半期報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
近年の出版マーケットは、雑誌の販売部数が漸減していく中、比較的堅調な書籍と好調なコミックが市場を支える構図となっております。
当期においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、出版物の制作から販売に至るまでのサプライチェーンの一部に支障を来したものの、家庭学習需要や巣ごもり消費の追い風もあり、出版マーケットの底堅さが示される形となりました。一方で、書店の店舗数は減少の一途にあり、書店の経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
また、物流コストの継続的な高騰が出版輸送ネットワークの安定維持に与える影響は大きく、各取次事業者は流通効率の改善に取り組んでいるものの、その効果だけでは上昇する物流コストを吸収するには至っておりません。出版流通ネットワークを維持するためには、全体最適の視点からサプライチェーン全体を再構築する抜本的な改革が急務となっております。
以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ15,630百万円減少し、283,777百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16,641百万円減少し、185,349百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,011百万円増加し、98,428百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は194,295百万円(前年同期比2.4%増)となりました。営業利益は1,998百万円(前年同期比226.2%増)、経常利益は1,142百万円(前年同期は経常損失270百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純利益は1,406百万円(前年同期は税金等調整前中間純損失70百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純利益は1,011百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失205百万円)となりました。
なお、当社グループは出版物等卸売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益1,406百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には27,181百万円となり、前年同期と比べ10,071百万円増加しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、4,312百万円の減少となり、前年同期と比べ10,989百万円増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、10,956百万円の増加となり、前年同期と比べ15,393百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、株主配当金の支払による資金の減少等により、2,761百万円の増加となり、前年同期と比べ6,215百万円増加しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
なお、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
b.仕入実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における仕入実績は、
164,271百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価格を時価が著しく下回った場合に、時価のないものについては、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金、返品調整引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は194,295百万円(前年同期比2.4%増)となり、前中間連結会計期間より4,665百万円増加しました。
売上原価は、163,929百万円(前年同期比2.5%増)となり、売上総利益は30,365百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、28,367百万円(前年同期比2.9%減)となり、営業利益は1,998百万円(前年同期比226.2%増)、経常利益は1,142百万円(前年同期は経常損失270百万円)となりました。
特別利益には、固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前中間純利益は1,406百万円(前年同期は税金等調整前中間純損失70百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は1,011百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失205百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業環境の変化に中長期的に対応するため、当社は中期経営計画「REBORN」を策定しております。「本業の復活」「事業領域の拡大」の2つの基本方針で構成される5ヵ年計画で、当期はその2年目となります。
1.本業の復活
出版流通が直面する諸課題を解決し、持続可能な出版流通の構築を目指しております。
①効率販売の推進とマーケットイン型出版流通の創出
店頭需要の分析と送品内容の質的な見直しによる効率販売の徹底を推し進めております。総合返品率は38.4%となり、前期に比してマイナス4.0ポイントと大きな改善効果を納めることができました。結果、送返品に関わる流通コスト高騰による影響を一定程度吸収することができました。
なお、当社では持続可能な出版流通の形として、従来の委託配本制度を主軸とするプロダクトアウト型から、読者や書店のニーズを流通の起点とするマーケットイン型へと進化させることを目指しております。前期に実現したJPRO(出版情報登録センター)の書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の書店向け情報共有ツール「TONETSV」との連携をさらに発展させ、店頭需要と取次の仕入・配本とを繋ぐ、新しいプラットフォームの構築に向け、必要なシステム開発を推し進めました。
また、マーケットイン型出版流通の創出には書店の経営改善が必要不可欠です。当社では、書店粗利改善を目的とした、当社グループ書店との共同仕入スキームの検討に着手しております。グループ横断型のプロジェクトチームを発足し、書店主体による高マージン獲得のための新しい仕入・販売オペレーションの確立を目指しております。
併せて、出版流通ネットワークを持続可能なものとするため、出版社との流通コスト負担配分に関する交渉に着手しております。雑誌では既存の超過運賃負担金の改定を、書籍では物流・運賃負担金の新設を、それぞれ要請しており、サプライチェーン維持のためのコスト負担バランスの見直しに取り組んでおります。
②物流協業の推進
物流作業効率及び輸送効率の改善を目的とし、日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業の検討を進めております。前期に合意いたしました日販グループの蓮田センター(埼玉県)への雑誌返品処理業務の移管について実務者協議を進めております。なお、他の業務分野につきましても協業可能性を引き続き検討してまいります。
③新本社ビル建築
生産性向上と事業継続性確保のため、新本社ビルを現本社西側駐車場跡地に建設しております。「en(円。縁)」をメインコンセプトに、激変していく出版業界に新しい価値を提供し続けるべく、従業員が誇りとやりがいを持って働ける職場環境を整えて参ります。竣工は2021年2月、オフィス機能の移転は5月の大型連休期間前後をそれぞれ予定しております。
2.事業領域の拡大
当社グループの持つ経営資源を最大限活用し、「本業の復活」を下支えする新たな収益基盤の確立を目指しております。
①不動産事業
ガイドラインに則り、保有不動産の活用を進めています。2021年から2022年にかけて10物件の活用計画を策定しており、当期におきましては旧岡山支店物件が竣工し、収益物件化しております。
②新規事業の推進
低価格型フィットネスジム事業につきましては、当期において2店舗の新規出店を行い、当期末時点で6店舗体制となっております。
また、作業スペースや会議室などの執務空間を提供するコワーキングスペース事業「HAKADORU」につきましては、第1号店となる虎ノ門店に続き、第2号店となる新宿三丁目店を7月に出店いたしました。
③M&A、業務提携の推進
当社では出版社や書店との関係を活かした新たなエンターテインメント事業について検討しております。当期におきましては、ライブ・エンタメ市場において3DCG・VR・ARなどの高い技術力を有し、コンテンツ制作やライブイベントの企画運営に強みを持つ株式会社LATEGRAと資本業務提携を行いました。リアルとバーチャルが融合した最先端ライブイベントを展開し、書店空間の魅力を最大限に引き出すとともに、出版販売とコンテンツ流通のシナジー強化を図ってまいります。
3.経営基盤の強化
①働き方改革
当社は、労働生産性と社員のモチベーションの向上を図るため、多様な働き方を可能とする人事制度の充実等を通じて、「働き方改革」に取り組んでおります。
当期におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として従業員の安全と事業継続性の確保のため、時差出勤やテレワークを試験的に導入いたしました。新本社移転に先駆けて、ICTを活用した業務体制の確立、社内コミュニケーションの活性化・円滑化を推し進めてまいります。
②グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
事業子会社の再編、連結対象範囲の拡大を進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって、経営の透明性を向上させるとともに、意思決定のスピードと合理性を高めることで、グループ企業価値の適正評価に努めてまいります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
近年の出版マーケットは、雑誌の販売部数が漸減していく中、比較的堅調な書籍と好調なコミックが市場を支える構図となっております。
当期においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、出版物の制作から販売に至るまでのサプライチェーンの一部に支障を来したものの、家庭学習需要や巣ごもり消費の追い風もあり、出版マーケットの底堅さが示される形となりました。一方で、書店の店舗数は減少の一途にあり、書店の経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
また、物流コストの継続的な高騰が出版輸送ネットワークの安定維持に与える影響は大きく、各取次事業者は流通効率の改善に取り組んでいるものの、その効果だけでは上昇する物流コストを吸収するには至っておりません。出版流通ネットワークを維持するためには、全体最適の視点からサプライチェーン全体を再構築する抜本的な改革が急務となっております。
以上の結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ15,630百万円減少し、283,777百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16,641百万円減少し、185,349百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,011百万円増加し、98,428百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は194,295百万円(前年同期比2.4%増)となりました。営業利益は1,998百万円(前年同期比226.2%増)、経常利益は1,142百万円(前年同期は経常損失270百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純利益は1,406百万円(前年同期は税金等調整前中間純損失70百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純利益は1,011百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失205百万円)となりました。
なお、当社グループは出版物等卸売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益1,406百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には27,181百万円となり、前年同期と比べ10,071百万円増加しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、4,312百万円の減少となり、前年同期と比べ10,989百万円増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出を加減した結果、10,956百万円の増加となり、前年同期と比べ15,393百万円増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、株主配当金の支払による資金の減少等により、2,761百万円の増加となり、前年同期と比べ6,215百万円増加しております。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
なお、前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前中間連結会計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 当中間連結会計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱セブン-イレブン・ジャパン | 23,566 | 12.4 | 23,947 | 12.3 |
b.仕入実績
当社グループの事業は出版物等卸売事業の単一セグメントであり、当中間連結会計期間における仕入実績は、
164,271百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価格を時価が著しく下回った場合に、時価のないものについては、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金、返品調整引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は194,295百万円(前年同期比2.4%増)となり、前中間連結会計期間より4,665百万円増加しました。
売上原価は、163,929百万円(前年同期比2.5%増)となり、売上総利益は30,365百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、28,367百万円(前年同期比2.9%減)となり、営業利益は1,998百万円(前年同期比226.2%増)、経常利益は1,142百万円(前年同期は経常損失270百万円)となりました。
特別利益には、固定資産売却益などを計上し、また特別損失は固定資産除却損などを計上した結果、税金等調整前中間純利益は1,406百万円(前年同期は税金等調整前中間純損失70百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は1,011百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失205百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業環境の変化に中長期的に対応するため、当社は中期経営計画「REBORN」を策定しております。「本業の復活」「事業領域の拡大」の2つの基本方針で構成される5ヵ年計画で、当期はその2年目となります。
1.本業の復活
出版流通が直面する諸課題を解決し、持続可能な出版流通の構築を目指しております。
①効率販売の推進とマーケットイン型出版流通の創出
店頭需要の分析と送品内容の質的な見直しによる効率販売の徹底を推し進めております。総合返品率は38.4%となり、前期に比してマイナス4.0ポイントと大きな改善効果を納めることができました。結果、送返品に関わる流通コスト高騰による影響を一定程度吸収することができました。
なお、当社では持続可能な出版流通の形として、従来の委託配本制度を主軸とするプロダクトアウト型から、読者や書店のニーズを流通の起点とするマーケットイン型へと進化させることを目指しております。前期に実現したJPRO(出版情報登録センター)の書誌情報配信サービス「BooksPRO」と当社の書店向け情報共有ツール「TONETSV」との連携をさらに発展させ、店頭需要と取次の仕入・配本とを繋ぐ、新しいプラットフォームの構築に向け、必要なシステム開発を推し進めました。
また、マーケットイン型出版流通の創出には書店の経営改善が必要不可欠です。当社では、書店粗利改善を目的とした、当社グループ書店との共同仕入スキームの検討に着手しております。グループ横断型のプロジェクトチームを発足し、書店主体による高マージン獲得のための新しい仕入・販売オペレーションの確立を目指しております。
併せて、出版流通ネットワークを持続可能なものとするため、出版社との流通コスト負担配分に関する交渉に着手しております。雑誌では既存の超過運賃負担金の改定を、書籍では物流・運賃負担金の新設を、それぞれ要請しており、サプライチェーン維持のためのコスト負担バランスの見直しに取り組んでおります。
②物流協業の推進
物流作業効率及び輸送効率の改善を目的とし、日本出版販売株式会社(以下、日販)との物流協業の検討を進めております。前期に合意いたしました日販グループの蓮田センター(埼玉県)への雑誌返品処理業務の移管について実務者協議を進めております。なお、他の業務分野につきましても協業可能性を引き続き検討してまいります。
③新本社ビル建築
生産性向上と事業継続性確保のため、新本社ビルを現本社西側駐車場跡地に建設しております。「en(円。縁)」をメインコンセプトに、激変していく出版業界に新しい価値を提供し続けるべく、従業員が誇りとやりがいを持って働ける職場環境を整えて参ります。竣工は2021年2月、オフィス機能の移転は5月の大型連休期間前後をそれぞれ予定しております。
2.事業領域の拡大
当社グループの持つ経営資源を最大限活用し、「本業の復活」を下支えする新たな収益基盤の確立を目指しております。
①不動産事業
ガイドラインに則り、保有不動産の活用を進めています。2021年から2022年にかけて10物件の活用計画を策定しており、当期におきましては旧岡山支店物件が竣工し、収益物件化しております。
②新規事業の推進
低価格型フィットネスジム事業につきましては、当期において2店舗の新規出店を行い、当期末時点で6店舗体制となっております。
また、作業スペースや会議室などの執務空間を提供するコワーキングスペース事業「HAKADORU」につきましては、第1号店となる虎ノ門店に続き、第2号店となる新宿三丁目店を7月に出店いたしました。
③M&A、業務提携の推進
当社では出版社や書店との関係を活かした新たなエンターテインメント事業について検討しております。当期におきましては、ライブ・エンタメ市場において3DCG・VR・ARなどの高い技術力を有し、コンテンツ制作やライブイベントの企画運営に強みを持つ株式会社LATEGRAと資本業務提携を行いました。リアルとバーチャルが融合した最先端ライブイベントを展開し、書店空間の魅力を最大限に引き出すとともに、出版販売とコンテンツ流通のシナジー強化を図ってまいります。
3.経営基盤の強化
①働き方改革
当社は、労働生産性と社員のモチベーションの向上を図るため、多様な働き方を可能とする人事制度の充実等を通じて、「働き方改革」に取り組んでおります。
当期におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として従業員の安全と事業継続性の確保のため、時差出勤やテレワークを試験的に導入いたしました。新本社移転に先駆けて、ICTを活用した業務体制の確立、社内コミュニケーションの活性化・円滑化を推し進めてまいります。
②グループ経営の推進と戦略的パートナーシップの拡大
事業子会社の再編、連結対象範囲の拡大を進めております。適切な経営指標の設定と情報開示によって、経営の透明性を向上させるとともに、意思決定のスピードと合理性を高めることで、グループ企業価値の適正評価に努めてまいります。
また、シナジーが見込める事業を展開する企業に対し、連結対象とならない範囲の緩やかな出資を行う資本業務提携にも取り組んでおります。互いの成長に寄与する、互恵的な戦略的パートナーを増やすことで、当社グループの企業価値向上を加速させてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、基本的に当社において子会社各社の経営状況とともに把握しております。
当社グループの主要業務である出版販売業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。