半期報告書-第75期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
コロナ禍において、ニュー・ノーマルを前提とした生活様式、消費行動へと社会全体が変化していく中、出版業界の抱える課題は一層の顕在化が進み、変化が加速しております。
高い環境適応力が問われ、各社生き残りをかけた業界再編がこれまで以上に進行することが予測されます。
併せて物流経費や人件費などの高騰は依然として出版流通ネットワークを維持し続ける上で課題であり、全体最適の視点による制度の再設計を同時に進めていく必要があります。
以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当中間連結会計期間より表示方法の変更を行っており、経営成績については、当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を用いて比較しております。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,525百万円増加し、329,245百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ19,244百万円増加し、228,160百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,280百万円増加し、101,085百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は213,041百万円(前年同期比8.6%増)となりました。営業利益は1,126百万円(前年同期比66.1%減)、経常利益は1,119百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純利益は651百万円(前年同期比53.7%減)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純利益は478百万円(前年同期比52.8%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
出版流通事業の売上高は、211,708百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
不動産事業の売上高は、1,245百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
その他事業の売上高は、88百万円(前年同期比48.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益651百万円に、売上債権及び仕入債務の減少、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には40,748百万円となり、前年同期と比べ13,566百万円増加しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、2,469百万円の増加(前年同期は4,312百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、7,121百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ3,834百万円減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、自己株式の売却による収入等により、1,403百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ1,357百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
b.仕入実績
当中間連結会計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.棚卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、市場価格のない株式等については、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は213,041百万円(前年同期比8.6%増)となり、前中間連結会計期間より16,941百万円増加しました。
売上原価は、181,963百万円(前年同期比11.0%増)となり、売上総利益は31,077百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、29,951百万円(前年同期比3.8%増)となり、営業利益は1,126百万円(前年同期比66.1%減)、経常利益は1,119百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
特別利益には、投資有価証券売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前中間純利益は651百万円(前年同期比53.7%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は478百万円(前年同期比52.8%減)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、5ヶ年の中期経営計画「REBORN」を策定し、その3ヶ年目にあたる当期は、基本方針である「本業の復活」・「事業領域の拡大」に基づき、諸施策に取り組みました。
1.本業の復活
グループの中核的事業である出版流通事業は、海外の先駆的事業者の取り組みを参考に、リアル・デジタル双方の分野で幅広い出版流通事業を手掛ける新しい取次像を確立するために、デジタル領域への本格的参入を含めて、以下の4つの柱をテーマに掲げております。
①出版流通ネットワークの安定化
取次事業者の自助努力として、これまでに得られた知見をさらに洗練させ、返品率改善、効率販売の徹底に継続して取り組んでおります。総合返品率は38.1%と、前期に比して0.3ポイント改善いたしました。
併せて、雑誌返品以外の事業分野での競業他社との物流協業につきましても検討を継続しております。
②マーケットイン型出版流通の創出
当社では、持続可能な出版流通の形として、従来の出版社による指定配本やランク配本等に基づくプロダクトアウト型の商品供給に加えて、新たに読者や書店の需要を起点とするマーケットイン型の商品供給の形を創出し、並立させることで多様な出版文化の維持と高い流通効率を実現させることを目指しております。
そのための取り組みとして、JPRO(出版情報登録センター)の書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の情報共有ツールTONETSネットワークとの連携を発展させ、店頭需要と取次の仕入・配本をシームレスに繋ぐ、新たな仕入・配本プラットフォームの開発を推し進めております。
開発は三つのフェーズに分かれており、本年度は第二フェーズにあたる、マーケットイン型の商品供給モデル実現の一部をなす近刊予約プラットフォームの開発を進めております。また、仕入配本へのAI導入については第三フェーズに位置付け、現在も研究開発に取り組んでおります。
併せて、書店オペレーション改革と出版社流通コスト最適化を通して、書店収益の改善を目指す「マーケットイン型販売契約」施策につきましては、当社グループ書店での実証実験を開始し、ノウハウの蓄積、実績検証を進めております。
③本業を支える新規事業の開発
パートナー企業との連携を強め、具体的なプロダクトの開発に着手しております。出版社IPとのコラボレーションも視野に入れつつ、書店店頭を活用したイベントやポップアップショップの企画・運営、当社専売のオリジナルグッズの開発・流通を通じ、出版流通の付加価値最大化に取り組んで参ります。
④デジタル領域への参入(株式会社メディアドゥとの資本業務提携)
デジタルシフトが加速度的に進行する中、図書館や教科書・教材など、従来は取次や書店が流通を担ってきた市場の大部分が、将来的にはデジタルへ移行するリスクが高まってきております。そのような状況に備えるためにも、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次や書店を参画可能とするインフラ整備とスキーム構築が強く求められております。
当社では電子書籍取次最大手の株式会社メディアドゥと資本業務提携を行い、当社単独では実現の難しかったデジタル領域への参入によって、既存の取次事業の質的進化を図って参ります。
当期におきましては、当社・出版社・メディアドゥと3者の連携により、NFT(非代替性トークン)を活用したデジタル特典付き商品の開発を推し進めました。加えて、リアル店舗での電子書籍販売ビジネスについても、年度内の実証実験開始を目指し、スキームの研究・開発に取り組みました。
また、両者が連携して、全国の学校・公共図書館への導入促進を図っております電子図書館サービス「OverDrive」につきましては、北海道を皮切りに順次、成約に至っております。引き続き、両社提携によるシナジーを最大限追求し、デジタル領域における当社の存在感を高めて参ります。
2.事業領域の拡大
本業を下支えする安定的な収益獲得とともに、成長性の高い事業を当社グループに取り入れるため、引き続き「事業領域の拡大」を図って参ります。なお、今期より当社では従来からの中核事業である出版流通事業の他、不動産事業、その他事業(フィットネス事業・コワーキング事業)を、事業セグメントとして設定しております。
①不動産事業
不動産事業では、企業の収益基盤の強化として引き続きガイドラインに則り、保有不動産の利活用を進めております。2020年から2022年にかけて10物件の活用計画を策定しており、当期におきましては、3物件が新たに竣工いたしました。なお、最大資産となる旧本社跡地についても活用計画の概要が固まり、収益物件化を推し進めて参ります。
②その他事業(フィットネス事業 ・コワーキング事業)
両事業ともに、着実に収益力を高めてきておりますが、依然として事業育成のフェーズにあります。引き続き、アフターコロナを見据えた戦略を策定し、店舗拡大、サービスの進化を図って参ります。
なお、当期における出店状況は次の通りです。低価格型フィットネス事業は全6店舗体制、コワーキング事業「HAKADORU」は全2店舗体制となっております。
③社員参加型経営への取り組み
当社では、前期より社員参加型経営の実践として、新規事業・新業態開発プロジェクトを発足し、従業員発のビジネスアイデアの具現化に取り組んでおります。当期におきましては、エンターテインメント系新規事業開発プロジェクトのもと、消費者との新たなコミュニケーションチャネルとしてYouTubeチャンネル「出版区」を立ち上げると共に、小説投稿サイト「小説家になろう」を運営する株式会社ヒナプロジェクトと共催で、「新人発掘コンテスト」を初めて開催し、応募件数は3,000件以上になりました。また、株式会社フーモアとの共同原作でインタラクティブノベルアプリの開発を行うなど、エンタメコンテンツの獲得・育成に取り組んでおります。
3.経営基盤の強化
①オフィス移転と業務再構築
2021年5月10日より新本社オフィスでの業務が本格稼働いたしました。従来から課題であった自然災害対策や安全性の確保を目的に、高い事業継続性を実現しております。加えて、執務環境の大幅な改善とともに、ICTツールを最大限に活用することで、作業能率とコミュニケーション効率の高いオフィス空間を実現し、旧来の業務プロセスの抜本的見直し、再構築を速やかに進めて参ります。
②継続的な働き方改革
当社では引き続き、従業員が誇りとやりがいを持ち、心身ともに健やかに働けるよう、「働き方改革」に注力して参ります。コロナ禍において、働き方が多様化していくからこそ、会社として求心力を高めることが重要と考え、オンラインを活用したメッセージ配信等を通じ、役職員間コミュニケーションの充実を図り、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んで参ります。
③グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
当社グループは、事業会社の再編、連結経営の強化をさらに推し進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
コロナ禍において、ニュー・ノーマルを前提とした生活様式、消費行動へと社会全体が変化していく中、出版業界の抱える課題は一層の顕在化が進み、変化が加速しております。
高い環境適応力が問われ、各社生き残りをかけた業界再編がこれまで以上に進行することが予測されます。
併せて物流経費や人件費などの高騰は依然として出版流通ネットワークを維持し続ける上で課題であり、全体最適の視点による制度の再設計を同時に進めていく必要があります。
以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当中間連結会計期間より表示方法の変更を行っており、経営成績については、当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を用いて比較しております。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21,525百万円増加し、329,245百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ19,244百万円増加し、228,160百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,280百万円増加し、101,085百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は213,041百万円(前年同期比8.6%増)となりました。営業利益は1,126百万円(前年同期比66.1%減)、経常利益は1,119百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純利益は651百万円(前年同期比53.7%減)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純利益は478百万円(前年同期比52.8%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
出版流通事業の売上高は、211,708百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
不動産事業の売上高は、1,245百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
その他事業の売上高は、88百万円(前年同期比48.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益651百万円に、売上債権及び仕入債務の減少、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には40,748百万円となり、前年同期と比べ13,566百万円増加しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、2,469百万円の増加(前年同期は4,312百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、7,121百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ3,834百万円減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、自己株式の売却による収入等により、1,403百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ1,357百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当中間連結会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 出版流通事業(百万円) | 211,708 | 108.6 |
| 不動産事業(百万円) | 1,245 | 107.3 |
| 報告セグメント計(百万円) | 212,953 | 108.6 |
| その他事業(百万円) | 88 | 148.7 |
| 合計(百万円) | 213,041 | 108.6 |
前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前中間連結会計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 当中間連結会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 23,947 | 12.2 | 21,483 | 10.0 |
b.仕入実績
当中間連結会計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当中間連結会計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年9月30日) | 前年同期比(%) |
| 出版流通事業(百万円) | 181,367 | 110.4 |
| 合計(百万円) | 181,367 | 110.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.棚卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、市場価格のない株式等については、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は213,041百万円(前年同期比8.6%増)となり、前中間連結会計期間より16,941百万円増加しました。
売上原価は、181,963百万円(前年同期比11.0%増)となり、売上総利益は31,077百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、29,951百万円(前年同期比3.8%増)となり、営業利益は1,126百万円(前年同期比66.1%減)、経常利益は1,119百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
特別利益には、投資有価証券売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前中間純利益は651百万円(前年同期比53.7%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は478百万円(前年同期比52.8%減)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、5ヶ年の中期経営計画「REBORN」を策定し、その3ヶ年目にあたる当期は、基本方針である「本業の復活」・「事業領域の拡大」に基づき、諸施策に取り組みました。
1.本業の復活
グループの中核的事業である出版流通事業は、海外の先駆的事業者の取り組みを参考に、リアル・デジタル双方の分野で幅広い出版流通事業を手掛ける新しい取次像を確立するために、デジタル領域への本格的参入を含めて、以下の4つの柱をテーマに掲げております。
①出版流通ネットワークの安定化
取次事業者の自助努力として、これまでに得られた知見をさらに洗練させ、返品率改善、効率販売の徹底に継続して取り組んでおります。総合返品率は38.1%と、前期に比して0.3ポイント改善いたしました。
併せて、雑誌返品以外の事業分野での競業他社との物流協業につきましても検討を継続しております。
②マーケットイン型出版流通の創出
当社では、持続可能な出版流通の形として、従来の出版社による指定配本やランク配本等に基づくプロダクトアウト型の商品供給に加えて、新たに読者や書店の需要を起点とするマーケットイン型の商品供給の形を創出し、並立させることで多様な出版文化の維持と高い流通効率を実現させることを目指しております。
そのための取り組みとして、JPRO(出版情報登録センター)の書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の情報共有ツールTONETSネットワークとの連携を発展させ、店頭需要と取次の仕入・配本をシームレスに繋ぐ、新たな仕入・配本プラットフォームの開発を推し進めております。
開発は三つのフェーズに分かれており、本年度は第二フェーズにあたる、マーケットイン型の商品供給モデル実現の一部をなす近刊予約プラットフォームの開発を進めております。また、仕入配本へのAI導入については第三フェーズに位置付け、現在も研究開発に取り組んでおります。
併せて、書店オペレーション改革と出版社流通コスト最適化を通して、書店収益の改善を目指す「マーケットイン型販売契約」施策につきましては、当社グループ書店での実証実験を開始し、ノウハウの蓄積、実績検証を進めております。
③本業を支える新規事業の開発
パートナー企業との連携を強め、具体的なプロダクトの開発に着手しております。出版社IPとのコラボレーションも視野に入れつつ、書店店頭を活用したイベントやポップアップショップの企画・運営、当社専売のオリジナルグッズの開発・流通を通じ、出版流通の付加価値最大化に取り組んで参ります。
④デジタル領域への参入(株式会社メディアドゥとの資本業務提携)
デジタルシフトが加速度的に進行する中、図書館や教科書・教材など、従来は取次や書店が流通を担ってきた市場の大部分が、将来的にはデジタルへ移行するリスクが高まってきております。そのような状況に備えるためにも、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次や書店を参画可能とするインフラ整備とスキーム構築が強く求められております。
当社では電子書籍取次最大手の株式会社メディアドゥと資本業務提携を行い、当社単独では実現の難しかったデジタル領域への参入によって、既存の取次事業の質的進化を図って参ります。
当期におきましては、当社・出版社・メディアドゥと3者の連携により、NFT(非代替性トークン)を活用したデジタル特典付き商品の開発を推し進めました。加えて、リアル店舗での電子書籍販売ビジネスについても、年度内の実証実験開始を目指し、スキームの研究・開発に取り組みました。
また、両者が連携して、全国の学校・公共図書館への導入促進を図っております電子図書館サービス「OverDrive」につきましては、北海道を皮切りに順次、成約に至っております。引き続き、両社提携によるシナジーを最大限追求し、デジタル領域における当社の存在感を高めて参ります。
2.事業領域の拡大
本業を下支えする安定的な収益獲得とともに、成長性の高い事業を当社グループに取り入れるため、引き続き「事業領域の拡大」を図って参ります。なお、今期より当社では従来からの中核事業である出版流通事業の他、不動産事業、その他事業(フィットネス事業・コワーキング事業)を、事業セグメントとして設定しております。
①不動産事業
不動産事業では、企業の収益基盤の強化として引き続きガイドラインに則り、保有不動産の利活用を進めております。2020年から2022年にかけて10物件の活用計画を策定しており、当期におきましては、3物件が新たに竣工いたしました。なお、最大資産となる旧本社跡地についても活用計画の概要が固まり、収益物件化を推し進めて参ります。
②その他事業(フィットネス事業 ・コワーキング事業)
両事業ともに、着実に収益力を高めてきておりますが、依然として事業育成のフェーズにあります。引き続き、アフターコロナを見据えた戦略を策定し、店舗拡大、サービスの進化を図って参ります。
なお、当期における出店状況は次の通りです。低価格型フィットネス事業は全6店舗体制、コワーキング事業「HAKADORU」は全2店舗体制となっております。
③社員参加型経営への取り組み
当社では、前期より社員参加型経営の実践として、新規事業・新業態開発プロジェクトを発足し、従業員発のビジネスアイデアの具現化に取り組んでおります。当期におきましては、エンターテインメント系新規事業開発プロジェクトのもと、消費者との新たなコミュニケーションチャネルとしてYouTubeチャンネル「出版区」を立ち上げると共に、小説投稿サイト「小説家になろう」を運営する株式会社ヒナプロジェクトと共催で、「新人発掘コンテスト」を初めて開催し、応募件数は3,000件以上になりました。また、株式会社フーモアとの共同原作でインタラクティブノベルアプリの開発を行うなど、エンタメコンテンツの獲得・育成に取り組んでおります。
3.経営基盤の強化
①オフィス移転と業務再構築
2021年5月10日より新本社オフィスでの業務が本格稼働いたしました。従来から課題であった自然災害対策や安全性の確保を目的に、高い事業継続性を実現しております。加えて、執務環境の大幅な改善とともに、ICTツールを最大限に活用することで、作業能率とコミュニケーション効率の高いオフィス空間を実現し、旧来の業務プロセスの抜本的見直し、再構築を速やかに進めて参ります。
②継続的な働き方改革
当社では引き続き、従業員が誇りとやりがいを持ち、心身ともに健やかに働けるよう、「働き方改革」に注力して参ります。コロナ禍において、働き方が多様化していくからこそ、会社として求心力を高めることが重要と考え、オンラインを活用したメッセージ配信等を通じ、役職員間コミュニケーションの充実を図り、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んで参ります。
③グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
当社グループは、事業会社の再編、連結経営の強化をさらに推し進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。