半期報告書-第161期(2026/03/01-2027/02/28)
当社グループに関する財政状態、経営成績の状況の分析・検討内容は、原則として中間連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間(2026年3月1日~2026年8月31日)における我が国の社会経済は、実質賃金の改善がみられ、個人消費を中心に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、中東をはじめとする地政学リスクの長期化が、世界経済や国内の金融市場(金利・為替・株価)ならびに経済環境(物価・個人消費・インバウンド需要)に及ぼす影響については、引き続き注視が必要な状況にあります。
髙島屋グループ(以下、当社)は、創業200周年の節目となる2031年に「目指す姿」を「お客様・従業員・株主・地域社会等、すべてのステークホルダーの『こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム』」と定め、現中期経営計画(2024~2026年度)初年度にグランドデザインとして公表いたしました。さらに、前年度からは、このグランドデザインの実現に向け、「グループのシームレス化」を本格的に始動しております。国内外のグループ商業施設やEC、金融等で取り扱う商品やサービスの総和は、当社ならではの競争優位性であります。百貨店と専門店、国内と海外、リアルとネットといった様々な垣根を越え、シームレスに商品やサービスを提供できる体制・仕組みを構築することで、お客様への提供価値の最大化を図ってまいります。また、創業200周年の先を見据え、「国内・アジアの主要都市に展開する複数の利益創出拠点」「グループ会社の総合力」、そして、各拠点・各組織で培った「幅広い顧客基盤」という3つの強みをいかし、継続的な事業領域の拡大と新たな価値創造に取り組んでまいります。
そのような中、当年度は「グループ総合力発揮による中期経営計画の必達~2031年のグランドデザイン実現に向けて基礎固めをやり抜く~」を経営目標に掲げ、「グループのシームレス化によるまちづくり戦略の強靭化」「仕事変革(組織風土改革とデジタル活用)」「経営基盤強化(ESG経営・人的資本経営)」を推進しております。
当中間連結会計期間の連結業績につきましては、連結営業収益は244,131百万円(前年同期比3.7%増)、連結営業利益は27,521百万円(前年同期比16.4%増)、連結経常利益は28,066百万円(前年同期比27.5%増)となりました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は前年度に計上した固定資産売却益の反動により、16,014百万円(前年同期比24.5%減)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<国内百貨店業>国内百貨店業での営業収益は149,134百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は12,458百万円(前年同期比30.2%増)となりました。
売上高は、円安を背景としたインバウンド需要の増加に加え、大半を占める国内顧客売上高が堅調に推移したことにより、前年実績を上回りました。
総額売上高ベースの商品利益率は、前年実績を下回りました。これは、国内顧客売上高やインバウンド需要が堅調に推移する中、利益率の低いラグジュアリーブランド等の売上高が前年実績を大きく上回ったことによる売上構成比の変化が主な要因です。一方、売上高の増大により、売上総利益は増益を確保いたしました。
販売管理費については、ベースアップ等、人的資本経営の推進に向けた費用を継続的に配分するとともに、営業力強化につながる費用についても、効果を見極めながら適切に投下しました。一方、コスト削減に向けた取組も同時に推進したことで、光熱費等、不可避の増加要因はあったものの、前年実績から改善いたしました。これらの結果、事業全体では増収増益となりました。
今後も外部環境のリスクを踏まえつつ、利益増大に向けた取組を着実に推進してまいります。
商品政策においては、当社の強みの一つである東西大型5店を軸に、「魅力ある品揃え」の実現に向けた取組を強化してまいります。さらに、当社ならではの「アイテム平場」「自主編集売場」「EC」の継続強化や、新たなモノ・コト開発を通じ、お客様満足度の向上を目指してまいります。また、商品利益率においても、重点お取引先との連携を通じ、利益率の高い衣料品・雑貨を中心としたファッション領域の強化を図ることで、改善につなげてまいります。
顧客政策においては、基盤強化に向けた取組を推進してまいります。外商では、金融等の新たなサービスを提供することにより、既存顧客の満足度向上を図るとともに、対象年齢の引き下げやアライアンスの強化を通じて、次世代顧客の獲得につなげてまいります。また、優良な海外店舗を有する強みをいかし、海外顧客基盤の確立とロイヤルカスタマー化に向けた取組を推進してまいります。さらに、会員数が着実に増加しているタカシマヤアプリについても、2026年9月16日より開始した「デジタルポイント」サービスをはじめとする機能拡充を通じて、お客様との接点強化及び利便性向上に取り組んでまいります。
コスト削減においては、今後の調達コストの増加リスクを織り込みつつ、店舗運営体制のさらなる効率化等、状況に応じた追加対策を継続的に検討してまいります。
<海外百貨店業>海外百貨店業での営業収益は18,636百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益は4,601百万円(前年同期比21.4%増)となりました。
シンガポール髙島屋におきましては、現地通貨ベースでは減収減益となりましたが、円安の影響により、円貨ベースでは増収増益となっております。今後も、強みであるライフスタイル関連(食料品・リビング・カフェ等)の強化に加え、ファッション領域を中心とした催事・イベント等の拡充によるMDの活性化を通じて、国内顧客及びツーリストの集客拡大を図ってまいります。
上海高島屋におきましては、新たなテナントの誘致等、収益基盤の強化に向けた取組の効果もあり、増収及び黒字転換を達成いたしました。引き続き、コスト削減を併せて推進し、さらなる利益の増大につなげてまいります。
開店10周年を迎えたホーチミン髙島屋におきましては、成長分野である子供用品や、お客様からの支持の高い化粧品等の品揃え強化に加え、コストの増加を最小限に抑制したことで、増収増益となりました。さらなる売上高の増大を目指し、商品カテゴリーやブランドの再編、催事・イベントの強化を推進してまいります。
サイアム髙島屋におきましては、国内顧客売上高が堅調に推移したことに加え、コストコントロールの推進により、増収及び赤字幅が縮小いたしました。今後も、ラグジュアリーゾーン等の改装効果の最大化を図り、黒字転換につなげてまいります。
<国内商業開発業>国内商業開発業での営業収益は21,240百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は3,455百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
東神開発株式会社におきましては、「玉川髙島屋S.C.」の改装工事の影響があったものの、その他の施設も含めた営業施策の強化により、入店客数及び売上高(歩合家賃・クレジット手数料収入等)の増大につながり、増収となりました。一方、コストの効率化を推進いたしましたが、外部委託費等、施設運営に係る費用の増加もあり、営業利益は前年同水準となりました。「玉川髙島屋S.C.」においては、2027年度のグランドオープンに向け、改装が着実に進捗しております。「京都髙島屋S.C.」「柏髙島屋ステーションモール」「流山おおたかの森S.C.」等、各施設においても、SC全体の魅力向上を図ってまいります。
なお、「玉川髙島屋S.C.」における今後のリニューアル情報は2026年10月15日に開示しておりますニュースリリースをご覧ください。
※ https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/topics/261015f.pdf
<海外商業開発業>海外商業開発業での営業収益は8,684百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益は3,197百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.におきましては、改装効果に加え、コストの増加を最小限に抑制したことにより、増収増益となりました。
成長ドライバーであるベトナム事業においても、利益が増大しております。2027年秋の開業を予定するハノイでの複合開発事業に加え、今後はホーチミンのサイゴンセンターにおける増床計画が本格化してまいります。2016年の開業以来、成長を続けているサイゴンセンターは、さらなる進化を遂げ、1993年に開業し、国際的にも高く評価されている「シンガポール髙島屋S.C.」に並ぶASEAN第2の拠点へと成長させてまいります。また、資本効率向上の観点から、長期的に資産を保有し持続的な成長を実現する基幹事業と、短期回収型事業(ホーチミンにおける住宅分譲事業等)への参画を組み合わせ、資産規模についても適切にコントロールしてまいります。
<金融業>金融業での営業収益は10,917百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は3,145百万円(前年同期比17.0%増)となりました。
当社の金融事業は、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社を中核に、プライベートバンクサービスに強みを有するヴァスト・キュルチュール株式会社、中小企業向け融資に強みを有する株式会社髙島屋クレイキャピタルにより、カード・決済事業、ライフパートナー事業、投融資事業を展開しております。これら各社・各事業における取組を推進した結果、増収増益となりました。
カード・決済事業では、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社が、グループ総合戦略「まちづくり」における顧客基盤の盤石化に向け、新規会員獲得の推進に取り組んでおります。特に、当社の強みである店舗の立地やリアルでの顧客接点をいかすため、各店舗におけるカードカウンターでの手続き業務をデジタルの活用により、省力化・効率化し、人的資源の店頭営業活動へのシフトを進める等の取組を実施しております。その結果、新規会員獲得数及び有効口座数は着実に伸長いたしました。あわせて、当社内外での利用促進や、前年に刷新した「あとから分割」サービスの利用拡大、法人オーナー顧客向けタカシマヤカード≪ビジネスプラチナ≫の獲得・利用拡大に加え、各種サービス手数料の見直し等の取組により、取扱高や年会費・手数料収入の増大にもつながっております。また、髙島屋ネオバンクを活用した決済サービスである「スゴ積み」については、前年に導入した半年コースの効果もあり、利用者数の増加及び取扱高の増大につながっております。
ライフパートナー事業では、金融・為替市場の変動や保険業界における業界動向を踏まえた保険業法の改正等、社会環境の変化が継続しております。このような状況下、「未来のお金まるごと相談」をコンセプトに、タカシマヤ ファイナンシャルカウンターにおける顧客接点をいかし、窓口でのご相談対応やセミナー開催の充実を図ることで、口座数及び預かり資産残高等が着実に増加しております。また、髙島屋外商部とヴァスト・キュルチュール株式会社の連携による髙島屋版プライベートバンクサービスについても、顧客基盤の拡大に向けた取組を推進しております。
投融資事業では、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社が、ソーシャルレンディングで培ったノウハウや企業ネットワークをいかし、法人融資における融資先及び案件の拡大を進めております。具体的には、グループ金融事業の一環として、本年3月に運用を開始した不動産私募ファンド「合同会社 Sanitas I」への融資実行等により、事業収益は順調に増大しております。また、株式会社髙島屋クレイキャピタルにおいても、グループ参画によるガバナンス強化を背景に、中小企業向け法人融資を着実に拡大しております。
なお、当社は2026年10月15日開催の取締役会において、会社分割(簡易新設分割)により中間持株会社を設立し、当社が保有する髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社、ヴァスト・キュルチュール株式会社、株式会社髙島屋クレイキャピタル及びほがらか信託株式会社の株式を当該中間持株会社に承継させることを決議いたしました。分割期日(効力発生日)は2027年3月1日を予定しております。
金融業界を取り巻く環境が大きく変化する中、お客様のニーズの多様化やデジタル化の進展に加え、金融機関に求められるガバナンスやリスク管理の高度化への対応が一層重要となっております。また、金融事業を持続的な成長軌道に乗せるためには、各社に分散する経営資源やノウハウを集約し、より機動的かつ戦略的に事業を推進できる体制の構築が必要となります。中間持株会社の設立により、金融事業に関する戦略立案機能や経営管理機能を一元化することで、ガバナンス体制及びリスク管理体制の整備・高度化を図るとともに、意思決定の迅速化や人材、知見、顧客基盤などの経営資源の有機的な活用を推進し、新たなサービスの開発や収益機会の創出に取り組んでまいります。さらに、当社グループが有する顧客基盤や商業アセットと金融サービスとの融合を進めることで、金融事業の成長とグループ全体の収益拡大を実現し、企業価値の向上につなげてまいります。
<建装業>建装業での営業収益は16,151百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は1,061百万円(前年同期比30.6%減)となりました。
髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、増収となりましたが、建築費の高騰に伴う一部受注予定案件の計画見直しや、人件費をはじめとするコスト上昇の影響により、減益となりました。今後につきましては、営業力やデザイン力といった当社の強みをいかした先行提案の強化による新規受注の獲得に加え、コスト削減や業務効率化を推進し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。
<その他の事業>その他の事業全体での営業収益は19,367百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は641百万円(前年同期比20.3%減)となりました。
飲食業の株式会社アール・ティー・コーポレーションが増収増益、卸売業の株式会社グッドリブが増収及び黒字転換となった一方、人材派遣業の株式会社センチュリーアンドカンパニーが減収減益となったことから、その他の事業全体におきましては、増収減益となりました。引き続き、各事業において業界競争力を高めていく取組を推進していくことで、経営基盤の強化を図ってまいります。
当社は、安定的な配当水準の維持を基本スタンスとし、業績や経営環境を総合的に勘案のうえ、株主の皆様への利益還元の充実を図るため、累進配当を配当政策の基本方針としております。
この方針のもと、2026年10月15日開催の取締役会において、2027年2月期の中間配当につきましては、直近の配当予想(2026年4月14日公表)から1株当たり2円増額し、22円とすることを決定いたしました。また、期末配当予想につきましても、1株当たり2円増額し、22円とすることといたしました。これにより年間配当予想は44円となり、前回予想から4円の増配見込みとなります。
(2)財政状態に関する説明
当中間連結会計期間末の総資産は、1,359,233百万円と前連結会計年度末に比べ13,003百万円増加しました。これは、現金及び預金の増加16,711百万円、関連会社株式追加取得等に伴う投資有価証券の増加6,482百万円が主な要因です。
負債については、868,788百万円と前連結会計年度末に比べ308百万円増加しました。これは、短期借入金の減少120,609百万円があったものの、社債及び長期借入金の増加123,982百万円が主な要因です。
純資産については、490,444百万円と前連結会計年度末に比べ12,695百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する中間純利益による利益剰余金の増加16,014百万円及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少4,981百万円、海外子会社における為替換算調整勘定の増加1,634百万円が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は34.0%(前連結会計年度末比0.6ポイント増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、48,555百万円の収入となり、前年同期が14,560百万円の収入であったことに比べ33,994百万円の収入の増加となりました。主な要因は、仕入債務の増減額が6,246百万円減少したものの、売上債権の増減額が45,082百万円減少したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、28,312百万円の支出となり、前年同期が13,487百万円の支出であったことに比べ14,825百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が4,403百万円減少したものの、有形及び無形固定資産の売却による収入が16,880百万円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,126百万円の支出となり、前年同期が13,496百万円の支出であったことに比べ5,369百万円の支出の減少(収入の増加)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額が129,391百万円減少したものの、長期借入れによる収入が56,429百万円増加したこと、社債の発行による収入が50,000百万円増加したこと、長期借入金の返済による支出が21,000百万円減少したこと、自己株式取得のための預託金の増減額が5,132百万円減少したことなどによるものです。
これらに換算差額を加えた結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,976百万円増加し、91,417百万円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間(2026年3月1日~2026年8月31日)における我が国の社会経済は、実質賃金の改善がみられ、個人消費を中心に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、中東をはじめとする地政学リスクの長期化が、世界経済や国内の金融市場(金利・為替・株価)ならびに経済環境(物価・個人消費・インバウンド需要)に及ぼす影響については、引き続き注視が必要な状況にあります。
髙島屋グループ(以下、当社)は、創業200周年の節目となる2031年に「目指す姿」を「お客様・従業員・株主・地域社会等、すべてのステークホルダーの『こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム』」と定め、現中期経営計画(2024~2026年度)初年度にグランドデザインとして公表いたしました。さらに、前年度からは、このグランドデザインの実現に向け、「グループのシームレス化」を本格的に始動しております。国内外のグループ商業施設やEC、金融等で取り扱う商品やサービスの総和は、当社ならではの競争優位性であります。百貨店と専門店、国内と海外、リアルとネットといった様々な垣根を越え、シームレスに商品やサービスを提供できる体制・仕組みを構築することで、お客様への提供価値の最大化を図ってまいります。また、創業200周年の先を見据え、「国内・アジアの主要都市に展開する複数の利益創出拠点」「グループ会社の総合力」、そして、各拠点・各組織で培った「幅広い顧客基盤」という3つの強みをいかし、継続的な事業領域の拡大と新たな価値創造に取り組んでまいります。
そのような中、当年度は「グループ総合力発揮による中期経営計画の必達~2031年のグランドデザイン実現に向けて基礎固めをやり抜く~」を経営目標に掲げ、「グループのシームレス化によるまちづくり戦略の強靭化」「仕事変革(組織風土改革とデジタル活用)」「経営基盤強化(ESG経営・人的資本経営)」を推進しております。
当中間連結会計期間の連結業績につきましては、連結営業収益は244,131百万円(前年同期比3.7%増)、連結営業利益は27,521百万円(前年同期比16.4%増)、連結経常利益は28,066百万円(前年同期比27.5%増)となりました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は前年度に計上した固定資産売却益の反動により、16,014百万円(前年同期比24.5%減)となりました。
事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。
<国内百貨店業>国内百貨店業での営業収益は149,134百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は12,458百万円(前年同期比30.2%増)となりました。
売上高は、円安を背景としたインバウンド需要の増加に加え、大半を占める国内顧客売上高が堅調に推移したことにより、前年実績を上回りました。
総額売上高ベースの商品利益率は、前年実績を下回りました。これは、国内顧客売上高やインバウンド需要が堅調に推移する中、利益率の低いラグジュアリーブランド等の売上高が前年実績を大きく上回ったことによる売上構成比の変化が主な要因です。一方、売上高の増大により、売上総利益は増益を確保いたしました。
販売管理費については、ベースアップ等、人的資本経営の推進に向けた費用を継続的に配分するとともに、営業力強化につながる費用についても、効果を見極めながら適切に投下しました。一方、コスト削減に向けた取組も同時に推進したことで、光熱費等、不可避の増加要因はあったものの、前年実績から改善いたしました。これらの結果、事業全体では増収増益となりました。
今後も外部環境のリスクを踏まえつつ、利益増大に向けた取組を着実に推進してまいります。
商品政策においては、当社の強みの一つである東西大型5店を軸に、「魅力ある品揃え」の実現に向けた取組を強化してまいります。さらに、当社ならではの「アイテム平場」「自主編集売場」「EC」の継続強化や、新たなモノ・コト開発を通じ、お客様満足度の向上を目指してまいります。また、商品利益率においても、重点お取引先との連携を通じ、利益率の高い衣料品・雑貨を中心としたファッション領域の強化を図ることで、改善につなげてまいります。
顧客政策においては、基盤強化に向けた取組を推進してまいります。外商では、金融等の新たなサービスを提供することにより、既存顧客の満足度向上を図るとともに、対象年齢の引き下げやアライアンスの強化を通じて、次世代顧客の獲得につなげてまいります。また、優良な海外店舗を有する強みをいかし、海外顧客基盤の確立とロイヤルカスタマー化に向けた取組を推進してまいります。さらに、会員数が着実に増加しているタカシマヤアプリについても、2026年9月16日より開始した「デジタルポイント」サービスをはじめとする機能拡充を通じて、お客様との接点強化及び利便性向上に取り組んでまいります。
コスト削減においては、今後の調達コストの増加リスクを織り込みつつ、店舗運営体制のさらなる効率化等、状況に応じた追加対策を継続的に検討してまいります。
<海外百貨店業>海外百貨店業での営業収益は18,636百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益は4,601百万円(前年同期比21.4%増)となりました。
シンガポール髙島屋におきましては、現地通貨ベースでは減収減益となりましたが、円安の影響により、円貨ベースでは増収増益となっております。今後も、強みであるライフスタイル関連(食料品・リビング・カフェ等)の強化に加え、ファッション領域を中心とした催事・イベント等の拡充によるMDの活性化を通じて、国内顧客及びツーリストの集客拡大を図ってまいります。
上海高島屋におきましては、新たなテナントの誘致等、収益基盤の強化に向けた取組の効果もあり、増収及び黒字転換を達成いたしました。引き続き、コスト削減を併せて推進し、さらなる利益の増大につなげてまいります。
開店10周年を迎えたホーチミン髙島屋におきましては、成長分野である子供用品や、お客様からの支持の高い化粧品等の品揃え強化に加え、コストの増加を最小限に抑制したことで、増収増益となりました。さらなる売上高の増大を目指し、商品カテゴリーやブランドの再編、催事・イベントの強化を推進してまいります。
サイアム髙島屋におきましては、国内顧客売上高が堅調に推移したことに加え、コストコントロールの推進により、増収及び赤字幅が縮小いたしました。今後も、ラグジュアリーゾーン等の改装効果の最大化を図り、黒字転換につなげてまいります。
<国内商業開発業>国内商業開発業での営業収益は21,240百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は3,455百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
東神開発株式会社におきましては、「玉川髙島屋S.C.」の改装工事の影響があったものの、その他の施設も含めた営業施策の強化により、入店客数及び売上高(歩合家賃・クレジット手数料収入等)の増大につながり、増収となりました。一方、コストの効率化を推進いたしましたが、外部委託費等、施設運営に係る費用の増加もあり、営業利益は前年同水準となりました。「玉川髙島屋S.C.」においては、2027年度のグランドオープンに向け、改装が着実に進捗しております。「京都髙島屋S.C.」「柏髙島屋ステーションモール」「流山おおたかの森S.C.」等、各施設においても、SC全体の魅力向上を図ってまいります。
なお、「玉川髙島屋S.C.」における今後のリニューアル情報は2026年10月15日に開示しておりますニュースリリースをご覧ください。
※ https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/topics/261015f.pdf
<海外商業開発業>海外商業開発業での営業収益は8,684百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益は3,197百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.におきましては、改装効果に加え、コストの増加を最小限に抑制したことにより、増収増益となりました。
成長ドライバーであるベトナム事業においても、利益が増大しております。2027年秋の開業を予定するハノイでの複合開発事業に加え、今後はホーチミンのサイゴンセンターにおける増床計画が本格化してまいります。2016年の開業以来、成長を続けているサイゴンセンターは、さらなる進化を遂げ、1993年に開業し、国際的にも高く評価されている「シンガポール髙島屋S.C.」に並ぶASEAN第2の拠点へと成長させてまいります。また、資本効率向上の観点から、長期的に資産を保有し持続的な成長を実現する基幹事業と、短期回収型事業(ホーチミンにおける住宅分譲事業等)への参画を組み合わせ、資産規模についても適切にコントロールしてまいります。
<金融業>金融業での営業収益は10,917百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益は3,145百万円(前年同期比17.0%増)となりました。
当社の金融事業は、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社を中核に、プライベートバンクサービスに強みを有するヴァスト・キュルチュール株式会社、中小企業向け融資に強みを有する株式会社髙島屋クレイキャピタルにより、カード・決済事業、ライフパートナー事業、投融資事業を展開しております。これら各社・各事業における取組を推進した結果、増収増益となりました。
カード・決済事業では、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社が、グループ総合戦略「まちづくり」における顧客基盤の盤石化に向け、新規会員獲得の推進に取り組んでおります。特に、当社の強みである店舗の立地やリアルでの顧客接点をいかすため、各店舗におけるカードカウンターでの手続き業務をデジタルの活用により、省力化・効率化し、人的資源の店頭営業活動へのシフトを進める等の取組を実施しております。その結果、新規会員獲得数及び有効口座数は着実に伸長いたしました。あわせて、当社内外での利用促進や、前年に刷新した「あとから分割」サービスの利用拡大、法人オーナー顧客向けタカシマヤカード≪ビジネスプラチナ≫の獲得・利用拡大に加え、各種サービス手数料の見直し等の取組により、取扱高や年会費・手数料収入の増大にもつながっております。また、髙島屋ネオバンクを活用した決済サービスである「スゴ積み」については、前年に導入した半年コースの効果もあり、利用者数の増加及び取扱高の増大につながっております。
ライフパートナー事業では、金融・為替市場の変動や保険業界における業界動向を踏まえた保険業法の改正等、社会環境の変化が継続しております。このような状況下、「未来のお金まるごと相談」をコンセプトに、タカシマヤ ファイナンシャルカウンターにおける顧客接点をいかし、窓口でのご相談対応やセミナー開催の充実を図ることで、口座数及び預かり資産残高等が着実に増加しております。また、髙島屋外商部とヴァスト・キュルチュール株式会社の連携による髙島屋版プライベートバンクサービスについても、顧客基盤の拡大に向けた取組を推進しております。
投融資事業では、髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社が、ソーシャルレンディングで培ったノウハウや企業ネットワークをいかし、法人融資における融資先及び案件の拡大を進めております。具体的には、グループ金融事業の一環として、本年3月に運用を開始した不動産私募ファンド「合同会社 Sanitas I」への融資実行等により、事業収益は順調に増大しております。また、株式会社髙島屋クレイキャピタルにおいても、グループ参画によるガバナンス強化を背景に、中小企業向け法人融資を着実に拡大しております。
なお、当社は2026年10月15日開催の取締役会において、会社分割(簡易新設分割)により中間持株会社を設立し、当社が保有する髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社、ヴァスト・キュルチュール株式会社、株式会社髙島屋クレイキャピタル及びほがらか信託株式会社の株式を当該中間持株会社に承継させることを決議いたしました。分割期日(効力発生日)は2027年3月1日を予定しております。
金融業界を取り巻く環境が大きく変化する中、お客様のニーズの多様化やデジタル化の進展に加え、金融機関に求められるガバナンスやリスク管理の高度化への対応が一層重要となっております。また、金融事業を持続的な成長軌道に乗せるためには、各社に分散する経営資源やノウハウを集約し、より機動的かつ戦略的に事業を推進できる体制の構築が必要となります。中間持株会社の設立により、金融事業に関する戦略立案機能や経営管理機能を一元化することで、ガバナンス体制及びリスク管理体制の整備・高度化を図るとともに、意思決定の迅速化や人材、知見、顧客基盤などの経営資源の有機的な活用を推進し、新たなサービスの開発や収益機会の創出に取り組んでまいります。さらに、当社グループが有する顧客基盤や商業アセットと金融サービスとの融合を進めることで、金融事業の成長とグループ全体の収益拡大を実現し、企業価値の向上につなげてまいります。
<建装業>建装業での営業収益は16,151百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は1,061百万円(前年同期比30.6%減)となりました。
髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、増収となりましたが、建築費の高騰に伴う一部受注予定案件の計画見直しや、人件費をはじめとするコスト上昇の影響により、減益となりました。今後につきましては、営業力やデザイン力といった当社の強みをいかした先行提案の強化による新規受注の獲得に加え、コスト削減や業務効率化を推進し、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。
<その他の事業>その他の事業全体での営業収益は19,367百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は641百万円(前年同期比20.3%減)となりました。
飲食業の株式会社アール・ティー・コーポレーションが増収増益、卸売業の株式会社グッドリブが増収及び黒字転換となった一方、人材派遣業の株式会社センチュリーアンドカンパニーが減収減益となったことから、その他の事業全体におきましては、増収減益となりました。引き続き、各事業において業界競争力を高めていく取組を推進していくことで、経営基盤の強化を図ってまいります。
当社は、安定的な配当水準の維持を基本スタンスとし、業績や経営環境を総合的に勘案のうえ、株主の皆様への利益還元の充実を図るため、累進配当を配当政策の基本方針としております。
この方針のもと、2026年10月15日開催の取締役会において、2027年2月期の中間配当につきましては、直近の配当予想(2026年4月14日公表)から1株当たり2円増額し、22円とすることを決定いたしました。また、期末配当予想につきましても、1株当たり2円増額し、22円とすることといたしました。これにより年間配当予想は44円となり、前回予想から4円の増配見込みとなります。
(2)財政状態に関する説明
当中間連結会計期間末の総資産は、1,359,233百万円と前連結会計年度末に比べ13,003百万円増加しました。これは、現金及び預金の増加16,711百万円、関連会社株式追加取得等に伴う投資有価証券の増加6,482百万円が主な要因です。
負債については、868,788百万円と前連結会計年度末に比べ308百万円増加しました。これは、短期借入金の減少120,609百万円があったものの、社債及び長期借入金の増加123,982百万円が主な要因です。
純資産については、490,444百万円と前連結会計年度末に比べ12,695百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する中間純利益による利益剰余金の増加16,014百万円及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少4,981百万円、海外子会社における為替換算調整勘定の増加1,634百万円が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は34.0%(前連結会計年度末比0.6ポイント増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、48,555百万円の収入となり、前年同期が14,560百万円の収入であったことに比べ33,994百万円の収入の増加となりました。主な要因は、仕入債務の増減額が6,246百万円減少したものの、売上債権の増減額が45,082百万円減少したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、28,312百万円の支出となり、前年同期が13,487百万円の支出であったことに比べ14,825百万円の支出の増加(収入の減少)となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が4,403百万円減少したものの、有形及び無形固定資産の売却による収入が16,880百万円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,126百万円の支出となり、前年同期が13,496百万円の支出であったことに比べ5,369百万円の支出の減少(収入の増加)となりました。主な要因は、短期借入金の純増減額が129,391百万円減少したものの、長期借入れによる収入が56,429百万円増加したこと、社債の発行による収入が50,000百万円増加したこと、長期借入金の返済による支出が21,000百万円減少したこと、自己株式取得のための預託金の増減額が5,132百万円減少したことなどによるものです。
これらに換算差額を加えた結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,976百万円増加し、91,417百万円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。