有価証券報告書-第153期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態 (単位:百万円)
b.経営成績 (単位:百万円)
(事業のセグメント別業績) (単位:百万円)
②キャッシュ・フロー (単位:百万円)
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度における我が国経済は、地震や豪雨など自然災害の影響は見られたものの、堅調な企業業績や個人消費の改善などにより、景気は緩やかに拡大しました。しかしながら、世界的な貿易摩擦への懸念や、それに伴う不安定な株式市場、消費税率引き上げに対する心理的影響など、先行きは依然不透明な状況にあります。
このような環境の下、当社はグループ総合戦略「まちづくり戦略」を推進しております。街のアンカーとしての役割を発揮するとともに、百貨店と専門店を一つの館(やかた)の中で融合させるなど、商業デベロッパー機能を持つ東神開発株式会社をはじめとしたグループ総合力を発揮し、街・館の魅力を最大限に高めてまいりました。国内においては、昨年9月に日本橋店を「日本橋髙島屋S.C.」として開業いたしました。新館に115店舗誘致した専門店と連携して、早朝営業やコト消費の提供など日本橋生活者のニーズにお応えしてまいります。また、10月には立川店が専門店23店舗を導入し「立川髙島屋S.C.」としてリフレッシュオープンし、新たな郊外型ショッピングセンターの在り方を追求いたしました。海外においては、昨年11月にタイ・バンコクに「サイアム髙島屋」を出店し、タイ初のブランドを多数誘致するなど特徴のある店舗づくりに努めております。
また、更なる成長を支える基盤づくりに向けてデジタル技術を活用し、グループ経営を抜本的に見直すことで経営効率を高めるべく「グループ変革プロジェクト」を推進しております。
なお、当連結会計年度の期首より、国際財務報告基準に準拠した財務諸表を連結している在外連結子会社の消化仕入取引について、売上総利益相当額を「売上高」に計上する純額表示に変更しており、遡及適用後の数値で前年比較を行っております。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,078,130百万円と前連結会計年度末に比べ42,323百万円増加しました。これは土地が増加したことが主な要因です。負債については、616,545百万円と前連結会計年度末に比べ30,264百万円の増加となりました。これは、社債が増加したことが主な要因です。純資産については、461,585百万円と利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ12,058百万円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は41.2%(前年比1.2ポイント減)となり、1株当たり純資産額は2,540円54銭(前年比27円21銭増)となりました。
c.経営成績
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は、912,848百万円(前年比0.6%増)、連結営業利益は、26,661百万円(前年比24.5%減)、連結経常利益は、31,234百万円(前年比19.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16,443百万円(前年比30.5%減)となりました。
また、当期の単体業績につきましては、売上高は、715,333百万円(前年比0.6%増)、営業利益は、8,541百万円(前年比33.9%減)、経常利益は、21,097百万円(前年比38.5%増)となり、当期純利益は、10,441百万円(前年比20.8%増)となりました。
以上の結果、連結ROEは3.7%(前年比1.9ポイント減)となり、1株当たり当期純利益金額は94円10銭(前年比41円29銭減)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>百貨店業での営業収益は、792,045百万円(前年比0.9%増)、営業利益は、8,691百万円(前年比35.7%減)となりました。
国内百貨店におきましては、堅調なインバウンド需要と個人消費による高額品等の売上伸長もあり増収となりましたが、「日本橋髙島屋S.C.」開発をはじめとした設備投資や、業務効率化に向けたシステム投資など、将来の成長に向けたコストの増大に加え、配送運賃等の運営コスト増もあり、減益となりました。
店舗施策につきましては、「まちづくり戦略」における「日本橋髙島屋S.C.」開業などに加え、10月に大阪店にて地階西ゾーンを増床改装し、12月には京都店にて四条通沿いに売場を拡張いたしました。
商品政策につきましては、百貨店の強みである編集力を生かした売場開発に引き続き努めてまいりました。体験型次世代ビューティーサロン「ベルサンパティック」を横浜店、日本橋店に導入したほか、大型5店及び玉川店、柏店の婦人靴売場では、「グループ変革プロジェクト」の一環として、RFIDタグを活用した在庫管理システムを導入し、お客様をお待たせしない接客を目指しました。また、暖冬で冬物衣料が苦戦する中、当社が企画・製造から参画し、オリジナル商品として全店及びインターネットで展開する「タカシマヤ カシミヤコレクション」の売上は大きく増加いたしました。
顧客政策につきましては、インバウンド需要の増大を目指し、電子決済サービスの拡充や一部店舗にてモバイル決済「アリペイ」「ウィーチャットペイ」を活用した免税還付サービスを開始いたしました。また、海外店舗のカード会員様にクーポンを配布するなど、グローバルな店舗網を生かした施策を実施してまいりました。前年度開業した「髙島屋免税店 SHILLA&ANA」も「タカシマヤタイムズスクエア」全体における相乗効果により順調に売上を伸ばし、インバウンド売上の増大に貢献いたしました。さらに、国内のお客様に向けては、コミュニケーションツールとして自社アプリを活用するなど、既存顧客の利用頻度を高めると共に、株式会社NTTドコモや株式会社ロイヤリティ マーケティングと協働して大型キャンペーンを実施し、新しいお客様の獲得に努めました。
海外店舗は、「サイアム髙島屋」の開業により4拠点となりました。「シンガポール髙島屋S.C.」は、開業25周年記念の営業施策の奏功などにより増収となりました。「上海高島屋」は、現地経済の影響により伸び率は鈍化したものの、増収となりました。開業後2年を経過した「ホーチミン髙島屋」は食料品売場の改装効果もあり、順調に売上を伸ばしております。
<不動産業>不動産業での営業収益は、43,681百万円(前年比8.0%減)、営業利益は、9,410百万円(前年比17.4%減)となりました。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が各地域の特性に合わせた商業施設開発を進めてまいりました。「日本橋髙島屋S.C.」、「立川髙島屋S.C.」に加えて、つくばエクスプレス流山おおたかの森駅(千葉県流山市)周辺開発に取り組みました。11月に同駅高架下に「こかげテラス」を開業すると共に、1月には沿線における駅構内や周辺商業施設の運営・管理事業を営む株式会社ティーアンドティーを取得しました。流山事業との相乗効果発揮を狙ってまいります。この他、「柏髙島屋ステーションモール」では食を中心としたフロア「FOOD STREET」を、「玉川髙島屋S・C」西側の裏路地再生エリア・柳小路では「南角(みなみかど)」を開業いたしました。以上の結果、複数施設の開業により家賃・管理費の収入増はありましたが、前年の横浜北幸マンション販売の反動や施設の開業・リニューアルに伴う経費増により減収減益となりました。また、海外におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が一部テナントとの家賃改定により減収減益となりました。
<金融業>金融業での営業収益は、14,944百万円(前年比5.3%増)、営業利益は、4,880百万円(前年比7.0%増)となりました。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、「日本橋髙島屋S.C.」開業を契機とした新規会員獲得やショッピング利用促進策を実施するなど、会員数及びカード取扱高の増加による手数料収入等の増大に努めたことから、増収増益となりました。
<建装業>建装業での営業収益は、24,795百万円(前年比4.3%減)、営業利益は、727百万円(前年比39.8%減)となりました。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京オリンピック・パラリンピック開催や、訪日外国人の増加などを背景とした良好な事業環境にはありましたが、競争激化による外部調達コストの上昇が影響したこともあり利益率が低下し、減益となりました。
<その他の事業>その他の事業全体での営業収益は、37,381百万円(前年比5.5%増)、営業利益は、2,938百万円(前年比11.8%減)となりました。
その他の事業におきましては、クロスメディア事業は業績の改善が進み増収となりましたが、運送費増などにより減益となりました。また、株式会社髙島屋ファシリティーズの業務移管に伴う利益減もあり、その他の事業全体では減益となりました。
d.キャッシュ・フロー
営業活動キャッシュ・フローは、67,913百万円の収入となり、前年同期が36,870百万円の収入であったことに比べ31,042百万円の収入の増加となりました。
投資活動キャッシュ・フローは、85,815百万円の支出となり、前年同期が62,286百万円の支出であったことに比べ23,529百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が23,692百万円増加したことなどによるものです。
財務活動キャッシュ・フローは、17,226百万円の収入となり、前年同期が14,185百万円の収入であったことに比べ3,040百万円の収入の増加となりました。主な要因は、社債の発行による収入が60,300百万円増加したことをはじめ、社債の償還による支出が40,000百万円増加したこと、及び長期借入れによる収入が17,819百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ428百万円減少し、94,692百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、売掛債権流動化資金、または外部調達(借入もしくは社債)により資金調達することとしております。このうち、外部調達に関しましては、主として長期・安定した資金にて実施しております。
また、当社は国内金融機関から相対取引による十分な借入枠を有しており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により国内グループ会社間の資金融通を行うことで資金効率を高め、海外グループ会社は十分な手許資金を保有することで事業運営上の流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)の残高は194,783百万円であります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(単位:億円)
※国際財務報告基準に準拠する在外連結子会社において、IFRS第16号「リース」適用後の目標値としており、2018年度実績も同基準で試算し、比較しております。
2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、現状より772億円増大させてまいります。
営業利益につきましては、2018年度が計画以上に減少したことに加え、経営環境の悪化による減収で△130億円、経費負担増加により△90億円を見込む一方、経営改革の実施により目標値を135億円増の430億円といたしました。
当社グループは本年度からSDGs活動に本格的に取り組んでまいります。経費負担の中には、SDGs達成に向けた設備投資を行うことによる減価償却費の増加も見込んでおります。
ROE とROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態 (単位:百万円)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前年増減高 | 前年比 | |
| 総資産 | 1,078,130 | 1,035,807 | 42,323 | 4.1% |
| 負債 | 616,545 | 586,281 | 30,264 | 5.2% |
| 純資産 | 461,585 | 449,526 | 12,058 | 2.7% |
| 自己資本比率 | 41.2% | 42.4% | - | △1.2% |
b.経営成績 (単位:百万円)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前年増減高 | 前年比 | |
| 営業収益 | 912,848 | 907,805 | 5,043 | 0.6% |
| 営業利益 | 26,661 | 35,318 | △8,657 | △24.5% |
| 経常利益 | 31,234 | 38,606 | △7,371 | △19.1% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 16,443 | 23,658 | △7,215 | △30.5% |
(事業のセグメント別業績) (単位:百万円)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前年増減高 | 前年比 | |
| 連結営業収益 | 912,848 | 907,805 | 5,043 | 0.6% |
| 百貨店業 | 792,045 | 784,794 | 7,250 | 0.9% |
| 不動産業 | 43,681 | 47,476 | △3,794 | △8.0% |
| 金融業 | 14,944 | 14,187 | 757 | 5.3% |
| 建装業 | 24,795 | 25,916 | △1,120 | △4.3% |
| その他 | 37,381 | 35,430 | 1,950 | 5.5% |
| 連結営業利益 | 26,661 | 35,318 | △8,657 | △24.5% |
| 百貨店業 | 8,691 | 13,509 | △4,817 | △35.7% |
| 不動産業 | 9,410 | 11,393 | △1,983 | △17.4% |
| 金融業 | 4,880 | 4,563 | 317 | 7.0% |
| 建装業 | 727 | 1,207 | △480 | △39.8% |
| その他 | 2,938 | 3,331 | △393 | △11.8% |
②キャッシュ・フロー (単位:百万円)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前年増減高 | 前年比 | |
| 営業活動キャッシュ・フロー | 67,913 | 36,870 | 31,042 | 84.2% |
| 投資活動キャッシュ・フロー | △85,815 | △62,286 | △23,529 | 37.8% |
| 財務活動キャッシュ・フロー | 17,226 | 14,185 | 3,040 | 21.4% |
| 現金及び現金同等物 | 94,692 | 95,120 | △428 | △0.5% |
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年比(%) |
| 建装業 | 22,662 | △7.1 |
| その他 | 369 | △3.1 |
| 合計 | 23,032 | △7.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年比(%) | 受注残高(百万円) | 前年比(%) |
| 建装業 | 25,832 | △6.6 | 13,541 | 30.6 |
| その他 | 337 | △18.6 | - | - |
| 合計 | 26,169 | △6.8 | 13,541 | 30.1 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年比(%) |
| 百貨店業 | 792,045 | 0.9 |
| 不動産業 | 43,681 | △8.0 |
| 金融業 | 14,944 | 5.3 |
| 建装業 | 24,795 | △4.3 |
| その他 | 37,381 | 5.5 |
| 合計 | 912,848 | 0.6 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去をしております。
2 販売高には、「その他の営業収入」を含めて表示しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する認識
当連結会計年度における我が国経済は、地震や豪雨など自然災害の影響は見られたものの、堅調な企業業績や個人消費の改善などにより、景気は緩やかに拡大しました。しかしながら、世界的な貿易摩擦への懸念や、それに伴う不安定な株式市場、消費税率引き上げに対する心理的影響など、先行きは依然不透明な状況にあります。
このような環境の下、当社はグループ総合戦略「まちづくり戦略」を推進しております。街のアンカーとしての役割を発揮するとともに、百貨店と専門店を一つの館(やかた)の中で融合させるなど、商業デベロッパー機能を持つ東神開発株式会社をはじめとしたグループ総合力を発揮し、街・館の魅力を最大限に高めてまいりました。国内においては、昨年9月に日本橋店を「日本橋髙島屋S.C.」として開業いたしました。新館に115店舗誘致した専門店と連携して、早朝営業やコト消費の提供など日本橋生活者のニーズにお応えしてまいります。また、10月には立川店が専門店23店舗を導入し「立川髙島屋S.C.」としてリフレッシュオープンし、新たな郊外型ショッピングセンターの在り方を追求いたしました。海外においては、昨年11月にタイ・バンコクに「サイアム髙島屋」を出店し、タイ初のブランドを多数誘致するなど特徴のある店舗づくりに努めております。
また、更なる成長を支える基盤づくりに向けてデジタル技術を活用し、グループ経営を抜本的に見直すことで経営効率を高めるべく「グループ変革プロジェクト」を推進しております。
なお、当連結会計年度の期首より、国際財務報告基準に準拠した財務諸表を連結している在外連結子会社の消化仕入取引について、売上総利益相当額を「売上高」に計上する純額表示に変更しており、遡及適用後の数値で前年比較を行っております。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、1,078,130百万円と前連結会計年度末に比べ42,323百万円増加しました。これは土地が増加したことが主な要因です。負債については、616,545百万円と前連結会計年度末に比べ30,264百万円の増加となりました。これは、社債が増加したことが主な要因です。純資産については、461,585百万円と利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ12,058百万円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は41.2%(前年比1.2ポイント減)となり、1株当たり純資産額は2,540円54銭(前年比27円21銭増)となりました。
c.経営成績
当期の連結業績につきましては、連結営業収益は、912,848百万円(前年比0.6%増)、連結営業利益は、26,661百万円(前年比24.5%減)、連結経常利益は、31,234百万円(前年比19.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16,443百万円(前年比30.5%減)となりました。
また、当期の単体業績につきましては、売上高は、715,333百万円(前年比0.6%増)、営業利益は、8,541百万円(前年比33.9%減)、経常利益は、21,097百万円(前年比38.5%増)となり、当期純利益は、10,441百万円(前年比20.8%増)となりました。
以上の結果、連結ROEは3.7%(前年比1.9ポイント減)となり、1株当たり当期純利益金額は94円10銭(前年比41円29銭減)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<百貨店業>百貨店業での営業収益は、792,045百万円(前年比0.9%増)、営業利益は、8,691百万円(前年比35.7%減)となりました。
国内百貨店におきましては、堅調なインバウンド需要と個人消費による高額品等の売上伸長もあり増収となりましたが、「日本橋髙島屋S.C.」開発をはじめとした設備投資や、業務効率化に向けたシステム投資など、将来の成長に向けたコストの増大に加え、配送運賃等の運営コスト増もあり、減益となりました。
店舗施策につきましては、「まちづくり戦略」における「日本橋髙島屋S.C.」開業などに加え、10月に大阪店にて地階西ゾーンを増床改装し、12月には京都店にて四条通沿いに売場を拡張いたしました。
商品政策につきましては、百貨店の強みである編集力を生かした売場開発に引き続き努めてまいりました。体験型次世代ビューティーサロン「ベルサンパティック」を横浜店、日本橋店に導入したほか、大型5店及び玉川店、柏店の婦人靴売場では、「グループ変革プロジェクト」の一環として、RFIDタグを活用した在庫管理システムを導入し、お客様をお待たせしない接客を目指しました。また、暖冬で冬物衣料が苦戦する中、当社が企画・製造から参画し、オリジナル商品として全店及びインターネットで展開する「タカシマヤ カシミヤコレクション」の売上は大きく増加いたしました。
顧客政策につきましては、インバウンド需要の増大を目指し、電子決済サービスの拡充や一部店舗にてモバイル決済「アリペイ」「ウィーチャットペイ」を活用した免税還付サービスを開始いたしました。また、海外店舗のカード会員様にクーポンを配布するなど、グローバルな店舗網を生かした施策を実施してまいりました。前年度開業した「髙島屋免税店 SHILLA&ANA」も「タカシマヤタイムズスクエア」全体における相乗効果により順調に売上を伸ばし、インバウンド売上の増大に貢献いたしました。さらに、国内のお客様に向けては、コミュニケーションツールとして自社アプリを活用するなど、既存顧客の利用頻度を高めると共に、株式会社NTTドコモや株式会社ロイヤリティ マーケティングと協働して大型キャンペーンを実施し、新しいお客様の獲得に努めました。
海外店舗は、「サイアム髙島屋」の開業により4拠点となりました。「シンガポール髙島屋S.C.」は、開業25周年記念の営業施策の奏功などにより増収となりました。「上海高島屋」は、現地経済の影響により伸び率は鈍化したものの、増収となりました。開業後2年を経過した「ホーチミン髙島屋」は食料品売場の改装効果もあり、順調に売上を伸ばしております。
<不動産業>不動産業での営業収益は、43,681百万円(前年比8.0%減)、営業利益は、9,410百万円(前年比17.4%減)となりました。
不動産業におきましては、東神開発株式会社が各地域の特性に合わせた商業施設開発を進めてまいりました。「日本橋髙島屋S.C.」、「立川髙島屋S.C.」に加えて、つくばエクスプレス流山おおたかの森駅(千葉県流山市)周辺開発に取り組みました。11月に同駅高架下に「こかげテラス」を開業すると共に、1月には沿線における駅構内や周辺商業施設の運営・管理事業を営む株式会社ティーアンドティーを取得しました。流山事業との相乗効果発揮を狙ってまいります。この他、「柏髙島屋ステーションモール」では食を中心としたフロア「FOOD STREET」を、「玉川髙島屋S・C」西側の裏路地再生エリア・柳小路では「南角(みなみかど)」を開業いたしました。以上の結果、複数施設の開業により家賃・管理費の収入増はありましたが、前年の横浜北幸マンション販売の反動や施設の開業・リニューアルに伴う経費増により減収減益となりました。また、海外におきましては、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.が一部テナントとの家賃改定により減収減益となりました。
<金融業>金融業での営業収益は、14,944百万円(前年比5.3%増)、営業利益は、4,880百万円(前年比7.0%増)となりました。
金融業におきましては、髙島屋クレジット株式会社が、「日本橋髙島屋S.C.」開業を契機とした新規会員獲得やショッピング利用促進策を実施するなど、会員数及びカード取扱高の増加による手数料収入等の増大に努めたことから、増収増益となりました。
<建装業>建装業での営業収益は、24,795百万円(前年比4.3%減)、営業利益は、727百万円(前年比39.8%減)となりました。
建装業におきましては、髙島屋スペースクリエイツ株式会社が、東京オリンピック・パラリンピック開催や、訪日外国人の増加などを背景とした良好な事業環境にはありましたが、競争激化による外部調達コストの上昇が影響したこともあり利益率が低下し、減益となりました。
<その他の事業>その他の事業全体での営業収益は、37,381百万円(前年比5.5%増)、営業利益は、2,938百万円(前年比11.8%減)となりました。
その他の事業におきましては、クロスメディア事業は業績の改善が進み増収となりましたが、運送費増などにより減益となりました。また、株式会社髙島屋ファシリティーズの業務移管に伴う利益減もあり、その他の事業全体では減益となりました。
d.キャッシュ・フロー
営業活動キャッシュ・フローは、67,913百万円の収入となり、前年同期が36,870百万円の収入であったことに比べ31,042百万円の収入の増加となりました。
投資活動キャッシュ・フローは、85,815百万円の支出となり、前年同期が62,286百万円の支出であったことに比べ23,529百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が23,692百万円増加したことなどによるものです。
財務活動キャッシュ・フローは、17,226百万円の収入となり、前年同期が14,185百万円の収入であったことに比べ3,040百万円の収入の増加となりました。主な要因は、社債の発行による収入が60,300百万円増加したことをはじめ、社債の償還による支出が40,000百万円増加したこと、及び長期借入れによる収入が17,819百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ428百万円減少し、94,692百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、売掛債権流動化資金、または外部調達(借入もしくは社債)により資金調達することとしております。このうち、外部調達に関しましては、主として長期・安定した資金にて実施しております。
また、当社は国内金融機関から相対取引による十分な借入枠を有しており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により国内グループ会社間の資金融通を行うことで資金効率を高め、海外グループ会社は十分な手許資金を保有することで事業運営上の流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債(借入もしくは社債。リース債務は含まない)の残高は194,783百万円であります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(単位:億円)
| 指標 | 2018年度 | 2023年度 | 増 減 |
| 営業収益 | 9,128 | 9,900 | 772 |
| 営業利益 | 295 | 430 | 135 |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 3.3% | 5.0% | 1.7% |
| ROA(総資産経常利益率) | 2.5% | 3.7% | 1.2% |
| 自己資本比率 | 37.7% | 42.9% | 5.2% |
※国際財務報告基準に準拠する在外連結子会社において、IFRS第16号「リース」適用後の目標値としており、2018年度実績も同基準で試算し、比較しております。
2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
髙島屋グループ長期プランでは、2023年度に営業収益は9,900億円、営業利益430億円の達成を目指してまいります。(当目標値を算定するに当たり、IFRS第16号「リース」の適用影響を考慮しておりますが、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」の適用影響につきましては、評価中のため考慮しておりません。なお、両会計基準の詳細につきましては、「未適用の会計基準等」をご参照ください。)
営業収益につきましては、国内市場の縮小や消費増税の影響を織り込みつつ、不動産・金融業などの国内グループ事業および海外事業を成長分野と位置づけ、現状より772億円増大させてまいります。
営業利益につきましては、2018年度が計画以上に減少したことに加え、経営環境の悪化による減収で△130億円、経費負担増加により△90億円を見込む一方、経営改革の実施により目標値を135億円増の430億円といたしました。
当社グループは本年度からSDGs活動に本格的に取り組んでまいります。経費負担の中には、SDGs達成に向けた設備投資を行うことによる減価償却費の増加も見込んでおります。
ROE とROAにつきましては、今後も持続的な向上を図ってまいります。