有価証券報告書-第66期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/28 9:46
【資料】
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【項目】
109項目
(1)業績等の概要
①業績
当期におけるわが国経済は、政府の推進する積極的な経済対策や日銀の継続的な金融緩和政策の下、雇用・所得環境は緩やかな回復基調が期待されたものの、2019年10月の消費増税による消費者マインドの落ち込みに加え、世界経済を巡っては、安全保障問題を包含する米中貿易摩擦や、英国のEU離脱問題、また中東における地政学リスクの高まりなどが危惧され、更には新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する社会的・経済的活動の抑制や、サプライチェーンの不安定化を背景に経済活動が世界的に停滞するなど、不確実な世界情勢に伴う国内外経済の下振れ懸念が大きく膨らみ、景気の先行きに対する不透明感が、急速に進行する極めて厳しい状況の下で推移いたしました。
当社の関連する住宅市場におきましては、低水準にある住宅ローン金利や省エネ住宅への補助金制度など、政府による各種住宅取得支援政策が下支えしたものの、新設住宅着工戸数は昨年度に続いて貸家が大きく減少するとともに、持家ならびに分譲住宅も前年割れに転じるなど低調な推移を示し、併せて慢性的な人工不足による工事の遅延や人件費の上昇、更には建築資材及び物流費の高騰が続くなど、本格的な市場の回復には未だ至らない水準で推移いたしました。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、住宅関連各社による一部資材の供給遅延や出荷停止、また建設現場では工事が中断されるなど、建設需要の不振が顕著に現れ、第4四半期以降は極めて厳しい経営環境が続きました。
このような状況ながらも、当社は今期を中間年度とする「第10次中期経営計画(第65期~第67期)」において掲げた「自己改革を追究する企業風土の承継と発展」とのスローガンに従い、創業以来、積み重ねてきた現状に安住することなく「将来の発展を支えうる経営基盤の確立と進化」を基本方針として、持続的発展を可能にする原動力となるべき人材を確保し、世代交代による組織の若返りを進めて、全社的な連携を強化しつつ、組織をあげて次世代を担う経営基盤づくりと更なる進化を図って参りました。
また、住宅産業における「企画開発型企業」として、当社の主力商品群に成長したソフトクローズ関連商品の拡充はもとより、あまた市場の要望に応えて、新技術ならびに新商品の開発に取り組み「内装金物(住まいの金物)の全般」に目を向けた幅広い商品開発と営業戦略の推進を心がけ、併せて販売費及び一般管理費の圧縮など、調整かつ管理可能な諸施策を講じて、経営環境の変動に左右されにくい社内体制と財務体質の構築を目指し、更には商品戦略、市場戦略、及び情報システム戦略に一層の前進を果たすべく、鋭意当面する各々の課題に取り組んで参りました。
商品戦略につきましては、日々嵩じるお客様のご要望にきめ細かく対応し、より現場主義に徹した、柔軟で機動力のある商品開発を具現化すべく「営業設計グループ」を主軸に据え、先鋭的な次世代商品として自閉機能を付与した「半自動引戸ユニット」の商品化を実現して、高齢者向け市場の深耕を図るとともに、ソフトクローズ機構部単体のユニット化に成功し、様々な引戸の納まりに展開が可能な、汎用性の高い「マルチソフトクローザー」の第一弾となる「AFDシステム・戸袋納まり」を開発するなど、ソフトクローズの機能性と利便性の向上を実現しつつ、当社独自の機能を持った商品群の拡充と、市場への浸透に注力いたしました。
一方、市場戦略につきましては、営業本部直轄の「販売促進グループ」において、当社商品の認知度向上と販路開拓を含む、積極的な営業支援活動を展開して参りました。なお、アトムCSタワーにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を鑑み、2020年4月の「春の新作発表会」の開催を中止といたしましたが、収束後には各種の提案会等を速やかに開催できるよう、同2階の「空間提案」として位置付ける「LIVIN’ZONE」を住空間の有効活用をテーマとして一新したほか、同館4階には保育施設や介護施設などの室内をイメージした「非住宅部門」を対象とする多数の当社商品を組み入れたモデルルームを設置し、これら商品群の効用を実体験していただく場とするとともに、同館5階の展示スペースもまた拡張して豊富な品揃えとするなど、引き続き金物のみならず広くインテリアに関わる商品を用意してコロナ禍の収束後に備えて参りました。
また、当社の情報発信基地としての性格を持つ同館では「KANAGUつなぐ 地域」伝統工芸支援プロジェクトのオンライン化の推進に努め、金物知識の普及を図る勉強会に代えて、オンライン上での問い合わせなどには積極的に対応しつつ、同所開設の本旨に則り、柔軟な事業展開を重ねて参りました。
なお広島市内に新設した物流拠点「広島営業所・C/Dセンター」につきましては、西日本市場の強化と深刻化する運送コストや、自然災害によるリスク分散等を目的として2019年10月より稼働しており、引き続き供給体制の充実を図りつつ、顧客満足とサービスの維持・向上に取り組んでおります。
更に情報システム戦略につきましては、当社の経営管理体制を支える「統合型業務ソフトウェア」の継続的なバージョンアップを実施し、営業・業務・現業の各部門とも、あまねく同システムを最大限に活用しつつ利便性の向上に努め、常に業務効率ならびに経営効率の一層の向上を図っております。
加えて、当社の「ものづくり」を広く紹介するため、ホームページ内の「atom動画ぎゃらりー」におきましては、新たに「マルチソフトクローザー AFDシステム 戸袋納まり」の施工動画を追加配信するなど、当社の主力商品について単なる商品紹介に留まることなく、職人不足が顕著な建築現場においても、施工方法や手順、金物の調整方法などを明解に確認できる利便性を高めた動画コンテンツの拡充に努めました。
このような経営全般にわたる諸施策を期中における内外況の変化に即応して推進して参りました結果、当期の売上高は10,394百万円(前期比1.8%減)、営業利益は680百万円(前期比2.4%増)、経常利益は706百万円(前期比2.8%増)、当期純利益は482百万円(前期比11.1%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ202百万円減少し、当事業年度末では4,455百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は626百万円(前年同期は927百万円の増加)となりました。
主な資金増加要因は、税引前当期純利益705百万円、減価償却費195百万円、売上債権の減少額260百万円等によるものです。また主な資金減少要因は、仕入債務の減少額204百万円、法人税等の支払額231百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は689百万円(前年同期は490百万円の減少)となりました。
主な資金増加要因は、投資有価証券の償還による収入200百万円等によるものです。また主な資金減少要因は、商品開発の金型及び広島営業所・C/Dセンターを開設するための設備投資など有形固定資産の取得による支出249百万円、投資有価証券の取得による支出603百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は139百万円(前年同期は129百万円の減少)となりました。
これは配当金の支払額139百万円によるものです。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当事業年度の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和元年7月1日
至 令和2年6月30日)
前期比(%)
折戸・引戸金物(千円)5,372,387△1.0
開戸金物(千円)615,633△8.9
引出・収納金物(千円)695,287△0.0
取手・引手(千円)356,4171.2
附帯金物(千円)471,592△5.9
合計(千円)7,511,318△1.8

(注)1.当社は、単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和元年7月1日
至 令和2年6月30日)
前期比(%)
折戸・引戸金物(千円)7,768,792△1.0
開戸金物(千円)761,569△6.0
引出・収納金物(千円)815,890△2.9
取手・引手(千円)421,905△2.8
附帯金物(千円)625,843△4.5
合計(千円)10,394,001△1.8

(注)1.当社は、単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成30年7月1日
至 令和元年6月30日)
当事業年度
(自 令和元年7月1日
至 令和2年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社ウッドワン1,089,59610.31,069,56010.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当事業年度末の資産総額は、12,021百万円となり、前事業年度末に比べ50百万円の増加となりました。主な内容は、現金及び預金が202百万円、売掛金が171百万円それぞれ減少しましたが、投資有価証券が389百万円、有形固定資産が51百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、2,779百万円となり、前事業年度末に比べ281百万円の減少となりました。主な内容は、電子記録債務が118百万円、買掛金が137百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
純資産につきましては、9,242百万円となり、前事業年度末に比べ331百万円の増加となりました。主な内容は、配当金支払で139百万円減少しましたが、当期純利益で482百万円増加したこと等によるものです。
b.経営成績の分析
当社の関連する住宅市場におきましては、新設住宅着工戸数は昨年度に続いて貸家が大きく減少するとともに、持家ならびに分譲住宅も前年割れに転じるなど低調な推移を示し、本格的な市場の回復には未だ至らない水準で推移いたしました。
こうした市場環境のもと、当社におきましては、住宅産業における「企画開発型企業」として、当社の主力商品群に成長したソフトクローズ関連商品の拡充はもとより、「内装金物(住まいの金物)の全般」に目を向けた幅広い商品開発と営業戦略の推進を心がけて参りました結果、売上高は10,394百万円(前年同期に比べ195百万円の減少)となりました。
利益面につきましては、ソフトクローズの機能性と利便性の向上を実現しつつ、当社独自の機能を持った商品群の拡充と、市場への浸透に注力して参りました結果、売上総利益率が向上し、着実に利益を確保することができたことに加え、販売費及び一般管理費の圧縮により、営業利益は680百万円(前年同期に比べ16百万円の増加)、経常利益は706百万円(前年同期に比べ19百万円の増加)、当期純利益は482百万円(前年同期に比べ48百万円の増加)となりました。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、売上高と営業利益・経常利益を当社の成長を示す経営指標として位置付けています。また、財務基盤強化の観点から自己資本比率を重視しています。各指標は、次のとおりです。
指標令和元年6月期令和2年6月期増減
売上高10,589,833千円10,394,001千円△195,832千円減
営業利益664,663千円680,890千円16,227千円増
経常利益687,135千円706,141千円19,006千円増
自己資本比率74.4%76.9%2.5ポイント増

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、住宅用内装金物事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に設備投資であります。
運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金で賄っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

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