有価証券報告書-第69期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 9:59
【資料】
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【項目】
133項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比13.0%減の1,511,800百万円となりました。また、損益面につきましては、営業利益は金属原料事業や非鉄金属事業の減益により前連結会計年度比4.9%減の18,178百万円、経常利益は為替差損の減少などにより前連結会計年度比8.1%増の15,424百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上や法人税等の減少などにより、前連結会計年度比180.3%増(約2.8倍)の25,469百万円となりました。
セグメント別の業績(売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、従来、「その他」に含まれていた「海外販売子会社」について、量的な重要性が増したため、報告セグメントとして記載する方法に変更しており、前連結会計年度との比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて行っております。変更の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」をご参照ください。
① 鉄鋼事業
海外市場や鉄鋼原料の価格下落の影響を受けて、国内鋼材市況も下落基調が続きました。鋼材の実需面でも、製造業分野では消費停滞の長期化や輸出の不振などにより、また建設分野では工事の出件や進捗の遅れなどにより荷動きに停滞感がありました。利益面では採算の良い請負工事の完工計上があったものの、持分法適用関連会社であるCOSMOSTEEL HOLDINGS LIMITEDの株価下落に伴う持分法による投資損失や海外コイルセンターでの現地通貨安によるドル建債務の為替差損が利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比9.1%減の798,691百万円、セグメント利益は前連結会計年度比0.6%増の14,829百万円にとどまりました。
② 金属原料事業
インドネシアの鉱石禁輸措置に起因するニッケル地金の代替需要の増加やステンレス母材、合金鉄の販売増などがあったものの、ニッケル価格の下落に連動したスクラップ価格の下落や低調なステンレス生産によるニッケルスクラップやステンレススクラップ販売の減少が収益を下押ししました。一方、利益面では商品価格の下落により利幅は縮小しましたが、前連結会計年度での急激な円安進行による為替差損が、当連結会計年度においては緩やかな円高傾向により為替差益に転じたことが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比横ばいの131,188百万円、セグメント利益は前連結会計年度比546.4%増(約6.5倍)の2,217百万円となりました。
③ 非鉄金属事業
当第1四半期連結会計期間より連結子会社としたアルミニウムのスクラップ加工及び脱酸材製造の正起金属加工㈱の売上高が加わりましたが、原油を始めとする商品価格全般の下落に伴いアルミニウムや銅の価格も下げ基調で推移し、販売価格を押し下げました。また、利益面では商品価格の下落や経済活動全般の停滞などにより、スクラップ類の発生が減少したため、仕入れコストが上昇して販売収益を圧迫しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.5%減の82,081百万円、セグメント利益は前連結会計年度比26.0%減の848百万円となりました。
④ 食品事業
国内消費は低調な状態が続いており、サケなど主力魚種の価格も下げ基調にあったことから、収益は低調な推移となりました。当第1四半期連結会計期間より米国子会社のSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.を連結子会社に加えたことが売上高の増加には寄与したものの、米国のエビ価格の下落等による損失のため、利益面では貢献できませんでした。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比3.5%増の90,671百万円、セグメント利益は前連結会計年度比87.1%減の75百万円となりました。
⑤ 石油・化成品事業
前連結会計年度に急落した原油価格が当連結会計年度においても更に下落し、石油製品価格も前連結会計年度に比べ大きく値下がりしました。需要面でも海運市場の停滞による舶用石油需要の減少を始め各種産業用燃料の需要が低迷したことに加え、暖冬による燃料消費の減少も収益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比35.7%減の276,450百万円、セグメント利益は前連結会計年度比20.4%減の1,974百万円となりました。
⑥ 海外販売子会社
主にシンガポールで扱っている舶用石油が原油価格の低下や海上輸送の停滞による販売価格の下落により売上高を減少させました。また、米国では日本製鋼材などへのアンチダンピング措置が発動されたことから鉄鋼事業の収益が減少した他、タイでも非鉄金属価格の下落などにより低収益となりました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.1%減の177,617百万円、セグメント損失は708百万円となりました(前連結会計年度は、59百万円の損失)。
⑦ その他の事業
レジャー機械の完工収入の他、産業機械の拡販に努めたことなどにより、売上高は前連結会計年度比7.0%増の67,254百万円となりました。また、セグメント利益は、木材事業で欧州材の供給がタイト化したことによる市況上昇などから収益が改善したことなどにより、前連結会計年度比85.1%増の1,375百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,289百万円(5.3%)増加し、25,804百万円となりました。
これは主に売上高が減少したことに伴い運転資金需要が低下し、資金回収が進んだことなどによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は53,098百万円となり、前連結会計年度に比べ51,308百万円の増加となりました。これは主に前連結会計年度に比べて売上高が減少したことに伴う売上債権やたな卸資産の減少により、運転資金の回収が進んだことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は10,446百万円となり、前連結会計年度に比べ3,246百万円(23.7%)の減少となりました。これは主に有形固定資産や投資有価証券の取得や長期貸付の実行など支出の増加はあったものの、多額の不動産売却収入があったことによるものであります。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、42,652百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は41,751百万円となりました(前連結会計年度は19,339百万円の収入)。これは主に運転資金の回収が進んだことにより、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済が増加したことによるものであります。