訂正有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2022/12/27 15:13
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
近年の出版業界におきましては、雑誌の売上減少が続く中、比較的堅調な書籍と好調なコミックが市場を支える構図となっております。紙の流通市場が縮小する一方、電子コミックを中心に電子出版市場は伸長し、一部出版社では収益の改善が見られています。対して紙の出版物の販売を主とする書店の経営環境は厳しさを増しております。書店数の減少傾向は加速しており、販売先の減少は取次事業者の業績に大きな影響を与えております。
また、物流コストの継続的な高騰を受け、出版輸送ネットワークは危機的な状況に直面しております。各取次事業者は流通効率改善に努めているものの、上昇する物流コストを吸収するまでには至らず、取次事業は構造的な赤字へと陥りつつあります。
こうした状況下、当社は基幹事業である出版取次業においてサービスを拡充し店頭販売力の強化を図り、併せて流通効率改善のために輸配送並びに物流業務の見直しに取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,949百万円減少し、299,408百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ21,928百万円減少し、201,991百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,021百万円減少し、97,416百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,082億円(前年同期比2.0%減)となりました。営業利益は1,319百万円(前年同期比66.0%減)、経常損失は1,457百万円(前年同期は経常利益1,819百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前当期純損失は1,097百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益1,553百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する当期純損失は5,985百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益531百万円)となりました。
新型コロナウィルス感染症による影響は、次年度第一四半期で売上高において100億円前後のマイナス影響を見込んでおります。
なお、当社グループは出版物等卸売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失1,097百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、貸付による収支等を加減した結果、当連結会計年度末には17,777百万円となり、前年同期と比べ20,683百万円減少しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、10,948百万円の減少となり、前年同期と比べ8,151百万円減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産や投資有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、7,030百万円の減少となり、前年同期と比べ37百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主配当金の支払やリース債務の返済による資金の減少等により、4,547百万円の減少となり、前年同期と比べ3,020百万円減少しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
なお、最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン53,20712.748,99212.0

b.仕入実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における仕入実績は、346,894百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の数値及び連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。尚、連結会計年度末日における新型コロナウィルス感染症の影響を減損や引当金等の見積りにおいて勘案しております。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、時価のないものについては、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金、返品調整引当金等の引当金については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は408,249百万円(前年同期比2.0%減)となり、前連結会計年度より8,391百万円減少しました。
売上総利益は、効率的な仕入施策を実施した結果、60,889百万円(前年同期比2.3%増)となりました。
これに対して販売費及び一般管理費は、59,570百万円(前年同期比7.1%増)となり、営業利益は1,319百万円(前年同期比66.0%減)、経常損失は1,457百万円(前年同期は経常利益1,819百万円)となりました。
特別損益は、特別利益に固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前当期純損失は1,097百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益1,553百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は5,985百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益531百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業環境の変化に中長期的に対応するため、中期経営計画「REBORN」を策定しております。「本業の復活」「事業領域の拡大」の2つの基本方針で構成する5ヵ年計画で、当期はその初年度となります。
1.本業の復活
出版流通が直面する諸課題を解決し、持続可能な出版流通の構築を目指しております。
①効率販売の推進とマーケットイン型出版流通の創出
店頭需要の把握とその分析結果に基づいて、送品内容の質的な見直しを進めた結果、総合返品率は前期より1.1ポイント減少し、39.6%となりました。送返品に関わる流通コストの抑制へ繋がり、輸送費高騰によるコスト増加の影響を一定程度吸収することができました。
なお、効率販売の更なる追求には、出版流通を従来の委託配本制度を主軸とするプロダクトアウト型から、読者や書店のニーズを流通の起点とするマーケットイン型へと進化させる必要があり、当期は、その具体化に取り組みました。マーケットイン型出版流通は、その前提として、出版物の刊行情報が、刊行前の早い段階で書店、読者まで流通している必要があります。当社は、出版社に対して、商品情報をJPRO(出版情報登録センター)へ早期に登録するよう呼び掛けております。3月にはJPROの書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の書店向け情報共有ツール「TONETSV」との連携がスタートし、書店が、未刊書誌データに効率的にアクセスできる環境の実現に取り組みました。
②物流協業の推進
物流作業効率及び輸送効率の改善を目的とし、前期より検討を進めておりました日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業につきましては、加須の東京ロジスティックセンター(埼玉県)で行っている雑誌返品処理業務を、日販の蓮田センター(同県)へ移管することで合意し、2020年中の稼働に向けた準備を進めております。他の業務分野につきましても、協業の可能性を引き続き検討してまいります。
③新本社ビル建築・物流施設の再配置
より効率的で、持続可能な取次事業への構造改革を図るため、物流施設の再配置を進めております。当期におきましては、書籍新刊の発送拠点をトーハン和光センター(埼玉県)へと移管いたしました。また、生産性向上と事業継続性確保のため、新本社ビルの建設に着手しており、竣工は2021年を予定しております。
2.事業領域の拡大
当社グループの持つ経営資源を最大限活用し、「本業の復活」を下支えする新たな収益基盤の確立を目指しております。
①不動産事業
前期に作成した活用ガイドラインに則り、保有不動産の活用・売却を進めています。当期におきましては、名古屋支店等の10物件を活用、初石グラウンド(千葉県)等の15物件を売却することを決定いたしました。
②新規事業の推進
前期末より参入しております低価格型フィットネスジム事業につきましては、当期末時点で4店舗体制となっております。
また、作業スペースや会議室などの執務空間を提供するコワーキングスペース事業「HAKADORU」を新たに立ち上げ、第1号店となる虎ノ門店をオープンいたしました。
③M&A、業務提携の推進
文具雑貨の企画製造及びセレクトショップの運営等を行う株式会社デルフォニックスとの業務提携をスタートしております。当社グループで展開する文具雑貨卸事業とのシナジー効果が期待でき、国内外への販路拡大に向けた検討を続けております。
また、書籍ダイジェスト配信サービス「SERENDIP」を提供する株式会社情報工場との資本業務提携を行いました。両社が提供するサービスの拡大・深化により、読者の利便性向上を図ってまいります。
3.経営基盤の拡大
①働き方改革
当社は、労働生産性と社員のモチベーションの向上を図るため、多様な働き方を可能とする人事制度の充実等を通じて、「働き方改革」に取り組んでおります。本社移転を契機として、ICTを活用した業務体制の確立、社内コミュニケーションの活性化・円滑化を推し進めてまいります。
②グループ経営の推進と戦略パートナーシップの拡大
事業子会社の再編、連結対象範囲の拡大を進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって、経営の透明性を向上させるとともに、意思決定のスピードと合理性を高めることで、グループ企業価値の適正評価に努めてまいります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。

c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。

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