有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 15:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、出版業界においては、当初こそ書店の休業、雑誌の発売延期など、出版物のサプライチェーン全体へのマイナス影響が目立ったものの、コロナ禍での生活様式の変化から読書需要が高まり、加えて人気コミックの社会現象化の追い風を受け、紙の出版物市場の減少幅は16年ぶりに1.0%以下に留まりました。
また、感染症拡大防止の観点から、出版業界においてもDX推進が課題となり、ITツールを活用したオンライン商談会やリモート営業など、新たなビジネススタイルが急速に普及しました。
一方で、運賃をはじめとする物流コストの高騰は依然として出版流通ネットワークを維持する上で大きな負担となっており、加えて、読者とのタッチポイントである書店の収益性も悪化の一途を辿っております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,311百万円増加し、307,719百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,924百万円増加し、208,915百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,387百万円増加し、98,804百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,245億円(前年同期比3.9%増)となりました。営業利益は4,033百万円(前年同期比205.7%増)、経常利益は1,680百万円(前年同期は経常損失1,457百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前当期純利益は985百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,097百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する当期純利益は576百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失5,985百万円)となりました。
なお、当社グループは出版物等卸売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益985百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、貸付による収支等を加減した結果、当連結会計年度末には29,754百万円となり、前年同期と比べ11,976百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の増加による資金の減少分等を加減した結果、2,219百万円の減少となりましたが、前年同期と比べ8,729百万円増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産や投資有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、9,737百万円の増加となり、前年同期と比べ16,767百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主配当金の支払やリース債務の返済による資金の減少、借入金の加減の結果、4,459百万円の増加となり、前年同期と比べ9,006百万円増加しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
なお、最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン48,99212.047,73711.2

b.仕入実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における仕入実績は、359,829百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の数値及び連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を必要とします。経営陣は売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。なお、連結会計年度末日における新型コロナウィルス感染症の影響を減損の見積りにおいて勘案しております。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産
「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、時価のないものについては、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金、返品調整引当金等の引当金については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、 4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は424,506百万円(前年同期比3.9%増)となり、前連結会計年度より16,257百万円増加しました。
売上総利益は、効率的な仕入施策を実施した結果、63,183百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、59,149百万円(前年同期比0.8%減)となり、営業利益は4,033百万円(前年同期比205.7%増)、経常利益は1,680百万円(前年同期は経常損失1,457百万円)となりました。
特別損益は、特別利益に固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前当期純利益は985百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失1,097百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は576百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失5,985百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、5ヶ年の中期経営計画「REBORN」を策定し、その2ヶ年目にあたる当期は、基本方針である「本業の復活」「事業領域の拡大」に基づき、諸施策に取り組みました。出版流通、ひいては多様性に富んだ日本の豊かな読書環境を守り続けるため、当社グループは事業拡大に邁進すると共に、リーダーシップを持って出版業界改革を実行して参ります。
1.本業の復活
出版流通が直面する諸課題の解決や書店業の再生を通じ、持続可能な出版流通の再構築を目指しております。
①出版流通ネットワークの安定化
店頭需要の分析に基づく送品内容の量的質的な見直しを推し進めた結果、総合返品率は前期比マイナス3.4ポイントと大きく改善し、36.2%となりました。これにより物流コスト上昇の影響を一定程度吸収することができました。
また、物流コストの継続的上昇に対処するため、出版社に対して、物流コスト負担の配分適正化に向けた交渉を進めました。
さらに、物流作業効率および輸送効率の最適化を目的に、2018年より日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業の検討を進めており、雑誌返品処理業務を日販グループの蓮田センターへ移管いたしました。
②マーケットイン型出版流通の創出
当社は、持続可能な出版流通の形として、従来の出版社指定配本やランク配本、パターン配本に基づくプロダクトアウト型の商品供給に加えて、新たに読者や書店の需要を起点とするマーケットイン型の商品供給の形を創出し、並立させることで多様な出版文化の維持と高い流通効率を実現して参ります。
そのための取組として、JPRO(出版情報登録センター)の書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の情報共有ツールTONETSネットワークとの連携を発展させ、店頭需要と取次の仕入・配本をシームレスに繋ぐ、新たなプラットフォームの構築を推し進めました。
併せて、出版流通ネットワークの最先端である書店の収益性改善を図るべく、書店オペレーション改革と出版社流通コスト最適化にまで踏み込んだ新たな報奨施策「マーケットイン型販売契約」を提案し、当社グループ書店での実証実験開始に向けた準備に着手いたしました。
③本業を支える新規事業開発
消費者のライフスタイルやエンターテインメントが多様化していく中、デジタルシフトの加速度的進行も相まって、取次や書店は従来の紙の出版物販売を主軸とする事業体に留まっていては永続的な企業成長が描き難い局面を迎えております。
当社では書店を含めた出版流通に新たな付加価値を吹き込むべく、取次事業とのシナジーを追求した新規事業開発に取り組んでおります。3DCGやAR・VR技術を活用したライブイベントを手がける株式会社LATEGRAとの資本業務提携、ファンシー雑貨卸でポップアップショップの企画・運営も手掛ける株式会社マリモクラフトの完全子会社化を行いました。書店店頭の魅力を高めるため、様々なアプローチの可能性を検証しております。
④デジタル領域への参入
デジタルシフトが加速度的に進行する中、図書館や教科書・教材など、従来は取次や書店が流通を担ってきた市場の大部分が、将来的にはデジタルへ移行するリスクが高まってきております。そのような状況に備えるためにも、デジタル分野における出版流通ビジネスに取次や書店を参画可能とするインフラ整備とスキーム構築が強く求められております。
当社は電子書籍取次最大手の株式会社メディアドゥと資本業務提携を行い、当社単独では実現の難しかったデジタル領域への参入によって、既存の取次事業の質的進化を図り、具体的な事業提携をスタートさせて参ります。
2.事業領域の拡大
当社グループの持つ経営資源を最大限活用し、「本業の復活」を下支えする新たな収益基盤の確立を目指しております。
①不動産事業
ガイドラインに則り、保有不動産の活用を進めています。2021年から2022年にかけて10物件の活用計画を策定しており、2021年度中に収益物件化を予定している5物件が新たに竣工いたしました。なお、最大資産となる旧本社跡地についても活用計画の概要が固まり、収益物件化を推し進めて参ります。
②新規事業の推進
新規事業の中核と位置付けたフィットネスジム事業、コワーキングスペース事業につきましては、事業の先行投資期にあることに加え、新型コロナウイルス感染症流行による需要低迷を受けた出店計画の見直しもあり、当期の事業損益は赤字となっております。但し、赤字幅については計画の範囲内に収まっております。
なお、当期における出店状況は次の通りです。低価格型フィットネスジム事業は2店舗を新規出店し、全6店舗体制となっております。コワーキングスペース事業「HAKADORU」は、第1号店の虎ノ門店に続き、第2号店となる新宿三丁目店を7月に出店しております。
③社員参加型経営への取組
社員参加型経営の実践として、ボトムアップ型の新規事業・新業態開発プロジェクトを発足させ、従業員発のビジネスアイデアの具現化に取り組みました。
3.経営基盤の拡大
①継続的な働き方改革
当社では引き続き、従業員が誇りとやりがいを持ち、心身ともに健やかに働けるよう、「働き方改革」に注力しております。コロナ禍において、働き方が多様化していくからこそ、会社として求心力を高めることが重要と考え、ICTを活用した業務体制の確立、役職員間コミュニケーションの活性化・円滑化、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んで参ります。また、新本社オフィスへの移転を機に、旧来の業務プロセスを抜本的に見直し、事業継続のために最適な形への再構築に取り組みました。
②グループ経営の推進と戦略パートナーシップの拡大
当社グループは、事業会社の再編、連結経営の強化をさらに推し進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって経営の透明性を確保し、グループ全体の企業価値の適正評価に資するよう努めて参ります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。

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