有価証券報告書-第44期(平成26年3月1日-平成27年2月28日)

【提出】
2015/05/21 12:51
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、原油の値下がりや株価の上昇、訪日外国人客による消費の拡大など一部に明るい兆しがみられるものの、円安による原材料・資源高騰によるコスト高や労働生産人口減少に伴う雇用環境の悪化、今後の消費税増税による影響懸念等、先行は未だ不透明です。ますます進化するグローバル化の中、環境変化に対応し業態内・業態間の競争に勝ち抜くため「チャレンジ精神」「スピード感」「実行力」による、新たな成長戦略の策定が必要となります。とりわけ、総合小売業とコンビニエンスストア事業については、当社グループの経営資源を最大限に活かし、収益性と成長性のある経営政策を推進してまいります。
総合小売業では、顧客ニーズに合わせた品揃えと売場提案を明確化し、来店動機につながる営業企画や販促企画に取り組みます。衣料品では、ライフスタイルに合わせた商品と売場の提案、住居関連品では、成長カテゴリー中心の品揃えと売場構成による50貨店化、食料品では味と鮮度による差別化を図ります。また、ロイヤルカスタマー戦略としては、「UCSカード」や電子マネー「ユニコカード」によるマーケティングを強化し、顧客の分析と集客の向上に努めてまいります。
コンビニエンスストア事業では、市場規模の拡大が期待される30代~40代の女性をターゲットにしたペルソナ戦略を推進いたします。また、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)戦略では「Rポイントカード」においてサークルKサンクス独自の会員組織「+K(プラスケイ)」を対象とした販促企画やプロモーションに取り組みます。さらに、他業態との融合店舗「サークルKフレッシュ」「K's CAFE」などの新業態店舗の開発も強化いたします。
PB商品開発においては、「スタイルワン」「プライムワン」の品目数の拡大から、質の追求への政策転換を図ります。総合小売業・コンビニエンスストア事業の異なる顧客ニーズに対応すべく、ユニー株式会社、株式会社サークルKサンクスにPB商品開発部署を新設いたしました。
金融・サービス事業では顧客基盤の確立している「UCSカード」や電子マネー「ユニコカード」の会員数拡大、取扱高拡大や保険代理事業の営業強化に取り組みます。また、当社にオムニチャネル戦略部を新設し、当社グループのリアル店舗を軸に相互送客できる販売チャネルのネットワークを構築いたします。
今後は、新規事業への挑戦として、既存事業の成長に寄与し、かつ将来ニーズに対応した「新・ユニーの森づくり」を推進してまいります。
以上の施策を通じて、当社グループのミッション「お客さまの毎日に一番の満足をお届けします」を実現し、グループ全体の生産性を高め企業価値の最大化に努めてまいります。
「株式会社の支配に関する基本方針」
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(1) 基本方針の内容
当社グループは、当社、子会社30社及び関連会社9社で構成され、主な事業内容として総合小売業、コンビニエンスストア及び各種専門店をチェーン展開する小売業及び金融事業とその関連サービスを行う企業グループで構成されており、連結営業収益は1兆189億円、パートタイマー等を含む連結ベースでの従業員数は4万人を超え、グループに上場会社5社を有し、グループ間のシナジー効果を追求して、企業価値の向上に努めております。
そのような状況の中、当社及び当社グループは、純粋持株会社体制の下、グループ体制の強化及びグループ全体の企業価値の最大化を目指し、「5つの成長戦略(①商品戦略②業態戦略③オムニチャネル戦略④海外戦略⑤財務・人材戦略)」に積極的に取り組み、業績向上に努めております。
こうした当社グループの経営基盤は、それぞれの店舗が存在する地域社会、地域社会におけるお客様、お客様への奉仕にやりがいを感ずる意欲の高い従業員、更には、安全・安心・高品質な商品を効率よく提供していただける取引先など、様々なステークホルダーとの強固な関係により成り立っており、この関係の維持、更には緊密化こそが、当社及び当社グループの企業価値の向上に資するものと考えております。
(2) 不適切な支配の防止のための取り組み
当社は、前記(1)の当社の事業基盤に関する十分な理解なくしては、当社グループの企業価値を適正に判断することはできないものと考えており、仮に、特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような大規模な当社株式の買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます。)が発生した場合には、その買付提案に応じるか否かについて、株主の皆様に適切にご判断いただくために、大規模買付をする者(以下、「大規模買付者」といいます。)と当社取締役会の双方から、それぞれに必要かつ十分な情報が提供されることが不可欠と考えます。
そこで、当社は、こうした大規模買付行為に対して、①大規模買付者から、株主の皆様のご判断に必要となる大規模買付行為に関する情報(大規模買付行為後の経営方針や事業計画、前記(1)の多くのステークホルダーとの関係についての方針等)の提供を受けること、②当社取締役会が、その大規模買付行為を評価し、交渉・協議・評価意見・代替案の作成等ができる期間を設けること等を要請するルールを策定しました。また、このルールが順守されない場合には、株主の皆様の利益を保護する目的で一定の対抗措置を発動する可能性も考慮しました。
そのため当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益を向上させるため、前記の基本方針に照らし不適切な支配の防止のための取り組みとして、当社株式の大規模買付行為への対応方針 (以下、「買収防衛策」といいます。)を、平成18年4月13日開催の当社取締役会において決定し、以後、その基本的考え方を維持して、平成23年5月17日開催の当社第40回定時株主総会においても株主様のご承認をいただいて買収防衛策を継続してまいりました。
そして、平成26年5月22日開催の当社第43回定時株主総会においても、従前の買収防衛策について、情報提供要請期間の設定、取締役会評価期間の延長の設定、株主意思確認株主総会の招集等について、規定等を改める見直しを行ったうえで、当社買収防衛策として、株主の皆様のご承認をいただき導入しております。
(3) 前記(2)の取り組みについての取締役会の判断
当社取締役会は、前記(2)の取り組みが当社の前記(1)の基本方針の内容に沿って策定され、取締役の地位の維持を目的とするものではなく、当社の企業価値の向上・株主共同の利益の確保に資するものであると考えます。