有価証券報告書-第70期(2023/07/01-2024/06/30)

【提出】
2024/09/26 11:31
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【項目】
112項目
(1)業績等の概要
①業績
当期におけるわが国経済は、政府による積極的な経済対策や日銀の緩和的な金融環境の維持を背景に、社会的・経済的活動の正常化に向けた動きが加速したことに加え、インバウンド需要が復調したことなどによって、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、物価上昇による実質購買力の抑制が消費の重しとなるほか、少子高齢化社会の進展による人手不足の深刻化が懸念される状況が継続、さらには国際社会の分断の深まりによる地政学リスクの不確実性、欧米金利の高止まりや円安環境、また本邦のマイナス金利の解除など、経済環境の変化が如実に表れ、不確実な世界情勢に伴う国内外経済の下振れリスクが残存し、景気の先行きに対する不透明感は、依然として払拭できない厳しい状況の下で推移いたしました。
当社の関連する住宅市場におきましては、低水準にある住宅ローン金利や住宅ローン減税の導入、省エネ住宅への補助金制度など、政府による各種住宅取得支援政策が下支えしたものの、建設資材の原材料コストや製造・輸送に係るエネルギーコストの高止まりが住宅取得マインドの重しとなり、新設住宅着工戸数の利用関係別においては、持家と分譲住宅を中心に低迷する状況が続きました。また建設業界における慢性的な人工不足に加え、物流の2024年問題の影響が懸念されるなど、住宅業界を取り巻く環境は依然として厳しく、本格的な市場の回復には未だ至らない水準で推移いたしました。
このような状況の下、今期を最終年度とする「第11次中期経営計画(第68期~第70期)」において掲げた「伝統を活かし、変革に挑む」とのスローガンに従い、連綿と受け継いできた当社独自の事業スタイルの優位性を活かしながら、社員一人ひとりが自覚と責任を持って積極的に行動できる環境の整備と発想豊かな人材の育成に努めて、全社的な連携を強化しつつ、組織をあげて次世代を担う基盤づくりとさらなる進化を図って参りました。
また、住宅産業における企画開発型企業として、当社の主力商品群に成長したソフトクローズ関連商品の拡充はもとより、あまた市場の要望に応えて新技術ならびに新商品の開発に取り組み「内装金物(住まいの金物)の全般」に目を向けた裾野の広い商品開発と営業戦略の推進を心がけ、併せて販売費及び一般管理費の圧縮など調整かつ管理可能な諸施策を講じて、経営環境の変動に左右されにくい社内体制と財務体質の構築を目指し、さらには商品戦略、市場戦略、及び情報システム戦略に一層の前進を果たすべく、鋭意、当面する各々の課題に取り組んで参りました。
商品戦略につきましては、日々嵩じるお客様のご要望に即応し、より現場主義に徹した柔軟で機動力のある商品開発を目指して、「営業設計グループ」を主軸に据え、当社独自の機能を内包するソフトクローズ関連商品において、重量用引戸に対応可能な「FC-8100-K重量用ソフトクローズ」をラインアップに追加したほか、「FC-101半自動引戸クローザーユニット」では一時停止後に自動で閉まるディレイクローズ機能を新たに設定、またユニットを扉の上部に取り付けて2枚以上の扉をシンクロさせる「SU-202連動引戸金具」を追加販売いたしました。さらには、アトムCSタワー(東京・新橋ショールーム)にホテルの客室をイメージした空間を新設し、当社商品の使用例や家具商材・その他商品の提案を行うなど、市場ニーズに対応した関連商品の拡充と市場への定着を目指した活動に注力しつつ、機能性と利便性の向上を実現して参りました。
一方、市場戦略につきましては、金物卸売業界の流通ルートの整備に取り組むとともに、2024年4月にはベトナム・ホーチミン市で開催されたベトナム最大級の建築系展示会「VIETBUILD2024」に3回目の出展をし、現地の市場調査とともに当社商品の認知度向上に努め、続いて、同月には「2024春の新作発表会・東京展」をアトムCSタワーで開催し、新商品を中心に幅広く商品を紹介する機会を設けるなど、対面形式でのセールスプロモーション活動を展開して参りました。また、当社の情報発信基地としての性格を持つアトムCSタワーでは、金物のみならず広くインテリアに関わる商品を常設展示しつつ、お客様との商談機会の創出に取り組み、さらに同館では「KANAGUつなぐ 地域」伝統工芸支援プロジェクトを推進し、日本各地の伝統工芸や職人と協業して金物との融合を模索するなど、同所開設の本旨に則り、積極的に新分野・異分野の開拓を図っております。
なお、西日本市場の強化と深刻化する運送コストや、自然災害によるリスク分散など、BCP対策を踏まえた物流拠点の複数化を目的に運用を開始している「広島営業所・C/Dセンター」につきましては、管理運用する商品を徐々に増やしつつ、商品供給面における顧客満足・サービスの維持向上に努めて、所期の目的を果たして参る所存であります。
さらに情報システム戦略につきましては、当社の経営管理体制を支える「統合型業務ソフトウェア」の継続的なバージョンアップを実施して、営業・業務・現業の各部門とも、あまねく同システムを最大限に活用しつつ利便性の向上に努め、常に業務効率ならびに経営効率の一層の向上を図っております。
加えて、当社の「ものづくり」を広く紹介する目的として、ホームページ内の「atom動画ぎゃらりー」におきましては、機能商品を中心とした商品紹介や設計・施工ガイドなどを動画で配信し、当社の主力商品について単なる商品紹介に留まることなく、職人不足が顕著な建築現場においても施工方法や手順、金物の調整方法等を明解に確認できる利便性を高めた動画コンテンツの整備を進めて参りました。また同ホームページ内では、アトムCSタワー内の展示商品の写真や一部商品では動画の閲覧が可能な「ショールームビュー」の充実を図り、さらにマンション物件での採用率が高まっているSW移動間仕切システム「SW-900」におけるパーツ選定ツールを新たに公開するなど、SNSを積極的に活用した販売支援ツールの拡充に努めて参りました。また、当社全額出資の子会社「ATOM LIVIN TECH VIETNAM COMPANY LIMITED(ホーチミン市)」では海外向けのホームページを新設し、令和6年1月より運用を開始しております。
このような経営全般にわたる諸施策を期中における内外況の変化に即応して推進して参りました結果、当期の売上高は10,162百万円(前期比2.4%減)、営業利益は333百万円(前期比10.9%減)、経常利益は371百万円(前期比10.4%減)、当期純利益は254百万円(前期比26.6%減)となりました。
②キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ110百万円増加し、当事業年度末では5,114百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は540百万円(前年同期は260百万円の増加)となりました。
これは主に、税引前当期純利益371百万円、減価償却費184百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は289百万円(前年同期は215百万円の減少)となりました。
主な資金増加要因は、投資有価証券の償還による収入300百万円等によるものです。また主な資金減少要因は、商品開発の金型及び機械装置など有形固定資産の取得による支出140百万円、情報システムの更新など無形固定資産の取得による支出43百万円、投資有価証券の取得による支出402百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は139百万円(前年同期は131百万円の減少)となりました。
これは配当金の支払額139百万円等によるものです。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当事業年度の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和5年7月1日
至 令和6年6月30日)
前期比(%)
折戸・引戸金物(千円)5,443,690△0.9
開戸金物(千円)621,2371.5
引出・収納金物(千円)764,005△5.1
取手・引手(千円)381,2922.4
附帯金物(千円)420,089△4.7
合計(千円)7,630,315△1.2

(注) 当社は、単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
b.販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和5年7月1日
至 令和6年6月30日)
前期比(%)
折戸・引戸金物(千円)7,437,852△1.8
開戸金物(千円)791,3541.2
引出・収納金物(千円)879,617△7.9
取手・引手(千円)455,362△3.8
附帯金物(千円)598,291△4.7
合計(千円)10,162,479△2.4

(注)1.当社は、単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が10%以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当事業年度末の資産総額は、13,187百万円となり、前事業年度末に比べ307百万円の増加となりました。主な内容は、有価証券(譲渡性預金)が400百万円減少しましたが、現金及び預金が510百万円、有形固定資産が50百万円、無形固定資産が72百万円、投資有価証券が90百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債につきましては、3,037百万円となり、前事業年度末に比べ203百万円の増加となりました。主な内容は、電子記録債務が66百万円、未払金が56百万円、未払法人税等が102百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、10,150百万円となり、前事業年度末に比べ103百万円の増加となりました。主な内容は、配当金支払で139百万円減少しましたが、当期純利益で254百万円増加したこと等によるものです。
b.経営成績の分析
当社の関連する住宅市場におきましては、低水準にある住宅ローン金利や、政府による各種住宅取得支援政策が下支えしたものの、建設資材の原材料コストや製造・輸送に係るエネルギーコストの高止まりが住宅取得マインドの重しとなり、新設住宅着工戸数の利用関係別においては、持家と分譲住宅を中心に低迷する状況が続きました。また物流の2024年問題の影響が懸念されるなど、住宅業界を取り巻く環境は依然として厳しく、本格的な市場の回復には未だ至らない水準で推移いたしました。
こうした市場環境のもと、当社におきましては、住宅産業における企画開発型企業として、当社の主力商品群に成長したソフトクローズ関連商品の拡充はもとより、「内装金物(住まいの金物)の全般」に目を向けた裾野の広い商品開発と営業戦略の推進を心がけて参りました結果、売上高は10,162百万円(前年同期に比べ253百万円の減少)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費の圧縮など調整かつ管理可能な諸施策を講じたものの、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しきれていないことによる売上総利益の減少により、営業利益は333百万円(前年同期に比べ40百万円の減少)、経常利益は371百万円(前年同期に比べ43百万円の減少)、当期純利益は254百万円(前年同期に比べ92百万円の減少)となりました。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、売上高と営業利益・経常利益を当社の成長を示す経営指標として位置付けています。また、財務基盤強化の観点から自己資本比率を重視しています。各指標は、次のとおりです。
指標令和5年6月期令和6年6月期増減
売上高10,415,647千円10,162,479千円△253,168千円減
営業利益374,278千円333,501千円△40,776千円減
経常利益415,278千円371,930千円△43,348千円減
自己資本比率78.0%77.0%△1.0ポイント減

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、住宅用内装金物事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に設備投資であります。
運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金で賄っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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