有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 9:02
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201項目

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。当該将来に関する事項は、取締役会等の社内の会議体で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであり、検討にあたっては、当社グループの事業所ごとに事業を取り巻く環境、事業計画、その他関連する諸条件を総合的に勘案して判断しております。
なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
当社グループは、スーパーマーケットの経営を事業主体としており、店舗「原信」「ナルス」「フレッセイ」を各地に出店しております。
(1) 経営成績の状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度における我が国経済は、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長経済への転換を図る経済政策が進みつつありますが、物価上昇が高い水準で継続しており、財政規律を保ちながら必要な改善策を講じることが課題となっております。また、経済の先行きについて、米国や中国の対外政策、中東・ウクライナ情勢など、諸外国の動向による影響の見通しが不透明となっております。
このような状況において、当連結会計年度における当社グループの連結経営成績は、売上高が2,955億36百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益が121億85百万円(前年同期比1.0%増)、経常利益が127億99百万円(前年同期比0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が88億3百万円(前年同期比2.3%減)となり、売上高、営業利益、並びに、経常利益は、連結会計年度として過去最高の成果を達成することができました。
当連結会計年度においては、当社グループの各出店地域で、競合他社の新規出店・改装が過去にないほど多く実施されました。こうした状況に対し、営業政策として、低価格競争には正面から徹底的に向き合い、お客様にお薦めしたい価値ある商品を他社に負けない価格でご提供するとともに、競争原資を捻出するためのオペレーションや販売方法の改善・工夫を進めております。併せて、価格競争に終始するだけではなく、当社グループの特徴である「豊かさ、楽しさ、便利さ」をご提供する商品、サービスの強化に一層努めており、当社グループの良さをアピールし、他社店舗を越えてでも当社グループ店舗にご来店いただけるよう注力しております。加えて、近年、特に力を入れて進めております商品力強化の施策「おいしさ企画化計画」を推進することで、お客様に感動していただけるような、我が社なりの特徴、こだわりを持った独自商品を店頭に次々と送り出し、お客様から大変ご好評を得ております。なお、客数につきましては、“原信ナルスアプリ”のリニューアルに伴う機能見直しのため、来店特典である「ご来店スタンプ」を廃止したことで、原信とナルスが一時的に下振れする影響を受けております。
このような攻めの営業政策により、売上総利益率は前年同期に比べ低下いたしましたが、他社を上回る当社グループの良さをご評価いただいたことにより、売上高、並びに、売上総利益は、連結会計年度として過去最高を更新いたしました。
また、攻めの営業政策を実現するための原資として、諸経費の統制・削減、デジタル化の推進、労働時間管理等、コスト・コントロールを徹底したことにより、諸経費の増加を吸収し、営業利益、並びに、経常利益は連結会計年度として過去最高を更新いたしました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税の額から控除される特別控除額の減少により前年同期を下回りました。
① セグメント別経営成績
当連結会計年度における各セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの経営成績につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
a スーパーマーケット
(全般)
当連結会計年度におけるスーパーマーケット事業の経営成績は、売上高が2,949億5百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益が119億52百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度におきましては、前連結会計年度に取り組んだ方針を踏襲し、一層深耕することを目指して、下記のとおり年度方針を掲げました。
年度方針
「もっと おいしさがドまん中大作戦!!」~ "いかす" アクシアルへ ~
重点施策
《インフラを活かす》当社のグループ規模、機能を最大限に活用したマスメリットの創出による売上高、売上総利益の最大化と費用の削減
《人材を活かす》働きがいのある職場環境づくり、様々な能力を持った人材の獲得・育成・活用、コミュニケーションの活性化による組織全体のパフォーマンス向上
《イカス!!アクシアル》他社との差別化を図り、お客様よりご評価いただける営業施策の推進
この年度方針と重点施策に従い、環境が大きく変化する状況にあっても、規模・機能・人材を活かして変化に対応し、お客様に感動していただけるような我が社なりの特徴、こだわりを持った商品を一層お届けすることで、毎日の生活における「豊かさ、楽しさ、便利さ」の実現に向けて取り組みました。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(販売指標に関する動向)
当連結会計年度の販売指標は以下のとおりであります。
項目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比
期末店舗数グループ合計131店舗1店舗増加
内訳 (原信)68店舗1店舗増加
(ナルス)13店舗
(フレッセイ)50店舗
店舗売上高全店291,654百万円105.3%
既存店286,646百万円104.7%
来店客数全店11,141万人98.9%
既存店10,949万人98.5%
客単価全店2,618円106.5%
既存店2,618円106.3%
買上点数全店11.74点102.5%
既存店11.74点102.7%
一品単価全店222.91円103.9%
既存店222.93円103.5%

(注)1 記載数値は、「収益認識に関する会計基準」等に基づく調整前の数値で記載しております。
2 店舗数は、当連結会計年度末現在におけるスーパーマーケットの設置店舗数であり、他業態の設置店舗数(100円ショップ2店舗)は含みません。
3 店舗売上高、来店客数、客単価、買上点数、一品単価は、スーパーマーケット店舗のみの数値であります。
4 客単価は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった金額の平均であります。
5 買上点数は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった商品数の平均であります。
6 一品単価は、お客様がお買い上げになった商品の一品当たり金額の平均であります。
7 既存店は、店舗開設より満13か月以上を経過した店舗であります。
(出店・退店等)
出店につきましては、原信六日町店(2026年3月、新潟県南魚沼市、売場面積2,159㎡)について建替を完了いたしました。
改装につきましては、フレッセイ富塚店(2025年7月、群馬県伊勢崎市、売場面積1,962㎡)、原信美沢店(2025年9月、新潟県長岡市、売場面積2,086㎡)、並びに、フレッセイ連取店(2026年3月、群馬県伊勢崎市、売場面積2,035㎡)について実施いたしました。
退店につきましては、該当ありません。
(物流拠点の新設)
2026年2月、長野県に新たな物流拠点(原信ナルス 長野エリアセンター)を設けました。
おかげさまで、長野県内の店舗数、売上高は一定の水準に達し、この地域を賄うだけの物流拠点を維持できる体制が整いました。これにより、遠隔地への配送が軽減され、コスト削減、商品の品質向上、非常時対応の能力向上、物流最適化が図られることとなります。今後は、これを活かし、広域出店を一層拡大し、成長戦略の実現を目指してまいります。
(直接輸入の開始)
輸入商品は、従来、仲介業者様の力を借りて調達しておりましたが、このたび初めて、仲介業者様を通さず海外の輸出事業者様と当社グループが直接取引を行う直接輸入を実現いたしました。
当社グループの規模をもっても、この取組みは容易ではありませんでしたが、他社との差別化や利益率の向上を図るため、数年前から、商品の開拓や組織体制の整備、ノウハウの蓄積を進めた結果、実現に至りました。この実現により、チェーンストアとしてのマスメリットを活かす機能をまた一つ整えることができ、お客様に一層喜んでいただける商品をお届けしたいと考えております。
(政府備蓄米の販売)
2025年5月に政府が開始した“随意契約による政府備蓄米の売渡し”について、当社グループは、米の流通改善に向けた政府の政策趣旨に賛同し、買受者の資格条件である年間10,000トン以上の米穀の取扱実績又は取扱見込みを満たす大手小売事業者として申込みを行い、1,610トンを買い受けました。
この後、精米事業者や包装資材の確保に困難を極めましたが、2025年6月初旬より、他の小売業に先んじて段階的にお客様へ政府備蓄米をお届けいたしました。
(ブランディング戦略)
競合他社との違いを明確にし、お客様に「豊かさ、楽しさ、便利さ」をご提供するための施策のひとつとして、当社グループでは、原信ナルス、フレッセイのブランディング戦略を推進しております。
これに基づく当社グループが独自展開する商品ブランドには、様々なコンセプトや価格帯等でカテゴライズしたものがありますが、2025年の秋に新しいスイーツのブランド「Pont de Peinture(ポン・デ・パンチュール)」を立ち上げました。
この銘は、フランス語で「橋の絵」を意味します。これには、自社製造のスイーツが新潟県長岡市にある長生橋のたもとで創業した由縁があることに加え、“絵画を眺めながらゆったりとした時間を過ごすような、そんなひとときにおすすめするスイーツを・・・”という想いを込めております。
現時点では販売する品目、取扱い店舗が限られておりますが、順次、販売体制の拡大と品目数の拡充を進めてまいります。
(アプリ更新)
当社グループでは、お客様にお買い物の楽しさ、便利さをご提供するための販売促進ツールとして、スマートフォン向けアプリケーションである「原信ナルスアプリ」と「フレッセイアプリ」をご提供しております。
このうち、原信ナルスアプリについて、2025年4月に全面リニューアルを実施いたしました。
今回の更新では、見やすさ・分かりやすさを高めるための表示変更、割引クーポン体系の改変、利用可能なバーコード決済サービスの追加等、新機能の追加、機能改善を図るとともに、セキュリティと不正防止の機能強化を図っています。
b その他
(全般)
当連結会計年度におけるその他の事業の経営成績は、売上高が57億39百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益が4億76百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(情報処理事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、情報処理収入が伸長し前年同期より増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、スーパーマーケット事業の基幹システム改修に開発人員を振り向け、外部顧客向けの情報システム開発を縮小したため前年同期より減少いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ3.9%増加いたしました。
なお、当事業を担うアイテックは、設備更新、機能拡充のため、2025年5月に本社を移転(新潟県長岡市中興野16番地1)いたしました。この本社移転に関係し一時的な費用が生じたため、営業利益は、前年同期に比べ27.4%減少いたしました。
(印刷事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、印刷物や各種メディア媒体の受注が増えたため増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、印刷物やイベント企画の受注が減り減少いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ5.1%増加し、営業利益は、前年同期に比べ33.2%増加いたしました。
(清掃事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、安定した受注を受け前年同期に比べ増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、リサイクル資材の販売単価が下落し前年同期に比べ減少いたしました。この結果、売上高は、前年同期に比べ2.4%増加いたしましたが、営業利益は、前年同期に比べ1.5%減少いたしました。
② 生産、受注及び販売の状況
a 販売実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比
金額(百万円)金額(百万円)(%)
スーパーマーケット281,216294,905104.9
その他5,5385,739103.6
合計286,755300,645104.8

(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 主な商品別売上高の状況
項目前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
スーパー
マーケット
生鮮食品青果36,70412.838,16612.7
精肉32,35511.334,58711.5
水産29,66110.330,52110.2
惣菜30,71110.732,53510.8
129,43345.1135,81045.2
一般食品デイリー58,75420.561,10420.3
加工食品72,21325.276,82625.6
インストア
ベーカリー
5,6592.05,9182.0
136,62747.7143,84947.9
住居8,4983.08,6182.9
衣料品820.0690.0
その他2960.12820.1
営業収入6,1372.16,1382.0
セグメント間の
内部売上高又は振替高
1400.11350.0
小計281,21698.1294,90598.1
その他外部顧客に対する
売上高
7950.37670.3
セグメント間の
内部売上高又は振替高
4,7431.64,9721.6
小計5,5381.95,7391.9
合計286,755100.0300,645100.0

(注) 主要な販売先(総販売実績の100分の10以上を占める相手先)に該当する相手先はありません。

b 仕入実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比
金額(百万円)金額(百万円)(%)
スーパーマーケット197,028208,207105.7
その他3,9974,223105.6
合計201,026212,430105.7

(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 主な商品別仕入高の状況
項目前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
スーパー
マーケット
生鮮食品青果27,05513.528,26713.3
精肉25,19612.527,31712.9
水産20,69210.321,28210.0
惣菜17,2288.618,1888.6
90,17344.995,05544.8
一般食品デイリー42,84221.344,81821.1
加工食品54,91927.359,07927.8
インストア
ベーカリー
2,1791.12,2511.1
99,94049.7106,14950.0
住居6,4193.26,5193.1
衣料品510.0420.0
その他920.1970.0
リース原価870.0790.0
セグメント間の
内部仕入高又は振替高
2640.12630.1
小計197,02898.0208,20798.0
その他外部取引先からの
仕入高
3,4121.73,6811.7
セグメント間の
内部仕入高又は振替高
5840.35410.3
小計3,9972.04,2232.0
合計201,026100.0212,430100.0


③ 連結経営成績全般に関する事項
当連結会計年度における連結経営成績全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
a 売上高及び営業利益
(売上高、売上総利益)
セグメント別の詳細に関しましては、「① セグメント別経営成績」及び「② 生産、受注及び販売の状況」に記載したとおりであります。
この結果、売上高(セグメント間の内部取引高消去後)は、スーパーマーケット事業の既存店、全店のいずれも前年同期を上回ったことにより、前年同期に比べ4.8%増加し2,955億36百万円となりました。
また、売上総利益は、売上高の増加に伴い、前年同期に比べ3.0%増加し845億10百万円となりました。
なお、売上高売上総利益率は、競合他社の新規出店・改装が過去にないほど各地で相次ぎ、物価上昇が進む環境下において、低価格競争に正面から徹底的に向き合うとともに、値ごろ感を維持する価格政策をとったことにより、前年同期に比べ0.5ポイント減少し28.6%となりました。
(販売費及び一般管理費)
諸経費につきましては、当社グループ全体の観点から、あらゆるコストの見直し、削減、適正利用に努め、削減の取組みを進めております。
人件費につきましては、適正な人員配置と生産性の向上を進めておりますが、新規出店等による新規採用に加え、前向きな賃上げの実施、社会保険料負担増加の影響等により、前年同期に比べ18億53百万円増加いたしました。なお、売上高に対する比率は、前年同期と同様の14.5%となり、労働分配率(人件費÷売上総利益)は、前年同期に比べ0.7ポイント増加し50.6%となりました。
配送費につきましては、燃料価格、物流委託契約料の上昇により、前年同期に比べ2億57百万円増加いたしました。
減価償却費につきましては、近年の設備投資により、前年同期に比べ77百万円増加いたしました。
支払手数料につきましては、キャッシュレス決済の増加により、前年同期に比べ1億64百万円増加いたしました。
その他諸経費につきましては、前年同期に比べ24百万円減少いたしました。
この結果、販売費及び一般管理費の総額は、前年同期に比べ3.3%増加し723億24百万円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前年同期に比べ0.3ポイント減少し24.5%となりました。
(営業利益)
前向き賃上げの実施による人件費の増加や物価上昇による諸経費の増加に対して、全社、各部署が横断的に適正利益確保対策、費用削減対策等の様々な施策を講じ、販売費及び一般管理費の増加を売上総利益の増加で吸収できたため、営業利益は、前年同期に比べ1.0%増加し121億85百万円となりました。なお、売上高営業利益率は、売上高売上総利益率が前年同期を下回ったことにより、前年同期に比べ0.2ポイント減少し4.1%となりました。
b 経常利益
(営業外収益)
補助金収入は、省エネルギー設備の導入に関して受領したものが減ったため、前年同期に比べ98百万円減少いたしました。
違約金収入は、当社グループが所有する商業施設の賃貸契約に関して、契約満了前の中途解約が重なったため、前年同期に比べ89百万円増加いたしました。
この結果、営業外収益の総額は、前年同期に比べ0.3%減少し7億18百万円となり、売上高に対する営業外収益の比率は、前年同期と同様の0.2%となりました。
(営業外費用)
支払利息は、短期運転資金の外部調達に係る金利水準が上昇した反面、手元資金の増加が増加し調達額が減少したことにより、前年同期に比べ8百万円減少いたしました。
自己株式取得費用は、取締役会決議による自己株式の取得に伴うものであり、前年同期に比べ44百万円増加いたしました。
この結果、営業外費用の総額は、前年同期に比べ47.6%増加し1億5百万円となり、売上高に対する営業外費用の比率は、前年同期と同様の0.0%となりました。
なお、インタレスト・カバレッジ・レシオ(営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額)は、営業キャッシュ・フローの増加により、前年同期に比べ201.6ポイント向上し478.9倍となりました。
(経常利益)
営業利益の増加及び営業外損益の要因により、経常利益は、前年同期に比べ0.7%増加し127億99百万円となりました。なお、売上高経常利益率は、売上高営業利益率が前年同期を若干下回ったことにより、前年同期に比べ0.2ポイント減少し4.3%となりました。
なお、経営の重要指標と位置付けている総資産経常利益率(ROA)は、一定水準の経常利益が確保できたものの、手元資金の増加や営業債権の増加により流動資産が増加したこと、並びに、将来に向けた成長投資で総資産が増加したことにより、前年同期に比べ0.3ポイント減少し9.2%となりました。
c 税金等調整前当期純利益
(特別利益)
前年同期においては投資有価証券売却益の計上が若干ありましたが、当連結会計年度においては計上がありませんでした。
(特別損失)
減損損失は、前年同期同様、既存店等について若干計上があり、前年同期に比べ40百万円増加いたしました。
このほか、固定資産の処分による固定資産売却損と固定資産除却損の計上、並びに、投資有価証券評価損の計上が若干ありました。
この結果、特別損失の総額は、前年同期に比べ45.1%増加し2億4百万円となり、売上高に対する特別損失の比率は、前年同期と同様の0.0%となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益の増加、並びに、特別損益の要因により、税金等調整前当期純利益は、前年同期に比べ0.2%増加し125億94百万円となり、売上高に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.2ポイント減少し4.3%となりました。
d 当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
(税金費用)
税金費用の総額は、課税所得の増加、並びに、法人税額の特別控除額の減少により、前年同期に比べ6.4%増加し37億91百万円となり、売上高に対する税金費用の比率は、前年同期と同様の1.3%となりました。
また、税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は、いわゆる「賃上げ促進税制」による法人税額の特別控除額が減少したことや、前年同期における税法の改正に伴う法定実効税率変更に伴う期末繰延税金資産の純額の増額修正の反動で、前年同期に比べ1.7ポイント増加し30.1%となりました。
(当期純利益)
税金等調整前当期純利益は増加した反面、法人税等の負担率が増加したことにより、前年同期に比べ2.3%減少し88億3百万円となり、売上高に対する当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.2ポイント減少し3.0%となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
すべての連結子会社は完全子会社であるため、該当事項はありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益がないため、親会社株主に帰属する当期純利益は、当期純利益と同額となり、前年同期に比べ2.3%減少し88億3百万円となり、売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前年同期に比べ0.2ポイント減少し3.0%となりました。
また、自己資本利益率(ROE)は、前年同期に比べ0.9ポイント減少し9.5%となり、1株当たり当期純利益は、前年同期に比べ22銭減少し99円32銭となりました。
なお、当連結会計年度に属する1株当たり年間配当額は29円(うち、中間配当13円、期末配当16円。期末配当は、2026年6月24日開催の定時株主総会にて決議予定)としており、前年同期に比べ2円の増配となります。この結果、連結ベースの配当性向は、前年同期に比べ2.1ポイント増加し29.2%となる予定です。加えて、当連結会計年度においては、前年同期に引き続き取締役会決議による取得を実施しており、連結ベースの総還元性向((配当金支払総額(決議ベース)+自己株式取得金額)÷親会社株主に帰属する当期純利益)は、43.2%となる予定です。直近連結会計年度の配当の状況につきましては、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご覧ください。
e 包括利益
その他有価証券評価差額金は、保有する投資有価証券の時価上昇により、前年同期に比べ6億41百万円増加いたしました。
退職給付に係る調整額は、金利上昇を受け退職給付債務の割引率を変更したこと、並びに、年金資産の時価が上昇したことにより、数理計算上の差異が発生したため、前年同期に比べ3億1百万円増加いたしました。
この結果、当期純利益の減少を補い、前年同期に比べ8.2%増加し97億43百万円となりました。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に対する経営成績等の分析
当連結会計年度の実績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益について、当初の見込値を上回る実績値を達成することができました。
(当連結会計年度の見込みに対する実績の状況)
当連結会計年度における業績見込みに対する実績の状況を示すと、以下のとおりであります。
項目見込値実績値差異見込比(%)
(A)(B)(B)-(A)(B)/(A)
売上高(百万円)286,000295,536+9,536103.3
営業利益(百万円)11,40012,185+785106.9
経常利益(百万円)12,00012,799+799106.7
親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)8,2008,803+603107.4

(注) 見込値は、2025年5月7日付けで「2026年3月期の通期連結業績予想」として公表したものであります。
(業績見込みに対する実績の状況の分析)
売上高が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・当社グループの規模を活かした商品調達や品ぞろえの優位性が確保できたこと。
・当社ならではの名物商品やプライベート・ブランド商品の販売が好調だったこと。
・営業全般における週間管理、適正利益確保の仕組みが良好に運用され、売場管理や不要なロス削減が維持されていること。
・競合他社の新規出店・改装が過去にないほど各地で相次ぐ環境において、低価格競争に正面から徹底的に向き合うだけでなく、当社グループのご提供する品質の高い商品、充実した品揃え、お客様に寄り添ったサービスが、お客様から“また来たい”とご評価いただいたこと。
経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・売上高の増加に加え、売上総利益率を比較的高い水準で維持できたことにより、売上総利益が増加したこと。
・諸費用について、契約内容や調達先の見直し、費用削減対策の継続的取組みにより、増加額を最小限にとどめることができたこと。
・設備について、省エネルギー、創エネルギーの取組みが進み、関連費用の削減が実現できたこと。
(2) 財政状態の状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度末における連結財政状態は、総資産が1,441億45百万円(前連結会計年度末比88億49百万円増)、総負債が489億27百万円(前連結会計年度末比29億25百万円増)、純資産が952億18百万円(前連結会計年度末比59億23百万円増)となりました。
① セグメント別財政状態
当連結会計年度末における各セグメントの財政状態を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの財政状態につきましては、セグメント間の調整額控除前で表示しております。
a スーパーマーケット
(資産)
資産は1,364億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億13百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が、営業活動による得られた資金の増加及び投資活動による使用した資金の減少により前連結会計年度末に比べ71億58百万円増加したこと、並びに、投資有価証券が、保有する投資有価証券の時価上昇により前連結会計年度末に比べ10億73百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債は480億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億67百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が、商品仕入高の増加により、前連結会計年度末に比べ5億32百万円増加したこと、流動負債「その他」が、諸経費や設備投資に係る未決済残高が増したことにより、前連結会計年度末に比べ24億12百万円増加したこと、並びに、未払法人税等が、中間納税額と確定申告額の関係により、前連結会計年度末に比べ4億71百万円増加したことによるものであります。
(純資産相当額)
資産から負債を差し引いた純資産相当額は883億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ39億45百万円増加いたしました。なお、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少し64.8%となりました。
b その他
(資産)
資産は78億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億78百万円増加いたしました。これは主に、たな卸資産が、今後の販売予定を踏まえて先行して確保したことにより、前連結会計年度末に比べ1億9百万円増加したこと、並びに、短期貸付金が、セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)に対する貸付の増加により、前連結会計年度末に比べ80百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債は10億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億15百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が、商品仕入高及び原材料仕入高の増加により、前連結会計年度末に比べ135百万円増加したこと、並びに、未払法人税等が、中間納税額と確定申告額の増加等により、前連結会計年度末に比べ47百万円増加したことによるものであります。
(純資産相当額)
資産から負債を差し引いた純資産相当額は68億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億62百万円増加いたしました。なお、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、前連結会計年度末に比べ2.3ポイント減少し86.9%となりました。
② 連結財政状態全般に関する事項
当連結会計年度における連結財政状態全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
a 総資産
流動資産は478億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億20百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が、営業活動による得られた資金の増加及び投資活動による使用した資金の減少により前連結会計年度末に比べ85億49百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の構成比は、前連結会計年度末に比べ3.9ポイント増加し33.2%となりました。
固定資産は963億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億28百万円増加いたしました。その内容は次のとおりであり、固定資産の構成比は、前連結会計年度末に比べ3.9ポイント減少し66.8%となりました。
有形固定資産は766億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ40百万円減少いたしました。これは主に、減価償却によるものであります。
無形固定資産は32億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが、取得により前連結会計年度末に比べ1億19百万円増加したことによるものであります。
投資その他の資産は163億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億49百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が、保有する投資有価証券の時価総額の増加により前連結会計年度末に比べ10億73百万円増加したこと、並びに、退職給付に係る資産が、数理計算上の差異の発生により前連結会計年度末に比べ4億15百万円増加したことによるものであります。
b 総負債
流動負債は353億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億44百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が、商品仕入高の増加により、前連結会計年度末に比べ6億67百万円増加したこと、流動負債「その他」が、諸経費や設備投資に係る未決済残高が増したことにより、前連結会計年度末に比べ23億94百万円増加したこと、並びに、未払法人税等が、中間納税額と確定申告額の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億88百万円増加したことによるものであります。なお、流動負債の構成比は、前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加し24.5%となりました。
固定負債は136億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億18百万円減少いたしました。これは主に、リース債務が、返済により前連結会計年度末に比べ2億56百万円減少したこと、並びに、長期預り保証金が、約定償還により前連結会計年度末に比べ3億56百万円減少したことによるものであります。なお、固定負債の構成比は、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減少し9.4%となりました。
c 純資産
株主資本は921億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億82百万円増加いたしました。増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上88億3百万円であり、減少要因は、剰余金の配当25億87百万円、並びに、自己株式の取得12億32百万円であります。
その他の包括利益累計額は30億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億40百万円増加いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が、保有する投資有価証券の時価総額の増加により前連結会計年度末に比べ7億36百万円増加したことによるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加し66.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、304億36百万円(前連結会計年度末比85億49百万円増)となりました。
① セグメント別キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における各セグメントの資金の期末残高を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの資金の期末残高には、報告セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)の資金の期末残高は含まれておりません。
a スーパーマーケット
スーパーマーケット事業は、現金販売が主体であるため資金の流動性が高く、滞留資金が極力生じないよう効率的な資金繰りに努めております。
資金の期末残高は、271億47百万円となり前連結会計年度末に比べ71億58百万円増加いたしました。これは主に、営業活動の結果得られた資金が、経常利益の増加、営業債権債務の未決済部分の差異、法人税等の支払額の減少により、前年同期に比べ増加したこと、並びに、投資活動の結果使用した資金が、設備投資時期の関係で、前年同期に比べ減少したことによるものであります。
b その他
資金の期末残高は、6億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加いたしました。これは主に、営業活動の結果得られた資金に対し、財務活動により使用した資金が、セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)に対する配当金の支払が増して増加したことで、資金の増加が微増に収まったことによるものであります。
② 連結キャッシュ・フロー全般に関する事項
当連結会計年度における連結キャッシュ・フロー全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は169億39百万円となり、前年同期に比べ51億23百万円増加(前年同期比43.4%増)いたしました。これは主に、営業債権と営業債務の増減額が、前年同期と当連結会計年度の曜日周りの違いにより未決済部分の差異が生じたこと、法人税等の支払額が、中間納税額と確定申告額の関係により前年同期に比べ6億94百万円減少したことによるものであります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は42億49百万円となり、前年同期に比べ34億20百万円減少(前年同期比44.6%減)いたしました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が、前年同期における新本社への投資の反動及び店舗への設備投資時期の関係で前年同期に比べ31億41百万円減少(前年同期比43.7%減)したことによるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は41億40百万円となり、前年同期に比べ8億62百万円増加(前年同期比26.3%増)いたしました。これは主に、配当金の支払額が、増配により前年同期に比べ3億46百万円増加したこと、並びに、自己株式の取得による支出が、取締役会決議に基づく自己株式の取得(約定日基準による取得期間:2025年2月5日から2025年8月31日、取得しうる株式の総数上限200万株、株式の取得価額の総額上限20億円)を実施したことにより、前年同期に比べ5億9百万円増加したことによるものであります。なお、本自己株式の取得につきましては、2025年4月28日約定の買付けをもって、取得価額の上限に達したため終了しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、スーパーマーケット事業を主体としており、売上金の回収期間が比較的短い特性があるため、営業活動の収益性を高める一方、余剰資金の削減を積極的に進め、手許流動性の向上と自己資金を主体とした事業運営に努めております。
設備投資については、財務健全性を鑑み営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で行うことを基本とし、最近5連結会計年度の状況は、営業活動の結果得られた資金が平均で130億円程度に対し、投資活動の結果使用した資金は平均で80億円程度で推移しており、方針に沿った結果となっております。
資金調達の方法については、自己資金を基本とし、短期的に運転資金が不足した場合には、金融機関から短期運転資金の調達を行っており、長期運転資金の調達については、現時点では想定しておりません。
資金調達の状況については、当連結会計年度末において、金融機関から借り入れている短期借入金並びに長期借入金(1年内返済予定のものを含む)の残高はありません。なお、当連結会計年度においては、金融機関より短期運転資金を延べ262億円調達し、延べ262億円返済しております。
今後の資金需要の動向については、概ね、これまでと同様の状況が続くと考えております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(3) キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容」に記載したとおりであります。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー等に関する指標を示すと、次のとおりであります。
回次第71期第72期第73期第74期第75期
決算年月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月
自己資本比率(%)63.464.163.466.066.1
時価ベースの
自己資本比率
(%)63.164.471.664.076.4
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
(倍)0.30.20.10.20.1
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
(倍)225.1314.7435.8277.3478.9

(注)1 各指標の計算方法は以下のとおりであります。
・ 自己資本比率=自己資本÷総資産
・ 時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産
・ キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷キャッシュ・フロー
・ インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー÷利払い
2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
5 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループが主として事業展開しております小売業、特にスーパーマーケット事業については、競合各社の新規出店が相次ぎ、市場全体がいわゆるオーバーストアの状態にあり、企業淘汰や外資を巻き込んだ業界再編の様相を呈しております。このような状況は、当社グループがドミナント化を図りつつ出店している地域にも重要な影響を及ぼしていると判断しております。
(6) 戦略的現状と見通し
消費者のライフスタイルは年々変化しており、生活シーンの多様化はますます進んでいくものと考えております。また、物価が継続的に上昇する経済環境において、消費者の購買動向は、メリハリをつけた選択、価値の見極めの傾向が顕著に表れてきております。
このような現状において、数ある企業の店舗から当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくためには、販売する商品の品質・品揃え・価格といった基本的事項の徹底はもとより、食を中心とした生活全体に対する様々な提案とサービスの充実を図っていくことが重要であると考えております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
当社グループを取り巻く経営環境は、個人消費の動向や他社との競合の問題等を踏まえ、今後も厳しい状況が続くものと考えております。
当社グループは、これらの状況を踏まえ、お客様から真にご支持をいただける経営を行っていくことが重要であると考えており、経営理念を「我々は毎日の生活に必要な品を廉価で販売し、より豊かな文化生活の実現に寄与することを目的とする」と定め、それぞれの事業が地域に密着して経営を行っております。
特に、主力であるスーパーマーケット事業は、「鮮度」、「品質」、「品揃え」、「価格」、「サービス」などにおいて地域のお客様から圧倒的に支持されるリージョナル・チェーンの実現を目指してまいります。
(8) 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なもの
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準(いわゆる日本基準)に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに関する以下の分析を行っております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行う必要があり、仕入リベート、貸倒債権、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値と異なる場合があります。
当社グループは、以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が特に重要であると考えております。
① 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、グループ通算制度は適用しておらず、繰延税金資産について、当社グループ企業(納税主体)ごとに、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 企業会計基準委員会)に定める「企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い」における会社分類を検討し、同指針に定める一時差異のうち、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性を評価しており、将来における一時差異の解消見込み(以下、「スケジューリング」といいます。)が明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定して繰延税金資産から控除しております。なお、その内容につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (税効果会計関係)」に示したとおりであります。
会社分類の評価においては、一時差異の総額、過去の課税所得、将来の経営環境の評価等を含み、過去実績、翌期の予算、今後の経営環境、中期経営計画等を総合的に勘案し検討しており、当連結会計年度末において、近い将来に経営環境の著しい変化が見込まれないという仮定のもと、当社グループ全社が、会社分類1(繰延税金資産の全額について回収可能性があると判断する会社)又は会社分類2(スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については原則として回収可能性がないと判断されるが、将来減算一時差異のうち、将来のいずれかの時点において損金に算入される可能性が高いと見込まれるものについて合理的な根拠をもって説明が可能な場合、その将来減算一時差異に係る繰延税金資産については回収可能性があると判断する会社)のいずれかに該当すると判断しております。
会社分類2に該当する会社においては、スケジューリング可能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産の全額を回収可能と判断しており、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、当連結会計年度末現在、15億85百万円の評価性引当額を設定しております。なお、この対象のほとんどは、固定資産の減損損失計上に伴い計上された土地等の非償却資産に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産であり、売却等に係る意思決定又は実施計画等がない限り、当該繰延税金資産に対する評価性引当額の取崩は行われません。
会社分類及び繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、将来、各当社グループ会社を取り巻く経営環境の変化がもたらす課税所得の見込みや会社分類の変更、スケジューリングの変化等により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除増加額を費用として計上します。同様に、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除減少額を収益として計上します。
② 固定資産の減損
当社グループは、主としてスーパーマーケット事業を営んでおり、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を考慮し、主として店舗を基本単位として資産のグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。なお、当連結会計年度において計上した減損損失は1億72百万円であり、その内容につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係)」に示したとおりであります。
回収可能価額の評価は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方により測定しております。正味売却価額は、各資産グループの構成資産について、市場価格が観察できる場合には観察可能な市場価格とし、市場価格が観察できない場合には、路線価又は固定資産税評価額等を勘案した合理的な見積りにより算定しております。また、使用価値は、各資産グループの継続的使用と使用後の構成資産の処分によって見込まれる将来キャッシュ・フローを、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コスト(WACC)で現在価値に割り引いて算定しております。
店舗に関する将来キャッシュ・フローは、継続的な使用とその後の処分によって見込まれるキャッシュ・フローを、その構成要素である売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費、構成資産の処分価値等について、過去実績、競合関係や近隣状況の変化、翌期の予算、今後の改廃等を総合的に勘案し、年度ごとに算出した値の経済的残存使用年数における累計値として見積もっております。経済的残存年数は、上限を20年とし、自社物件及び普通借地物件については、店舗の残存耐用年数を用い、定期借地物件については、残存借地期間を用いております。資本コストは、外部より入手しており、当連結会計年度において用いた値は5.8%で、その算定基礎には、当社の負債・株式時価総額の構成のほか、国債の利回り、予想マーケットリターン、当社株式の株価、株式市場全体の株価指標等の要素が含まれております。
なお、重要な会計上の見積りの内容につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に示したとおりであります。
固定資産の回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の各資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や金融市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、追加の減損損失が発生する可能性があります。
③ 有価証券の減損
当社グループは、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式のほか、債券等を保有しており、これらの投資には、市場価格のない株式等以外のものとして時価法で評価する上場株式等と、市場価格のない株式等として主として移動平均法による原価法で評価する非上場株式等が含まれております。なお、当連結会計年度末現在における投資有価証券の残高は48億52百万円であり、このうち時価をもって連結貸借対照表計上額とするものが45億25百万円、取得原価をもって連結貸借対照表計上額とするものが3億26百万円であります。時価をもって連結貸借対照表計上額とするものの内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に示したとおりであります。
上場株式等への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、個別銘柄ごとの市場価格の推移、金融市場の動向、発行会社の業績等を総合的に勘案した時価の回復可能性を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。また、非上場株式等への投資の場合、それらの発行体の純資産額等に基づく評価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行っております。
将来の金融市況の悪化又は発行会社の業績不振により、現在の投資有価証券の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能額を生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
④ 貸倒引当金の設定
当社グループは、債権の貸倒時に発生する回収不能見込額に対して貸倒引当金を計上しております。
債権区分については、貸倒懸念が顕在化していないものを一般債権とし、貸倒懸念が顕在化しているものを貸倒懸念債権等として区分しております。
貸倒懸念が顕在化していない一般債権については、当社グループ企業ごとに、過去の貸倒実績と同等の貸倒実績が発生する可能性があるとの仮定のもと、過去3年の貸倒実績率に基づいて債権の期末残高に対し一括で回収不能見込額の見積りをしており、貸倒実績率は0.00%~0.01%で、貸倒引当金を0百万円計上しております。貸倒懸念が既に顕在化している特定の貸倒懸念債権等については、個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を見積もっており、対象となった貸倒懸念債権等の総額は当社グループ合計で28百万円であり、これに対し貸倒引当金を18百万円計上しております。
債権の回収可能性の評価は、債権保有先からの回収状況等の評価等が含まれますが、当社グループには考慮しえない外的要因が含まれるため、将来の債権に関する貸倒懸念の変化により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、設定する貸倒引当金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、一般債権の貸倒実績率が増加した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の増加を認識する判断をした場合、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を費用として計上します。同様に、一般債権の貸倒実績率が減少した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の減少を認識する判断をした場合は、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を収益として計上します。
⑤ 退職給付に係る資産又は負債の算定
当社グループは、一部の企業で積立型の確定給付制度(規約型確定給付企業年金制度)を採用しております。退職給付に係る資産又は負債の計上にあたっては、退職給付債務と年金資産の純額を、退職給付に係る資産又は負債として計上しており、その内容につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に示したとおりであります。
退職給付債務の算定においては、退職給付見込額を見積り、現在価値に割り引くことで算定するため、数理計算上の仮定の要素が含まれております。その主要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に示したとおりであります。なお、割引率算定の基礎となるデュレーション(退職給付の支払見込期間を支払見込期間ごとの金額の現在価値で加重平均したもの)は10.1年であり、これに基づき対応する国債の利回りを指標として決定しております。
これらの計算基礎については、「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 企業会計基準委員会)の定めに基づき、数理計算上の仮定に重要な変動が生じている場合には、これを見直し、退職給付債務を再計算することとされております。当社グループでは、重要な変動の有無について、継続して検証を行っておりますが、退職給付債務が10%以上変動すると推定される場合には、退職給付債務の再計算を行い差額の追加計上を行います。なお、退職給付債務が10%変動する場合に該当するのは、割引率が現状より0.9ポイント程度変動した場合と想定しております。
数理計算上の仮定の前提となる要素につきましては、将来の経済条件、従業員構成等を含むため、数理計算上の仮定の見直しが生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する退職給付に係る資産又は負債並びに退職給付費用の金額に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 仕入リベートの計上
当社グループは、仕入高について、通常、発注書に基づき当社グループに対して商品が納品された時点、又は、サービスが提供された時点に計上しており、仕入リベートについて、入金済みのものについては、その確定額を仕入高から控除し、入金未了のものについては、リベート契約書と仕入実績に基づいた見積り額を仕入高から控除しております。なお、見積りにあたっては、取引先より確認書を入手した上で、算定を行っております。
仕入リベートの前提となる契約については、仕入実績に基づいて一定割合又は一定額で受領するものや、一定の条件を満たした場合に受領するものなど、様々な形態があるため、将来の契約内容や仕入実績の状況により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する仕入リベートに影響を及ぼす可能性があります。

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