有価証券報告書-第16期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/20 16:10
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97項目

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社における重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 3 重要な会計方針」をご参照下さい。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度(以下、当期という)は、中国経済の減速と米中貿易摩擦などによって、これまで堅調な消費により支えられてきた世界経済が、減速の兆しを見せ始めました。 米国は、米中貿易摩擦のもたらす影響の不透明感や、上下院のねじれ構造を背景とした債務問題などから、一時株価が軟調に推移したこともありましたが、緩和を含めた柔軟な金融政策への方針転換、税制改革などに起因する底堅い個人投資や設備投資、及び、概ね安定した企業業績を背景に、経済は堅調に推移しました。一方で、米中貿易摩擦、イラン制裁強化などの米国の対外政策が、世界経済やコモディティ価格に影響を与える結果となりました。 欧州は、米国の中国やEUに対する貿易摩擦、中国経済の減速を主因とした輸出の伸び悩みによりドイツを中心として経済成長が鈍化しました。米国、ドイツ間の貿易交渉の影響や、英国の合意なきEU離脱に対する懸念など、不透明感が増しています。 中国は、インフラ投資や減税などの景気対策が打ち出されていますが、更なる経済の減速が懸念されます。米国との貿易摩擦の悪化・中長期の影響については、注視する必要があります。 アジアは、米国の利上げ観測の後退から各国通貨が買い戻されたことに加え、中国経済の減速の影響を受けるものの比較的堅調な内需により経済は底堅く推移しました。 日本は、中国経済の減速や米中貿易摩擦の影響を受けましたが、個人消費や設備投資が底堅く推移し、概ね安定的な経済成長となりました。
当期の経営成績を分析しますと、次のとおりであります。
収益は、石炭などの資源価格の上昇や取扱数量増加による金属・資源での増収や、国内外自動車ディーラー事業などの新規取得による自動車での増収などにより、1兆8,561億90百万円と前期比2.19%の増収となりました。
売上総利益は、収益の増加などにより、前期比85億76百万円増加の2,409億56百万円となりました。
税引前利益は、売上総利益の増益に加え、LNG事業会社の増益などによる持分法による投資損益の増益などにより、前期比145億39百万円増加の948億82百万円となりました。
当期純利益は、税引前利益948億82百万円から、法人所得税費用196億62百万円を控除した結果、前期比135億25百万円増加の752億19百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下、当期純利益という)は前期比135億77百万円増加し、704億19百万円となりました。
在外営業活動体の換算差額やその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の減少がありましたが、当期純利益の増益などにより、当期包括利益は前期比36億22百万円増加し、549億48百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比35億8百万円増加し、509億38百万円となりました。
次に、これをセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。
なお、2018年4月1日付にて「航空産業・情報」、「環境・産業インフラ」、「エネルギー」を再編し、「航空産業・交通プロジェクト」、「機械・医療インフラ」、「エネルギー・社会インフラ」へ変更しております。また、「石炭・金属」の名称を「金属・資源」へ変更しております。
<自動車>収益は、国内外自動車ディーラー事業などの新規取得などにより、2,424億99百万円と前期比28.9%の増収となりました。当期純利益は、自動車関連会社の売却によるその他の収益・費用の増益などがありましたが、持分法による投資損益の減益などにより、前期比1億6百万円減少し、64億9百万円となりました。
ロシア卸売事業での通貨安の影響などがあったものの、新興国を中心とした自動車需要の増加に加え、国内外自動車ディーラー事業や北米部品品質検査事業などの取り組みが着実に収益に貢献したことなどより、計画を上回りました。また、新規自動車組立・卸売事業、Fintechサービス事業の推進など、将来の成長に向けた機能強化の取り組みを実行しました。
<航空産業・交通プロジェクト>収益は、前期における新造船引渡しの影響などにより、278億11百万円と前期比19.0%の減収となりました。当期純利益は、航空機機体売却によるその他の収益・費用の増益などにより、前期比6億84百万円増加し、39億62百万円となりました。
当社が強みを持つ航空機関連ビジネスが堅調に推移したことに加え、インド貨物鉄道敷設案件の着実な進捗などにより、概ね計画通りに推移しました。当期は、ビジネスジェット事業の拡大、下地島空港(沖縄県宮古島市)運営事業への参入など、航空産業分野での事業領域の拡大、国内外での空港関連ビジネスの追求により、新たな収益基盤の構築に向けた施策を実行しました。
<機械・医療インフラ>収益は、産業機械取引の減少などにより、1,070億10百万円と前期比8.0%の減収となりました。当期純利益は、前期におけるインフラ関連の収益貢献の影響などにより、前期比29億8百万円減少し、27億63百万円となりました。
産業機械、医療インフラ事業といった主要事業が堅調に推移し、全体としては計画通りに推移しました。トルコ・イスタンブールでのPPP(官民連携)型病院運営事業の建設は順調に進捗し、医療関連ビジネスの拡大に向けた取り組みを着実に進めると共に、タイのエンジニアリング会社に出資するなど、新たなビジネスモデルの確立に向けた施策を実行しました。
<エネルギー・社会インフラ>収益は、石油製品取引の減少などにより、747億91百万円と前期比35.6%の減収となりました。当期純利益は、海外太陽光発電事業会社の売却によるその他の収益・費用の増益や、LNG事業会社の増益などによる持分法による投資損益の増益などにより、前期比116億8百万円改善し、57億86百万円となりました。
当期は国内外太陽光発電事業の新規運転開始及び安定的な稼働、資源価格の好調な推移などにより、計画を上回りました。米国で2件目となるガス火力発電事業やインドネシアにおけるGas-to-Powerプロジェクトの着工など、エネルギー供給や発電事業などのサービス提供の拡大を推進しました。国内・海外におけるクリーンなエネルギーのバリューチェーン展開により、市況の影響を受けにくい収益基盤の確立を進めてまいります。
<金属・資源>収益は、石炭などの資源価格の上昇や取扱数量増加などにより、3,831億70百万円と前期比18.2%の増収となりました。当期純利益は、売上総利益の増益に加え、持分法による投資損益の増益などにより、前期比85億81百万円増加し、304億63百万円となりました。
石炭をはじめとした資源価格の上昇と取扱数量の増加などにより、期初計画を大幅に上回りました。当期は、豪州原料炭炭鉱の権益取得やインドネシア一般炭炭鉱一部売却に向けた合意など、上流権益の資産入れ替えによる資産ポートフォリオの最適化に加え、次世代EV電池材料の共同開発契約の締結など、社会要請・変化に対応した新規事業開発を推進し、安定収益基盤の構築に向けた取り組みを実行しました。
<化学>収益は、低採算取引からの撤退などにより、5,051億1百万円と前期比2.0%の減収となりました。当期純利益は、メタノール価格の上昇などによる売上総利益の増益などにより、前期比2億82百万円増加し、89億84百万円となりました。
主要事業であるメタノール事業は市況価格の上昇などにより好調な推移となりましたが、合成樹脂事業などにおける米中貿易摩擦による景気減速などの影響により、計画を下回りました。当期は、低採算事業からの撤退や、グローバルトレードの拡大を行うなどの事業基盤を強化する取り組みを推進しました。
<食料・アグリビジネス>収益は、飼料原料取引の減少などにより、1,282億93百万円と前期比10.5%の減収となりました。当期純利益は、海外肥料事業での減益などにより、前期比17億49百万円減少し、22億80百万円となりました。
海外肥料事業における原料コストの上昇や販売数量の減少などにより計画を下回る推移となりました。当期は、優良な事業資産の拡充に向け、中国でのマグロ加工事業の買い増しやフィリピン肥料事業での大型改修への着手、ベトナムの食料・アグリビジネス大手への出資及び戦略的業務提携を締結するなどの取り組みを実行しました。
<リテール・生活産業>収益は、ベトナムの大手製紙会社の新規取得や牛肉取引の増加などにより、3,173億73百万円と前期比8.5%の増収となりました。当期純利益は、前期比85百万円増加し、57億24百万円となりました。
消費財流通事業などの主要事業が堅調に推移し、食肉取引が増加するなど、概ね計画通りの結果となりました。当期は、ベトナムの大手製紙会社を買収するなど、将来的な需要拡大が見込まれるアセアンにおいて、リテール事業のさらなる拡大と多様化に向けた取り組みを実行しました。
<産業基盤・都市開発>収益は、不動産取引の減少などにより、332億67百万円と前期比27.5%の減収となりました。当期純利益は、前期比10億52百万円減少し、10億87百万円となりました。
海外工業団地事業での販売は順調に推移しましたが、国内不動産事業での販売減などにより計画を下回る推移となりました。当期は、国内ではリート事業や建物管理事業、保育所運営事業による収益力強化、海外ではベトナムで新たに工業団地の販売代理を開始した事に加え、スマートシティ化を含めた複合都市インフラ開発を推進すると共に、地方自治体等との相互協力による地元企業の海外進出支援を積極的に進めました。
(3) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について
① 財政状態
当期末の資産合計は、航空機関連の回収に伴うその他の流動資産の減少などにより、前期末比532億92百万円減少の2兆2,970億59百万円となりました。
負債合計は、営業債務及びその他の債務(流動)が煙草関連で減少したことなどにより、前期末比897億76百万円減少の1兆6,354億51百万円となりました。
資本のうち当社株主に帰属する持分合計は、為替や株価の変動によるその他の資本の構成要素の減少がありましたが、当期純利益の積み上がりにより、前期末比318億31百万円増加の6,182億95百万円となりました。
この結果、自己資本比率(※)は26.9%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比187億39百万円減少の5,847億11百万円となり、ネット有利子負債倍率(※)は0.95倍となりました。
※ 自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。
次に、これをセグメント別に分析しますと、以下のとおりであります。
<自動車>当期末のセグメント資産は、関連会社の売却などによる持分法で会計処理されている投資の減少などにより、前期末比144億45百万円減少の1,677億77百万円となりました。
<航空産業・交通プロジェクト>当期末のセグメント資産は、航空機関連の回収に伴うその他の流動資産の減少などにより、前期末比349億27百万円減少の1,301億81百万円となりました。
<機械・医療インフラ>当期末のセグメント資産は、産業機械取引における一時的な棚卸資産およびその他の流動資産の増加などにより、前期末比45億27百万円増加の1,214億96百万円となりました。
<エネルギー・社会インフラ>当期末のセグメント資産は、関連会社の取得による持分法で会計処理されている投資の増加などにより、前期末比56億74百万円増加の2,844億73百万円となりました。
<金属・資源>当期末のセグメント資産は、取扱数量増加による営業債権及びその他の債権の増加や、持分法で会計処理されている投資の増加などにより、前期末比526億45百万円増加の4,645億65百万円となりました。
<化学>当期末のセグメント資産は、海外地域における化学品、合成樹脂取引の減少による営業債権及びその他の債権の減少などにより、前期末比63億1百万円減少の2,985億74百万円となりました。
<食料・アグリビジネス>当期末のセグメント資産は、飼料原料取引の減少による営業債権及びその他の債権の減少などにより、前期末比53億61百万円減少の1,251億16百万円となりました。
<リテール・生活産業>当期末のセグメント資産は、煙草関連取引の減少による棚卸資産の減少などにより、前期末比280億85百万円減少の3,957億38百万円となりました。
<産業基盤・都市開発>当期末のセグメント資産は、前期末比35百万円増加の725億43百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは964億76百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは422億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは749億7百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は2,856億87百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動による資金は、営業収入及び配当収入などにより964億76百万円の収入となりました。前期比では23億36百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動による資金は、投資の売却などによる収入がありましたが、米国ガス火力発電事業への投資及び豪州原料炭炭鉱権益の取得などによる支出により422億円の支出となりました。前期比では442億7百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動による資金は、借入金の返済による支出などにより749億7百万円の支出となりました。前期比では618億55百万円の支出増加となりました。
③ 資金の流動性と資金調達について
当社グループは、当期を初年度とする「中期経営計画2020」におきまして、従来と同様に、資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし長期調達比率の維持、また経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努めており、当期末の流動比率は157.1%、長期調達比率は82.9%となりました。
長期資金調達手段のひとつである普通社債につきましては、当期は発行しておりませんが、引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討してまいります。
また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び19億米ドル(3.1億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
(目標とする経営指標の達成状況等)
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 今後の見通し及び対処すべき課題」をご参照下さい。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
日本基準により作成した場合の連結財務諸表との差異
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した場合の連結財務諸表との差異の主な内容及び概算額は、以下のとおりであります。
(収益の表示方法)
日本基準では、当社グループが当事者として行った取引額及び当社グループが代理人として関与した取引額を総額で売上高として表示しますが、IFRSでは、代理人として関与したと判定される取引については純額で収益を表示します。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当期の商品の販売に係る収益及び原価がそれぞれ約2兆2,626億円減少しております。
(のれんの償却に関する事項)
のれんについて、日本基準では一定の期間で償却しますが、IFRSでは償却を行いません。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当期の販売費及び一般管理費が約57億円減少しております。
(販売、仕入及び成約の状況)
① 販売の状況
「(2) 当連結会計年度の経営成績の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 5 セグメント情報」をご参照下さい。
② 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
※将来情報に関するご注意
上記の文中における将来に関する事項は、現在入手可能な情報から当社が当期末現在において合理的であるとした判断及び仮定に基づいて記載しております。「2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により、実際の連結業績は見通しとは異なる可能性があります。

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