半期報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2019/12/26 15:21
【資料】
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【項目】
103項目
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
出版業界におきましては、書籍やコミックの売上は比較的堅調に推移したものの、デジタルシフトの影響を色濃く受ける雑誌市場は依然として縮小傾向が続いています。
出版流通の基盤を支えてきた雑誌流通の低迷は、そのまま出版物の総流通量減少に繋がり、輸送関連コストの高騰と併せて輸送効率を急速に悪化させております。取次業界においては事業基盤となる出版流通ネットワークの安定性・継続性確保が大きな課題となっております。
以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ41,769百万円減少し、287,588百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ39,920百万円減少し、183,999百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,849百万円減少し、103,588百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は1,896億円(前年同期比1.2%減)となり、売上原価の抑制を計ったものの、営業利益は612百万円(前年同期比62.9%減)、経常損失は270百万円(前年同期は経常利益557百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純損失は70百万円(前年同期は税金等調整前中間純利益478百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純損失は205百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益86百万円)となりました。
なお、当社グループは出版物等卸売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純損失70百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には17,110百万円となり、前年同期と比べ24,053百万円減少しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純損失に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、15,301百万円の減少となり、前年同期と比べ11,949百万円減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、4,436百万円の減少となり、前年同期と比べ450百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、株主配当金の支払による資金の減少等により、3,454百万円の減少となり、前年同期と比べ3,053百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
なお、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前中間連結会計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年9月30日)
当中間連結会計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン24,92512.923,56612.4

b.仕入実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における仕入実績は、
160,110百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価格を時価が著しく下回った場合に、時価のないものについては、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金、返品調整引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は189,630百万円(前年同期比1.2%減)となり、前中間連結会計期間より2,136百万円減少しました。
売上原価は、159,810百万円(前年同期比1.9%減)と売上高伸長率以下に抑制した結果、売上総利益は29,819百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は運賃、人件費の増加が影響した結果、29,206百万円(前年同期比6.7%増)となりました。営業利益は612百万円(前年同期比62.9%減)、経常損失は270百万円(前年同期は経常利益557百万円)となりました。
特別利益には、固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前中間純損失は70百万円(前年同期は税金等調整前中間純利益478百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純損失は205百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益86百万円)となりました。
2)財務状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
●出版マーケットの課題
出版物、とりわけ雑誌の販売漸減傾向は今後も継続するものと予測されます。当社グループの基幹事業である出版卸売業において、その収益は雑誌流通に支えられるところが大きく、書籍流通も含めた構造改革の必要性が高まっております。さらに、輸送業界のコンプライアンス強化、慢性的なドライバー不足も相まって、出版輸送を取り巻く状況は急速に悪化し、物流効率の改善が急務となっております。
●中期経営計画『REBORN』
技術革新と競争環境の変化の中で、出版卸売業は構造的な転換点を迎えております。当社グループは環境変動に中長期的に対応すべく、「本業の復活」、「事業領域の拡大」の2つの基本方針を打ち出しております。
●「本業の復活」
出版流通が直面する様々な課題を解決し、中長期的に持続可能な出版流通の構築を目指しております。
①効率販売の推進
現状の返品要因を分析、送品内容の見直しを進めた結果、返品率の低下に寄与いたしました。また、グループ書店事業部では当社グループの書店事業子会社と出版社と連携し、「低返品・高利幅スキーム」の実証実験を行いました。さらに、AI推進室を新設し、高精度の商品供給を実現するAI活用の具体化に向けてプログラム開発に着手し、一部実験を進めております。
②マーケットイン型流通の構築
従来の取次主導の委託配本とは別に、ドイツモデルを参考に、書店や読者のニーズを起点として商品供給を行う「日本版・マーケットイン型流通」の具現化を目指しております。その前提となる未刊書誌データの充実を促進するため、出版社に向けてJPRO(出版情報登録センター)への商品情報の早期登録を広く呼びかけております。
③輸送網の安定維持
ドライバー不足やコンプライアンス強化により、多くの業界で物流網の維持が課題となっており、出版業界においても輸送会社からの運賃増額の申し入れや輸送業務撤退の意思表示が相次ぐ情勢にあります。状況は出版販売会社の自助努力の域を超えており、中期的に輸送網の安定維持を図るためには、現行の流通制度の抜本的な見直しが必要となります。当社では日本取次協会を通じて、業界諸団体と今後の対応について協議を始めております。また、物流作業並びに輸送の効率化を目的とし、日本出版販売株式会社と雑誌返品処理業務、書籍返品処理業務、書籍新刊送品業務の3業務について協業を検討しております。
④新本社ビル建設・物流再配置
業務効率化、事業継続のための安全性確保、物流能力の強化と本社不動産の利活用を目的に、「新本社ビル建設・物流再配置」計画を進めております。当期においては、書籍新刊の発送拠点を現本社3階から埼玉県和光市にある最新鋭の物流センター(トーハン和光センター)へ移管いたしました。なお、東五軒町西側跡地に建設予定の新本社ビルは年内に着工、2021年2月の完成を予定しております。
⑤その他、出版マーケットに対する取り組み
マーケットイン型流通を実現する要となる書店店頭の販売力強化のため次の施策を展開いたしました。
当社独自の「店頭活性化プロジェクト」は、全国1,000書店規模で展開される年5本の大型有料企画等を通じ、リアル店舗ならではの付加価値追求に努め、店頭集客力強化に寄与いたしました。また、注文品調達精度の向上を図るため、書店向け情報共有ツール「TONETSV」上で、出版社の在庫情報を開示する「出版社連携在庫サービス」を導入いたしました。当期においては出版社43社と在庫情報を共有し、約145千点が稼動しております。
●「事業領域の拡大」
当社グループが蓄積してきた経営資源を活かし、企業としての新たな成長エンジンを確立して本業を万全の体制で継続するため、新たな事業の開発・拡大に取り組んでおります。
①デルフォニックス社との業務提携
オリジナル文具雑貨の企画製造及びセレクトショップの運営等を行う株式会社デルフォニックスと業務提携をスタートいたしました。当社グループの文具雑貨卸事業とのシナジーを含め、国内外への販路拡大等の事業展開を検討しております。
②不動産事業
保有不動産の収益物件化や売却を進めております。当期は8月に旧京都支店跡地にて、鉄道事業者運営のビジネスホテルが開業いたしました。
③フィットネス事業
株式会社アクトスとフランチャイズ契約を結び、9月末時点で4店舗を開業いたしました。店舗の成否、事業の収支結果を精査の上、事業の拡大を図って参ります。
●経営基盤の強化
基本方針の実施にあたり、ガバナンス体制の強化、コンプライアンス意識の徹底に取り組んでおります。また、ワークライフ・バランスを意識した「働き方改革」を推進すると共に、生産性向上のための執務環境の整備、社内研修制度の充実等にも注力しており、将来に向けた事業基盤・人材基盤両面の強化を推し進めております。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。

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