四半期報告書-第42期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
12.有利子負債
(1)有利子負債の内訳
有利子負債の内訳は、以下の通りです。
(注1)2021年12月31日に終了した9カ月間において、SVF1は、保有する上場株式を担保に30億米ドルの借入を行いました。当該短期借入金345,060百万円に対して、上場株式2,267,636百万円および拘束性預金56,935百万円を担保に供しています。担保に供している上場株式および拘束性預金は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上、それぞれ「FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資」および「その他の金融資産(流動)」に含まれています。当該借入契約には、担保である上場株式の時価の大幅な下落などの一定の事由を条件とした、現金担保差入条項および期限前返済条項が付されています。追加の現金担保を差し入れる条項または期限前返済となる条項が発動した際に、SVF1が追加担保を差し入れない、または短期借入金の返済を行わない場合には、債権者は担保株式の処分が可能となります。当該短期借入金はリミテッドリコース債務です。
(注2)SB Northstarは同社が保有するアリババ株式を担保に借入を行っていましたが、2021年12月31日に終了した9カ月間において、借入金の全額60億米ドルを期限前に返済し、アリババ株式の差入担保が解除されました。なお、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、1年内返済予定の長期借入金の帳簿価額は662,596百万円、「持分法で会計処理されている投資」に含まれる担保に供していたアリババ株式の連結上の帳簿価額は302,048百万円です。
(注3)主な内訳は、アリババ株式を利用した先渡売買契約による金融負債です。当該契約の詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」をご参照ください。
(注4)2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社が、保有するTモバイル株式および当社保有のアリババ株式を担保として借り入れていた借入金の全額43.8億米ドルを期日前返済したことにより、長期借入金が481,260百万円減少しました。
また同日、Tモバイル株式およびアリババ株式の差入担保が解除されました。担保に供していたTモバイル株式は、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、「投資有価証券」に1,474,356百万円計上されています。また、担保に供していたアリババ株式は、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、「持分法で会計処理されている投資」に42,381百万円計上されています。
2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、保有するTモバイル株式を担保に26.5億米ドルの借入を行いました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該長期借入金303,636百万円に対して、保有するTモバイル株式573,487百万円を担保に供しています。担保に供しているTモバイル株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。
また、本取引に関連して当社は保有するアリババ株式を担保に供しています。担保に供しているアリババ株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「持分法で会計処理されている投資」に22,871百万円計上されています。
2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、保有するドイツテレコム株式を利用したカラー取引により26.4億ユーロを調達しました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該長期借入金396,248百万円に対して、保有するドイツテレコム株式479,741百万円を担保に供しています。担保に供しているドイツテレコム株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。ドイツテレコム株式の取得に関する詳細は「注記26.追加情報(2021年12月31日に終了した9カ月間において実施したTモバイル株式の一部売却について)」をご参照ください。
なお、当該カラー契約は組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定されます。
(注5)2021年12月31日に終了した9カ月間において、SVF2は、主にSVF2の傘下子会社の出資持分を担保に36.9億米ドルの借入を行いました。当該借入契約には、SVF2が保有する投資の公正価値の大幅な下落などの一定の事由を条件とした、現金担保差入条項および期限前返済条項が付されています。追加の現金担保を差し入れる条項または期限前返済となる条項が発動した際に、SVF2が追加担保を差し入れない、または長期借入金の返済を行わない場合には、債権者は担保の処分が可能となります。当該長期借入金はリミテッドリコース債務です。
(注6)2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、Tモバイル株式を利用した先渡売買契約を締結し、18.1億米ドルを調達しました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該株式先渡契約金融負債236,196百万円に対して、保有するTモバイル株式239,253百万円を担保に供しています。担保に供しているTモバイル株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。
当該先渡売買契約は、その決済株数が決済日に先立つ評価日におけるTモバイル株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にキャップおよびフロアの設定があるカラー契約です。
なお、当該先渡売買契約は組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定されます。
(2)アリババ株式先渡売買契約取引
当社の複数の100%子会社は、金融機関との間で、それぞれが保有するアリババ株式を利用した先渡売買契約を締結し、資金調達を行っています。
当該先渡売買契約は、将来の市場株価の変動にかかわらず決済株数および決済株価が固定されている先渡契約、その決済株数が決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にフロアの設定のみがあるフロア契約と、決済株価にキャップおよびフロアの設定があるカラー契約があります。アリババ株式を利用し資金調達を行っている当社の複数の100%子会社(以下あわせて「アリババ株式を利用した資金調達会社」)の一部では、先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価上昇に備えて、コールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結しています。
上記の先渡売買契約は、全てフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品です。当社は当該契約を主契約と組込デリバティブに分離して会計処理を行っており、主契約については株式先渡契約金融負債を認識のうえ償却原価で測定し、組込デリバティブは公正価値により測定しています。また、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定しています。加えて、当該株式先渡売買契約およびそれに関連するコールスプレッド契約から生じるデリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債について、税効果を認識しています。当該先渡売買契約およびそれに関連するコールスプレッド契約から生じるデリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債の残高については、「注記14.金融商品(3)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類(注2)」をご参照ください。
アリババ株式を利用した資金調達会社は、当該全ての先渡売買契約を現金、アリババ株式、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプションを保有しています。アリババ株式を利用した資金調達会社が現金決済を選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該全ての先渡売買契約に基づき、アリババ株式を利用した資金調達会社は保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、一部の契約を除き、他の全ての先渡売買契約では当該アリババ株式についての使用権を与えています。この担保提供は、現金決済によりアリババ株式を利用した資金調達会社の裁量で解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。
(2021年3月31日に終了した1年間)
2021年3月31日に終了した1年間において、アリババ株式を利用した資金調達会社は先渡売買契約の一部について、現金決済オプションを行使して、2021年4月に期日前決済を行うことを取引先に通知しました。契約上、現金決済見込額を上回る現金を、決済予定日の前に拘束性預金として分別管理することが求められており、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、361,355百万円(33億米ドル)を「その他の金融資産(流動)」として計上しています。
2021年4月13日に、アリババ株式を利用した資金調達会社は当該拘束性預金から313,411百万円(29億米ドル)を支払い、当該先渡売買契約の決済が完了し、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上で計上していた、1年内決済予定の株式先渡契約金融負債285,780百万円および「デリバティブ金融負債(流動)」28,096百万円の認識を中止しました。これに伴い、同日、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上で「持分法で会計処理されている投資」に計上していたアリババ株式61,633百万円は差入担保から解除されました。
(2021年12月31日に終了した9カ月間)
アリババ株式を利用した資金調達会社は、2021年6月30日に終了した3カ月間においてカラー契約を締結し合計で329,852百万円(30億米ドル)、2021年9月30日に終了した3カ月間においてカラー契約および先渡契約を締結し合計で812,502百万円(74億米ドル)、2021年12月31日に終了した3カ月間において先渡契約を締結し合計で251,045百万円(22億米ドル)を調達しました。
また、2021年9月30日に終了した3カ月間において、先渡売買契約の一部について、決済株価のキャップおよびフロアの設定の見直しと契約期間の延長を行いました。当該契約変更は、IFRS第9号「金融商品」で規定する大幅に異なる条件による負債性金融商品の交換に該当するため、旧株式先渡契約金融負債の認識を中止し、新たな株式先渡契約金融負債を認識しました。当該契約変更の結果、旧契約の消滅時において、株式先渡契約金融負債776,580百万円、デリバティブ金融資産235,475百万円を取り崩しました。一方で、新契約の株式先渡契約金融負債514,172百万円、デリバティブ金融資産45,476百万円を新たに計上し、新旧契約の交換価値の差額となる72,616百万円の現金を支払いました。また、デリバティブ金融資産の増減に伴い、繰延税金負債62,674百万円の減少と、同額の法人所得税が利益方向に計上されました。
さらに、2021年12月31日に終了した3カ月間において、先渡売買契約の一部について決済期日が到来し、アリババ株式の受け渡しにより決済されました。その結果、要約四半期連結財政状態計算書上で計上していた1年内決済予定の株式先渡契約金融負債179,309百万円、「デリバティブ金融資産(流動)」78,312百万円、および「持分法で会計処理されている投資」に含まれるアリババ株式34,695百万円の認識を中止し、要約四半期連結損益計算書上で「持株会社投資事業からの投資損益」を68,050百万円計上しました。なお、当該現物決済後においても当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、アリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。
当社は、2021年12月31日現在、1年内決済予定の株式先渡契約金融負債2,497,944百万円および株式先渡契約金融負債1,536,631百万円(2021年3月31日は、それぞれ1,798,701百万円および1,287,038百万円)に対して、要約四半期連結財政状態計算書上、「持分法で会計処理されている投資」に含めて計上されているアリババ株式1,146,209百万円(2021年3月31日は583,897百万円)を担保に供しています。
(3)短期有利子負債の収支の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「短期有利子負債の収支」の内訳は、以下の通りです。
(4)有利子負債の収入の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「有利子負債の収入」の内訳は、以下の通りです。
(注1)2020年12月31日に終了した9カ月間において、ソフトバンク㈱が220,000百万円、Zホールディングス㈱が200,000百万円の無担保社債を発行しました。
(注2)2021年12月31日に終了した9カ月間において発行した主な社債は、以下の通りです。
上記のほか、ソフトバンク㈱が180,000百万円、Zホールディングス㈱が100,000百万円の無担保社債を発行しました。
(注3)アリババ株式およびTモバイル株式の先渡売買契約に基づき調達した金額です。詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」および「(1)有利子負債の内訳(注6)」をご参照ください。
(5)有利子負債の支出の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「有利子負債の支出」の内訳は、以下の通りです。
(注1)2020年12月31日に終了した9カ月間において償還した主な社債は、以下の通りです。
(注2)2020年7月22日に「4.5兆円プログラム」の一環として、額面金額の一部を償還しました。
(注3)2021年12月31日に終了した9カ月間において償還した主な社債は、以下の通りです。
(注4)主に、アリババ株式の先渡売買契約の期日前決済により支出した金額です。詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」をご参照ください。
(1)有利子負債の内訳
有利子負債の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円) | |||
2021年3月31日 | 2021年12月31日 | ||
流動 | |||
短期借入金(注1) | 2,637,401 | 2,190,346 | |
コマーシャル・ペーパー | 409,201 | 572,001 | |
1年内返済予定の長期借入金(注2) | 2,085,348 | 1,077,403 | |
1年内償還予定の社債 | 804,356 | 924,478 | |
1年内決済予定の株式先渡契約金融負債(注3) | 1,798,701 | 2,497,944 | |
1年内支払予定の割賦購入による未払金 | 232 | 173 | |
合計 | 7,735,239 | 7,262,345 | |
非流動 | |||
長期借入金(注4)(注5) | 4,745,058 | 5,819,293 | |
社債 | 4,745,184 | 5,808,994 | |
株式先渡契約金融負債(注3)(注6) | 1,287,038 | 1,772,827 | |
割賦購入による未払金 | 456 | 342 | |
合計 | 10,777,736 | 13,401,456 |
(注1)2021年12月31日に終了した9カ月間において、SVF1は、保有する上場株式を担保に30億米ドルの借入を行いました。当該短期借入金345,060百万円に対して、上場株式2,267,636百万円および拘束性預金56,935百万円を担保に供しています。担保に供している上場株式および拘束性預金は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上、それぞれ「FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資」および「その他の金融資産(流動)」に含まれています。当該借入契約には、担保である上場株式の時価の大幅な下落などの一定の事由を条件とした、現金担保差入条項および期限前返済条項が付されています。追加の現金担保を差し入れる条項または期限前返済となる条項が発動した際に、SVF1が追加担保を差し入れない、または短期借入金の返済を行わない場合には、債権者は担保株式の処分が可能となります。当該短期借入金はリミテッドリコース債務です。
(注2)SB Northstarは同社が保有するアリババ株式を担保に借入を行っていましたが、2021年12月31日に終了した9カ月間において、借入金の全額60億米ドルを期限前に返済し、アリババ株式の差入担保が解除されました。なお、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、1年内返済予定の長期借入金の帳簿価額は662,596百万円、「持分法で会計処理されている投資」に含まれる担保に供していたアリババ株式の連結上の帳簿価額は302,048百万円です。
(注3)主な内訳は、アリババ株式を利用した先渡売買契約による金融負債です。当該契約の詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」をご参照ください。
(注4)2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社が、保有するTモバイル株式および当社保有のアリババ株式を担保として借り入れていた借入金の全額43.8億米ドルを期日前返済したことにより、長期借入金が481,260百万円減少しました。
また同日、Tモバイル株式およびアリババ株式の差入担保が解除されました。担保に供していたTモバイル株式は、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、「投資有価証券」に1,474,356百万円計上されています。また、担保に供していたアリババ株式は、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、「持分法で会計処理されている投資」に42,381百万円計上されています。
2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、保有するTモバイル株式を担保に26.5億米ドルの借入を行いました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該長期借入金303,636百万円に対して、保有するTモバイル株式573,487百万円を担保に供しています。担保に供しているTモバイル株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。
また、本取引に関連して当社は保有するアリババ株式を担保に供しています。担保に供しているアリババ株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「持分法で会計処理されている投資」に22,871百万円計上されています。
2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、保有するドイツテレコム株式を利用したカラー取引により26.4億ユーロを調達しました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該長期借入金396,248百万円に対して、保有するドイツテレコム株式479,741百万円を担保に供しています。担保に供しているドイツテレコム株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。ドイツテレコム株式の取得に関する詳細は「注記26.追加情報(2021年12月31日に終了した9カ月間において実施したTモバイル株式の一部売却について)」をご参照ください。
なお、当該カラー契約は組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定されます。
(注5)2021年12月31日に終了した9カ月間において、SVF2は、主にSVF2の傘下子会社の出資持分を担保に36.9億米ドルの借入を行いました。当該借入契約には、SVF2が保有する投資の公正価値の大幅な下落などの一定の事由を条件とした、現金担保差入条項および期限前返済条項が付されています。追加の現金担保を差し入れる条項または期限前返済となる条項が発動した際に、SVF2が追加担保を差し入れない、または長期借入金の返済を行わない場合には、債権者は担保の処分が可能となります。当該長期借入金はリミテッドリコース債務です。
(注6)2021年12月31日に終了した9カ月間において、当社100%子会社は、Tモバイル株式を利用した先渡売買契約を締結し、18.1億米ドルを調達しました。2021年12月31日において、当社100%子会社は、当該株式先渡契約金融負債236,196百万円に対して、保有するTモバイル株式239,253百万円を担保に供しています。担保に供しているTモバイル株式は、2021年12月31日現在の要約四半期連結財政状態計算書上「投資有価証券」に含まれています。
当該先渡売買契約は、その決済株数が決済日に先立つ評価日におけるTモバイル株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にキャップおよびフロアの設定があるカラー契約です。
なお、当該先渡売買契約は組込デリバティブを含む混合金融商品であり、組込デリバティブは公正価値により測定されます。
(2)アリババ株式先渡売買契約取引
当社の複数の100%子会社は、金融機関との間で、それぞれが保有するアリババ株式を利用した先渡売買契約を締結し、資金調達を行っています。
当該先渡売買契約は、将来の市場株価の変動にかかわらず決済株数および決済株価が固定されている先渡契約、その決済株数が決済日に先立つ評価日におけるアリババ株式の市場価格に基づき決定され、決済株価にフロアの設定のみがあるフロア契約と、決済株価にキャップおよびフロアの設定があるカラー契約があります。アリババ株式を利用し資金調達を行っている当社の複数の100%子会社(以下あわせて「アリババ株式を利用した資金調達会社」)の一部では、先渡売買契約とともに、アリババ株式の将来の株価上昇に備えて、コールスプレッド(権利行使価格の異なる買建コールオプションと売建コールオプションの組み合わせ)契約を締結しています。
上記の先渡売買契約は、全てフォワード取引の組込デリバティブを含む混合金融商品です。当社は当該契約を主契約と組込デリバティブに分離して会計処理を行っており、主契約については株式先渡契約金融負債を認識のうえ償却原価で測定し、組込デリバティブは公正価値により測定しています。また、同様にコールスプレッドについても公正価値により測定しています。加えて、当該株式先渡売買契約およびそれに関連するコールスプレッド契約から生じるデリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債について、税効果を認識しています。当該先渡売買契約およびそれに関連するコールスプレッド契約から生じるデリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債の残高については、「注記14.金融商品(3)公正価値ヒエラルキーのレベル別分類(注2)」をご参照ください。
アリババ株式を利用した資金調達会社は、当該全ての先渡売買契約を現金、アリババ株式、または現金およびアリババ株式の組み合わせによって決済するオプションを保有しています。アリババ株式を利用した資金調達会社が現金決済を選択した場合は、決済株数のアリババ株式の公正価値と同額の現金が支払われます。
当該全ての先渡売買契約に基づき、アリババ株式を利用した資金調達会社は保有するアリババ株式を金融機関へ担保として提供しており、一部の契約を除き、他の全ての先渡売買契約では当該アリババ株式についての使用権を与えています。この担保提供は、現金決済によりアリババ株式を利用した資金調達会社の裁量で解除することが可能です。当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、これらの取引後においてもアリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。
(2021年3月31日に終了した1年間)
2021年3月31日に終了した1年間において、アリババ株式を利用した資金調達会社は先渡売買契約の一部について、現金決済オプションを行使して、2021年4月に期日前決済を行うことを取引先に通知しました。契約上、現金決済見込額を上回る現金を、決済予定日の前に拘束性預金として分別管理することが求められており、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上、361,355百万円(33億米ドル)を「その他の金融資産(流動)」として計上しています。
2021年4月13日に、アリババ株式を利用した資金調達会社は当該拘束性預金から313,411百万円(29億米ドル)を支払い、当該先渡売買契約の決済が完了し、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上で計上していた、1年内決済予定の株式先渡契約金融負債285,780百万円および「デリバティブ金融負債(流動)」28,096百万円の認識を中止しました。これに伴い、同日、2021年3月31日における要約四半期連結財政状態計算書上で「持分法で会計処理されている投資」に計上していたアリババ株式61,633百万円は差入担保から解除されました。
(2021年12月31日に終了した9カ月間)
アリババ株式を利用した資金調達会社は、2021年6月30日に終了した3カ月間においてカラー契約を締結し合計で329,852百万円(30億米ドル)、2021年9月30日に終了した3カ月間においてカラー契約および先渡契約を締結し合計で812,502百万円(74億米ドル)、2021年12月31日に終了した3カ月間において先渡契約を締結し合計で251,045百万円(22億米ドル)を調達しました。
また、2021年9月30日に終了した3カ月間において、先渡売買契約の一部について、決済株価のキャップおよびフロアの設定の見直しと契約期間の延長を行いました。当該契約変更は、IFRS第9号「金融商品」で規定する大幅に異なる条件による負債性金融商品の交換に該当するため、旧株式先渡契約金融負債の認識を中止し、新たな株式先渡契約金融負債を認識しました。当該契約変更の結果、旧契約の消滅時において、株式先渡契約金融負債776,580百万円、デリバティブ金融資産235,475百万円を取り崩しました。一方で、新契約の株式先渡契約金融負債514,172百万円、デリバティブ金融資産45,476百万円を新たに計上し、新旧契約の交換価値の差額となる72,616百万円の現金を支払いました。また、デリバティブ金融資産の増減に伴い、繰延税金負債62,674百万円の減少と、同額の法人所得税が利益方向に計上されました。
さらに、2021年12月31日に終了した3カ月間において、先渡売買契約の一部について決済期日が到来し、アリババ株式の受け渡しにより決済されました。その結果、要約四半期連結財政状態計算書上で計上していた1年内決済予定の株式先渡契約金融負債179,309百万円、「デリバティブ金融資産(流動)」78,312百万円、および「持分法で会計処理されている投資」に含まれるアリババ株式34,695百万円の認識を中止し、要約四半期連結損益計算書上で「持株会社投資事業からの投資損益」を68,050百万円計上しました。なお、当該現物決済後においても当社は議決権を通じてアリババに対する重要な影響力を引き続き保持していることから、アリババは継続して当社の持分法適用関連会社です。
当社は、2021年12月31日現在、1年内決済予定の株式先渡契約金融負債2,497,944百万円および株式先渡契約金融負債1,536,631百万円(2021年3月31日は、それぞれ1,798,701百万円および1,287,038百万円)に対して、要約四半期連結財政状態計算書上、「持分法で会計処理されている投資」に含めて計上されているアリババ株式1,146,209百万円(2021年3月31日は583,897百万円)を担保に供しています。
(3)短期有利子負債の収支の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「短期有利子負債の収支」の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円) | |||
2020年12月31日に 終了した9カ月間 | 2021年12月31日に 終了した9カ月間 | ||
短期借入金の純増減額(△は減少額) | 1,353,056 | △1,008,687 | |
コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少額) | 68,500 | 95,400 | |
合計 | 1,421,556 | △913,287 |
(4)有利子負債の収入の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「有利子負債の収入」の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円) | |||
2020年12月31日に 終了した9カ月間 | 2021年12月31日に 終了した9カ月間 | ||
借入による収入 | 3,009,894 | 5,859,639 | |
社債の発行による収入(注1)(注2) | 420,000 | 2,000,245 | |
株式先渡売買契約に基づく資金調達による収入(注3) | 1,660,952 | 1,593,251 | |
合計 | 5,090,846 | 9,453,135 |
(注1)2020年12月31日に終了した9カ月間において、ソフトバンク㈱が220,000百万円、Zホールディングス㈱が200,000百万円の無担保社債を発行しました。
(注2)2021年12月31日に終了した9カ月間において発行した主な社債は、以下の通りです。
会社名・銘柄 | 発行年月日 | 発行総額 | 利率 | 償還期限 | |||||
ソフトバンクグループ㈱ | |||||||||
2025年満期米ドル建普通社債 | 2021年7月6日 | 60,979 | 百万円 | 3.13% | 2025年1月6日 | ||||
2026年満期米ドル建普通社債 | 2021年7月6日 | 88,696 | 百万円 | 4.00% | 2026年7月6日 | ||||
2028年満期米ドル建普通社債 | 2021年7月6日 | 110,870 | 百万円 | 4.63% | 2028年7月6日 | ||||
2031年満期米ドル建普通社債 | 2021年7月6日 | 166,305 | 百万円 | 5.25% | 2031年7月6日 | ||||
2024年満期ユーロ建普通社債 | 2021年7月6日 | 98,618 | 百万円 | 2.13% | 2024年7月6日 | ||||
2027年満期ユーロ建普通社債 | 2021年7月6日 | 105,192 | 百万円 | 2.88% | 2027年1月6日 | ||||
2029年満期ユーロ建普通社債 | 2021年7月6日 | 105,192 | 百万円 | 3.38% | 2029年7月6日 | ||||
2032年満期ユーロ建普通社債 | 2021年7月6日 | 78,894 | 百万円 | 3.88% | 2032年7月6日 | ||||
第3回無担保社債(劣後特約付) | 2021年9月30日 | 450,000 | 百万円 | 2.40% | 2028年9月29日 | ||||
第4回無担保社債(劣後特約付) | 2021年9月16日 | 50,000 | 百万円 | 2.40% | 2028年9月15日 | ||||
第5回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) | 2021年6月21日 | 405,000 | 百万円 | 2.75% | 2056年6月21日 |
上記のほか、ソフトバンク㈱が180,000百万円、Zホールディングス㈱が100,000百万円の無担保社債を発行しました。
(注3)アリババ株式およびTモバイル株式の先渡売買契約に基づき調達した金額です。詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」および「(1)有利子負債の内訳(注6)」をご参照ください。
(5)有利子負債の支出の内訳
要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書上の「有利子負債の支出」の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円) | |||
2020年12月31日に 終了した9カ月間 | 2021年12月31日に 終了した9カ月間 | ||
借入金の返済による支出 | △3,689,332 | △5,219,906 | |
社債の償還による支出(注1)(注3) | △328,186 | △842,217 | |
株式先渡売買契約の決済による支出(注4) | - | △319,487 | |
合計 | △4,017,518 | △6,381,610 |
(注1)2020年12月31日に終了した9カ月間において償還した主な社債は、以下の通りです。
会社名・銘柄 | 発行年月日 | 償還額 | 利率 | 償還日 | |||||
ソフトバンクグループ㈱ | |||||||||
第44回無担保普通社債 | 2013年11月29日 | 50,000 | 百万円 | 1.69% | 2020年11月27日 | ||||
第47回無担保普通社債 | 2015年6月18日 | 100,000 | 百万円 | 1.36% | 2020年6月18日 | ||||
第48回無担保普通社債 (注2) | 2015年12月10日 | 33,010 | 百万円 | 2.13% | 2020年7月22日 | ||||
第49回無担保普通社債 (注2) | 2016年4月20日 | 501 | 百万円 | 1.94% | 2020年7月22日 | ||||
第51回無担保普通社債 (注2) | 2017年3月16日 | 47,436 | 百万円 | 2.03% | 2020年7月22日 | ||||
第52回無担保普通社債 (注2) | 2017年3月8日 | 2,703 | 百万円 | 2.03% | 2020年7月22日 | ||||
第1回無担保社債(劣後特約付)(注2) | 2014年12月19日 | 38,614 | 百万円 | 2.50% | 2020年7月22日 | ||||
第2回無担保社債(劣後特約付)(注2) | 2015年2月9日 | 45,922 | 百万円 | 2.50% | 2020年7月22日 |
(注2)2020年7月22日に「4.5兆円プログラム」の一環として、額面金額の一部を償還しました。
(注3)2021年12月31日に終了した9カ月間において償還した主な社債は、以下の通りです。
会社名・銘柄 | 発行年月日 | 償還額 | 利率 | 償還日 | |||||
ソフトバンクグループ㈱ | |||||||||
第1回無担保社債(劣後特約付) | 2014年12月19日 | 361,617 | 百万円 | 2.50% | 2021年12月17日 | ||||
第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) | 2016年9月16日 | 55,600 | 百万円 | 3.00% | 2021年9月16日 | ||||
第3回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付) | 2016年9月30日 | 400,000 | 百万円 | 3.00% | 2021年9月30日 |
(注4)主に、アリババ株式の先渡売買契約の期日前決済により支出した金額です。詳細は「(2)アリババ株式先渡売買契約取引」をご参照ください。