有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 10:00
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文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が縮小し総じて弱い動きが続いたものの、足もとにかけて緩やかに持ち直す動きとなりました。米国や欧州では感染症の再拡大や活動制限の長期化を受けて消費や雇用情勢などの回復遅れが見られましたが、企業活動においては生産や輸出が増加するなど製造業を中心に改善が続きました。中国では政府主導による政策支援のもとで内需の回復が一段と進んだほか、海外経済の持ち直しを背景に輸出も増加するなど総じて底堅い動きとなりました。その他の新興諸国では一部で持ち直しの動きが見られるものの、防疫・医療体制や財政面の弱さなどから引き続き回復遅れが目立ちました。
国内経済については、輸出や生産活動が回復傾向にあり製造業を中心に景況感の改善が進みましたが、感染症の再拡大に伴い緊急事態宣言が重ねて発出された影響などから、小売りや消費性向の回復は緩やかな推移となりました。
このような環境において、当連結会計年度の売上高は、感染症の影響により経済活動が縮小傾向にあったなかで鋼材などの需要が減少し、上半期を中心に取扱数量を減らしたほか、石油製品などの商品価格が上昇基調にあったものの前連結会計年度に比べると低い水準で推移したことから、前連結会計年度比8.5%減の1,745,501百万円となりました。一方、利益面では、鉄鋼事業や食品事業、エネルギー・生活資材事業などの増益により、営業利益は前連結会計年度比7.0%増の29,232百万円となりました。また、前連結会計年度に損失であった持分法による投資損益が利益に転じたことや支払利息が減少したことなどから、経常利益は28,821百万円(前連結会計年度は、12,598百万円の損失)に、親会社株主に帰属する当期純利益は19,617百万円(前連結会計年度は、13,674百万円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鉄鋼事業
建築土木分野での工事の進展に加え、製造業における生産活動の回復傾向が続きましたが、鋼材需要は前連結会計年度比では減少したため当社も取扱数量を減らしました。一方、利益面では、需要の回復状況や取引先のニーズを適切に把握し収益を積み上げたほか、販売経費の減少などが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比9.2%減の913,189百万円、セグメント利益は前連結会計年度比29.3%増の18,911百万円となりました。
プライマリー原料事業
鉄鋼・非鉄金属メーカーの操業は足もとでは徐々に持ち直しているものの、期の前半での操業低下によりステンレス母材やマンガン系・シリコン系合金鉄などの取扱いが減少したほか、ニッケルなどの商品価格は足もとで大きく上昇しているものの前連結会計年度に比べると低い水準で推移したことから売上高が下押しされました。一方、利益面では、前連結会計年度に計上したSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.の減損処理による一過性の損失が当連結会計年度には発生しなかったことや支払利息が減少したことなどが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比10.0%減の233,778百万円、セグメント利益は3,804百万円(前連結会計年度は、30,506百万円の損失)となりました。
リサイクル原料事業
製造業における生産活動が前連結会計年度に比べると抑制されていたなか、ステンレススクラップなどの取扱数量は減少しましたが、銅や貴金属スクラップの価格が上昇傾向にあり売上高を押し上げました。一方、利益面では、ベースメタルの国際価格の上昇を受けて当社のたな卸資産には含み益が発生したものの、たな卸資産に対する価格変動リスクをヘッジするデリバティブ取引残高においては評価損失を計上することとなりました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.0%増の79,573百万円、セグメント利益は前連結会計年度比66.7%減の766百万円となりました。
食品事業
外食産業の営業自粛を受けて加工品類の取扱数量が減少した一方、量販店向けではサケ類などを中心に取扱いが回復しましたが、商品価格は全般的に前連結会計年度に比べて低い水準にありました。利益面では、アメリカの販売子会社の採算改善や国内の連結子会社の増加などが貢献したほか、前連結会計年度に比べてたな卸資産評価損が減少したことなどが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.3%減の100,445百万円、セグメント利益は2,141百万円(前連結会計年度は、144百万円の損失)となりました。
エネルギー・生活資材事業
原油・石油製品価格は前連結会計年度に比べて低い水準にあり、売上高は減少しましたが、期首に大幅に下落したのちに上昇基調に転じたことや、国内外での価格差の拡大を捉えて利幅を確保しました。また、バイオマス発電所向けの長期契約などでPKS(パーム椰子殻)の販売が伸びたほか、生活資材分野では外出自粛下での日用品・生活雑貨類の需要増により取扱数量を増やしました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比13.0%減の183,045百万円、セグメント利益は前連結会計年度比32.8%増の5,548百万円となりました。
海外販売子会社
インドネシアなどで鉄鋼の取扱いが増加したものの、感染症により各国の経済活動が抑制傾向にあったなか、シンガポールにおいて舶用燃料の取扱いが減少したほか米国では日本向けを中心に水産品の取扱いが減少しました。一方、利益面では、インドネシアで鋼材価格が上昇基調にあるなかで利幅を拡げたほか、タイでの非鉄金属取引の採算改善などが増益に寄与しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比15.0%減の204,843百万円、セグメント利益は前連結会計年度比267.6%増の1,715百万円となりました。
その他の事業
木材事業では住宅メーカー向けなどで販売先や取扱い品目を拡大したほか、機械事業ではレジャー施設分野及び産業機械分野で利益率の高い完成工事高の計上が収益を押し上げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比3.4%増の87,860百万円、セグメント利益は前連結会計年度比3.9%増の1,455百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、売上債権や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末比3.3%増の824,590百万円となりました。
負債は、主に仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末比0.1%増の632,733百万円となりました。そのうち有利子負債は、前連結会計年度末比8.9%減の301,654百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.3倍(1.1倍※)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上がりやその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末比15.5%増の191,857百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の20.5%(23.6%※)から22.9%(26.0%※)に上昇しました。※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2019年3月に実施した劣後特約付ローン(ハイブリッドロー
ン)50,000百万円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は50,892百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,350百万円(24.3%)減少しました。これは前連結会計年度末には経済環境の先行きが不透明な状況にあるなかで現金預金比率を高めたことや、当連結会計年度末には各事業分野における需要が回復傾向にあるなかで、追加の運転資金需要が増加したことなどによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は19,004百万円となり、前連結会計年度に比べ55,257百万円(74.4%)減少しました。これは感染症の影響により期首に落ち込んだ各事業分野の需要が当連結会計年度末にかけて緩やかに回復していくなか、当社の運転資金需要も前連結会計年度に比べて増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は4,190百万円となり、前連結会計年度に比べ19,969百万円(82.7%)減少しました。これは主に投資有価証券や有形固定資産の取得に係る支出や貸付金の実行額が減少したことによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、14,814百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は34,223百万円となり、前連結会計年度に比べ8,090百万円(19.1%)減少しました。これは主に当連結会計年度末にかけて運転資金需要が増加し資金調達を行ったほか、配当金の支払額が減少したことなどによるものです。
④ 受注及び販売の実績
a. 受注実績
受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称外部顧客への売上高(百万円)前連結会計年度比増減率(%)
鉄 鋼 事 業901,199△9.4
プ ラ イ マ リ ー 原 料 事 業230,880△9.7
リ サ イ ク ル 原 料 事 業77,6990.1
食 品 事 業99,697△0.9
エ ネ ル ギ ー・生 活 資 材 事 業176,043△12.7
海外販売子会社175,160△10.3
そ の 他84,8213.1
1,745,501△8.5

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項4 会計方針に関する事項」をご参照ください。なお、有価証券や固定資産の評価、貸倒引当金や賞与引当金等における見積り及び判断・評価については、過去の実績や足元の状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況
売上高は、感染症の影響により経済活動が縮小傾向にあったなか、鉄鋼事業をはじめ各事業分野での需要が減少し上半期を中心に取扱数量を減らしたほか、石油製品などの商品価格が上昇基調にあったものの前連結会計年度に比べると低い水準で推移したことから、前連結会計年度に比べ8.5%減の1,745,501百万円となりました。このうち、国内売上高は前連結会計年度比15.9%減の1,129,536百万円、海外売上高は前連結会計年度比9.0%増の615,964百万円となりました。
売上原価は、販売数量の減少に伴い仕入数量も減少したことなどから、前連結会計年度に比べ8.9%減の1,665,576百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、新規連結した子会社分の経費の増加があったものの、営業活動の抑制に伴う旅費交通費や交際費等の減少により、前連結会計年度に比べ3.4%減の50,692百万円となりました。
営業外収益は、受取利息や受取配当金が減少したものの、持分法による投資利益の計上により、前連結会計年度に比べ9.9%増の5,855百万円となりました。一方、営業外費用は、前連結会計年度に計上したSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.の減損処理による一過性の損失が当連結会計年度には発生しなかったことや支払利息が減少したことなどにより、前連結会計年度比86.2%減の6,267百万円となりました。
特別利益は、連結子会社における遊休不動産の売却に伴い固定資産売却益が増加したものの、前連結会計年度に上場株式の売却により発生した投資有価証券売却益の反動減により、前連結会計年度に比べ41.1%減の711百万円となりました。また、特別損失は、投資有価証券評価損が大きく減少したほか、固定資産の減損損失が発生しなかったことなどにより、前連結会計年度に比べ91.9%減の692百万円となりました。
法人税等は、課税所得の増加に伴い、前連結会計年度に比べ61.6%増の8,978百万円となりました。
これらの結果、当期純利益は19,860百万円(前連結会計年度は25,550百万円の損失)となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は19,617百万円(前連結会計年度は13,674百万円の損失)となりました。また、1株当たり当期純利益の金額は482.74円(前連結会計年度は336.51円の損失)となりました。
③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
当社の主たる事業である商社事業において、影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きく変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。
次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認をしており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できずに貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。
海外との取引においては、決済通貨と表示通貨が異なる場合に、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。
資本政策に関しては、当社グループは運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコストの増加を抑制するなどの対応をしてはおりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。
また、当社グループは、事業領域の拡大や将来収益の源泉を確保するために、既存の商社事業を土台としながら、バリューチェーンのより広い範囲に積極的な事業投資を展開しております。投資に際しては、専門家によるデューディリジェンスの実施や、投資等審査委員会などによる収益性の検証及びリスクの洗い出し等を行っておりますが、当初予定していた事業計画が大きく下振れした場合や予測が困難であった重要な偶発的事象が発生した場合などには、全体の損益が影響を受けることがあります。特に大規模な開発型案件や資源分野などへの投資については、収益性のボラティリティが高い傾向にあるため、経営会議や取締役会などにおいて定期的なモニタリングを実施しております。
さらに、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、品質に問題があった場合には仕入先や加工先に一義的な保証責任がありましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。当社では、品質安全環境管理部による定期的なモニタリングを基に、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。 当社グループとしては、上記以外の業績に影響を与えるリスク要因に対しても、あらかじめ可能な限り対処策を講じることで、影響の軽減に努めてまいります。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、19,004百万円の収入となり、前連結会計年度に比べて55,257百万円減少しました。これは、感染症の影響により期首に落ち込んだ各事業分野の需要が当連結会計年度末にかけて緩やかに回復していくなか、当社の運転資金需要も前連結会計年度に比べて増加したことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて19,969百万円少ない4,190百万円の支出となりました。これは、国内外の子会社における加工設備の増強や当社での新基幹システムの導入に係る支出などがあったものの、前連結会計年度に比べて投資有価証券の取得による支出が少なかったことなどによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて8,090百万円少ない34,223百万円の支出となりました。これは、当連結会計年度末にかけて運転資金需要が増加し資金調達を行ったほか、配当金の支払額が減少したことなどによります。
(財務政策)
当社グループは持続可能な企業成長のために必要なレベルの流動性の確保と財務的な健全性・安定性維持を方針としており、資金調達にあたっては、主に長期借入金を利用すると共に、資金調達の多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。また、流動性維持のために、金融機関との間で総額120,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
社債につきましては、市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、50,000百万円であります。
長期借入金のうち、50,000百万円は劣後特約付きタームローン(ハイブリッドローン)であり、持続可能な企業成長のための資金確保と財務的な健全性の両立を目的として2019年3月に調達を行っております。本ハイブリッドローンは、資本と負債の中間的な性質を持ち、格付機関は残高の50%である25,000百万円を資本と同等に扱っております。
有利子負債の大半は円建てでの調達によるものですが、資産側の通貨属性を考慮した上で負債の通貨を変換するために、適宜通貨金利スワップ、為替予約を締結することで、通貨属性を考慮した資産の内容に見合った調達を図っております。
また、連結ベースの資金管理体制については、国内子会社においては原則キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、海外子会社に対しては第9次中期経営計画で掲げておりますように現地借入から親子ローンへの切替え促進を行っており、これらの取組によりグローバル財務マネジメントの強化を図っております。
⑤ セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.2%減の913,189百万円、セグメント利益は29.3%増の18,911百万円となりました。鋼材需要は、感染症の影響により上半期を中心に減退しましたが、下半期にかけては建築土木分野での工事の進展に加え、製造業における生産活動の回復傾向が続きました。一方、供給面においては、高炉メーカー各社が製鉄所の統合や休止を進めるなか、国内の粗鋼生産量が減少し鋼材の流通量は総じて減少しました。このようななか、当社の取扱数量は、前連結会計年度に比べて総じて減少し、減収となりました。一方、利益面については、利益率の高い完成工事高の計上が貢献したほか、需要の回復状況や取引先のニーズを適切に把握し収益を積み上げたことなどから増益となりました。
プライマリー原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ10.0%減の233,778百万円、セグメント利益は3,804百万円となりました(前連結会計年度は30,506百万円の損失)。感染症の影響により、鉄鋼・非鉄金属メーカーの操業が上半期を中心に抑制傾向にあったなか、マンガン系・シリコン系などの合金鉄やステンレス母材の取扱いが減少しました。また、ニッケルの取扱数量につきましては、前連結会計年度と同水準で推移したものの、商品価格は前連結会計年度と比較すると低い水準で推移したため減収となりました。一方、利益面では、前連結会計年度に計上したSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.の減損処理による損失が発生しなかったことや、資金効率の低い取引を減らし支払金利負担を低減したことなどから、増益となりました。
リサイクル原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.0%増の79,573百万円、セグメント利益は66.7%減の766百万円となりました。製造業における生産活動が上半期を中心に抑制傾向にあったなか、集荷・販売ともにステンレススクラップなどの取扱数量が減少しました。一方、中国の景気回復に伴う需要の増加見込みなどから銅や貴金属スクラップの価格が上昇傾向にあり、売上高を押し上げました。利益面については、ベースメタルの国際価格の上昇を受けて当社のたな卸資産には含み益が発生したものの、たな卸資産に対する価格変動リスクをヘッジするデリバティブ取引残高においては評価損失を計上することとなり、減益となりました。
食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.3%減の100,445百万円、セグメント利益は2,141百万円となりました(前連結会計年度は144百万円の損失)。感染症の影響による外食産業の営業自粛に伴い加工品類の取扱数量が減少した一方、量販店向けでは巣ごもり需要によりサケ類などを中心に取扱いが回復しましたが、商品価格は全般的に前連結会計年度と比べて低い水準で推移しました。一方、利益面については、米国における販売子会社であるSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.の採算改善や、寿司ネタ及び海鮮生食用製品の製造・販売を手掛ける東日本フーズ㈱の新規連結化などが利益に貢献し、減収・増益となりました。
エネルギー・生活資材事業の売上高は前連結会計年度に比べ13.0%減の183,045百万円、セグメント利益は32.8%増の5,548百万円となりました。原油・石油製品価格は感染症の影響により期首に大きく下落したのち、産油国による協調減産や中国の需要回復により緩やかな上昇基調に転じました。また、国内では元売り会社の再編に伴い石油製品相場が大きく下振れしなかったこともあり、内外での価格差が拡がるなかで輸入品の取扱いなどを増やし利幅を確保しました。加えて、PKSや木質チップ・ペレットなどのバイオマス燃料や産業系廃棄物を原料とした固形燃料(RPF)の取扱いを伸ばしたほか、生活資材分野では外出自粛下での日用品・生活雑貨類の需要が高まり、高収益を確保しました。
海外販売子会社の売上高は前連結会計年度に比べ15.0%減の204,843百万円、セグメント利益は267.6%増の1,715百万円となりました。インドネシアにおいては、国内で培った地域戦略の機能を移植し、きめ細かなサービスと顧客ニーズに即応した販売戦略を展開したほか、戦略的投資先である徳信鋼鉄の鋼材の取扱いを増やしました。また、タイでは非鉄金属取引において採算の改善を図り、収益を押し上げました。一方、シンガポールでは船舶需要の減少に伴う舶用燃料の不振や非鉄金属分野で価格下落の影響を受けたほか、米国では水産品の取扱いが減少しました。これらの結果、当事業セグメントは減収・増益となりました。
その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ3.4%増の87,860百万円、セグメント利益は3.9%増の1,455百万円となりました。木材事業では、住宅メーカー向けの直需取引において、プレカット材や天井用鋼製下地材をはじめとする建築資材の取扱品目を拡大し収益を伸ばしたほか、機械事業では、産業機械分野・レジャー施設分野ともに利益率の高い完成工事高が収益に貢献しました。

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