活動をしており、営業債権及びその他の債権等の償却原価で測定される金融資産を保有しております。債務者による支払不履行または滞納等の減損していることを示す客観的な証拠が存在するかについて定期的に評価することで、当該資産に係る減損の有無についての検討を実施しております。
減損を実施する場合、当該資産の公正価値は、実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローに基づき測定しております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社では様々な非流動資産を保有しております。当社では、不動産や償却対象の無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社では、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
(6) 営業活動の成果
収益
収益は、当期4兆108億円となり、前期の3兆7,622億円から2,486億円(6.6%)増加しました。これは、円安の影響などによるものです。
売上総利益
売上総利益は、当期8,941億円となり、前期の9,529億円から589億円(6.2%)減少しました。これは、北米鋼管事業やボリビア銀・亜鉛・鉛事業が減益となったことなどによるものです。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、当期7,627億円となり、前期の7,552億円から75億円(1.0%)増加しました。これは、円安の影響などによるものです。
固定資産評価損
固定資産評価損は、当期572億円となり、前期の2,786億円から2,214億円(79.5%)減少しました。これは、前期に米国タイトオイル開発プロジェクト、米国シェールガス事業、豪州石炭事業、米国タイヤ事業及び北海油田事業において減損損失を計上したことなどによるものです。
持分法による投資損益
持分法による投資損益は、当期538億円の損失となり、前期の491億円から1,029億円減少しました。これは、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業、ブラジル鉄鉱石事業、チリ銅・モリブデン事業など複数の案件において減損損失を計上したことなどによるものです。
親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失は、当期745億円となり、前期の732億円の損失から1,477億円増加しました。
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額
親会社の所有者に帰属する当期包括利益合計額は、当期1,644億円の損失となり、前期の1,460億円から3,104億円減少しました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失が増益となった一方で、FVTOCIの金融資産及び在外営業活動体の換算差額が減少したことなどによるものです。
(7) 事業セグメント
当社は、5つの業種に基づく事業部門及び海外の地域拠点を通してビジネスを行っております。
5つの事業部門は金属事業部門、輸送機・建機事業部門、環境・インフラ事業部門、メディア・生活関連事業部門、資源・化学品事業部門から構成されております。
これらに加え、当社は、海外の地域セグメントを通してビジネスを行っており、「海外現地法人・海外支店」セグメントとして、当社の連結業績に含まれております。海外現地法人・海外支店は、業種に基づく事業部門とは異なり、米州住友商事といった海外現地法人や海外支店によりビジネスを行っております。このセグメントは、地域の特性に応じて、様々な取引を行い、また、特定の地域に注力した商品及びサービスを展開させるため、事業部門と協力してビジネスを行っております。こうした場合、収益と費用は、各々の役割に応じて配分されております。
(注)2015年4月1日付で、メディア・生活関連事業部門傘下にあったタイヤ部を輸送機・建機事業部門・本部傘下の組織に移管しました。
前期及び当期の売上総利益、当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
| 前期 (自2014年4月 1日 至2015年3月31日) (億円) | 当期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) | 増減額 (億円) | 増減率 (%) | |
| 金属 | 1,035 | 773 | △262 | △25.3 |
| 輸送機・建機 | 1,836 | 1,755 | △81 | △4.4 |
| 環境・インフラ | 645 | 568 | △77 | △11.9 |
| メディア・生活関連 | 2,390 | 2,546 | 156 | 6.5 |
| 資源・化学品 | 869 | 803 | △66 | △7.6 |
| 海外現地法人・海外支店 | 2,775 | 2,532 | △243 | △8.7 |
| 計 | 9,550 | 8,978 | △572 | △6.0 |
| 消去又は全社 | △21 | △38 | △17 | △78.7 |
| 連結 | 9,529 | 8,941 | △589 | △6.2 |
事業セグメント別当期利益又は損失(△)(親会社の所有者に帰属)の内訳
| 前期 (自2014年4月 1日 至2015年3月31日) (億円) | 当期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) | 増減額 (億円) | 増減率 (%) | |
| 金属 | 325 | 120 | △205 | △63.0 |
| 輸送機・建機 | 406 | 734 | 328 | 80.9 |
| 環境・インフラ | 229 | 256 | 27 | 11.7 |
| メディア・生活関連 | 571 | 648 | 77 | 13.5 |
| 資源・化学品 | △1,910 | △1,516 | 394 | 20.6 |
| 海外現地法人・海外支店 | △227 | 211 | 437 | - |
| 計 | △606 | 453 | 1,059 | - |
| 消去又は全社 | △126 | 292 | 418 | - |
| 連結 | △732 | 745 | 1,477 | - |
金属事業部門
当期の売上総利益は773億円となり、前期の1,035億円から262億円(25.3%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、120億円となり、前期の325億円から205億円(63.0%)減少しました。これは、海外スチールサービスセンター事業が堅調に推移した一方で、エジェングループにおいて53億円の減損損失を計上したことなどによるものです。
輸送機・建機事業部門
当期の売上総利益は1,755億円となり、前期の1,836億円から81億円(4.4%)減少しました。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、734億円となり、前期の406億円から328億円(80.9%)増加しました。これは、リース事業や米国建機レンタル事業が堅調に推移したことに加え、インドネシア自動車金融事業の再編に伴う株式売却益及び評価益を計上したことなどによるものです。
環境・インフラ事業部門
当期の売上総利益は568億円となり、前期の645億円から77億円(11.9%)減少しました。これは、国内電力事業において電力卸市場の価格変動の影響があったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、256億円となり、前期の229億円から27億円(11.7%)増加しました。これは、海外電力事業が堅調に推移したこと、また、国内外再生可能エネルギー分野におけるバリュー実現があったことなどによるものです。
メディア・生活関連事業部門
当期の売上総利益は2,546億円となり、前期の2,390億円から156億円(6.5%)増加しました。これは、国内主要事業会社の業績が堅調に推移したことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、648億円となり、前期の571億円から77億円(13.5%)増加しました。これは、豪州穀物事業において98億円の減損損失を計上した一方で、不動産事業が堅調に推移したことなどによるものです。
資源・化学品事業部門
当期の売上総利益は803億円となり、前期の869億円から66億円(7.6%)減少しました。これは、資源価格下落の影響があったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、1,516億円の損失となり、前期の1,910億円の損失から394億円(20.6%)損失が減少しました。これは、減損損失の計上額が減少したことなどによるものです。当期には、マダガスカルニッケル事業、南アフリカ鉄鉱石事業、ブラジル鉄鉱石事業、チリ銅・モリブデン事業、豪州石炭事業などの複数の案件において、計1,568億円の減損損失を計上しました。なお、前期には、米国タイトオイル開発プロジェクト、ブラジル鉄鉱石事業、米国シェールガス事業、豪州石炭事業などの複数の案件において、計2,278億円の減損損失及び引当金を計上しております。
海外現地法人・海外支店
当期の売上総利益は2,532億円となり、前期の2,775億円から243億円(8.7%)減少しました。これは、北米鋼管事業が減益となったことなどによるものです。当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)は、211億円となり、前期の227億円の損失から437億円増加しました。これは、資産入替えに伴うバリュー実現があったことに加え、減損損失の計上額が減少したことなどによるものです。当期には、エジェングループ、豪州穀物事業などの複数の案件において、計236億円の減損損失を計上しました。なお、前期には、米国タイトオイル開発プロジェクト及び米国タイヤ事業などの複数の案件において、計750億円の減損損失及び引当金を計上しております。
(8) 流動性と資金調達
当社は、一般的に、営業活動によるキャッシュ・フローや、銀行借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により、資金調達を行っております。当社の財務運営の方針・目的は、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することです。
当社は総額3兆6,509億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比2,461億円減少の1,933億円で、内訳は短期借入金(主として銀行借入金)1,524億円、コマーシャルペーパー409億円となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金5,442億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比5,243億円減少の3兆4,576億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比4,444億円減少の3兆429億円、社債残高は前期比799億円減少の4,147億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、財務比率や純資産の最低比率の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が増資や社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「4 事業等のリスク(13) 資金の流動性に係るリスク」を参照願います。
また、当社は、金融市場の混乱等、いくつかの有事シナリオを想定し、必要な流動性の保持に努めており、当期末時点で以下の総額1,100百万米ドル、及び4,450億円を上限とする即時に借入可能な複数のコミットメントラインを締結しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,000百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による3,300億円の長期コミットメントライン(内、1,000億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,150億円の長期コミットメントライン
当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しております。当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1/P-2(見通しネガティブ)、スタンダード&プアーズでA-/A-2(見通しネガティブ)、格付投資情報センターでA+/a-1(見通し安定的)となっております。
・2,000億円の国内公募普通社債発行登録枠
・国内における1兆円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)、米州住友商事及びシンガポールのSumitomo Corporation Capital Asiaが共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
当期末の資産合計は、前期末に比べ1兆2,036億円減少し、7兆8,178億円となりました。これは、営業債権や棚卸資産が減少したことに加え、インドネシア自動車金融事業の再編や再生可能エネルギー発電事業の売却等、資産入替えに伴う減少があったこと、また、マダガスカルニッケル事業や南アフリカ鉄鉱石事業において減損損失を計上したことなどによるものです。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、円高に伴う在外営業活動体の換算差額の減少があったことなどにより、前期末に比べ2,299億円減少し、2兆2,515億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分合計比率(親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計)は28.8%となりました。現預金ネット後の有利子負債は、前期末に比べ7,472億円減少し2兆7,703億円となり、ネットのデット・エクイティ・レシオ(有利子負債(ネット)/親会社の所有者に帰属する持分合計)は、1.2倍となりました。
資金調達の内訳
| 前期 (2015年3月31日) (億円) | 当期 (2016年3月31日) (億円) | |||
| 短期 | 4,394 | 1,933 | ||
| 借入金(主に銀行より調達) | 3,246 | 1,524 | ||
| コマーシャルペーパー | 1,148 | 409 | ||
| 長期(一年以内期限到来分を含む) | 39,819 | 34,576 | ||
| 担保付 | ||||
| 借入金 | 4,611 | 2,917 | ||
| 社債 | 465 | - | ||
| 無担保 | ||||
| 借入金 | 30,262 | 27,512 | ||
| 社債 | 4,481 | 4,147 | ||
| 有利子負債合計(グロス) | 44,213 | 36,509 | ||
| 現金及び現金同等物並びに定期預金 | 9,037 | 8,807 | ||
| 有利子負債合計(ネット) | 35,175 | 27,703 | ||
| 資産合計 | 90,214 | 78,178 | ||
| 親会社の所有者に帰属する持分合計 | 24,814 | 22,515 | ||
| 親会社所有者帰属持分合計比率(%) | 27.5 | 28.8 | ||
| デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍) | 1.8 | 1.6 | ||
| デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍) | 1.4 | 1.2 | ||
以下は、前期及び当期のキャッシュ・フロー情報となっております。
要約連結キャッシュ・フロー計算書
| 前期 (自2014年4月 1日 至2015年3月31日) (億円) | 当期 (自2015年4月 1日 至2016年3月31日) (億円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,437 | 5,997 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,996 | △854 |
| <フリーキャッシュ・フロー> | <△1,559> | <5,143> |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △748 | △5,072 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △2,307 | 71 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 11,112 | 8,959 |
| 現金及び現金同等物の為替変動による影響 | 154 | △342 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 8,959 | 8,688 |
当期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローでは、コアビジネスが順調に資金を創出したことに加え、ワーキング・キャピタルの減少に伴うキャッシュ・インがあったことなどにより、5,997億円のキャッシュ・インとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、資産入替えによる資金回収があった一方で、約2,700億円の投融資を行ったことなどから、854億円のキャッシュ・アウトとなりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、5,143億円のキャッシュ・インとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、5,072億円のキャッシュ・アウトとなりました。これらの結果、当期末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ271億円減少し8,688億円となりました。
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりです。
期限別内訳
| 社債及び借入金 (億円) | 解約不能 オペレーティング・ リース (億円) | |
| 2016年度 | 7,375 | 452 |
| 2017年度 | 4,818 | 392 |
| 2018年度 | 3,901 | 360 |
| 2019年度 | 4,930 | 332 |
| 2020年度 | 2,525 | 295 |
| 2021年度以降 | 12,960 | 1,978 |
| 合計 | 36,509 | 3,809 |
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、1兆57億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(9) 偶発債務」及び「(10) 訴訟等」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産に1,204億円、また、その他の投資に1,313億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(9) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2041年)は1,633億円で、このうち関連会社の債務に対する保証が1,034億円、第三者の債務に対する保証が599億円です。これらの保証は主に関連会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(10) 訴訟等
ボリビア多民族国における当社の子会社であるMinera San Cristobal S.A.は、2011年12月30日付で同国国税局より源泉税に係る更正通知を受領しております。同社は更正税額等(約185百万米ドル)の支払いを内容とする行政不服審判所第二審審決を不服として最高裁判所に上告、また同国関連法令に定められた手続に従って所要の物的資産を担保として差し入れております。
2016年3月21日に本件訴訟を担当する最高裁判事が決定しました。
当期の連結財務諸表承認日である2016年6月17日時点において、同社は判決を受領しておりません。
上記のほか、当社は事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
(11) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2016年 3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
| 基準書 | 基準名 | 強制適用時期 (以降開始年度) | 当社適用年度 | 新設・改訂の概要 |
| IFRS第9号 | 金融商品 | 2018年1月1日 | 2019年3月期 | 一般ヘッジに係るヘッジ会計の改訂、金融資産の分類及び測定、減損の会計処理 |
| IFRS第10号 | 連結財務諸表 | 未定 | 未定 | 投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
| 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 投資企業を会計処理する際の要求事項の明確化 | ||
| IFRS第11号 | 共同支配の取決め | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 共同支配事業に対する持分の取得の会計処理 |
| IFRS第12号 | 他の企業への関与の 開示 | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 投資企業の開示の明確化 |
| IFRS第15号 | 顧客との契約から 生じる収益 | 2018年1月1日 | 2019年3月期 | 顧客との契約に適用する収益認識のための会計処理の設定 |
| IFRS第16号 | リース | 2019年1月1日 | 2020年3月期 | リース会計処理の改訂 |
| IAS第1号 | 財務諸表の表示 | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 財務諸表の表示及び開示の明確化 |
| IAS第7号 | キャッシュ・フロー 計算書 | 2017年1月1日 | 2018年3月期 | 財務活動に係る負債の変動の開示要求 |
| IAS第12号 | 法人所得税 | 2017年1月1日 | 2018年3月期 | 公正価値で測定される負債性金融商品に係る繰延税金資産の会計処理方法の明確化 |
| IAS第16号 | 有形固定資産 | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 減価償却の許容される方法の明確化、 果実生成型植物(その生産物を除く)の会計処理 |
| IAS第28号 | 関連会社及び共同支配企業に対する投資 | 未定 | 未定 | 投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却または拠出の会計処理 |
| 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 投資企業を会計処理する際の要求事項の明確化 | ||
| IAS第38号 | 無形資産 | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 償却の許容される方法の明確化 |
| IAS第41号 | 農業 | 2016年1月1日 | 2017年3月期 | 果実生成型植物の生産物の会計処理 |
(12) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレート部門の財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入の大部分が変動金利であり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。例えば、当社は、収益が金利変動の影響を受ける自動車金融事業などにも取り組んでおります。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,975億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業部は、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメント担当役員が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告(取締役会への報告を含む。)
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
VaR (Value at Risk)
VaRは、特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額を統計的に計測したものです。当社は、市場に影響されやすい市況商品取引(主に貴金属、非鉄金属、燃料、農産物等)や金融取引へのリスクを計測するためにVaR計測を用いております。
詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 25 金融商品及び関連する開示 (2) 財務上のリスク管理方針 ④ 商品価格リスク管理」を参照願います。