有価証券報告書-第49期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、公正な競争原理のもとで、良質な人材、資金と組織をつくることで、「お客様第一主義」に基づいた事業活動によりお客様、株主様、お取引先様、従業員とともに成長し社会に貢献することを経営理念としております。
スポーツ、ファッション商品を通して、お客様の求める最高の商品価値を創造、提供できる商品開発とショッピングそのものの楽しさやサービスを提供できる店舗づくりを継続的に実現し、「オンリーワン」企業になることを経営の基本方針として、日々努力を重ねて参ります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中長期的に予測される経営環境と、日々変化する市場に対応しながら、お客様とのさまざまな接点を通じて「スポーツの新しい価値」を提案し、新しいスポーツビジネスの創造に取組んでいくことで、中長期的に企業価値を高めつつ、社会貢献を果たしていくという企業理念を実現するために、以下の取り組みを実施して参ります。
そのためには、グループ内での経営理念の共有と浸透を進めつつ、グループ企業間での自発的な協業を促すことでシナジーを創造できるグループ運営を目指し、グループ内での機能集約による専門性向上とコスト競争力の発揮を進めていきます。また、さらなる成長のために、国内外の有力企業との協業や提携、相乗効果が期待できる事業や企業の買収などに取組み、新たな人材やノウハウの確保という形でグループアセットの増強を進めて参ります。
中核事業であるスポーツ小売事業においては、市場環境と立地特性により「スーパースポーツ」「スポーツエクスプレス」「ヴィクトリア」「ヴィクトリアゴルフ」「エルブレス」「ゴルフパートナー」「ネクサス」「タケダスポーツ」などのそれぞれの業態が持つ「強み」と「特色」を活かした新規出店や店舗再配置、及びEC運営の併設を進めることにより、収益性と生産性を備えた店舗網の整備を進めて参ります。商品面では、お客様との接点である店頭での販売情報や社会情勢の変化やファッショントレンドをベースとした、店舗ごとの適正な商品構成の精度向上と、グループとしてのお取引先様との連携や取組みの拡大による商品面での差別化を継続的に実施します。また、小売事業の成長を促進するために物流と情報システム整備のための継続的な投資を進めて行きます。
なお、当社の経営戦略において、具体的な店舗業態や商品開発、M&Aや提携の内容などは、営業戦略上の機密情報に該当するため、開示事由に該当するものを除いて、記載は省略しております。
(3) 経営環境
当社グループは、国内外におけるスポーツ、レジャー用品の小売、及び卸売りを主たる事業としておりますが、連結売上高の9割以上が国内におけるスポーツ用品・用具の販売となっています。具体的な事業内容につきましては、商品部門別販売実績、及び地域別売上高に示しています。
① 市場環境
国内のスポーツ、レジャー市場は、少子高齢化や地球温暖化などの社会情勢の変化を受け、チームスポーツからパーソナルスポーツへのシフトが進んでいます。国内での各種競技スポーツのプロリーグ化、健康志向の高まり、及びファミリーレジャーの拡大などの影響もあり、安定的な成長を遂げています。
② 顧客動向
少子化の進行に伴う部活動生の減少やライフスタイルの変化といった中長期的な社会情勢の変化や、オリンピック・パラリンピックでの競技種目の変更や追加、世界大会などでの日本人プレーヤーの活躍などの要因により、競技種目ごとの販売状況が影響を受けます。最近では、新型コロナウイルス感染拡大により若年層ゴルファーの増加や、テレワークの定着に伴うスポーツカジュアル需要の拡大などが現れるなど、お客様の動向への対応がより重要になっています。
③ 販売チャネル
オンライン取引の拡大やデジタル技術の進歩に伴う店舗のショールーミング化が急速に進行しており、それに伴う店舗のあり方や販促施策の修正と、店舗網の再配置やEC関連等への投資が必要となっています。
④ 競合環境
衣料品におけるスポーツと周辺領域との垣根がなくなりつつあることや、メーカー各社による自社ECサイトでの直販が拡大するなどの要因から、競合環境に関しても日を追うごとに厳しくなっています。
⑤ 事業運営環境
店舗で働く人材の確保や流動化の加速や人件費単価の上昇、及びEC売上増加に伴う物流経費の増加といった、既存事業におけるコスト上昇圧力は大きくなっています。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症拡大とともに急速に浸透した新しい生活様式は、当社グループの主たる事業領域である国内外のスポーツ用品販売事業の経営環境に大きな変化をもたらし、一定の収束を実現したあともその影響は持続することが予想されます。したがいまして、当社グループとしては、その想定していなかった急激な環境変化への対応と、従来から継続している中長期的な社会構造のトレンドに合わせた調整を同時に進めて行くことが必要となっています。
① 新しい生活様式への対応
新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点からの3密回避とソーシャルディスタンスの確保が定着するなかで、都心部のビル型店舗や週末に多数の来客で賑わう大型ショッピングセンターにおける来店客数や、店内での滞留時間の短縮が進んでいることから、従来は人の交通量が豊富で好立地と評価していた店舗での販売が低調の推移しつつある一方で、郊外の単独店においては来店客が増加する傾向にあります。状況の変化に対応するべく個々の店舗ごとに、店内レイアウトや販促施策の修正などで活性化に進めて参ります。
また、若年層や女性プレーヤーの増加で需要が拡大しているゴルフ、エントリーユーザーが急増しているキャンプなどのコロナ禍で追い風となっているカテゴリーの販売強化を行う一方、部活動や運動会などの学校行事の実施が見送られることで短期的に需要が低迷するチームスポーツや、本格的な再開時期が推定しにくいランニング関連では、リバウンド消費の獲得や新たな需要喚起施策での売上確保に取り組んで参ります。なお、それらの課題への対処にあたっては、コロナ前より少ない社員数での店舗運営ができる形での運営を目指し、生産性と販売効率を回復させて参ります。
② 中長期的な環境変化への対応
コロナ禍により、お客様のスポーツ用品に関するEC利用の拡大が加速したことで、リアル店舗への来店動機の希薄化に拍車がかかる傾向にあり、この流れに対応したリアル店舗での快適さや利便性向上、有益な情報の入手や利用価値を体験できる仕掛けが重要となっています。また、当社グループでは従来から店舗起点でのEC販売対応を行っていますが、増加するEC需要に対応するために既存店舗の運営体制の修正や追加投資を行うことで、販売効率の向上を進めて参ります。
近年、リアル店舗での同業他社との同質化が進む傾向にあるため、当社独自のデジタルを活用したサービスと情報発信力の向上を進めるとともに、店舗業態ごとの競争優位性を高めることとショップブランドの認知向上による他社との差別化を進めて参ります。また、上記の取り組みを進めるなかにおいては、既存の店舗での業態転換や改装、及び低効率が改善できない店舗のスクラップをスピードアップして進めて参ります。
成長市場としての国内スポーツ市場に対しては、多くの周辺業界のメーカーや小売企業が新規参入するなど、スポーツとライフスタイルの融合が進行しています。その結果、機能性素材を切り口とした低価格衣料品においての競争が激化する一方で、カジュアル衣料としてのスポーツアパレルの需要が増加しております。この傾向が持続することを前提として、お取引先様との限定企画や素材メーカー様との共同開発によるオリジナル商品の提供に加え、客層の拡大施策への取り組みにより、販売効率の改善を進めて参ります。
なお、少子高齢化の影響とライフスタイルの変化などを反映した、スポーツにおける競技ごとの参加者の中長期的なトレンドの将来予測を強化するとともに、チームスポーツの底上げや活性化に向けた施策や活動が重要であり、グループ全体で地道な取り組みを継続して参ります。
働き手の確保と人件費の上昇が進行することへの対応としては、店舗運営に必要となる労働時間の削減するための新たな取り組みを本社主導で開始するとともに、社員のスキル向上とノウハウ共有のための教育体制の充実と人材開発を進めて参ります。物流に関しては、店舗間の商品移動に関わる時間と経費を低減させることで、お客様への満足度向上と経費率の引き下げを目指して参ります。
海外事業では、東アジアにおいて、日本と同様にコロナ禍でのゴルフ事業は堅調に推移する見通しがあり、優位性の高いポジションを堅持しつつ、経営基盤の確立とガバナンスの強化に注力して参ります。
③ 価値観の変化とガバナンス体制
脱炭素社会の実現に向けた政府方針の発出など、ESGに対する社会全体の意識が高揚しています。当社グループでは、ゴルフクラブなどのスポーツ、レジャー用品をリユースする仕組みを展開し、店舗起点でEC配送を行うことによる排気ガス低減、地域活性化のためのスポーツイベントへの取り組みなどを行っています。
なお、自社開発商品における持続可能なサプライチェーン方針(※)の徹底など、生産性向上と持続可能な社会への貢献を両立させながら、取り組んで参ります。
※ ゼビオグループは、以下の方針に従い、持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。
1.法令遵守
国内外の法令を遵守し、社会規範を尊重します。
2.オープン・公正な取引
公正で自由な企業間競争の下、すべてのお取引先と適正な取引を行います。
3.健全な取引関係の構築
取引先との相互理解と信頼関係を大切にし、健全な取引関係の構築を目指します。
4.適正な価格・品質と安定的な購買
購買品に対する知識を高め、市場調査を怠ることなく、優れた物品並びに取引先の開拓に努めます。
5.CSR(企業の社会的責任)調達の推進
環境や人権など社会面に配慮した責任ある調達活動を行います。
これらの短期、中期的な課題を認識しながら、グループシナジー創出とガバナンス強化による企業価値向上のために、以下の経営指標に注目しながら、当社グループステートメントである「こころを動かすスポーツ」「スポーツの国を作ろう」「スポーツで叶える」の実現を目指して参ります。なお、EBITDAと期首末平均運転資本、坪あたり売上高は、中核事業の収益性と生産性の観点、ROEは資本コストとの対比で注目しております。
各指標の計算方式は、連結貸借対照表と連結損益計算書における以下の数値で算出しています。
・EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
・期首末平均運転資本=売掛債権+商品-買入債務の、前期末と当期末の単純平均
・坪あたり売上高=売上高÷期首末売り場面積の単純平均坪数
・ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本
(5) 今後の見通し
今後の経済見通しにつきましては、新型コロナワクチンの接種が開始されたものの、感染力が強く、重症化リスクの高い変異株の流行を受け、3度目の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が延長されており、同ウイルスは今なお感染収束の目途が立たず、日本経済の回復時期も不透明な状況が続くことが予想されます。
かかる状況下、当社グループは、激変する市場環境に向けて、改めてグループ各社の競争優位性を高めることに注力いたします。特に、グループの主力の大型総合スポーツ業態においては、短期的な課題解決と未来創造を行うための専任組織を設置し、複数のプロジェクトを立ち上げて、構造改革を着実に推進して参ります。次期において、重点を置いて対応する内容は以下のとおりです。
① デジタルとEC強化による市場シェアアップ
② 店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態フォーマットの開発
③ 人材開発と業務の標準化による事業の持続性の確保
上記重点対応策により、翌連結会計年度の上期はコロナ禍による業績逓減を最小限に食い止め、コロナワクチン接種が加速する下期から年度末にかけては来店客数の回復も相まってEC販売チャネルのシフトが加速し、通期では新型コロナウイルス感染症前の業績水準に回復するシナリオを想定しております。
以上に基づき、2022年3月期の通期連結業績は、売上高2,253億35百万円、営業利益52億52百万円、経常利益57億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益24億87百万円を見込みます。
(注) 2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の連結業績予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前期増減率は記載しておりません。
(1) 経営方針
当社は、公正な競争原理のもとで、良質な人材、資金と組織をつくることで、「お客様第一主義」に基づいた事業活動によりお客様、株主様、お取引先様、従業員とともに成長し社会に貢献することを経営理念としております。
スポーツ、ファッション商品を通して、お客様の求める最高の商品価値を創造、提供できる商品開発とショッピングそのものの楽しさやサービスを提供できる店舗づくりを継続的に実現し、「オンリーワン」企業になることを経営の基本方針として、日々努力を重ねて参ります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中長期的に予測される経営環境と、日々変化する市場に対応しながら、お客様とのさまざまな接点を通じて「スポーツの新しい価値」を提案し、新しいスポーツビジネスの創造に取組んでいくことで、中長期的に企業価値を高めつつ、社会貢献を果たしていくという企業理念を実現するために、以下の取り組みを実施して参ります。
そのためには、グループ内での経営理念の共有と浸透を進めつつ、グループ企業間での自発的な協業を促すことでシナジーを創造できるグループ運営を目指し、グループ内での機能集約による専門性向上とコスト競争力の発揮を進めていきます。また、さらなる成長のために、国内外の有力企業との協業や提携、相乗効果が期待できる事業や企業の買収などに取組み、新たな人材やノウハウの確保という形でグループアセットの増強を進めて参ります。
中核事業であるスポーツ小売事業においては、市場環境と立地特性により「スーパースポーツ」「スポーツエクスプレス」「ヴィクトリア」「ヴィクトリアゴルフ」「エルブレス」「ゴルフパートナー」「ネクサス」「タケダスポーツ」などのそれぞれの業態が持つ「強み」と「特色」を活かした新規出店や店舗再配置、及びEC運営の併設を進めることにより、収益性と生産性を備えた店舗網の整備を進めて参ります。商品面では、お客様との接点である店頭での販売情報や社会情勢の変化やファッショントレンドをベースとした、店舗ごとの適正な商品構成の精度向上と、グループとしてのお取引先様との連携や取組みの拡大による商品面での差別化を継続的に実施します。また、小売事業の成長を促進するために物流と情報システム整備のための継続的な投資を進めて行きます。
なお、当社の経営戦略において、具体的な店舗業態や商品開発、M&Aや提携の内容などは、営業戦略上の機密情報に該当するため、開示事由に該当するものを除いて、記載は省略しております。
(3) 経営環境
当社グループは、国内外におけるスポーツ、レジャー用品の小売、及び卸売りを主たる事業としておりますが、連結売上高の9割以上が国内におけるスポーツ用品・用具の販売となっています。具体的な事業内容につきましては、商品部門別販売実績、及び地域別売上高に示しています。
① 市場環境
国内のスポーツ、レジャー市場は、少子高齢化や地球温暖化などの社会情勢の変化を受け、チームスポーツからパーソナルスポーツへのシフトが進んでいます。国内での各種競技スポーツのプロリーグ化、健康志向の高まり、及びファミリーレジャーの拡大などの影響もあり、安定的な成長を遂げています。
② 顧客動向
少子化の進行に伴う部活動生の減少やライフスタイルの変化といった中長期的な社会情勢の変化や、オリンピック・パラリンピックでの競技種目の変更や追加、世界大会などでの日本人プレーヤーの活躍などの要因により、競技種目ごとの販売状況が影響を受けます。最近では、新型コロナウイルス感染拡大により若年層ゴルファーの増加や、テレワークの定着に伴うスポーツカジュアル需要の拡大などが現れるなど、お客様の動向への対応がより重要になっています。
③ 販売チャネル
オンライン取引の拡大やデジタル技術の進歩に伴う店舗のショールーミング化が急速に進行しており、それに伴う店舗のあり方や販促施策の修正と、店舗網の再配置やEC関連等への投資が必要となっています。
④ 競合環境
衣料品におけるスポーツと周辺領域との垣根がなくなりつつあることや、メーカー各社による自社ECサイトでの直販が拡大するなどの要因から、競合環境に関しても日を追うごとに厳しくなっています。
⑤ 事業運営環境
店舗で働く人材の確保や流動化の加速や人件費単価の上昇、及びEC売上増加に伴う物流経費の増加といった、既存事業におけるコスト上昇圧力は大きくなっています。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症拡大とともに急速に浸透した新しい生活様式は、当社グループの主たる事業領域である国内外のスポーツ用品販売事業の経営環境に大きな変化をもたらし、一定の収束を実現したあともその影響は持続することが予想されます。したがいまして、当社グループとしては、その想定していなかった急激な環境変化への対応と、従来から継続している中長期的な社会構造のトレンドに合わせた調整を同時に進めて行くことが必要となっています。
① 新しい生活様式への対応
新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点からの3密回避とソーシャルディスタンスの確保が定着するなかで、都心部のビル型店舗や週末に多数の来客で賑わう大型ショッピングセンターにおける来店客数や、店内での滞留時間の短縮が進んでいることから、従来は人の交通量が豊富で好立地と評価していた店舗での販売が低調の推移しつつある一方で、郊外の単独店においては来店客が増加する傾向にあります。状況の変化に対応するべく個々の店舗ごとに、店内レイアウトや販促施策の修正などで活性化に進めて参ります。
また、若年層や女性プレーヤーの増加で需要が拡大しているゴルフ、エントリーユーザーが急増しているキャンプなどのコロナ禍で追い風となっているカテゴリーの販売強化を行う一方、部活動や運動会などの学校行事の実施が見送られることで短期的に需要が低迷するチームスポーツや、本格的な再開時期が推定しにくいランニング関連では、リバウンド消費の獲得や新たな需要喚起施策での売上確保に取り組んで参ります。なお、それらの課題への対処にあたっては、コロナ前より少ない社員数での店舗運営ができる形での運営を目指し、生産性と販売効率を回復させて参ります。
② 中長期的な環境変化への対応
コロナ禍により、お客様のスポーツ用品に関するEC利用の拡大が加速したことで、リアル店舗への来店動機の希薄化に拍車がかかる傾向にあり、この流れに対応したリアル店舗での快適さや利便性向上、有益な情報の入手や利用価値を体験できる仕掛けが重要となっています。また、当社グループでは従来から店舗起点でのEC販売対応を行っていますが、増加するEC需要に対応するために既存店舗の運営体制の修正や追加投資を行うことで、販売効率の向上を進めて参ります。
近年、リアル店舗での同業他社との同質化が進む傾向にあるため、当社独自のデジタルを活用したサービスと情報発信力の向上を進めるとともに、店舗業態ごとの競争優位性を高めることとショップブランドの認知向上による他社との差別化を進めて参ります。また、上記の取り組みを進めるなかにおいては、既存の店舗での業態転換や改装、及び低効率が改善できない店舗のスクラップをスピードアップして進めて参ります。
成長市場としての国内スポーツ市場に対しては、多くの周辺業界のメーカーや小売企業が新規参入するなど、スポーツとライフスタイルの融合が進行しています。その結果、機能性素材を切り口とした低価格衣料品においての競争が激化する一方で、カジュアル衣料としてのスポーツアパレルの需要が増加しております。この傾向が持続することを前提として、お取引先様との限定企画や素材メーカー様との共同開発によるオリジナル商品の提供に加え、客層の拡大施策への取り組みにより、販売効率の改善を進めて参ります。
なお、少子高齢化の影響とライフスタイルの変化などを反映した、スポーツにおける競技ごとの参加者の中長期的なトレンドの将来予測を強化するとともに、チームスポーツの底上げや活性化に向けた施策や活動が重要であり、グループ全体で地道な取り組みを継続して参ります。
働き手の確保と人件費の上昇が進行することへの対応としては、店舗運営に必要となる労働時間の削減するための新たな取り組みを本社主導で開始するとともに、社員のスキル向上とノウハウ共有のための教育体制の充実と人材開発を進めて参ります。物流に関しては、店舗間の商品移動に関わる時間と経費を低減させることで、お客様への満足度向上と経費率の引き下げを目指して参ります。
海外事業では、東アジアにおいて、日本と同様にコロナ禍でのゴルフ事業は堅調に推移する見通しがあり、優位性の高いポジションを堅持しつつ、経営基盤の確立とガバナンスの強化に注力して参ります。
③ 価値観の変化とガバナンス体制
脱炭素社会の実現に向けた政府方針の発出など、ESGに対する社会全体の意識が高揚しています。当社グループでは、ゴルフクラブなどのスポーツ、レジャー用品をリユースする仕組みを展開し、店舗起点でEC配送を行うことによる排気ガス低減、地域活性化のためのスポーツイベントへの取り組みなどを行っています。
なお、自社開発商品における持続可能なサプライチェーン方針(※)の徹底など、生産性向上と持続可能な社会への貢献を両立させながら、取り組んで参ります。
※ ゼビオグループは、以下の方針に従い、持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。
1.法令遵守
国内外の法令を遵守し、社会規範を尊重します。
2.オープン・公正な取引
公正で自由な企業間競争の下、すべてのお取引先と適正な取引を行います。
3.健全な取引関係の構築
取引先との相互理解と信頼関係を大切にし、健全な取引関係の構築を目指します。
4.適正な価格・品質と安定的な購買
購買品に対する知識を高め、市場調査を怠ることなく、優れた物品並びに取引先の開拓に努めます。
5.CSR(企業の社会的責任)調達の推進
環境や人権など社会面に配慮した責任ある調達活動を行います。
これらの短期、中期的な課題を認識しながら、グループシナジー創出とガバナンス強化による企業価値向上のために、以下の経営指標に注目しながら、当社グループステートメントである「こころを動かすスポーツ」「スポーツの国を作ろう」「スポーツで叶える」の実現を目指して参ります。なお、EBITDAと期首末平均運転資本、坪あたり売上高は、中核事業の収益性と生産性の観点、ROEは資本コストとの対比で注目しております。
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| EBITDA(百万円) | 9,978 | 9,383 | 6,862 |
| 期首末平均運転資本(百万円) | 49,552 | 52,001 | 49,204 |
| 坪あたり売上高(千円/坪) | 1,195 | 1,147 | 1,023 |
| ROE(%) | 1.6 | 0.3 | 0.4 |
各指標の計算方式は、連結貸借対照表と連結損益計算書における以下の数値で算出しています。
・EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
・期首末平均運転資本=売掛債権+商品-買入債務の、前期末と当期末の単純平均
・坪あたり売上高=売上高÷期首末売り場面積の単純平均坪数
・ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本
(5) 今後の見通し
今後の経済見通しにつきましては、新型コロナワクチンの接種が開始されたものの、感染力が強く、重症化リスクの高い変異株の流行を受け、3度目の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が延長されており、同ウイルスは今なお感染収束の目途が立たず、日本経済の回復時期も不透明な状況が続くことが予想されます。
かかる状況下、当社グループは、激変する市場環境に向けて、改めてグループ各社の競争優位性を高めることに注力いたします。特に、グループの主力の大型総合スポーツ業態においては、短期的な課題解決と未来創造を行うための専任組織を設置し、複数のプロジェクトを立ち上げて、構造改革を着実に推進して参ります。次期において、重点を置いて対応する内容は以下のとおりです。
① デジタルとEC強化による市場シェアアップ
② 店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態フォーマットの開発
③ 人材開発と業務の標準化による事業の持続性の確保
上記重点対応策により、翌連結会計年度の上期はコロナ禍による業績逓減を最小限に食い止め、コロナワクチン接種が加速する下期から年度末にかけては来店客数の回復も相まってEC販売チャネルのシフトが加速し、通期では新型コロナウイルス感染症前の業績水準に回復するシナリオを想定しております。
以上に基づき、2022年3月期の通期連結業績は、売上高2,253億35百万円、営業利益52億52百万円、経常利益57億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益24億87百万円を見込みます。
(注) 2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の連結業績予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前期増減率は記載しておりません。