有価証券報告書-第158期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 気候に関する開示
① ガバナンス
(a) 監督
当社グループの気候関連のリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
(b) 業務執行
事業ポートフォリオ全体及び個別事業における気候関連のリスク及び機会の評価・管理、それらを踏まえた重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (b) サステナビリティ経営の業務執行」を参照ください。
② 戦略
当社は、パリ協定における世界的合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成により積極的に貢献するため、「気候変動問題に対する方針」を掲げ、事業活動を行っております。2019年に取締役会にて決議・制定後、随時見直しを行っており、Scope3排出量の算定・開示が完了したことやサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用を見据え、説明責任を強化することを目的とし、2026年2月に当社グループのカーボンニュートラル化目標を更新しました。
また、2024年度から始まった中期経営計画では、短期的には、強み・競争優位のある当社事業をGXでさらに強化してまいります。同時に様々な産業分野において、市場形成を含めた収益化までの時間軸も考慮して取り組み、中長期的には、GXで将来の新たな強みをつくります。
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会
当社グループの各事業におけるビジネスモデルを踏まえ、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会は以下のとおりであります。個別事業別に下表のとおり整理しております。
・物理的リスク
気候変動によって引き起こされる農作物の収量減リスク、洪水による操業停止リスク
・移行リスク
脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、カーボンプライシング及びエネルギー価格高騰による財務インパクト
・事業機会
脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会
・時間軸
短期 2026年:当社グループの中期経営計画の期間と整合(2026年度は、現行の同計画対象期間の最終年度)
中期 2035年:当社グループの中間削減目標の期間に整合させるため
長期 2050年:2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を目指していることに整合させるため
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会に関する分析
当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連のリスク及び機会について、次のとおり分析しております。
リスク及び機会によって予想される対象事業への財務的影響は、下記の金額基準に基づき3段階で記載しております。なお、リスクによって予想される対象事業への財務的影響は、当社としての対応策を考慮せず、物理的リスクの場合には2100年までに産業革命以降4℃上昇想定のIPCC(※1)によるRCP8.5シナリオ(※2)をベースとして、移行リスクの場合にはIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emission)シナリオ(※3)をベースとして算出しております。一方、機会によって予想される対象事業への財務的影響は、IEAのNZEシナリオを考慮して算出しております。
移行リスクのうち脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会に関しては、事業環境が大きく変化した際に、事業の耐性及び新たなビジネス機会を客観的に評価する観点から、中期及び長期の時間軸における当社個別事業に対する影響について、NZEシナリオに加えてSTEPS(The Stated Policies)シナリオ(※4)も用い、各シナリオが想定する社会や経済の状況をもとに分析しております。
なお、これらのシナリオは当社の経営方針や事業戦略の前提を示すものではありません。
・対象事業への財務的影響額 (親会社の所有者に帰属する当期利益への影響額)
大 : ±300億円以上~500億円未満
中 : ±100億円以上~300億円未満
小 : ±100億円未満
(※)1 Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル
(※)2 Representative Concentration Pathway:産業革命以降、2100年までに4℃上昇を想定したシナリオ
(※)3 1.5℃上昇:世界全体での2050年ネットゼロ達成からバックキャストしたシナリオ
(※)4 2.5℃上昇:現行政策及び実施表明済の今後の追加政策がすべて実施された場合に予想されるシナリオ
・カーボンプライシングによる財務インパクトの算出方法について
カーボンプライシングによって将来与えると予想される財務的影響については、以下の3事業を除き、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、IEAが発行する「World Energy Outlook 2025」に掲載されたNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出しております。なお、権益事業については既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としております。
・鋼管事業:
欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により影響を受ける可能性がある欧州向けビジネスの当報告期間実績より算出。
・一般炭・原料炭事業:
事業所在国において炭素税が既に導入されていることから、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、事業所在国が定める炭素クレジット単位を掛け合わせて算出。
・天然ガス・LNG事業(上流権益):
既に参画しているプロジェクトで生産されるLNGの使用時に排出されるGHG排出量の当社持分見通しに、IEAにおけるNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出。
・鋼管事業
・船舶事業
・自動車事業
・小売事業
・食料事業
・銅事業
・アルミ事業
・一般炭・原料炭事業
・鉄鉱石事業
・化学品事業
・農業資材ディストリビューター事業
・発電事業(石炭火力発電事業、ガス火力発電事業)
・天然ガス・LNG事業(上流権益)
・天然ガス・LNG事業(トレード)
・海洋油・ガス生産設備傭船事業
■気候関連レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、不確実性を減らし、リスクが顕在化した場合にも財務的影響の低減は可能と認識しております。また、当社の事業ポートフォリオは多岐にわたる複数の産業と地域に広く分散しており、当社グループの事業継続に与える影響は限定的であることを認識しております。また、上記のとおり認識しているすべての移行リスクについて、NZEシナリオにおける財務的影響の総額を踏まえた場合にも、脱炭素社会に移行する中で、当社グループの事業継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
なお、上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各機会に対しても、顕在化に向けた戦略を立てて取り組んでおり、当社グループの強みを核とした新たな成長を加速させてまいります。
③ リスク管理
事業ポートフォリオ全体における気候関連のリスク及び個別事業における気候関連のリスクについても、全社的な管理プロセスに基づいて管理しております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ③ リスク管理」を参照ください。
④ 指標及び目標
■ 当社グループカーボンニュートラル化目標
当社グループは、「気候変動問題に対する方針」及び「マテリアリティ」に係る長期・中期目標を制定し、2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を推進するとともに、社会のカーボンニュートラル化に貢献していくことを目指しております。
カーボンニュートラル化対象範囲であるScope1・2及びScope3(Category13及び15)については、2024年度を基準年として、長期目標として2050年カーボンニュートラル化、中間削減目標として2035年度に排出量の総量を基準年度比30%(内訳:Scope1・2 85%、Scope3(Category13及び15) 20%)以上削減を目指しております。2050年カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減した上で、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすることを指します。なお、カーボンニュートラル化は、CO2のみならず、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素を含むGHGを対象範囲としております。
当該目標は、当社グループとして、パリ協定及び関連する世界的な合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成に、より積極的な役割を果たすことを目的としております。
排出削減目標達成に向け、設備の省エネルギー化や入替え、再生可能エネルギーの調達等、各現場の事業環境に合わせた着実な削減努力を続けていきます。
当社グループの気候関連目標のレビューは、経営会議を経た上で、取締役会にて行っております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」の項目を参照ください。当社グループの気候関連目標の進捗モニタリング指標としては、Scope1・2、Scope3(Category13及び15)の推移となっております。
なお、2050年カーボンニュートラル化達成に向けて、「火力発電事業及び化石エネルギー権益事業」は、当社グループが排出削減を進める重点領域であり、両事業の排出量は、当社の投融資姿勢を各ステークホルダーに伝える重要な情報と捉えております。GHGプロトコルに基づく新たなカーボンニュートラル化対象範囲においては、両事業のすべての排出量を捕捉できないこと(※)を踏まえ、年度ごとの両事業の排出量についてもモニタリング及び開示を継続しております。
※ 火力発電事業及び化石エネルギー権益事業の合計排出量(2024年度排出量合計50百万t-CO2e)の約7割は、新たに設定する「Scope1・2及びScope3(Category13及び15)」の対象範囲に含まれるが、約3割は当社グループが少数株主として投資する事業におけるサプライチェーン上の排出量であるなどの理由により、当社Scope1・2・3の対象範囲外となるもの。
<カーボンニュートラル化目標>
基準年度:2024年度7.2百万t-CO2e
中間目標:2035年度0.8百万t-CO2e(基準年度比85%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2035年度の排出量目標値である0.8百万t-CO2eは、2019年度のScope1・2の合計1.5百万t-CO2eに対し50%以上の排出削減となり、2019年度を基準年としていた従前の中間目標を維持した水準となります。
・2024年度のScope1・2は2019年度比約6百万t-CO2e増加しておりますが、2019年度には建設中であったVan Phong火力発電所(当社100%保有)が、2024年度に稼働開始したことによるものです。同発電所は持分の50%譲渡が決定しており、譲渡後はScope3 Category15にて持分相当の排出量を認識する予定です。
基準年度:2024年度38百万t-CO2e
中間目標:2035年度30百万t-CO2e(基準年度比20%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2024年度時点では、Scope3の大半は火力発電事業による排出ですが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源をより環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする方針です。
・2035年度の排出量見込みは、Van Phong火力発電所の持分の50%譲渡後の排出量を含みます。
■当社グループ カーボンニュートラル化対象 GHG排出量(速報値)
(単位:千t-CO2e)
(※)1 確定値については、後日、当社HPに掲載予定です。
(※)2 集計対象範囲は、以下のとおりです。
Scope1・2:GHGプロトコル(2004)の経営支配力基準に基づく、当社単体、連結子会社及び共同支配事業
Scope3:当社単体、及び連結子会社(ただし、重要性の観点より、事業収益規模が小さくかつ多排出事業に該当しない一部事業会社を除く)
(※)3 Scope1の数値には、エネルギー起源CO2とエネルギー起源CO2以外のGHG排出量を含みます。
(※)4 Scope1・2の算定にあたっては、GHGプロトコルを参考に策定した会社方針に基づき算定しており
ます。また排出原単位は、環境省が公表する温室効果ガス排出量算定・報告公表制度の排出係数を使用しているほか、IEAが発行する「Emissions Factors 2025」に掲載された2023年の国別の排出係数等を使用しております。
(※)5 Scope3の算定にあたっては、GHGプロトコル「Corporate Value Chain(Scope3) Accounting and
Reporting Standard」、及び環境省が主導するグリーンバリューチェーンプラットフォームの各種情報源を参照しております。また、算定時点で入手可能な最新の実績値、経済データ及び係数をもとに算定しております。なお、排出原単位として利用している主なデータソースは、以下のとおりです。
Category13:合理的な仮定に基づく使用シナリオにより設定した排出原単位
Category15:サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための
排出原単位データベース
<火力発電事業及び化石エネルギー権益事業に伴うCO2排出量(※)1>(単位:千t-CO2e)
(※)1 発電事業の稼働済案件、及び化石エネルギー権益に係る実績は第三者機関のアドバイスを
受けて算定。
(※)2 建設中案件の推計値及び持分法適用関連会社の排出も含む。
(※)3 生産されたエネルギー資源の、他社の使用に伴う間接的CO2排出を算定。
■石炭関連事業の取り組み方針
●石炭火力発電事業
新規の発電事業・建設工事請負には取り組まず、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半にはすべての事業を終え石炭火力発電事業から撤退します。
ホスト国・地域社会等のステークホルダーとの真摯な対話を踏まえた合意形成、既存設備の脱炭素化・低炭素化に向けた検討・取り組みの追求、再生可能エネルギー等への電源シフトに向けたホスト国への最大限の支援等を行いながら、事業撤退の前倒しも排除せずあらゆるオプションを追求し、当社及び社会全体の脱炭素化を図ります。
●一般炭鉱山開発事業
今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにします。
■気候関連のリスク及び機会に該当する事業の総資産実績総額及び全体に占める割合
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の物理的及び移行リスクに対する脆弱な資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。物理的リスクに対する脆弱な資産は物理的リスクに該当する事業の総資産を、移行リスクに対する脆弱な資産は移行リスクに該当する事業の非流動資産を対象としております。なお、移行リスクに対する脆弱な資産について、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る移行リスクのうち、予想される財務的影響が限定的とされる事業は対象外としております。
また、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の機会と整合した総資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。
・物理的リスク・・・ 564,893 百万円 (当社グループ全体に占める割合 4.1 %)
・移行リスク ・・・ 796,029 百万円 (当社グループ全体に占める割合 5.8 %)
・事業機会 ・・・ 328,956 百万円 (当社グループ全体に占める割合 2.4 %) <2026年3月31日時点>■気候関連のリスク及び機会に対応する資本投下
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会について、それらに対応する重要な資本投下はありません (2026年3月31日時点)。
なお、当社は、当社グループが進めるサステナビリティ経営を幅広いステークホルダーの皆さまに認識いただくとともに、資金調達面においても推進することを目的に、サステナブルファイナンス・フレームワークを策定しております。詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照ください。
■内部炭素価格
2023年4月より、当社内で内部炭素価格制度(ICP)を運用し炭素排出コストを算出しております。カーボンニュートラル社会の実現に資する新たな事業機会創出に向けた全社の施策検討や投資判断時の将来事業への影響等の確認に活用しております。
当社ICPにおいては、IEAが発行するWorld Energy Outlook 2024のNZEシナリオの炭素価格の見通しを使用し、新規及び既存案件の所在地に応じたシナリオ分析を行っております。
<当社ICPにおける炭素価格>(単位:米ドル/t- CO2)
① ガバナンス
(a) 監督
当社グループの気候関連のリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
(b) 業務執行
事業ポートフォリオ全体及び個別事業における気候関連のリスク及び機会の評価・管理、それらを踏まえた重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (b) サステナビリティ経営の業務執行」を参照ください。
② 戦略
当社は、パリ協定における世界的合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成により積極的に貢献するため、「気候変動問題に対する方針」を掲げ、事業活動を行っております。2019年に取締役会にて決議・制定後、随時見直しを行っており、Scope3排出量の算定・開示が完了したことやサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用を見据え、説明責任を強化することを目的とし、2026年2月に当社グループのカーボンニュートラル化目標を更新しました。
| ■気候変動問題に対する方針 ● 基本方針 ・2050年に住友商事グループのカーボンニュートラル化を目指す(※)。 ・持続可能なエネルギーサイクル実現のため、社会全体のGHG排出削減や炭素除去に資する技術・ビジネスモデル を開拓する。 ・ビジネスパートナーや公共機関と協力した取り組みや提言などを通じて、社会のカーボンニュートラル化に貢 献する。 ● 事業における方針 ・社会全体のGHG排出削減に資する再生可能エネルギー化やエネルギー活用の効率化、及び燃料転換を促進する。 また、再生可能エネルギーを主体とした新たなエネルギーマネジメントやモビリティサービスの提供、水素社会などの実現に取り組む。 ・発電事業については、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源を、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする。 ・火力発電、化石エネルギー権益の開発については、2050年のカーボンニュートラル化を前提として取り組む。 - 石炭火力発電については、新規の発電事業・建設工事請負には取り組まない。 また、石炭火力発電事業については、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半には全ての事業を終え石炭火力発電事業から撤退する。 - 一般炭鉱山開発事業については、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにする。 天然ガス開発事業は、社会のエネルギー・トランジションに資する案件に限り取り組む。 (※) カーボンニュートラル化対象範囲はScope1・2及びScope3(Category13及び15)。 カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減したうえで、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすること。 |
また、2024年度から始まった中期経営計画では、短期的には、強み・競争優位のある当社事業をGXでさらに強化してまいります。同時に様々な産業分野において、市場形成を含めた収益化までの時間軸も考慮して取り組み、中長期的には、GXで将来の新たな強みをつくります。
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会
当社グループの各事業におけるビジネスモデルを踏まえ、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会は以下のとおりであります。個別事業別に下表のとおり整理しております。
・物理的リスク
気候変動によって引き起こされる農作物の収量減リスク、洪水による操業停止リスク
・移行リスク
脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、カーボンプライシング及びエネルギー価格高騰による財務インパクト
・事業機会
脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会
| 事業 | 区分 | 内容 | 時間軸 | ||
| 短期 | 中期 | 長期 | |||
| 鋼管事業 | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | |
| カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |||
| 船舶事業 | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | |
| 事業機会 | 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 | ● | ● | ||
| 自動車事業 | 移行リスク | カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |
| 小売事業 | 移行リスク | カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |
| エネルギー価格高騰による財務インパクト | ● | ● | |||
| 食料事業 | 移行リスク | カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |
| 銅事業 | 移行リスク | カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |
| 事業機会 | 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 | ● | ● | ||
| アルミ事業 | 移行リスク | カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ● | |
| 一般炭・ 原料炭事業 | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | |
| カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ||||
| 鉄鉱石事業 | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | |
| 化学品事業 | 事業機会 | 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 | ● | ● | |
| 農業資材ディストリビューター事業 | 物理的リスク | 農作物の収量減リスク | ● | ● | ● |
| 発電事業 | 物理的リスク | 洪水による操業停止リスク | ● | ● | |
| 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | ● | |
| 天然ガス・LNG事業 (上流権益) | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | |
| カーボンプライシングによる財務インパクト | ● | ||||
| 天然ガス・LNG事業 (トレード) | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ||
| 事業機会 | 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 | ● | ● | ||
| 低炭素製品への移行機会 | ● | ● | |||
| 海洋油・ガス 生産設備傭船事業 | 移行リスク | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク | ● | ● | ● |
・時間軸
短期 2026年:当社グループの中期経営計画の期間と整合(2026年度は、現行の同計画対象期間の最終年度)
中期 2035年:当社グループの中間削減目標の期間に整合させるため
長期 2050年:2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を目指していることに整合させるため
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会に関する分析
当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連のリスク及び機会について、次のとおり分析しております。
リスク及び機会によって予想される対象事業への財務的影響は、下記の金額基準に基づき3段階で記載しております。なお、リスクによって予想される対象事業への財務的影響は、当社としての対応策を考慮せず、物理的リスクの場合には2100年までに産業革命以降4℃上昇想定のIPCC(※1)によるRCP8.5シナリオ(※2)をベースとして、移行リスクの場合にはIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emission)シナリオ(※3)をベースとして算出しております。一方、機会によって予想される対象事業への財務的影響は、IEAのNZEシナリオを考慮して算出しております。
移行リスクのうち脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会に関しては、事業環境が大きく変化した際に、事業の耐性及び新たなビジネス機会を客観的に評価する観点から、中期及び長期の時間軸における当社個別事業に対する影響について、NZEシナリオに加えてSTEPS(The Stated Policies)シナリオ(※4)も用い、各シナリオが想定する社会や経済の状況をもとに分析しております。
なお、これらのシナリオは当社の経営方針や事業戦略の前提を示すものではありません。
・対象事業への財務的影響額 (親会社の所有者に帰属する当期利益への影響額)
大 : ±300億円以上~500億円未満
中 : ±100億円以上~300億円未満
小 : ±100億円未満
(※)1 Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル
(※)2 Representative Concentration Pathway:産業革命以降、2100年までに4℃上昇を想定したシナリオ
(※)3 1.5℃上昇:世界全体での2050年ネットゼロ達成からバックキャストしたシナリオ
(※)4 2.5℃上昇:現行政策及び実施表明済の今後の追加政策がすべて実施された場合に予想されるシナリオ
・カーボンプライシングによる財務インパクトの算出方法について
カーボンプライシングによって将来与えると予想される財務的影響については、以下の3事業を除き、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、IEAが発行する「World Energy Outlook 2025」に掲載されたNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出しております。なお、権益事業については既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としております。
・鋼管事業:
欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により影響を受ける可能性がある欧州向けビジネスの当報告期間実績より算出。
・一般炭・原料炭事業:
事業所在国において炭素税が既に導入されていることから、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、事業所在国が定める炭素クレジット単位を掛け合わせて算出。
・天然ガス・LNG事業(上流権益):
既に参画しているプロジェクトで生産されるLNGの使用時に排出されるGHG排出量の当社持分見通しに、IEAにおけるNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出。
・鋼管事業
| 移行リスク | 鋼管事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク IEAのNZEシナリオにおいては化石燃料の需要減少が見込まれており、それに伴い、化石燃料の採掘・輸送・貯蔵に使用されるエネルギー鋼管の販売量が減少するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■カーボンプライシングによる財務インパクト 欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により、欧州域内の競合メーカーとの間に競争力の差が生じ、欧州における鋼管販売量が減少するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 引き続きCCS・CCUS・地熱発電用といった気候変動対策の鋼管の販売に加え、エネルギー企業に対する鋼管販売以外の周辺ビジネスを拡充してまいります。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト 官民・業界団体を挙げた高炉低炭素化の促進等、様々な取り組みが行われている中、当社も当該取り組みを支援する社内組織を通じ、高炉から電炉への転換や製鉄還元方法の低炭素化等、上流(仕入先である製鉄メーカー)の低炭素化を引き続き支援してまいります。また、下流(客先であるエネルギー企業)に対しても、排出量削減に伴う環境価値に対する理解やコスト負担を得られるよう働き掛けてまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク <財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中 (STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともにポジティブ小) NZEシナリオにおいては化石燃料の需要減少が見込まれており、それに伴うエネルギー鋼管の需要への影響については引き続き注視してまいります。 一方で、世界経済の成長や人口増加に伴いエネルギー需要は今後も増加することが見込まれていることから、化石燃料の採掘は継続するものと想定し、引き続きエネルギー鋼管の需要が維持される前提での戦略を立てております。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 戦略・緩和策の実施に伴い上流の競争力を回復させることで、上記の財務的影響は低減可能であると考えております。 |
・船舶事業
| 移行リスク 事業機会 | 船舶事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び事業の拡大機会を同時に認識しております。 |
| リスク・ 機会詳細 | 海運需要については中長期的に、STEPSシナリオでは増加、NZEシナリオではほぼ横ばいが見込まれております。 脱炭素社会への移行の中で、石炭需要の減少に伴い石炭輸送の需要が減少することに起因して、石炭輸送に一部従事する当社が保有・管理するばら積み船の傭船料収入が減少するリスクを認識しております。 また、国際海事機関(IMO: International Maritime Organization)や各国当局による環境規制・課税等の導入により、低炭素技術への投資負担や運航コストが増加する可能性がある一方、ゼロエミッション船・低炭素船(※)に対する需要が高まることが予想され、ばら積み船の貨物・用途変更、ゼロエミッション船・低炭素船の導入により、傭船収益や売船収益が増加する機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 (※)LNG燃料船、メタノール燃料船、アンモニア燃料船等 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 石炭を含むばら積み船の貨物需要や、各国の法規制、市場、ゼロエミッション船・低炭素船の技術やコストの動向を引き続き注視しながら、環境規制の将来的な導入等を見据え、保有船のポートフォリオにおけるゼロエミッション船・低炭素船の比率の引き上げ、次世代燃料船の保有スキームの検討、傭船需要のヒアリング等を実施してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>中期・長期:ポジティブ小 (STEPSシナリオの場合には、中期:ポジティブ小、長期:ポジティブ中) 石炭輸送の需要減少に伴い、石炭輸送に従事するばら積み船の需要が低下する場合にも、世界経済の成長や人口増加に伴い、石炭以外の輸送におけるばら積み船の需要は増加を見込んでおります。 国際的な環境規制の動向次第ではあるものの、中長期的には次世代燃料船建造や既存船への省エネデバイス装着等に対する投資を実施し、今後導入される規制への早期対応より、将来的な炭素税負担・規制違反に伴う罰金や非効率船の淘汰による代替コストを回避することによる相対的な収益力の向上、グリーン運賃享受による収益性の向上を見込んでおります。 |
・自動車事業
| 移行リスク | 自動車事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | 炭素税導入に伴い、製造時の熱源として化石燃料あるいは電力を使用している事業において、炭素税負担相当分の利益率が低下するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | カーボンニュートラルに向けた打ち手に関して、製造領域の事業会社各社との協議を開始しております。最も排出量の多い事業会社においては、2050年にScope1・2排出量ゼロを目指すロードマップを策定済です。2018年度を基準にGHG排出量削減率をモニタリングしており、環境負荷低減に向けた具体的な打ち手として使用電力のグリーン化を進めております。 なお、当該事業会社において2022年度にCNロードマップを策定した際には、2030年度までに2018年度比30%削減をマイルストーンとしていたものの、2024年度に前倒しで達成しております。引き続き従来方針のとおり、使用設備の省エネ化・電化並びに使用電力のグリーン化を拡大することで、サプライチェーン全体の環境負荷削減に取り組んでまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中 戦略・緩和策の実施に伴い、使用設備の省エネ化・電化への投資、使用電力のグリーン化に伴う電力コストの増加が見込まれる一方、上記の財務的影響の低減は可能であると考えております。 なお、カーボンプライシングによる財務インパクトはサプライチェーン全体の課題であり、客先・サプライヤーとの対話を重ねてまいります。 |
・小売事業
| 移行リスク | 小売事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクト及びエネルギー価格高騰による財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト 炭素税導入に伴い、エネルギー使用量の多い製造工程・配送過程(※)において、炭素税負担の原価転嫁により利益率が低下するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 (※)自社物流センターにおける運行管理、自社加工センターでの製造、自社営業拠点の運営(販売・加工場所)、自社物流工程(自社物流センターから営業拠点への配送) ■エネルギー価格高騰による財務インパクト エネルギー価格高騰に伴い、自社営業拠点及び物流センター・加工センターにおいて、操業コストが増加するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト GHG排出量削減を目的として、省エネ設備や、高効率保管設備の導入及びトラック運行回数の削減による物流の効率化に取り組んでおります。 今後、2050年カーボンニュートラル化目標達成に向けたロードマップ策定の検討を行い、引き続きトラック運行回数の低減等による物流の効率化に取り組んでまいります。 ■エネルギー価格高騰による財務インパクト 引き続き従来方針のとおり、自社営業拠点におけるエネルギー使用量の抑制及び価格競争力の高い電力会社起用によるエネルギー単価の抑制に取り組むとともに、中長期的に省エネ設備の導入を加速してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 戦略・緩和策の実施に伴い、中長期的にはGHG排出量の削減を目的とした省エネ設備導入及び物流効率化に伴う支出を予定しており、上記の財務的影響は低減可能であると考えております。 ■エネルギー価格高騰による財務インパクト 中長期的には、省エネ設備導入及び更新に伴う支出を見込んでおり、戦略・緩和策の実施に伴い、想定される財務的影響は限定的となる見込みです。 |
・食料事業
| 移行リスク | 食料事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | 炭素税導入に伴い、自社農園における果物生産及び自社追熟加工施設における追熟加工において、炭素税負担の原価転嫁により利益率が低下するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 低窒素肥料への切り替えによる肥料由来排出の削減、再生可能エネルギーの導入拡大に引き続き取り組んでまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 短期的には、省エネ設備導入に伴う支出を見込んでおり、戦略・緩和策の実施に伴い、上記の財務的影響は低減可能であると考えております。 |
・銅事業
| 移行リスク 事業機会 | 銅事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクト及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会を認識しております。 |
| リスク・ 機会詳細 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト 当社保有権益の鉱山における生産活動において、環境規制の強化に伴う操業コストの増加リスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 世界的な再生可能エネルギーやEVを含むクリーンエネルギー用途の拡大、AIデジタル化の進展等を背景に、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオともに銅需要の中長期的な増加が見込まれており、銅需要増加に起因する銅価格の上昇に伴い、当社保有権益の鉱山における生産・販売活動において、収益の増加機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト 一部鉱山においては、既に再生可能エネルギーへのシフト等を実施し、GHG排出量を削減してまいりました。今後、他の鉱山においても、使用電力を再生可能エネルギーに100%シフトすることを予定しております。 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 操業鉱山の減耗や新規鉱山の開発難易度、環境保護規制強化等の影響により、供給量の拡大が難しい傾向が続くことが見込まれております。同時に、サプライチェーン全体での環境負荷低減への対応が重要となっており、このような環境下において、環境・社会への配慮を行いながら、中長期にわたり安定的な供給を継続することが求められております。 当社としては、海外銅鉱山への出資を通じた新規権益取得や既存権益の生産量拡大、脱炭素化を支える銅の安定供給に貢献するとともに、銅製品の安定調達に対応し、当社事業の持続的な収益機会の確保を図っております。あわせて、操業の効率化や環境負荷の低減、製品ライフサイクル全体を通じた資源循環の高度化等を通じ、持続可能な形での銅供給に取り組んでおります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■カーボンプライシングによる財務インパクト <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 戦略・緩和策の実施に伴い、今後さらなる規制強化が行われる場合にも、財務的影響は限定的となる見込みです。 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 <財務的影響>中期・長期:ポジティブ (STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ) ※銅需要の変化に伴う銅価格の変動は不確実性が高く、財務的影響の算出は困難。 |
・アルミ事業
| 移行リスク | アルミ事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | 当社アルミ製錬所におけるアルミ製錬プロセスにおいて、カーボンプライシングによる操業コストの増加リスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 電解工程における操業改善によるGHG排出量の削減に取り組んでおり、現在、再生可能エネルギー証書(REC:Renewable Energy Certificate)の取得を取り進めております。 なお、主要事業会社においては、2050年カーボンニュートラル目標を策定しております。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中 上記の戦略・緩和策以外にもGHG排出量削減に寄与する複数の取り組みを検討しており、上記の財務的影響は低減可能であると考えております。 |
・一般炭・原料炭事業
| 移行リスク | 一般炭・原料炭事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 原料炭需要の減少や顧客構造の変化に伴い、当社保有の原料炭上流権益事業において、収益の減少リスク及び資産評価リスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■カーボンプライシングによる財務インパクト GHG排出に対する規制強化(特にメタン)及び炭素税導入に伴い、当社保有権益の炭鉱における生産活動において、操業コストが増加するリスクを認識しております。 なお、事業所在国政府により、既に当該国内におけるGHG排出削減量が定められております。 <時間軸>短期 ※先進国を中心とした多くの国におけるエネルギー政策において、石炭火力発電はガス火力発電、そして再生可能エネルギー発電への転換が計画されていることから、石炭火力発電に用いられる一般炭の需要も減少することが見込まれております。斯様な環境を踏まえ、一般炭鉱山開発事業については、当社気候変動問題に対する方針に則り、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半までにゼロとすることで、中期・長期の時間軸において撤退済予定のため財務的影響はありません。 ※原料炭事業については、中期・長期の時間軸において既存保有権益は終掘予定です。 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期において炭素税の支払いが発生しているものの、当期の財務的影響を受け、翌期において資産及び負債の帳簿価額に与える重大な影響は見込んでおりません。 <当期の財務的影響>ネガティブ小 |
| 戦略・緩和策 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 原料炭事業については、当社が保有する権益は原料炭の中でも高品位の原料炭を産出しており、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオのいずれの場合においても一定の需要が維持される見込みのため、原料炭事業が受ける影響は限定的となる見通しです。今後もこうした特性を有する原料炭を産出する炭鉱への出資を検討してまいります。 一方で、原料炭事業を取り巻く外部環境として、許認可等の理由により新規原料炭炭鉱の立ち上げが近年遅延する傾向があることを認識しております。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト 当社保有権益においては、操業効率の改善を通じた排出量の削減に取り組んでおります。また、バイオディーゼル燃料への活用等も想定した炭鉱跡地活用事業(ポンガミア植林事業)や、露天掘り炭鉱においてガス抜き事業を行うLoop社等への出資を通して、脱炭素に貢献しております。 今後も引き続き、事業所在国政府により定められた排出量の削減及び自助努力による排出量の削減に取り組んでまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにネガティブ小) 上記のとおり、一般炭鉱山開発事業は今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半までにゼロとする方針であり、中期・長期の時間軸において撤退済予定のため財務的影響はありません。当社資源ポートフォリオにおける一般炭権益の割合は相対的に小さく、現行保有する権益についても近い将来にマインライフの終了を迎える予定です。同権益は需要が相対的に高い高品位炭を産出しておりコスト競争力もあるため、需要減の局面においても一定の価格下振れ耐性を備えております。 原料炭については、長期的には多くの国・地域における炭素税の導入・強化等の政策進展を背景に、CO2排出量の少ない低炭素製鉄法の実用化や電炉鋼比率の増加が進み、需要の減少が見込まれております。ただし、CCUS等のCO2回収・貯留技術との組み合わせにより、高炉による製鉄事業は当面維持される見込みです。また、当社グループの上流権益投資事業は海上貿易市場向けであり、海上貿易市場における原料炭需要はSTEPSシナリオでは増加、NZEシナリオでは限定的な減少が見込まれており、STEPSシナリオ及びNZEシナリオともに供給減が需要減に先行して発生する見通しです。当社が保有する権益は原料炭の中でも高品位の原料炭を産出しており、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオのいずれの場合においても一定の需要が維持される見込みのため、原料炭事業が受ける影響は限定的となる見通しです。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト <財務的影響>短期:ネガティブ小 2026年度通期予想に炭素税を織り込んでおります。 |
・鉄鉱石事業
| 移行リスク | 鉄鉱石事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しております。 |
| リスク詳細 | 鉄鋼メーカーにおける高炉から電炉への転換に起因する鉄鉱石需要の減少に伴い、当社鉄鉱石上流権益事業において、収益の減少リスク及び資産評価リスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 当社の鉄鉱石関連事業では、中国・日本を中心としたアジアへの資源の安定供給に貢献しております。当社が保有する権益は、中期以降の時間軸において、多くが希少性の高い高品位鉄鉱石となる予定であり、電炉比率の増加に伴う鉄鉱石需要の減少による影響は軽微となる見通しです。今後も引き続き、鉄鋼業における脱炭素社会への移行対応における製鉄法・製鋼法の変化による需要への影響を注視し、販売先の多様化・分散を通じて鉄鉱石の安定供給に向けたアクションを推進してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともに中立) NZEシナリオにおいては、鉄鋼業における電炉比率の増加に伴い鉄鉱石需要が減少する可能性があるものの、高炉法・電炉法の双方において需要が高まる高品位鉄鉱石への影響は軽微となる見込みです。上記のとおり、当社が保有する複数権益における生産物は、多くが高品位鉄鉱石となる予定であり、需要減少による影響は軽微若しくは回避可能であることを認識しております。 |
・化学品事業
| 事業機会 | 化学品事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会を認識しております。 |
| 機会詳細 | ■グリーンケミカル商材における機会 脱炭素社会への移行に伴い、グリーンケミカル商材に対する需要が増大することを見込んでおり、当社グリーンケミカル販売事業において、グリーンケミカル商材の積極的な販促による収益増加の機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■プロパン商材における機会 STEPSシナリオにおいてLNGの中長期的な需要増加が見込まれることに伴い、LNG液化プロセスにおいて冷媒として使用されるプロパンも需要が増加することを見込んでおり、プロパン販売事業における収益増加の機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略 | ■グリーンケミカル商材における機会 バイオ化学品取扱のため、ISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)を取得しており、顧客の需要及びそれに見合う形のサプライヤーを見つけるべく調査を実施してまいりました。今後も、社会の要請に基づき必要な認証があればさらに取得することとし、今後拡大することが予想される需要をタイムリーに把握し、それに対応するサプライヤーを見つけるべく、引き続き情報入手を進めてまいります。 ■プロパン商材における機会 製造拠点を新規設立したことにより、LNG向けプロパン販売の機会を継続的に取り込むことができる事業基盤を構築しております。 |
| 予想される 財務的影響 | ■グリーンケミカル商材における機会 <財務的影響>中期・長期:ポジティブ小 (STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ小) グリーンケミカル商材に対する需要増加は、NZEシナリオにおいてより顕著となる見通しです。 ■プロパン商材における機会 <財務的影響>中期・長期:ポジティブ小 (STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ小) LNG液化プロセスにおいて冷媒として使用されるプロパンの需要増加は、STEPSシナリオにおいてより顕著となる見通しです。 |
・農業資材ディストリビューター事業
| 物理的リスク | 農業資材ディストリビューター事業においては、農作物収量減リスクを認識しております。 |
| リスク詳細 | 平均気温の上昇に伴い干ばつの発生可能性が高まる中で、干ばつが発生した場合、農作物収量減による農家の採算悪化に伴い、農業関連販売活動において、売上減少リスク及び貸倒引当金増加リスクを認識しております。 <時間軸>短期・中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 売上変動に対する耐性を高めるべく、販管費の適切なコントロールや固定費構造の最適化を図るとともに、与信審査の厳格化、担保取得比率の向上に既に取り組んでおり、継続してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>短期・中期・長期:ネガティブ中 リスクが顕在化した際には、売上の減少及び貸倒引当金の増加が見込まれます。戦略・緩和策の実施に伴い、与信審査プロセスの高度化に伴う管理コストの増加、与信審査の厳格化に伴う販売機会の減少が見込まれますが、当該リスクの低減に取り組んでおります。 |
・発電事業(石炭火力発電事業、ガス火力発電事業)
| 物理的リスク 移行リスク | 発電事業においては、洪水による事業停止リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しております。 |
| リスク詳細 | ■洪水による事業停止リスク 平均気温や海水温度の上昇に伴い多雨等の天候不順の発生可能性が高まる中で、洪水が発生した場合、当社石炭火力発電所において、事業停止時の機会損失及び設備復旧費用の発生リスクを認識しております。 <時間軸>短期・中期 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 石炭火力発電については、先進国から段階的な縮小が進み、STEPSシナリオ及びNZEシナリオともに、今後大幅な需要の減少が見込まれております。また、ガス火力発電事業においても、STEPSシナリオにおいては需要の増加が見込まれる一方、NZEシナリオにおいては減少が見込まれております。 上記を踏まえ、石炭火力発電・ガス火力発電の需要低下に伴う事業規模の縮小及び座礁資産となるリスクが挙げられるものの、当社石炭火力発電事業及びガス火力発電事業においては、長期売電契約を締結しているため、需要減少に伴う財務的影響は限定的となる見通しです。 <時間軸>短期・中期・長期 ※当社気候変動問題に対する方針に則り、2040年代後半にはすべての石炭火力発電事業から撤退するため、長期の時間軸において石炭火力発電既存事業は終了予定。 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | ■洪水による事業停止リスク リスク顕在化時の損失に備え、操業保険を調達しております。 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 長期売電契約を締結しているため、石炭火力発電・ガス火力発電の需要減少に伴う財務的影響は限定的であるものの、発電事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、脱炭素化を取り巻く動向は引き続き注視してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■洪水による事業停止リスク <財務的影響>短期・中期:ネガティブ中 当該リスクに対する戦略・緩和策として、上記に記載のとおり操業保険の調達に係るコストが発生しているものの、リスクが顕在化した際の損失は操業保険でカバーされるため、財務的影響は限定的となる見込みです。 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク <財務的影響>短期・中期・長期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合にも、短期・中期・長期ともにネガティブ小) ガス火力発電については、総発電量に占める割合は中長期的には低下するものの、水素やCCUS等の新技術の活用によるCO2排出量の削減検討が進むとも考えられ、エネルギー・トランジションを進める上で、電力安定供給の観点からも引き続き重要な発電手段として一定の供給が求められることが考えられます。 上記のとおり、石炭火力発電事業及びガス火力発電事業ともに長期売電契約を締結しているため、需要減少に伴う財務的影響は限定的となる見通しで、発電事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、当該対応費用についても長期売電契約の範囲であるため財務的影響は限定的です。 |
・天然ガス・LNG事業(上流権益)
| 移行リスク | 天然ガス・LNG事業(上流権益)においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しております。 |
| リスク詳細 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 天然ガス・LNGの需要は、STEPSシナリオでは2030年代半ばまで堅調に拡大する一方、NZEシナリオでは中長期的に減少が見込まれており、当社LNG上流権益事業において、ガス需要が減少するリスクを認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■カーボンプライシングによる財務インパクト 参画先プロジェクトで生産されるLNGの主な販売先において、炭素税/炭素賦課金が導入された場合、事業の収益性を押し下げるリスクを認識しております。 <時間軸>中期 ※長期の時間軸において、既存事業はプロジェクトの生産計画上、生産終了予定。 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 既存プラントを活用した低コストでの追加開発の実施等により、既存資産の競争力の維持・向上に努めております。また、新規案件については各国の政策転換やカーボンプライシング導入等も考慮の上、中長期的な視点で戦略地域を絞り、LNGトレード、中下流事業を組み合わせた天然ガス・LNGバリューチェーンの構築による機会の最大化に取り組んでおります。引き続きCCS・CCUS等の低炭素技術導入や再生可能エネルギーとのベストミックスを図りながらカーボンニュートラル化社会への移行を支えるTransition Fuelの需要を確保し、エネルギーの安定供給へ貢献してまいります。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト 一部プロジェクトで生産するガス・LNGの一部は、事業所在国内向けに発電用途で供給しております。未だ電源構成の大半が石炭火力である地域において、本プロジェクトへの取り組みは各国のエネルギーミックス改善及びGHG排出量削減に寄与しております。さらには、現在実行中の拡張開発計画にはCCUSが含まれており、低炭素社会における既存資産の価値向上にも取り組んでおります。 また、上記とは異なる国におけるプロジェクトでは、GHG排出量が極めて少ないクリーンなFEEDガスを使用しLNGを生産しており、低炭素なエネルギー供給に貢献しております。 |
| 予想される 財務的影響 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク <財務的影響>中期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合には、中期:ポジティブ小) ※既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としており、長期の時間軸において既存事業は終了予定。 低炭素社会への移行局面においては、石炭の代替としての発電燃料のほか、石油化学製品の原料やアンモニア、輸送用燃料として、天然ガス・LNGは引き続き重要な役割を果たす見込みです。短中期的には、特にASEANを中心に需要が増加すると見込んでおり、アジア大洋州(インド含)におけるビジネス機会の増加が期待されております。長期的には、再生可能エネルギー等の普及により、新興国における需要の増加は相殺され、需要は減少傾向になることが見込まれるものの、再エネ不稼働時のバランシング機能等、天然ガスは引き続き重要な役割を果たすと考えております。 ■カーボンプライシングによる財務インパクト <財務的影響>中期:ネガティブ大 一部プロジェクトにおいては、短期的には、販売先エリアでの炭素税/炭素賦課金の導入予定はないため、財政状態・財務業績への影響は見込まれておりません。製造プラントから排出されるCO2削減策としてCCUS実行に伴う支出は、プロジェクトの費用に含まれており追加コストは発生しない見込みです。また、上記とは異なる国におけるプロジェクトでは、製造プラントから排出されるGHG排出量の上限数量が設定されており、それを上回った数量についてはカーボンクレジットにてオフセットを予定しております。当該支出もプロジェクト費用に既に含まれております。 中長期的には、どちらのプロジェクトにおいても、主な販売先エリアで炭素税/炭素賦課金が導入された場合には、事業の収益性を押し下げるリスクを認識しております。 |
・天然ガス・LNG事業(トレード)
| 移行リスク 事業機会 | 当社ガストレードにおいては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会及び低炭素製品への移行機会を認識しております。 |
| リスク・ 機会詳細 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク 天然ガス・LNGの需要は、中長期的に、STEPSシナリオでは増加見込みであるものの、NZEシナリオでは減少が見込まれており、当社ガストレード事業において、ガス需要低下に伴う当期利益の減少リスクを認識しております。 <時間軸>長期 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会 化石燃料からの代替燃料として天然ガスの需要増加、AI向け電力需要を賄うガス火力発電需要向けの天然ガスの需要増加に伴い、ガストレード事業の収益が増加する機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 ■低炭素製品への移行機会 ガストレードで培ったトレードノウハウが活かせる他商品でのトレード事業進出に伴い、ガス以外のトレード事業において、収益が増加する機会を認識しております。 <時間軸>中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会については、当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 低炭素製品への移行機会については、既に電力・環境商品のトレード事業に進出済であり、当期において電力・環境商品のトレード事業における収益を認識しております。なお、翌期において資産及び負債の帳簿価額に与える重大な影響は見込んでおりません。 <当期の財務的影響>ポジティブ小 |
| 戦略・緩和策 | ガストレード取引の拡大、ガストレード以外のトレード事業拡大に向けて、必要な組織体制整備・専門人員登用を進めております。 並行してガバナンス体制の強化も追求しつつ、従来の天然ガス・LNG、既に進出済の電力・環境商品に加え、ガストレードで培ったトレードノウハウが活かせる商品トレードへの進出により、トレード事業を拡大してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク <財務的影響>中期:中立、長期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともにポジティブ小) 天然ガス・LNGの需要減少が見込まれるNZEシナリオにおいては、ガス需要低下に伴う当期利益減少リスクを認識しております。一方、上記「天然ガス・LNG事業(上流権益)」に記載のとおり、低炭素社会への移行局面においては、石炭の代替としての発電燃料のほか、石油化学製品の原料やアンモニア、輸送用燃料として引き続き重要な役割を果たす見込みです。 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会 <財務的影響>中期・長期:ポジティブ小 人員整備に伴い人件費は増加するものの、電力・環境商品に加え、トレードノウハウが活かせる商品トレードへの進出により、さらなる当期利益の積み上げを見込んでおります。 |
・海洋油・ガス生産設備傭船事業
| 移行リスク | 海洋油・ガス生産設備傭船事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しております。 |
| リスク詳細 | 天然ガスの需要は、中長期的にSTEPSシナリオでは増加、NZEシナリオでは減少、石油の需要は、中長期的にSTEPSシナリオでは横ばい、NZEシナリオでは減少見込みです。 石油及びガスの需要減少や規制変化に伴う事業脆弱化リスクが挙げられるものの、当社海洋油・ガス生産設備傭船事業では長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みです。 <時間軸>短期・中期・長期 |
| 当期/翌期の 財務的影響 | 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。 |
| 戦略・緩和策 | 上記のとおり、長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みであるものの、事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、脱炭素化を取り巻く動向は引き続き注視してまいります。 |
| 予想される 財務的影響 | <財務的影響>短期・中期・長期:ネガティブ小 (STEPSシナリオの場合にも、短期・中期・長期ともにネガティブ小) 上記のとおり、長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みです。 |
■気候関連レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、不確実性を減らし、リスクが顕在化した場合にも財務的影響の低減は可能と認識しております。また、当社の事業ポートフォリオは多岐にわたる複数の産業と地域に広く分散しており、当社グループの事業継続に与える影響は限定的であることを認識しております。また、上記のとおり認識しているすべての移行リスクについて、NZEシナリオにおける財務的影響の総額を踏まえた場合にも、脱炭素社会に移行する中で、当社グループの事業継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
なお、上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各機会に対しても、顕在化に向けた戦略を立てて取り組んでおり、当社グループの強みを核とした新たな成長を加速させてまいります。
③ リスク管理
事業ポートフォリオ全体における気候関連のリスク及び個別事業における気候関連のリスクについても、全社的な管理プロセスに基づいて管理しております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ③ リスク管理」を参照ください。
④ 指標及び目標
■ 当社グループカーボンニュートラル化目標
当社グループは、「気候変動問題に対する方針」及び「マテリアリティ」に係る長期・中期目標を制定し、2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を推進するとともに、社会のカーボンニュートラル化に貢献していくことを目指しております。
カーボンニュートラル化対象範囲であるScope1・2及びScope3(Category13及び15)については、2024年度を基準年として、長期目標として2050年カーボンニュートラル化、中間削減目標として2035年度に排出量の総量を基準年度比30%(内訳:Scope1・2 85%、Scope3(Category13及び15) 20%)以上削減を目指しております。2050年カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減した上で、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすることを指します。なお、カーボンニュートラル化は、CO2のみならず、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素を含むGHGを対象範囲としております。
当該目標は、当社グループとして、パリ協定及び関連する世界的な合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成に、より積極的な役割を果たすことを目的としております。
排出削減目標達成に向け、設備の省エネルギー化や入替え、再生可能エネルギーの調達等、各現場の事業環境に合わせた着実な削減努力を続けていきます。
当社グループの気候関連目標のレビューは、経営会議を経た上で、取締役会にて行っております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」の項目を参照ください。当社グループの気候関連目標の進捗モニタリング指標としては、Scope1・2、Scope3(Category13及び15)の推移となっております。
なお、2050年カーボンニュートラル化達成に向けて、「火力発電事業及び化石エネルギー権益事業」は、当社グループが排出削減を進める重点領域であり、両事業の排出量は、当社の投融資姿勢を各ステークホルダーに伝える重要な情報と捉えております。GHGプロトコルに基づく新たなカーボンニュートラル化対象範囲においては、両事業のすべての排出量を捕捉できないこと(※)を踏まえ、年度ごとの両事業の排出量についてもモニタリング及び開示を継続しております。
※ 火力発電事業及び化石エネルギー権益事業の合計排出量(2024年度排出量合計50百万t-CO2e)の約7割は、新たに設定する「Scope1・2及びScope3(Category13及び15)」の対象範囲に含まれるが、約3割は当社グループが少数株主として投資する事業におけるサプライチェーン上の排出量であるなどの理由により、当社Scope1・2・3の対象範囲外となるもの。
<カーボンニュートラル化目標>

中間目標:2035年度0.8百万t-CO2e(基準年度比85%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2035年度の排出量目標値である0.8百万t-CO2eは、2019年度のScope1・2の合計1.5百万t-CO2eに対し50%以上の排出削減となり、2019年度を基準年としていた従前の中間目標を維持した水準となります。
・2024年度のScope1・2は2019年度比約6百万t-CO2e増加しておりますが、2019年度には建設中であったVan Phong火力発電所(当社100%保有)が、2024年度に稼働開始したことによるものです。同発電所は持分の50%譲渡が決定しており、譲渡後はScope3 Category15にて持分相当の排出量を認識する予定です。
中間目標:2035年度30百万t-CO2e(基準年度比20%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2024年度時点では、Scope3の大半は火力発電事業による排出ですが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源をより環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする方針です。
・2035年度の排出量見込みは、Van Phong火力発電所の持分の50%譲渡後の排出量を含みます。
■当社グループ カーボンニュートラル化対象 GHG排出量(速報値)
(単位:千t-CO2e)
| 2024年度 (基準年度) | 2025年度 | 増減 | 削減率 (基準年度比) | ||
| Scope1 | 6,666 | 6,799 | +133 | 2.0% | |
| Scope2 | 490 | 485 | △5 | △1.0% | |
| Scope3 | Category13 | 20,052 | 18,707 | △1,345 | △6.7% |
| Category15 | 17,778 | 16,305 | △1,473 | △8.3% | |
(※)1 確定値については、後日、当社HPに掲載予定です。
(※)2 集計対象範囲は、以下のとおりです。
Scope1・2:GHGプロトコル(2004)の経営支配力基準に基づく、当社単体、連結子会社及び共同支配事業
Scope3:当社単体、及び連結子会社(ただし、重要性の観点より、事業収益規模が小さくかつ多排出事業に該当しない一部事業会社を除く)
(※)3 Scope1の数値には、エネルギー起源CO2とエネルギー起源CO2以外のGHG排出量を含みます。
(※)4 Scope1・2の算定にあたっては、GHGプロトコルを参考に策定した会社方針に基づき算定しており
ます。また排出原単位は、環境省が公表する温室効果ガス排出量算定・報告公表制度の排出係数を使用しているほか、IEAが発行する「Emissions Factors 2025」に掲載された2023年の国別の排出係数等を使用しております。
(※)5 Scope3の算定にあたっては、GHGプロトコル「Corporate Value Chain(Scope3) Accounting and
Reporting Standard」、及び環境省が主導するグリーンバリューチェーンプラットフォームの各種情報源を参照しております。また、算定時点で入手可能な最新の実績値、経済データ及び係数をもとに算定しております。なお、排出原単位として利用している主なデータソースは、以下のとおりです。
Category13:合理的な仮定に基づく使用シナリオにより設定した排出原単位
Category15:サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための
排出原単位データベース
<火力発電事業及び化石エネルギー権益事業に伴うCO2排出量(※)1>(単位:千t-CO2e)
| 指標 | 2019年度 (基準年度) | 2024年度 | 2025年度 | 削減率 (基準年度比) | ||
| 火力発電事業(※2) | 43,126 | 38,612 | 37,322 | △13.5% | ||
| うち、石炭火力発電事業(※2) | 34,452 | 32,429 | 31,722 | △7.9% | ||
| 化石エネルギー権益事業(※3) | 15,808 | 11,564 | 11,320 | △28.4% | ||
| うち、一般炭鉱山開発事業 | 12,538 | 10,248 | 9,938 | △20.7% | ||
(※)1 発電事業の稼働済案件、及び化石エネルギー権益に係る実績は第三者機関のアドバイスを
受けて算定。
(※)2 建設中案件の推計値及び持分法適用関連会社の排出も含む。
(※)3 生産されたエネルギー資源の、他社の使用に伴う間接的CO2排出を算定。
■石炭関連事業の取り組み方針
●石炭火力発電事業
新規の発電事業・建設工事請負には取り組まず、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半にはすべての事業を終え石炭火力発電事業から撤退します。
ホスト国・地域社会等のステークホルダーとの真摯な対話を踏まえた合意形成、既存設備の脱炭素化・低炭素化に向けた検討・取り組みの追求、再生可能エネルギー等への電源シフトに向けたホスト国への最大限の支援等を行いながら、事業撤退の前倒しも排除せずあらゆるオプションを追求し、当社及び社会全体の脱炭素化を図ります。
●一般炭鉱山開発事業
今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにします。
■気候関連のリスク及び機会に該当する事業の総資産実績総額及び全体に占める割合
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の物理的及び移行リスクに対する脆弱な資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。物理的リスクに対する脆弱な資産は物理的リスクに該当する事業の総資産を、移行リスクに対する脆弱な資産は移行リスクに該当する事業の非流動資産を対象としております。なお、移行リスクに対する脆弱な資産について、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る移行リスクのうち、予想される財務的影響が限定的とされる事業は対象外としております。
また、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の機会と整合した総資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。
・物理的リスク・・・ 564,893 百万円 (当社グループ全体に占める割合 4.1 %)
・移行リスク ・・・ 796,029 百万円 (当社グループ全体に占める割合 5.8 %)
・事業機会 ・・・ 328,956 百万円 (当社グループ全体に占める割合 2.4 %) <2026年3月31日時点>■気候関連のリスク及び機会に対応する資本投下
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会について、それらに対応する重要な資本投下はありません (2026年3月31日時点)。
なお、当社は、当社グループが進めるサステナビリティ経営を幅広いステークホルダーの皆さまに認識いただくとともに、資金調達面においても推進することを目的に、サステナブルファイナンス・フレームワークを策定しております。詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照ください。
■内部炭素価格
2023年4月より、当社内で内部炭素価格制度(ICP)を運用し炭素排出コストを算出しております。カーボンニュートラル社会の実現に資する新たな事業機会創出に向けた全社の施策検討や投資判断時の将来事業への影響等の確認に活用しております。
当社ICPにおいては、IEAが発行するWorld Energy Outlook 2024のNZEシナリオの炭素価格の見通しを使用し、新規及び既存案件の所在地に応じたシナリオ分析を行っております。
<当社ICPにおける炭素価格>(単位:米ドル/t- CO2)
| 2035年 | 2040年 | 2050年 | |
| ネットゼロ公約済み先進国 | 180 | 205 | 250 |
| ネットゼロ公約済み新興国・発展途上国 | 125 | 160 | 200 |
| ネットゼロ未公約の特定の新興国・発展途上国 | 50 | 85 | 180 |
| その他の新興国・発展途上国 | 25 | 35 | 55 |