有価証券報告書-第112期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
対処すべき課題
(1)経営方針
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」
経営方針
1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造
2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底
3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成
(2)経営戦略等
当社グループの各事業が取り扱う商品は、国民の安全・安心な暮らしに欠かすことのできないものであり、平時・有事を問わず、常に安定的な供給が求められております。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない状況にありますが、引き続き社会インフラとしての役割を果たしてまいります。
業において継続し、収益基盤の拡大と持続的な成長を実現してまいります。
<「2022メディパル中期ビジョン」の基本方針>『社会と顧客に貢献する新たな枠組みを構築し、
収益基盤の拡大と持続的な成長を実現します。』
当社グループは、事業活動そのものが持続可能な経済社会の実現に貢献するものであると考えております。流通の効率化による環境負荷の軽減や、平時・有事を問わず安全・安心な商品供給、希少疾病用医薬品の開発投資、多様な人材の活用など、引き続き社会的な課題の解決に取り組んでまいります。さらに、効率的かつ有効なガバナンス体制のもと、経営の透明性と健全性を確保しながら、企業価値の最大化に努めてまいります。
(3)経営環境
少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
わが国では増大する医療・介護・福祉の社会保障費を抑制することが重要な課題となっております。その一環として、医療提供体制の見直しによる量から質への転換が求められており、予防医療やセルフメディケーションの推進、地域包括ケアシステムの構築など、さまざまな動きが起きてくるものと考えております。
医薬品業界においては、薬価基準制度の改革や後発医薬品の普及拡大などが進められています。これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度には中間年の改定が実施され、今後一段と厳しい事業環境になっていくことが予想されます。
製薬企業の開発はがんや希少疾病を対象とした医薬品、再生医療等製品にシフトしてきており、流通面においても厳格な温度管理を必要とするなど、高度な流通体制が求められております。一方、生活習慣病などのプライマリー分野では、後発医薬品の普及が進み、より一層効率的な流通が必要となってきております。
さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、医療業界においても、オンライン診療をはじめとしたデジタル技術の普及が加速しております。
これら著しい変化がある中で、本事業では、必要とされる商品を、適時適量に確実にお届けする仕組みを構築し、人々の安全・安心な医療を支える社会インフラとして、有事の際も止まらない盤石な流通の実現に努めているほか、SDGsの観点から、配送回数の見直し等を行い、二酸化炭素排出量の削減を図っております。加えて、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限に発揮するためのさまざまな取組みを行っております。
化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業
衛生面に対する意識の向上に伴う、マスクや手洗石鹸、消毒液など、衛生関連品の需要は増加したものの、レジャーに伴う外出など人出が抑制されるなかで、メイクアップや整髪料などの化粧品の需要が減少している状況にあります。また、外国人観光客の往来再開には依然として目途がたっておらず、外国人観光客に人気が高かったフェイスマスクなどの、いわゆるインバウンド商材の需要についても、大きく減少した状況が継続しております。
このような状況のなか、当社の連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、従業員の安全を守ることが事業継続の要であるとの考えに立ち、労働環境の整備や衛生管理の徹底に努め、当社の社会的役割である生活必需品の安定的な供給を継続いたしました。また、労働人口減少による中長期的な人手不足や感染症拡大に伴い、流通全体の生産性向上に対する社会的ニーズがさらに上昇するなか、サプライチェーン全体の最適化・効率化を目指した取組みを進めました。
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業
動物用医薬品等
畜産向け市場において広域にわたる鳥インフルエンザなど、家畜伝染病の脅威が予断を許さない状況であります。また、コンパニオンアニマル※向け市場では、犬猫の飼育頭数は減少しているものの、治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。
食品加工原材料等
食品加工原材料等につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少、少子高齢化により、食品市場規模の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
[用語解説]
※コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を 指しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
<主な連結経営目標(中期経営計画における目標または方針)>経常利益 720億円 (2022年3月期)
新規事業利益※ 100億円 (2022年3月期)
配当性向 30%を目安に安定配当
成長投資 3年間で1,000億円規模
※当社グループの持つ全国のインフラ及び人材を活用した新たな事業による売上総利益。関連商品の販売による利益を含んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「医療用医薬品等卸売業」につきましては、社会保障給付費の増大などの環境変化に伴い、薬価基準制度の改革や後発医薬品の普及拡大などが進められております。さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療を取り巻く環境が急速に変化しており、より迅速な対応が求められると予想されます。
そのような中で、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図り、卸機能を最大限に発揮するとともに、環境負荷の軽減に向けた取組みも行ってまいります。個口スキャン検品をはじめとするALCの高度な物流機能の活用により、顧客と当社グループ双方の生産性向上と新型コロナウイルス感染症対策の両立に努めるとともに、引き続き流通改善ガイドラインに沿った取組みを進めてまいります。さらに、販売情報提供活動ガイドラインや適正流通(GDP)ガイドラインの遵守を通じ、適正使用の推進並びに、高い品質管理に基づく流通の実現に取り組んでまいります。併せて、ARによる情報提供活動や製造販売後調査(PMS)の拡充、デジタルヘルスケア分野での新たな取組みなどを進め、収益基盤の強化に努めてまいります。
また、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、2019年11月に公正取引委員会による立入り検査を、2020年10月に東京地方検察庁による捜索及び公正取引委員会による立入り検査を受けました。
当社では、この事態を厳粛かつ真摯に受け止め、2021年1月に開催された取締役会において、業務全体を見直し、あらためてコンプライアンスの徹底を図るとともに、役員報酬の減額について決議を行いました。
当社グループでは、企業活動指針を制定し、経営トップ自らがグループコンプライアンス管掌として、遵法精神を全社員に浸透させることにより、社会から信頼される企業として、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、継続する労働人口減少による人手不足、未だ収束の見通しがつかない新型コロナウイルス感染症がもたらしたニューノーマルや経済への影響など、多様かつ複雑な課題への迅速な対応が、より重要性を増すと予想されます。
そのような中で、中間流通業として成長を左右するリテールソリューションやロジスティクスソリューションの機能を高めてまいります。これらの中間流通機能を最大限に発揮するためデジタル化を推進し、社内のみならずサプライチェーン全体の連携を強化し、多様かつ複雑な課題に対応することで、顧客である小売業様をはじめ、社会や環境を含む全てのステークホルダーとともに、持続的な成長をめざしてまいります。次期においても、新型コロナウイルス感染症の動向に注視しつつ、生活必需品の安定的な供給の継続及びサプライチェーン全体の最適化・効率化に注力してまいります。
「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」の動物用医薬品等につきましては、畜産向け市場において広域にわたる鳥インフルエンザなど、家畜伝染病の脅威が予断を許さない状況であります。また、コンパニオンアニマル向け市場では、犬猫の飼育頭数は減少しているものの、治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。食品加工原材料等につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少、少子高齢化により、食品市場規模の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
そのような中で、全国展開の強みを生かした営業を推進するとともに、今後の市場環境の変化を見据え、経営基盤
の強化と顧客サービスの充実に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」
経営方針
1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造
2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底
3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成
(2)経営戦略等
当社グループの各事業が取り扱う商品は、国民の安全・安心な暮らしに欠かすことのできないものであり、平時・有事を問わず、常に安定的な供給が求められております。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない状況にありますが、引き続き社会インフラとしての役割を果たしてまいります。
同時に、 | に沿った取組みを、各事 |
業において継続し、収益基盤の拡大と持続的な成長を実現してまいります。
<「2022メディパル中期ビジョン」の基本方針>『社会と顧客に貢献する新たな枠組みを構築し、
収益基盤の拡大と持続的な成長を実現します。』
(3)経営環境
少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
わが国では増大する医療・介護・福祉の社会保障費を抑制することが重要な課題となっております。その一環として、医療提供体制の見直しによる量から質への転換が求められており、予防医療やセルフメディケーションの推進、地域包括ケアシステムの構築など、さまざまな動きが起きてくるものと考えております。
医薬品業界においては、薬価基準制度の改革や後発医薬品の普及拡大などが進められています。これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度には中間年の改定が実施され、今後一段と厳しい事業環境になっていくことが予想されます。
製薬企業の開発はがんや希少疾病を対象とした医薬品、再生医療等製品にシフトしてきており、流通面においても厳格な温度管理を必要とするなど、高度な流通体制が求められております。一方、生活習慣病などのプライマリー分野では、後発医薬品の普及が進み、より一層効率的な流通が必要となってきております。
さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、医療業界においても、オンライン診療をはじめとしたデジタル技術の普及が加速しております。
これら著しい変化がある中で、本事業では、必要とされる商品を、適時適量に確実にお届けする仕組みを構築し、人々の安全・安心な医療を支える社会インフラとして、有事の際も止まらない盤石な流通の実現に努めているほか、SDGsの観点から、配送回数の見直し等を行い、二酸化炭素排出量の削減を図っております。加えて、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限に発揮するためのさまざまな取組みを行っております。
化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業
衛生面に対する意識の向上に伴う、マスクや手洗石鹸、消毒液など、衛生関連品の需要は増加したものの、レジャーに伴う外出など人出が抑制されるなかで、メイクアップや整髪料などの化粧品の需要が減少している状況にあります。また、外国人観光客の往来再開には依然として目途がたっておらず、外国人観光客に人気が高かったフェイスマスクなどの、いわゆるインバウンド商材の需要についても、大きく減少した状況が継続しております。
このような状況のなか、当社の連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、従業員の安全を守ることが事業継続の要であるとの考えに立ち、労働環境の整備や衛生管理の徹底に努め、当社の社会的役割である生活必需品の安定的な供給を継続いたしました。また、労働人口減少による中長期的な人手不足や感染症拡大に伴い、流通全体の生産性向上に対する社会的ニーズがさらに上昇するなか、サプライチェーン全体の最適化・効率化を目指した取組みを進めました。
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業
動物用医薬品等
畜産向け市場において広域にわたる鳥インフルエンザなど、家畜伝染病の脅威が予断を許さない状況であります。また、コンパニオンアニマル※向け市場では、犬猫の飼育頭数は減少しているものの、治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。
食品加工原材料等
食品加工原材料等につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少、少子高齢化により、食品市場規模の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
[用語解説]
※コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を 指しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
<主な連結経営目標(中期経営計画における目標または方針)>経常利益 720億円 (2022年3月期)
新規事業利益※ 100億円 (2022年3月期)
配当性向 30%を目安に安定配当
成長投資 3年間で1,000億円規模
※当社グループの持つ全国のインフラ及び人材を活用した新たな事業による売上総利益。関連商品の販売による利益を含んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「医療用医薬品等卸売業」につきましては、社会保障給付費の増大などの環境変化に伴い、薬価基準制度の改革や後発医薬品の普及拡大などが進められております。さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療を取り巻く環境が急速に変化しており、より迅速な対応が求められると予想されます。
そのような中で、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図り、卸機能を最大限に発揮するとともに、環境負荷の軽減に向けた取組みも行ってまいります。個口スキャン検品をはじめとするALCの高度な物流機能の活用により、顧客と当社グループ双方の生産性向上と新型コロナウイルス感染症対策の両立に努めるとともに、引き続き流通改善ガイドラインに沿った取組みを進めてまいります。さらに、販売情報提供活動ガイドラインや適正流通(GDP)ガイドラインの遵守を通じ、適正使用の推進並びに、高い品質管理に基づく流通の実現に取り組んでまいります。併せて、ARによる情報提供活動や製造販売後調査(PMS)の拡充、デジタルヘルスケア分野での新たな取組みなどを進め、収益基盤の強化に努めてまいります。
また、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、2019年11月に公正取引委員会による立入り検査を、2020年10月に東京地方検察庁による捜索及び公正取引委員会による立入り検査を受けました。
当社では、この事態を厳粛かつ真摯に受け止め、2021年1月に開催された取締役会において、業務全体を見直し、あらためてコンプライアンスの徹底を図るとともに、役員報酬の減額について決議を行いました。
当社グループでは、企業活動指針を制定し、経営トップ自らがグループコンプライアンス管掌として、遵法精神を全社員に浸透させることにより、社会から信頼される企業として、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、継続する労働人口減少による人手不足、未だ収束の見通しがつかない新型コロナウイルス感染症がもたらしたニューノーマルや経済への影響など、多様かつ複雑な課題への迅速な対応が、より重要性を増すと予想されます。
そのような中で、中間流通業として成長を左右するリテールソリューションやロジスティクスソリューションの機能を高めてまいります。これらの中間流通機能を最大限に発揮するためデジタル化を推進し、社内のみならずサプライチェーン全体の連携を強化し、多様かつ複雑な課題に対応することで、顧客である小売業様をはじめ、社会や環境を含む全てのステークホルダーとともに、持続的な成長をめざしてまいります。次期においても、新型コロナウイルス感染症の動向に注視しつつ、生活必需品の安定的な供給の継続及びサプライチェーン全体の最適化・効率化に注力してまいります。
「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」の動物用医薬品等につきましては、畜産向け市場において広域にわたる鳥インフルエンザなど、家畜伝染病の脅威が予断を許さない状況であります。また、コンパニオンアニマル向け市場では、犬猫の飼育頭数は減少しているものの、治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。食品加工原材料等につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少、少子高齢化により、食品市場規模の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
そのような中で、全国展開の強みを生かした営業を推進するとともに、今後の市場環境の変化を見据え、経営基盤
の強化と顧客サービスの充実に努めてまいります。