有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/24 10:03
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文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では通商政策や外交面での不透明感はあるものの、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が堅調に推移するとともに、企業の生産活動も概ね拡大傾向を維持するなど、景気は総じて底堅く推移しました。また、欧州では英国のEU離脱問題をめぐる不確実性の高まりなどを背景として、実体経済面でも製造業などを中心に弱い動きが見られましたが、堅調な個人消費等が下支えとなり緩やかながら回復の基調が続きました。一方、中国では米国との貿易摩擦や政府が推進した過剰債務縮減策の影響により、設備投資が抑制傾向に転じたことに加え輸出入が低い伸びになるなど、景気に減速傾向が見られました。その他の新興諸国では、米国における保護主義政策や中国経済の動向などを反映し、総じて輸出における減速感が目立ちました。
一方、国内経済は、自然災害などの影響による停滞局面や輸出における弱含み傾向なども見られましたが、所得や雇用状況の改善に伴い個人消費の持ち直しが続いたほか、堅調な企業収益を背景として設備投資も増加基調にあるなど概ね安定した推移となりました。
このような環境において、当連結会計年度の売上高は、鋼材をはじめとする素材全般の価格が前連結会計年度に比べ高い水準にあったことに加え、金属原料事業における合金鉄やステンレス母材の拡販、海外販売子会社の売上高増などにより、前連結会計年度比15.8%増の2,074,600百万円となりました。また利益面では、営業利益は金属原料事業及び海外販売子会社の増益などにより、前連結会計年度比10.2%増の28,904百万円となりましたが、外貨建資金の調達コストの一部が為替差損として生じたことや支払手数料・支払利息の増加などにより、経常利益は前連結会計年度比8.3%減の23,395百万円に、また親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として投資有価証券評価損などを計上したことも加わり、前連結会計年度比19.8%減の13,914百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鉄鋼事業
鋼材需要が製造業分野、建設土木分野ともに堅調に推移したことに加え、供給面での制約もあり需給は引き締まった状態が続きました。一方、鋼材価格は、鉄鋼メーカーの値上げ方針や需給のタイト化を反映して仕入価格は高い水準となりましたが、販売価格の上昇ペースが前連結会計年度に比べて緩やかで、価格への反映に時間を要したことなどにより、利幅は前連結会計年度に比べて縮小しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比12.4%増の1,047,974百万円、セグメント利益は前連結会計年度比14.4%減の17,393百万円となりました。
金属原料事業
ニッケル価格が前連結会計年度に比べ総じて高い水準にあったことに加え、クロム系・マンガン系の合金鉄やステンレス母材、ニッケル化合物の拡販が収益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比39.2%増の282,924百万円、セグメント利益は前連結会計年度比28.8%増の6,386百万円となりました。
非鉄金属事業
ベースメタルの国際価格は米国における通商政策や中国景気の先行き懸念などに影響されて上げ下げしたものの、おしなべて前連結会計年度並みの水準を維持する中、アルミニウムスクラップの販売数量は増加しましたが、銅スクラップや貴金属スクラップについては、中国をはじめとした雑品屑に対する輸入禁止措置の影響などから国内で供給過多の傾向が強まったため販売数量・価格が低下し、前連結会計年度に比べ販売収益が落ち込みました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比2.0%減の97,085百万円、セグメント利益は前期に差益であった為替差損益が差損に転じたことも影響し前連結会計年度比53.4%減の950百万円となりました。
食品事業
水産品の国内需要は停滞したものの、主力品目であるサケ類やカニ類を中心に商品価格が前連結会計年度に比べて高い水準で推移したことに加え、鶏肉類の取扱量の増加が収益を押し上げました。また、利益面では、為替差益が生じたことも増益に寄与しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.9%増の101,389百万円、セグメント利益は前連結会計年度比46.0%増の1,543百万円となりました。
石油・化成品事業
原油価格が産油国による協調減産や地政学的リスクの高まりなどから総じて高い水準が続いた中、国内においても元売り会社の価格政策や製油所トラブルの影響などにより、石油製品の価格は前連結会計年度に比べて高い水準となりました。一方、元売り業界の再編により、スポット取引や元売り会社間の需給調整取引市場が縮小したことや、暖冬により灯油の需要が落ち込んだ影響などから、当社の取扱量は前連結会計年度に比べて減少しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.5%増の244,250百万円、セグメント利益は前連結会計年度比横ばいの2,165百万円となりました。
海外販売子会社
インドネシアにおける鋼材販売が大きく伸びたことに加え、シンガポールにおける舶用石油や非鉄金属スクラップの取扱量の増加などが収益を押し上げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比42.0%増の314,755百万円、セグメント利益は7.8%増の1,024百万円となりました。
その他の事業
木材事業において住宅メーカー向けなどで販売を伸ばしたほか、機械事業では産業機械分野での収益に加え年度後半におけるレジャー機械の完工収入なども利益に貢献しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比7.7%増の82,514百万円、セグメント利益は前連結会計年度比39.7%増の966百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、未完工の請負工事に係る前渡金や現預金の増加などにより、前連結会計年度末比8.5%増の933,307百万円となりました。 負債は、主に長期借入金や仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末比11.3%増の730,847百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比11.6%増の363,257百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.6倍(※1.3倍)となりました。 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上がりはあったものの、為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末比0.6%減の202,459百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の21.8%に対し20.2%(※22.8%)となりました。※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2019年3月に実施した劣後特約付ローン(ハイブリッドロー
ン)500億円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23,529百万円(67.5%)増加し、58,384百万円となりました。 これは主に鋼材価格等の上昇ペースが前連結会計年度に比べて緩やかになり、追加の運転資金需要が減少したことや、投資有価証券の取得や長期貸付金による支出などが減少したことによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は15,417百万円となりました(前連結会計年度は19,755百万円の支出)。これは主に鋼材をはじめ素材全般の価格上昇が前連結会計年度に比べて緩やかになり売上債権の増加額が減少したことや、期末のたな卸資産を縮減したことなどにより新たな運転資金需要が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は20,623百万円となり、前連結会計年度に比べ19,348百万円(48.4%)減少しました。これは主に投資有価証券の取得に係る支出や長期貸付金の実行額が減少したことによるものです。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、5,205百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による収入は28,132百万円となり、前連結会計年度に比べ38,302百万円(57.7%)減少しました。これは主に運転資金需要や投資資金の減少に対応して、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済額が増加したことによるものです。
④ 受注及び販売の実績
a. 受注実績
受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称外部顧客への売上高(百万円)前連結会計年度比増減率(%)
鉄 鋼 事 業1,037,29712.7
金 属 原 料 事 業274,83938.5
非 鉄 金 属 事 業95,445△1.9
食 品 事 業100,0931.2
石 油 ・ 化 成 品 事 業233,664△0.1
海 外 販 売 子 会 社253,49551.4
そ の 他79,7636.3
2,074,60015.8

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項4 会計方針に関する事項」をご参照ください。なお、有価証券や固定資産の評価、貸倒引当金や賞与引当金等における見積り及び判断・評価については、過去の実績や足元の状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況
売上高は、鋼材や石油製品をはじめとする素材全般の価格が高い水準にあったことに加え、金属原料事業を中心に販売数量も増加したことから、非鉄金属事業を除き各事業セグメントで増収となり、前連結会計年度に比べ15.8%増の2,074,600百万円となりました。このうち、国内売上高は前連結会計年度比3.4%増の1,346,927百万円、海外売上高は前連結会計年度比49.1%増の727,673百万円となりました。
売上原価は、商品価格の値上がりにより在庫の払い出し単価が上昇したことや販売数量の増加に伴い仕入数量も増加したことなどから、前連結会計年度に比べ16.1%増の1,995,378百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、給料・福利厚生費などの人件費や旅費交通費の増加に加え、新規連結した子会社分の経費の増加などにより、前連結会計年度に比べ9.4%増の50,318百万円となりました。
営業外収益は、貸付金や商品仕入れに先立つ前渡金などに対する受取金利が増加したほか、配当金の受取額が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ53.7%増の6,965百万円となりました。また営業外費用は、有利子負債の増加に伴う支払利息や銀行手数料の増加に加え、表示上は為替差損に含まれる為替スワップによる外貨建て資金の調達コストの増加などから、前連結会計年度に比べ137.8%増加し12,474百万円となりました。
特別利益は、社員寮の売却に伴い固定資産売却益が発生しましたが、前連結会計年度では投資有価証券売却益や関係会社の事業整理損に対する引当金の戻入益が大きかったため、前連結会計年度に比べ38.5%減の416百万円となりました。一方、特別損失は、主に海外の事業投資先の上場株式に対する投資有価証券評価損を計上したほか、社宅・社員寮の除売却等に伴う損失や関係会社への貸付金に対する貸倒引当金を計上したことなどから、前連結会計年度に比べ283.6%増の2,856百万円となりました。
法人税等は、法人税法上損金に算入できない投資有価証券評価損や固定資産の減損損失などの費用を計上したことなどにより、法人税等の負担率は法定実効税率よりも若干高い水準となりましたが、前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益も減少したことから、14.2%減の7,130百万円となりました。
当期純利益は、前連結会計年度に比べ19.2%減の13,825百万円となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比19.8%減の13,914百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の427.04円に対し、342.41円となりました。
③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
当社の主たる事業である商社事業において、影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きく変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。
次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認をしており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できずに貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。
海外との取引においては、決済通貨と表示通貨が異なる場合に、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。
資本政策に関しては、当社グループは運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコストの増加を抑制するなどの対応をしてはおりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。
また、当社グループは、事業領域の拡大や将来収益の源泉を確保するために、既存の商社事業を土台としながら、バリューチェーンのより広い範囲に積極的な事業投資を展開しております。投資に際しては、専門家によるデューディリジェンスの実施や、投資等審査委員会などによる収益性の検証及びリスクの洗い出し等を行っておりますが、当初予定していた事業計画が大きく下振れした場合や予測が困難であった重要な偶発的事象が発生した場合などには、全体の損益が影響を受けることがあります。
さらに、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、品質に問題があった場合には仕入先や加工先に一義的な保証責任がありましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。なお、当社では2018年4月より、品質安全環境管理部を新設し、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。
当社グループとしては、上記以外の業績に影響を与えるリスク要因に対しても、あらかじめ可能な限り対処策を講じることで、影響の軽減に努めてまいります。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が19,755百万円の支出であったことに対し、当連結会計年度においては15,417百万円の収入となりました。これは、鋼材などの価格の上昇が前連結会計年度に比べて緩やかになり、前連結会計年度に比べて売上債権の増加額が減少したことや、期末のたな卸資産を縮減したことなどにより、運転資金需要の増加幅が縮小したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて19,348百万円少ない20,623百万円の支出となりました。これは、前連結会計年度ではSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.の株式の取得による支出が大きかったことや、当連結会計年度において長期貸付金の実行による支出が減少したことなどによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて38,302百万円少ない28,132百万円の収入となりました。これは、運転資金や投資資金の需要減少に対応して、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済額が増加したことなどによります。
(財務政策)
当社グループは持続可能な企業成長のために必要なレベルの流動性の確保と財務的な健全性・安定性維持を方針としており、資金調達にあたっては、主に長期借入金を利用すると共に、資金調達の多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。また、流動性維持のために、金融機関との間で総額120,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
社債につきましては、市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、20,000百万円であります。
長期借入金のうち、50,000百万円は劣後特約付きタームローン(ハイブリッドローン)であり、持続可能な企業成長のための資金確保と財務的な健全性の両立を目的として2019年3月に調達を行っております。本ハイブリッドローンは、資本と負債の中間的な性質を持ち、格付機関は残高の50%である250億円を資本と同等に扱っております。
有利子負債の大半は円建てでの調達によるものですが、資産側の通貨属性を考慮した上で負債の通貨を変換するために、適宜通貨金利スワップ、為替予約を締結することで、通貨属性を考慮した資産の内容に見合った調達を図っております。
また、国内子会社については、原則キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、資金効率化と流動性確保を図っております。
⑤ セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ12.4%増の1,047,974百万円、セグメント利益は14.4%減の17,393百万円となりました。鋼材需要は、建築土木分野においてはオリンピックや都市再開発など大型の建築・土木物件への需要が旺盛であったほか、製造業分野においても堅調な生産活動に加えて研究開発投資や合理化投資なども積極的であったため、堅調に推移しました。供給面においては、主原料価格が引き続き高い水準で推移するなか、鉄鋼メーカーによる値上げ方針に加え、炉修や不調の影響などもあり、供給はタイト化し価格は強含みで推移しました。一方で、鉄骨加工業者や物流面での人手不足、高力ボルトの供給不足などの影響から、工事物件の納期遅れなどが目立ち、当社の売上高は価格面で増収となったものの、取扱数量については前連結会計年度に比べて微増にとどまりました。利益面については、国内市場では仕入れコストの販売価格への反映に時間を要したことに加え、海外コイルセンターにおいては前連結会計年度に紐付き価格の値上げが先行して当連結会計年度では利幅が縮小したほか、持分法適用関連会社であるCOSMOSTEEL HOLDINGS LTD.における在庫評価損の影響などから、減益となりました。
金属原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ39.2%増の282,924百万円、セグメント利益は28.8%増の6,386百万円となりました。ステンレスや二次電池等への需要の期待感からニッケル価格が総じて高値で推移したほか、当社の戦略的資源投資先であるSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.は持分法適用会社としての業績貢献は当初想定より遅れていますが、クロム系合金鉄の取引は拡大し、一定の投資効果が実現しています。また、OM HOLDINGS LTD.からのマンガン系の合金鉄や、合弁提携先である青山控股集団有限公司のステンレス母材の取扱数量が伸びたことからも、増収・増益となりました。
非鉄金属事業の売上高は前連結会計年度に比べ2.0%減の97,085百万円、セグメント利益は53.4%減の950百万円となりました。ベースメタルの国際商品価格はおしなべて前連結会計年度並みの水準となったなか、アルミニウムスクラップの取扱数量は増加したものの、銅スクラップや貴金属スクラップについては中国をはじめとした雑品屑に対する輸入規制の影響などから、国内市場で供給過多となり取扱数量・単価ともに下落し、全体として減益となりました。
食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.9%増の101,389百万円、セグメント利益は46.0%増の1,543百万円となりました。海外の産地における水揚げ量の減少によりサケやカニなどを中心に国内相場が高止まりとなったほか、ブラジル産の鶏肉類の取扱数量の増加が収益を押し上げました。また、為替相場が緩やかな円安傾向に向かったなかで、輸入予約からの為替差益の発生も増益に寄与しました。
石油・化成品事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.5%増の244,250百万円、セグメント利益は同横ばいの2,165百万円となりました。原油価格が、産油国による協調減産や地政学的リスクを抱える地域での産油量の減少観測の高まりなどから総じて高い水準が続いたなか、国内においても元売り会社の価格政策や製油所トラブルの影響などにより、石油製品の価格は前連結会計年度に比べて高い水準となりました。一方、取扱数量については、元売り業界の再編によりスポット取引や元売り会社間の需給調整取引市場が縮小したことや、暖冬により灯油の需要が落ち込んだ影響などから、前連結会計年度に比べて減少しました。石油製品需要の縮小を見据えて、PKSや木質チップ・ペレットなどバイオマス燃料の取扱いを伸ばしたものの、利益については前期比横ばいにとどまりました。
海外販売子会社の売上高は前連結会計年度に比べ42.0%増の314,755百万円、セグメント利益は7.8%増の1,024百万円となりました。インドネシアにおいては、国内で培った地域戦略の機能を移植し、きめ細かなサービスと顧客ニーズに即応した販売戦略を築くことで鉄鋼の取扱数量を伸ばしたほか、シンガポールにおいては舶用石油の商圏を国内から移管したことにより石油製品の取扱いが増加したことに加え、非鉄スクラップの拡販などにより増収増益となりました。
その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ7.7%増の82,514百万円、セグメント利益は39.7%増の966百万円となりました。木材事業では、住宅メーカー向けの直需取引で販売を増やし、増収増益となったほか、機械事業では、産業機械分野での収益に加え、年度後半におけるレジャー機械の完工収入も加わり利益を押し上げました。

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