訂正有価証券報告書-第75期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の出版市場は、紙媒体全体としてはマイナス成長であったものの、そのうち書籍は15年ぶりのプラス成長となりました。電子媒体との合計は3年連続のプラス成長となる一方で、雑誌は、紙と電子ともにマイナス成長が続き、雑誌を中心に成長してきたわが国の出版業界は構造変革が急務となっております。
このような状況を背景として、業界・業種を超えた新たな事業連携の取り組みが進められており、当期においては、総合商社と大手出版社によって新会社が設立されるなど、新しい出版流通の在り方を模索する動きが活発化しています。
また、2021年後半以降、コロナ禍において拡大した巣ごもり需要は終息に向かい、加えて生活必需品を中心とした物価上昇による消費の委縮、さらには世界情勢の不安定化も相まって、日本経済全体が停滞局面へと差し掛かっております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当連結会計年度より、表示方法の変更を行っており、経営成績については、当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を用いて比較しております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ41,897百万円増加し、349,617百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ41,349百万円増加し、250,265百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ547百万円増加し、99,351百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,281億円(前年同期比0.0%減)となりました。営業利益は1,279百万円(前年同期比81.0%減)、経常利益は1,177百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前当期純損失は1,469百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益985百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する当期純損失は1,648百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益576百万円)となりました。
なお、特別損失33.3億円のうち、11.7億円は固定資産除却損であり、これは主に本社移転によって、旧本社の解体工事を開始したことによるものです。また同様に、16.8億円は日本会計基準に則って実施したメディアドゥ株式の減損処理であり、これは株式市場の一時的なマイナス影響を受けたことによるものですが、同社は2022年2月期決算において売上・利益ともに過去最高の好業績をあげております。両社の業務提携は当初計画の通り進捗しており、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次とリアル書店の参画を可能とするインフラ整備とスキーム構築に向け、さらに強力な連携体制を確立し、両者の企業価値最大化を図って参ります。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
出版流通事業の売上高は、425,273百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
不動産事業の売上高は、2,695百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
その他事業の売上高は、182百万円(前年同期比66.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失1,469百万円に、売上債権及び仕入債務の減少、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当連結会計年度末には34,359百万円となり、前年同期と比べ4,605百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、2,477百万円の増加(前年同期は2,219百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、978百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ8,759百万円減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、自己株式の売却による収入等により、1,150百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ3,309百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の数値及び連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を必要とします。経営陣は売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。なお、連結会計年度末日における新型コロナウィルス感染症の影響を減損の見積りにおいて勘案しております。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.棚卸資産
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下や時価の下落といった兆候の見られる固定資産につきましては、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
c.株式の評価損
市場価格があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、市場価格のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合に、評価損を計上しております。
d.引当金等
貸倒引当金等の引当金については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は428,151百万円(前年同期比0.0%減)となり、前連結会計年度より43百万円減少しました。
売上総利益は、62,328百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、61,049百万円(前年同期比1.5%増)となり、営業利益は1,279百万円(前年同期比81.0%減)、経常利益は1,177百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
特別損益は、特別利益に固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前当期純損失は1,469百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益985百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,648百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益576百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、5ヶ年の中期経営計画「REBORN」を策定し、その3ヶ年目にあたる当期は、基本方針である「本業の復活」・「事業領域の拡大」に基づき、諸施策に取り組みました。出版流通、ひいては多様性に富んだ日本の豊かな読書環境を守り続けるため、当社グループは事業拡大に邁進すると共に、リーダーシップを持って出版業界改革を実行して参ります。
1.「本業の復活」のために
本業である出版流通事業は、課題の解決や書店業の再生を通じ、持続可能な出版流通ネットワークの再構築を目指し、当期は以下のとおり取り組みました。
①書籍出版流通の構造改革に向けた取り組み
当社は出版流通の効率化を推進すべく、返品率改善を重要な経営評価指標と設定しております。当期におきましても、引き続き商品供給の量的質的改善を推し進め、前期比マイナス0.7ポイントの改善となりました。
仕入と配本、そして販売までを一気通貫で結び、出版流通にマーケットインの思想を取り入れる要となる、新たな流通プラットフォーム「en CONTACT」の開発は大詰めを迎え、その全体構想と具体的な機能について各ステークホルダーへの説明を開始いたしました。
「en CONTACT」と対を成す、実売率と書店利益率双方の改善を目的とする「マーケットイン型販売契約」については、当社グループ書店での実証試験を開始し、当期末時点においては顕著な改善効果が見られる結果を得ることができました。
また、7月にはDNPとの業務提携を行い、書籍流通の抜本的構造改革に向けた第一歩を踏み出しました。
なお、当社では会社の垣根を越えた出版流通サプライチェーン最適化を目的に、日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業の検討を進めております。前期においては日販グループの蓮田センターへ雑誌返品処理業務を移管し、当期はそれに続く書籍返品の協業化に向けて検討を重ねました。
②デジタル領域への本格参入
2021年3月より資本業務提携を行うメディアドゥとの取り組みについて、当期におきましてはNFT(非代替性トークン)デジタル特典付き商品の開発を行い、10アイテムを刊行し、いずれも特典付き商品の実売率が通常版を超える結果となりました。
また、メディアドゥが展開する電子図書館サービス「OverDrive」についても、当社が連携して地域の書店と協力して導入促進することによって、学校・公共図書館への導入事例を着実に増やしております。
さらに、ユーザーに読書スタイルの選択肢を提示することで書店の付加価値向上を目指す、メディアドゥの「スマートブックストア」と連携した書店店頭での電子書籍販売スキームを構築し、2022年4月1日より当社グループ書店での実証試験がスタートいたしました。
この他、GIGAスクール構想によって競争環境の激化が予測されるデジタル教科書・デジタル副教材市場においても、書店参画可能な新たなビジネススキームを早期に確立させ、書店経営環境の安定化を図って参ります。
以上の通り、当社グループは様々なアプローチを通じ、書店経営が持続可能な環境を実現させ、社会における書店業並びに人々のライフスタイルにおける読書の復権に努めて参ります。
2.「事業領域の拡大」のために
本業を下支えする安定的な収益獲得とともに、成長性の高い事業を当社グループに取り入れるため、引き続き「事業領域の拡大」を図って参ります。なお、当期より当社では従来からの中核事業である出版流通事業の他、不動産事業、フィットネス事業、コワーキング事業を、事業セグメントとして設定しております。
①不動産事業
本業を支える収益事業として堅調に推移しており、当期は、資産価値において最大の旧本社跡地につきましても開発方針を発表いたしました。三菱地所株式会社グループと三菱商事都市開発株式会社との間で基本協定書を締結し、2024年11月竣工に向けた開発を進めて参ります。
②その他新規事業の進捗
グループ企業では、株式会社マリモクラフトが、人気コンテンツとのコラボレーション力及び商品開発力を活かし、書店収益力の改善に寄与する書店向けパッケージを開発いたしました。また、株式会社デルフォニックスは、主力商品である「ロルバーン」の限定商品開発や、ECサイトにおける販売拡大を推し進めました。
フィットネス事業並びにコワーキング事業におきましては、コロナ禍で当初計画していた事業拡大は難しい状況のため、既存店舗においてwithコロナに適した施策を展開し、利用者確保による採算改善と今後の新規出店に向けた準備に注力いたしました。
なお、当期における出店状況は次の通りです。フィットネス事業は当期に2店舗を出店し、全8店舗体制となりました。コワーキング事業「HAKADORU」は全2店舗体制となっております。
③社員参加型経営への取り組み
当社では、前期より社員参加型経営の実践として、従業員発のビジネスアイデアの具現化を目的とする新規事業・新業態開発プロジェクトを発足し、当社ならではの強みや事業機会を活かし、新たな企業価値の創造に取り組んでおります。
複数のプロジェクトが事業立ち上げに向けた準備を進めており、当期においては、小説投稿サイト「小説家になろう」とタイアップした「第1回 新人発掘コンテスト」を開催いたしました。
3.経営基盤の強化
①「働き方改革」とESG経営の実践
2021年5月10日より新本社での業務へ移行し、BCP(事業継続計画)対応を一段と強化いたしました。本社移転に向けて実施してきた「働き方改革」の効果も合わせて、全社的な生産性向上、経費削減は大きな成果を出しております。
なお、当社は環境にも配慮した経営に取り組んでおります。
近年は、物流合理化や返品減少に取り組むことにより、ガソリン・電気・ガスの使用量を元に計算するCO2排出量は着実に減少しております。当期はこれに加えて、本社移転に際して高効率設備を導入し、本社のCO2排出量を前年比31.3%まで大きく削減いたしました。
今後も、出版市場が環境や資源に与える負荷軽減のため、更なる返品減少や効率的な輸配送の実現、環境に配慮した商品展開の推進、適宜適量供給などに取り組んで参ります。
②グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
当社グループは、適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の出版市場は、紙媒体全体としてはマイナス成長であったものの、そのうち書籍は15年ぶりのプラス成長となりました。電子媒体との合計は3年連続のプラス成長となる一方で、雑誌は、紙と電子ともにマイナス成長が続き、雑誌を中心に成長してきたわが国の出版業界は構造変革が急務となっております。
このような状況を背景として、業界・業種を超えた新たな事業連携の取り組みが進められており、当期においては、総合商社と大手出版社によって新会社が設立されるなど、新しい出版流通の在り方を模索する動きが活発化しています。
また、2021年後半以降、コロナ禍において拡大した巣ごもり需要は終息に向かい、加えて生活必需品を中心とした物価上昇による消費の委縮、さらには世界情勢の不安定化も相まって、日本経済全体が停滞局面へと差し掛かっております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当連結会計年度より、表示方法の変更を行っており、経営成績については、当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を用いて比較しております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ41,897百万円増加し、349,617百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ41,349百万円増加し、250,265百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ547百万円増加し、99,351百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,281億円(前年同期比0.0%減)となりました。営業利益は1,279百万円(前年同期比81.0%減)、経常利益は1,177百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前当期純損失は1,469百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益985百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する当期純損失は1,648百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益576百万円)となりました。
なお、特別損失33.3億円のうち、11.7億円は固定資産除却損であり、これは主に本社移転によって、旧本社の解体工事を開始したことによるものです。また同様に、16.8億円は日本会計基準に則って実施したメディアドゥ株式の減損処理であり、これは株式市場の一時的なマイナス影響を受けたことによるものですが、同社は2022年2月期決算において売上・利益ともに過去最高の好業績をあげております。両社の業務提携は当初計画の通り進捗しており、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次とリアル書店の参画を可能とするインフラ整備とスキーム構築に向け、さらに強力な連携体制を確立し、両者の企業価値最大化を図って参ります。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
出版流通事業の売上高は、425,273百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
不動産事業の売上高は、2,695百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
その他事業の売上高は、182百万円(前年同期比66.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失1,469百万円に、売上債権及び仕入債務の減少、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当連結会計年度末には34,359百万円となり、前年同期と比べ4,605百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、2,477百万円の増加(前年同期は2,219百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、978百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ8,759百万円減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、自己株式の売却による収入等により、1,150百万円の増加となりましたが、前年同期と比べ3,309百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版流通事業(百万円) | 425,273 | 99.8 |
| 不動産事業(百万円) | 2,695 | 115.6 |
| 報告セグメント計(百万円) | 427,969 | 99.9 |
| その他事業(百万円) | 182 | 166.8 |
| 合計(百万円) | 428,151 | 99.9 |
前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 47,737 | 11.1 | 43,489 | 10.1 |
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版流通事業(百万円) | 363,730 | 101.1 |
| 合計(百万円) | 363,730 | 101.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の数値及び連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を必要とします。経営陣は売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。なお、連結会計年度末日における新型コロナウィルス感染症の影響を減損の見積りにおいて勘案しております。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.棚卸資産
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下や時価の下落といった兆候の見られる固定資産につきましては、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
c.株式の評価損
市場価格があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、市場価格のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合に、評価損を計上しております。
d.引当金等
貸倒引当金等の引当金については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は428,151百万円(前年同期比0.0%減)となり、前連結会計年度より43百万円減少しました。
売上総利益は、62,328百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、61,049百万円(前年同期比1.5%増)となり、営業利益は1,279百万円(前年同期比81.0%減)、経常利益は1,177百万円(前年同期比29.9%減)となりました。
特別損益は、特別利益に固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前当期純損失は1,469百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益985百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,648百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益576百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、5ヶ年の中期経営計画「REBORN」を策定し、その3ヶ年目にあたる当期は、基本方針である「本業の復活」・「事業領域の拡大」に基づき、諸施策に取り組みました。出版流通、ひいては多様性に富んだ日本の豊かな読書環境を守り続けるため、当社グループは事業拡大に邁進すると共に、リーダーシップを持って出版業界改革を実行して参ります。
1.「本業の復活」のために
本業である出版流通事業は、課題の解決や書店業の再生を通じ、持続可能な出版流通ネットワークの再構築を目指し、当期は以下のとおり取り組みました。
①書籍出版流通の構造改革に向けた取り組み
当社は出版流通の効率化を推進すべく、返品率改善を重要な経営評価指標と設定しております。当期におきましても、引き続き商品供給の量的質的改善を推し進め、前期比マイナス0.7ポイントの改善となりました。
仕入と配本、そして販売までを一気通貫で結び、出版流通にマーケットインの思想を取り入れる要となる、新たな流通プラットフォーム「en CONTACT」の開発は大詰めを迎え、その全体構想と具体的な機能について各ステークホルダーへの説明を開始いたしました。
「en CONTACT」と対を成す、実売率と書店利益率双方の改善を目的とする「マーケットイン型販売契約」については、当社グループ書店での実証試験を開始し、当期末時点においては顕著な改善効果が見られる結果を得ることができました。
また、7月にはDNPとの業務提携を行い、書籍流通の抜本的構造改革に向けた第一歩を踏み出しました。
なお、当社では会社の垣根を越えた出版流通サプライチェーン最適化を目的に、日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業の検討を進めております。前期においては日販グループの蓮田センターへ雑誌返品処理業務を移管し、当期はそれに続く書籍返品の協業化に向けて検討を重ねました。
②デジタル領域への本格参入
2021年3月より資本業務提携を行うメディアドゥとの取り組みについて、当期におきましてはNFT(非代替性トークン)デジタル特典付き商品の開発を行い、10アイテムを刊行し、いずれも特典付き商品の実売率が通常版を超える結果となりました。
また、メディアドゥが展開する電子図書館サービス「OverDrive」についても、当社が連携して地域の書店と協力して導入促進することによって、学校・公共図書館への導入事例を着実に増やしております。
さらに、ユーザーに読書スタイルの選択肢を提示することで書店の付加価値向上を目指す、メディアドゥの「スマートブックストア」と連携した書店店頭での電子書籍販売スキームを構築し、2022年4月1日より当社グループ書店での実証試験がスタートいたしました。
この他、GIGAスクール構想によって競争環境の激化が予測されるデジタル教科書・デジタル副教材市場においても、書店参画可能な新たなビジネススキームを早期に確立させ、書店経営環境の安定化を図って参ります。
以上の通り、当社グループは様々なアプローチを通じ、書店経営が持続可能な環境を実現させ、社会における書店業並びに人々のライフスタイルにおける読書の復権に努めて参ります。
2.「事業領域の拡大」のために
本業を下支えする安定的な収益獲得とともに、成長性の高い事業を当社グループに取り入れるため、引き続き「事業領域の拡大」を図って参ります。なお、当期より当社では従来からの中核事業である出版流通事業の他、不動産事業、フィットネス事業、コワーキング事業を、事業セグメントとして設定しております。
①不動産事業
本業を支える収益事業として堅調に推移しており、当期は、資産価値において最大の旧本社跡地につきましても開発方針を発表いたしました。三菱地所株式会社グループと三菱商事都市開発株式会社との間で基本協定書を締結し、2024年11月竣工に向けた開発を進めて参ります。
②その他新規事業の進捗
グループ企業では、株式会社マリモクラフトが、人気コンテンツとのコラボレーション力及び商品開発力を活かし、書店収益力の改善に寄与する書店向けパッケージを開発いたしました。また、株式会社デルフォニックスは、主力商品である「ロルバーン」の限定商品開発や、ECサイトにおける販売拡大を推し進めました。
フィットネス事業並びにコワーキング事業におきましては、コロナ禍で当初計画していた事業拡大は難しい状況のため、既存店舗においてwithコロナに適した施策を展開し、利用者確保による採算改善と今後の新規出店に向けた準備に注力いたしました。
なお、当期における出店状況は次の通りです。フィットネス事業は当期に2店舗を出店し、全8店舗体制となりました。コワーキング事業「HAKADORU」は全2店舗体制となっております。
③社員参加型経営への取り組み
当社では、前期より社員参加型経営の実践として、従業員発のビジネスアイデアの具現化を目的とする新規事業・新業態開発プロジェクトを発足し、当社ならではの強みや事業機会を活かし、新たな企業価値の創造に取り組んでおります。
複数のプロジェクトが事業立ち上げに向けた準備を進めており、当期においては、小説投稿サイト「小説家になろう」とタイアップした「第1回 新人発掘コンテスト」を開催いたしました。
3.経営基盤の強化
①「働き方改革」とESG経営の実践
2021年5月10日より新本社での業務へ移行し、BCP(事業継続計画)対応を一段と強化いたしました。本社移転に向けて実施してきた「働き方改革」の効果も合わせて、全社的な生産性向上、経費削減は大きな成果を出しております。
なお、当社は環境にも配慮した経営に取り組んでおります。
近年は、物流合理化や返品減少に取り組むことにより、ガソリン・電気・ガスの使用量を元に計算するCO2排出量は着実に減少しております。当期はこれに加えて、本社移転に際して高効率設備を導入し、本社のCO2排出量を前年比31.3%まで大きく削減いたしました。
今後も、出版市場が環境や資源に与える負荷軽減のため、更なる返品減少や効率的な輸配送の実現、環境に配慮した商品展開の推進、適宜適量供給などに取り組んで参ります。
②グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
当社グループは、適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。