有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループを取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しており、このような状況に機動的かつ柔軟に対応すべく、当社グループの中長期的な方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン」に基づき将来の成長に向けた取り組みを進めてまいりました。
具体的には、お客様がクルマを利用するシーンに合ったサービスを提供するため、「マルチディーラーネットワーク」、「最適なサービスを提供するピットのみのネットワーク」、「次世代技術に対応する整備ネットワーク」、「オートバックスチェンネットワーク」、「海外におけるアライアンスネットワーク」、そして「お客様とのリレーションを高めるオンラインネットワーク」といった6つのネットワークの確立と連携により、中長期的な成長を実現いたします。
当連結会計年度においては、これら6つのネットワークの確立およびネットワーク間の連携に注力する一方、事業基盤の整備にも努めてまいりました。国内オートバックス事業においては、経営資源の最適化や小売収益の拡大、ならびに実験業態店舗の見直しやIT基盤・物流の再構築を図ってまいりました。さらに、海外事業においては、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大してまいりました。
① 連結損益状況
売上高、売上総利益
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比3.5%増加の2,214億円、売上総利益は前年同期比4.7%増加の707億46百万円となりました。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は前年同期比5.1%増加の631億60百万円、営業利益は前年同期比1.4%増加の75億85百万円となりました。
国内でオートバックス店舗を運営するフランチャイズチェン加盟法人や車検・整備などを行う事業会社の譲受に伴い人件費等が増加いたしました。また、情報基盤の強化や、改元・消費税率引き上げの対応などにより、情報処理費が増加いたしました。
セグメント別の従業員の状況
(単位:人)
(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外
数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、前年同期比1.4%増加の24億24百万円となりました。営業外費用は、前年同期比17.1%増加の19億50百万円となりました。
この結果、経常利益は前年同期比1.7%減少の80億59百万円となりました。
特別利益、特別損失
特別利益は、持分法適用関連会社を子会社化したことにより段階取得に係る差益93百万円を計上いたしました。特別損失は固定資産の減損損失19億50百万円など22億48百万円を計上いたしました。
法人税等合計
当連結会計年度の法人税等は前年同期比2億5百万円減少の20億83百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比31.4%減少の37億64百万円となりました。
1株当たり当期純利益は47.10円となりました。また、売上高当期純利益率は前連結会計年度の2.6%から1.7%、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度の4.4%から3.1%へと、それぞれ減少いたしました。
②セグメントごとの経営成績
当社グループ 報告セグメントの概要

セグメントごとの売上高、利益又は損失
(単位:百万円)
国内オートバックス事業
国内オートバックス事業の売上高は、前連結会計年度、ならびに当連結会計年度においてオートバックスチェンの店舗を運営するフランチャイズチェン加盟法人の株式を取得し当社連結対象子会社としたことなどにより、前年同期比0.2%増加の1,793億77百万円となりました。売上総利益は、連結対象子会社の増加などもあり、前年同期比1.8%増加の564億20百万円となりました。販売費及び一般管理費は、店舗リノベーションや販売促進などに関わる経費が増加したことに加えて、連結対象子会社の増加などにより、前年同期比5.6%増加の428億48百万円となりました。この結果、セグメント利益は前年同期比8.7%減少の135億72百万円となりました。
営業の状況といたしましては、当連結会計年度における日本国内のオートバックスチェン(フランチャイズチェン加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店、全店ともに0.2%の減少となりました。
オートバックスチェン店舗の既存店売上高前年比の推移(月別)

国内オートバックスチェンでは、安全運転意識の高まりや2019年10月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要により好調に推移いたしました。一方、消費税率引き上げ後は、駆け込み需要の反動や記録的な暖冬など非常に厳しい状況となりました。これに対して当社グループでは、「45周年感謝祭」など、積極的な販売促進活動により売上の底上げを図りました。しかしながら、第4四半期においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響も受けました。
タイヤについては、消費税率引き上げと同時に、メーカーからの仕入れ価格引き上げに伴うタイヤ価格の値上げを実施したことにより、駆け込み需要が発生いたしました。一方で、2019年12月以降は東・西日本を中心に気温が高く、日本海側では降雪量が記録的に少ない状況となったことによりスタッドレスタイヤの販売が低調で、前年割れとなりました。
カーエレクトロニクスに関しては、お客様の運転時の安全に対する意識の高まりに加え、2019年8月以降のあおり運転報道に伴い、前後2カメラタイプや360°タイプなどの高単価モデルを中心に品ぞろえを充実させたことで、ドライブレコーダーの販売が好調に推移いたしました。さらに、急発進防止装置「ペダルの見張り番」も東京都をはじめ行政による助成の対象となるなど、引き続き注目を集めました。
また、プライベートブランド「AQ.(オートバックスクオリティ.)」やクルマに関わるライフスタイルを提案するブランド「JKM(ジェイケーエム)」「GORDON MILLER(ゴードンミラー)」のラインアップを増やし、商品の魅力度を向上させました。加えて、店舗におけるオペレーションの改善を進めるとともに、売場やピットなど、設備面のリノベーションも進めました。
車検・整備は、「プロフェッショナルでフレンドリーな存在」の象徴として、実際の店舗で働く整備士の中から「AUTOBACS GUYS(オートバックスガイズ)」を選出し、テレビCMや店頭における宣伝活動を展開いたしました。加えて次回車検予約獲得の推進、15分受け入れ点検など店舗での取り組みを強化いたしました。しかしながら、 第3四半期より車検対象車両台数が減少に転じたことなども影響し、車検実施台数は前年同期比2.2%減少の約63万4千台となりました。
車買取・販売は、収益性の低い店舗を閉店し、営業活動を集中強化したことにより買取台数が増加いたしました。その結果、オートオークションなどへの業販が好調で、総販売台数は前年同期比1.2%増加の約3万1千5百台となりました。
日本初のクルマを通じたライフスタイルショップ「JACK & MARIE(ジャックアンドマリー)」といたしましては、2019年11月、東京都町田市に「JACK & MARIE グランベリーパーク」を出店し、リアル店舗は計5店舗となりました。
国内における出退店は、新規出店が3店舗、退店が11店舗あり、2020年3月末店舗数は585店舗となりました。
国内オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)
(単位:百万円)
国内出退店実績
(単位:店)
国内店舗数の内訳
(単位:店)
※関連会社を含む
海外事業
当社グループの在外連結子会社は、当連結会計年度の期首よりIFRS第16号「リース」を適用しておりますが、当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
海外事業における売上高は117億56百万円(前年同期比4.8%増加)、セグメント損失は3億60百万円(前年同期は7億83百万円のセグメント損失)となりました。
なお、当社グループの海外展開地域においては、第4四半期より、特にフランスを中心に新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けております。
小売・サービス事業として、タイにおいては、2019年4月の新規出店に加え、11月にPTGグループのガソリンスタンドモールへ小型店を出店し、売上が増加いたしました。フランスにおいては、店舗譲渡の影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上が減少いたしました。シンガポールにおいては、2019年11月に同国で板金・塗装および整備を行うSK AUTOMOBILE PTE. LTD.の株式を取得し、同社を連結対象子会社といたしました。
卸売事業として、海外向け日本製エンジンオイルを中心に売上が大幅に伸長するなど、さらに今後の販路拡大に向けた取り組みを行っております。中国においては、中国国内向け卸売が大幅に伸長いたしました。また、2019年10月に同国国内での卸売事業の拡大とプライベートブランド商品の製造に関する連携強化を目的に「愛車小屋グループ」に追加出資し、同グループを持分法適用関連会社といたしました。シンガポールにおいては、コンビニエンスストアやハイパーマーケットを中心にワイパーなどの、プライベートブランド商品の卸販売導入を進め、BtoBやネット販売にも取り組んでおります。オーストラリアにおいては、2018年10月に連結対象子会社としたAudioXtra Pty Ltd.により、海外事業における卸売収益拡大に努めました。
海外における出退店は、新規出店が3店舗、退店が4店舗あり、合計45店舗となりました。
主要海外子会社の損益
(単位:百万円)
海外出退店実績
(単位:店)
海外店舗の内訳
(単位:店)
※関連会社を含む
ディーラー・BtoB・ネット事業
ディーラー・BtoB・ネット事業における売上高は384億82百万円(前年同期比28.2%増加)、セグメント利益は54百万円(前年同期は10億76百万円のセグメント損失)となりました。
輸入車ディーラー事業は、2019年4月に輸入車ディーラー事業を統括する株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスを設立し、収益拡大に向けた体制整備を行いました。また各拠点の営業体制を強化し、新車・中古車の販売だけでなく、サービスの強化に努めました。
BtoB事業は、整備事業者とのネットワーク構築において、2019年6月に滋賀県に車検・整備、板金事業等を行う正和自動車販売株式会社を完全子会社化し、収益拡大を推進してまいりました。前連結会計年度にカー用品などの卸売2社を統合し設立した株式会社CAPスタイルにおいて、営業活動の最適化を進めたことなどにより、売上および利益が改善いたしました。また、当社において法人需要の取り込みを目的に強化しているフリートビジネスでは、全国規模の事業者との取引が増加し、ドライブレコーダーなど安全支援商品を中心に販売が拡大いたしました。
ネット事業は、引き続き品ぞろえ、プロモーションなどの再構築に取り組むとともに、AIを活用したデジタルマーケティングにより売上の拡大を図りました。また、次期における自社サイトのリニューアルに向けた準備を進めてまいりました。
輸入車ディーラーの運営会社と店舗数
(単位:店)
その他の事業
その他の事業における売上高は21億17百万円(前年同期比4.1%減少)、セグメント利益は4億10百万円(前年同期比4.2%減少)となりました。
③財政状態に関する分析
a.連結貸借対照表の各項目の状況
流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ96億30百万円減少し982億27百万円となりました。新たな連結子会社による商品等の増加がありましたが、主に、仕入れリベートの減少により、未収入金が減少いたしました。
有形固定資産、無形固定資産
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ10億34百万円増加し421億24百万円となりました。在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」適用により使用権資産を計上したことなどによるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億19百万円増加し68億56百万円となりました。主にのれんの増加およびソフトウエアの増加によるものです。
投資その他の資産
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ8億13百万円減少し255億91百万円となりました。持分法適用関連会社の子会社化に伴う投資有価証券の減少などによるものです。
流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ82億72百万円減少し361億31百万円となりました。主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。
固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ39億1百万円増加し167億1百万円となりました。在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」適用によりリース債務を計上したことなどによるものです。
純資産合計
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ42億20百万円減少し1,199億66百万円となりました。主に自己株式の取得による減少などによるものです。
セグメントごとの資産
(単位:百万円)
資産合計/負債純資産合計
資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億91百万円減少し、1,727億99百万円となりました。
b.連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動による資金の獲得106億3百万円、投資活動による資金の支出33億70百万円、財務活動による資金の支出96億84百万円などにより前連結会計年度末に比べ24億80百万円減少し、280億51百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な増減要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が18億49百万円減少した一方で、減損損失が17億35百万円増加、法人税等の支払額が31億96百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ61億56百万円収入が増加し、106億3百万円の資金獲得となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が11億88百万円減少、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が5億94百万円減少した一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入が9億17百万円減少、貸付金の回収による収入が7億48百万円減少および投資有価証券の売却及び償還による収入が7億38百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ2億92百万円支出が増加し、33億70百万円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済(純額)による支出が14億68百万円増加した一方で、自己株式の取得による支出が8億27百万円減少、長期借入れによる収入が6億36百万円増加および長期借入金の返済による支出が5億82百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ1億92百万円支出が減少し、96億84百万円の資金支出となりました。
設備投資の状況
当連結会計年度は、新規出店や店舗の改装並びに輸入車ディーラー店舗のリロケーションに係る建物および構築物の取得のほか、次期情報基盤の構築などの情報システム投資その他に対し総額34億29百万円の設備投資を実施いたしました。
設備投資の主な内訳
(単位:百万円)
セグメント別設備投資額
(単位:百万円)
④資金調達の状況
当連結会計年度において、グループ全体として運転資金需要等に対する借り換え等による資金調達を行いました。なお当連結会計年度末の短期借入金および長期借入金の残高が8億99百万円減少した主な要因はグループ内融資の借り換えによるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高および、営業利益は増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は減少いたしました。収益に大きな影響を与えた要因としては、国内オートバックス事業は、記録的な暖冬によりタイヤは前年割れだったものの、前期に引き続きドライブレコーダーが好調に推移いたしました。また、連結子会社の増加や店舗リノベーション、販売促進により販売費及び一般管理費が増加いたしました。海外事業、ならびにディーラー・BtoB・ネット事業の利益改善により営業利益は増益となりました。固定資産の減損損失などにより親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当連結会計年度においては、タイヤの消費税率引き上げに伴う駆け込み需要と、10月からの値上げ告知により、売上が好調に推移いたしましたが、下期はその反動と記録的な暖冬により前年割れとなりました。また、運転時の安全に関する意識の高まりに加え、『あおり運転』報道にともない、ドライブレコーダーが好調に推移したことや、急発進防止装置も注目を集め、当社の業績を押し上げる要因となりました。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、暖冬の影響などにより3月のオートバックスチェン店舗の既存店売上高前年比が減少いたしました。今後の新型コロナウイルス感染症に関する影響の見通しについては、依然不透明でありますが、現時点においては翌連結会計年度を通しての影響は限定的であると想定しております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。
2020年度の目標値は、売上高2,238億円、営業利益76億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
国内オートバックス事業
上期においてタイヤは、消費税増税に伴う駆け込み需要に加え、10月からの値上げ告知もあり、売上が好調に推移いたしましたが、下期においては、その反動減と記録的な暖冬によりタイヤを含む冬季用品が前年割れとなりました。一方で、運転時の安全に関する意識の高まりと、『あおり運転』報道にともない、ドライブレコーダーが好調に推移したことや、急発進防止装置も注目を集め、当社の業績を押し上げました。
フランチャイズチェン加盟法人の子会社化に伴う連結子会社の増加や、店舗リノベーション、販売促進による販売費及び一般管理費の増加などで営業利益が減少いたしました。
本事業においては、事業環境の変化に適応し、お客様を増やし続けるために、「安心・安全」、「体験・発見」、「自己表現」という3つの価値を提供するために、新商品開発、新業態開発に取り組むとともに、引き続き、既存店舗のリノベーションや運営オペレーションの改善、人材育成に注力することで、市場における競争力を高めてまいります。
海外事業
小売事業においては、フランスでは7月に1店舗を営業権譲渡したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上は減少いたしました。シンガポールにおいては、2019年11月にSK AUTOMOBILE PTE. LTD.を連結対象子会社といたしました。
卸売事業においては、中国において、プライベートブランド商品を中心とした中国国内向け卸売が大幅に増加いたしました。また、2019年10月には「愛車小屋グループ」への追加出資により持分法適用関連会社といたしました。オーストラリアにおいて、2018年10月、AudioXtra Pty Ltd.を新たに子会社化し、現地での卸売収益拡大を推進いたしました。
海外事業全体としては、収益性の高い卸売事業の強化により営業損失が縮小いたしました。今後は、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大し、現地企業とのパートナーシップにより収益性を向上させてまいります。
ディーラー・BtoB・ネット事業
輸入車ディーラー事業は、輸入車ディーラー事業を統括する株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスを設立し、収益拡大に向けた体制整備を行い、各拠点の営業体制を強化いたしました。今後はサービス構成比を拡大するとともに、各拠点間の連携により資産効率を向上させ、更なる収益の拡大を図ってまいります。
BtoB事業は、整備事業者とのネットワーク構築において、車検・整備、板金事業等を行う会社を完全子会社化し、収益拡大を推進してまいりました。新規取引先の開拓を推進しカー用品卸事業の収益を拡大するとともに、新たなサービスの開拓を推進いたします。
ネット事業は、品ぞろえ、プロモーションなどの再構築に取り組むとともに、AIを活用したデジタルマーケティングにより売上の拡大を図りました。今後は、既存のEC事業を強化するとともに、外部のネット販売事業者とも連携し、拡大し続けるネット市場に対する参入スピードを高めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズチェン加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。従いまして、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。昨今の急激な環境の変化に伴い、手元流動性につきましては、成長に必要な重要な投資は積極化する一方、それ以外の投資については抑制することで確保してまいります。
なお、当連結会計年度における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、73億3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は280億51百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、不確実性が高く、収束時期等の予測は困難でありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、正常化まで概ね半年程度などと仮定し、固定資産の減損損失および繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。その結果、影響は限定的であると判断しておりますが、今後、状況の変化により会計上の見積りを変更する場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループを取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しており、このような状況に機動的かつ柔軟に対応すべく、当社グループの中長期的な方向性を示す「5ヵ年ローリングプラン」に基づき将来の成長に向けた取り組みを進めてまいりました。
具体的には、お客様がクルマを利用するシーンに合ったサービスを提供するため、「マルチディーラーネットワーク」、「最適なサービスを提供するピットのみのネットワーク」、「次世代技術に対応する整備ネットワーク」、「オートバックスチェンネットワーク」、「海外におけるアライアンスネットワーク」、そして「お客様とのリレーションを高めるオンラインネットワーク」といった6つのネットワークの確立と連携により、中長期的な成長を実現いたします。
当連結会計年度においては、これら6つのネットワークの確立およびネットワーク間の連携に注力する一方、事業基盤の整備にも努めてまいりました。国内オートバックス事業においては、経営資源の最適化や小売収益の拡大、ならびに実験業態店舗の見直しやIT基盤・物流の再構築を図ってまいりました。さらに、海外事業においては、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大してまいりました。
① 連結損益状況
売上高、売上総利益
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比3.5%増加の2,214億円、売上総利益は前年同期比4.7%増加の707億46百万円となりました。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内オートバックス事業 | 178,110 | 100.2 |
| 海外事業 | 11,490 | 105.2 |
| ディーラー・BtoB・ネット事業 | 30,180 | 128.7 |
| その他の事業 | 1,618 | 97.5 |
| 報告セグメント計 | 221,400 | 103.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は前年同期比5.1%増加の631億60百万円、営業利益は前年同期比1.4%増加の75億85百万円となりました。
国内でオートバックス店舗を運営するフランチャイズチェン加盟法人や車検・整備などを行う事業会社の譲受に伴い人件費等が増加いたしました。また、情報基盤の強化や、改元・消費税率引き上げの対応などにより、情報処理費が増加いたしました。
セグメント別の従業員の状況
(単位:人)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減) | |
| 国内オートバックス事業 | 2,844(648) | 2,931(737) | 87( 89) |
| 海外事業 | 751( 28) | 735( 26) | △16(△2) |
| ディーラー・BtoB・ネット事業 | 375( 44) | 502( 36) | 127(△8) |
| その他の事業 | 37( 0) | 38( 0) | 1( 0) |
| 全社(共通) | 164( 27) | 179( 29) | 15( 2) |
| 合計 | 4,171(747) | 4,385(828) | 214( 81) |
(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外
数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、前年同期比1.4%増加の24億24百万円となりました。営業外費用は、前年同期比17.1%増加の19億50百万円となりました。
この結果、経常利益は前年同期比1.7%減少の80億59百万円となりました。
特別利益、特別損失
特別利益は、持分法適用関連会社を子会社化したことにより段階取得に係る差益93百万円を計上いたしました。特別損失は固定資産の減損損失19億50百万円など22億48百万円を計上いたしました。
法人税等合計
当連結会計年度の法人税等は前年同期比2億5百万円減少の20億83百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比31.4%減少の37億64百万円となりました。
1株当たり当期純利益は47.10円となりました。また、売上高当期純利益率は前連結会計年度の2.6%から1.7%、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度の4.4%から3.1%へと、それぞれ減少いたしました。
②セグメントごとの経営成績
当社グループ 報告セグメントの概要

セグメントごとの売上高、利益又は損失
(単位:百万円)
| 報告セグメント | 調整額 | 連結財務諸表計上額 | |||||
| 国内オートバックス 事業 | 海外事業 | ディーラー・BtoB・ネット事業 | その他の 事業 | 合計 | |||
| 売上高 | |||||||
| 外部顧客への売上高 | 178,110 | 11,490 | 30,180 | 1,618 | 221,400 | - | 221,400 |
| 前期比(%) | 0.2 | 5.2 | 28.7 | △2.5 | 3.5 | - | 3.5 |
| セグメント間の内部 売上高又は振替高 | 1,266 | 265 | 8,301 | 499 | 10,333 | △10,333 | - |
| 計 | 179,377 | 11,756 | 38,482 | 2,117 | 231,733 | △10,333 | 221,400 |
| 前期比(%) | 0.2 | 4.8 | 28.2 | △4.1 | 4.1 | - | 3.5 |
| セグメント利益又は 損失(△) | 13,572 | △360 | 54 | 410 | 13,677 | △6,091 | 7,585 |
| 前期比(%) | △8.7 | - | - | △4.2 | 1.8 | - | 1.4 |
国内オートバックス事業
国内オートバックス事業の売上高は、前連結会計年度、ならびに当連結会計年度においてオートバックスチェンの店舗を運営するフランチャイズチェン加盟法人の株式を取得し当社連結対象子会社としたことなどにより、前年同期比0.2%増加の1,793億77百万円となりました。売上総利益は、連結対象子会社の増加などもあり、前年同期比1.8%増加の564億20百万円となりました。販売費及び一般管理費は、店舗リノベーションや販売促進などに関わる経費が増加したことに加えて、連結対象子会社の増加などにより、前年同期比5.6%増加の428億48百万円となりました。この結果、セグメント利益は前年同期比8.7%減少の135億72百万円となりました。
営業の状況といたしましては、当連結会計年度における日本国内のオートバックスチェン(フランチャイズチェン加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店、全店ともに0.2%の減少となりました。
オートバックスチェン店舗の既存店売上高前年比の推移(月別)

国内オートバックスチェンでは、安全運転意識の高まりや2019年10月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要により好調に推移いたしました。一方、消費税率引き上げ後は、駆け込み需要の反動や記録的な暖冬など非常に厳しい状況となりました。これに対して当社グループでは、「45周年感謝祭」など、積極的な販売促進活動により売上の底上げを図りました。しかしながら、第4四半期においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響も受けました。
タイヤについては、消費税率引き上げと同時に、メーカーからの仕入れ価格引き上げに伴うタイヤ価格の値上げを実施したことにより、駆け込み需要が発生いたしました。一方で、2019年12月以降は東・西日本を中心に気温が高く、日本海側では降雪量が記録的に少ない状況となったことによりスタッドレスタイヤの販売が低調で、前年割れとなりました。
カーエレクトロニクスに関しては、お客様の運転時の安全に対する意識の高まりに加え、2019年8月以降のあおり運転報道に伴い、前後2カメラタイプや360°タイプなどの高単価モデルを中心に品ぞろえを充実させたことで、ドライブレコーダーの販売が好調に推移いたしました。さらに、急発進防止装置「ペダルの見張り番」も東京都をはじめ行政による助成の対象となるなど、引き続き注目を集めました。
また、プライベートブランド「AQ.(オートバックスクオリティ.)」やクルマに関わるライフスタイルを提案するブランド「JKM(ジェイケーエム)」「GORDON MILLER(ゴードンミラー)」のラインアップを増やし、商品の魅力度を向上させました。加えて、店舗におけるオペレーションの改善を進めるとともに、売場やピットなど、設備面のリノベーションも進めました。
車検・整備は、「プロフェッショナルでフレンドリーな存在」の象徴として、実際の店舗で働く整備士の中から「AUTOBACS GUYS(オートバックスガイズ)」を選出し、テレビCMや店頭における宣伝活動を展開いたしました。加えて次回車検予約獲得の推進、15分受け入れ点検など店舗での取り組みを強化いたしました。しかしながら、 第3四半期より車検対象車両台数が減少に転じたことなども影響し、車検実施台数は前年同期比2.2%減少の約63万4千台となりました。
車買取・販売は、収益性の低い店舗を閉店し、営業活動を集中強化したことにより買取台数が増加いたしました。その結果、オートオークションなどへの業販が好調で、総販売台数は前年同期比1.2%増加の約3万1千5百台となりました。
日本初のクルマを通じたライフスタイルショップ「JACK & MARIE(ジャックアンドマリー)」といたしましては、2019年11月、東京都町田市に「JACK & MARIE グランベリーパーク」を出店し、リアル店舗は計5店舗となりました。
国内における出退店は、新規出店が3店舗、退店が11店舗あり、2020年3月末店舗数は585店舗となりました。
国内オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減 | |
| タイヤ・ホイール | 48,592 | 46,126 | △2,465 |
| カーエレクトロニクス | 31,614 | 34,174 | 2,559 |
| オイル・バッテリー | 14,736 | 14,701 | △34 |
| アクセサリー・メンテナンス用品 | 41,251 | 41,124 | △127 |
| 車検・サービス | 18,236 | 19,210 | 974 |
| 車買取・販売 | 9,765 | 9,478 | △286 |
| その他 | 13,606 | 13,293 | △312 |
| 合計 | 177,802 | 178,110 | 307 |
国内出退店実績
(単位:店)
| 2019年3月末 | 新店 | 退店 | 2020年3月末 | |
| オートバックス | 493 | 3 | △6 | 490 |
| スーパーオートバックス | 74 | - | - | 74 |
| オートバックスセコハン市場 | 7 | - | - | 7 |
| オートバックスエクスプレス | 11 | - | - | 11 |
| オートバックスカーズ | 8 | - | △5 | 3 |
| 国内計 | 593 | 3 | △11 | 585 |
国内店舗数の内訳
(単位:店)
| 2019年3月末 | 2020年3月末 | |
| 直営 | 20 | 11 |
| 連結対象子会社 | 115 | 121 |
| 連結対象外法人※ | 458 | 453 |
| 合計 | 593 | 585 |
※関連会社を含む
海外事業
当社グループの在外連結子会社は、当連結会計年度の期首よりIFRS第16号「リース」を適用しておりますが、当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
海外事業における売上高は117億56百万円(前年同期比4.8%増加)、セグメント損失は3億60百万円(前年同期は7億83百万円のセグメント損失)となりました。
なお、当社グループの海外展開地域においては、第4四半期より、特にフランスを中心に新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けております。
小売・サービス事業として、タイにおいては、2019年4月の新規出店に加え、11月にPTGグループのガソリンスタンドモールへ小型店を出店し、売上が増加いたしました。フランスにおいては、店舗譲渡の影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上が減少いたしました。シンガポールにおいては、2019年11月に同国で板金・塗装および整備を行うSK AUTOMOBILE PTE. LTD.の株式を取得し、同社を連結対象子会社といたしました。
卸売事業として、海外向け日本製エンジンオイルを中心に売上が大幅に伸長するなど、さらに今後の販路拡大に向けた取り組みを行っております。中国においては、中国国内向け卸売が大幅に伸長いたしました。また、2019年10月に同国国内での卸売事業の拡大とプライベートブランド商品の製造に関する連携強化を目的に「愛車小屋グループ」に追加出資し、同グループを持分法適用関連会社といたしました。シンガポールにおいては、コンビニエンスストアやハイパーマーケットを中心にワイパーなどの、プライベートブランド商品の卸販売導入を進め、BtoBやネット販売にも取り組んでおります。オーストラリアにおいては、2018年10月に連結対象子会社としたAudioXtra Pty Ltd.により、海外事業における卸売収益拡大に努めました。
海外における出退店は、新規出店が3店舗、退店が4店舗あり、合計45店舗となりました。
主要海外子会社の損益
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減 | ||
| フランス | 売上高 | 7,846 | 6,768 | △1,077 |
| 営業利益 | △93 | △102 | △8 | |
| シンガポール | 売上高 | 1,310 | 1,754 | 443 |
| 営業利益 | 25 | 204 | 178 | |
| タイ | 売上高 | 510 | 766 | 255 |
| 営業利益 | △139 | △100 | 39 | |
| 中国 | 売上高 | 573 | 965 | 392 |
| 営業利益 | 6 | 18 | 11 | |
| マレーシア | 売上高 | 48 | 65 | 17 |
| 営業利益 | △38 | △17 | 21 | |
| オーストラリア | 売上高 | 763 | 1,378 | 615 |
| 営業利益 | 38 | 26 | △12 |
海外出退店実績
(単位:店)
| 2019年3月末 | 新店 | 退店 | 2020年3月末 | |
| フランス | 11 | - | - | 11 |
| シンガポール | 3 | - | △1 | 2 |
| タイ | 15 | 2 | - | 17 |
| 台湾 | 7 | - | △1 | 6 |
| マレーシア | 4 | 1 | - | 5 |
| インドネシア | 3 | - | △2 | 1 |
| フィリピン | 3 | - | - | 3 |
| 海外計 | 46 | 3 | △4 | 45 |
海外店舗の内訳
(単位:店)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 連結対象子会社 | 32 | 32 |
| 連結対象外法人※ | 14 | 13 |
※関連会社を含む
ディーラー・BtoB・ネット事業
ディーラー・BtoB・ネット事業における売上高は384億82百万円(前年同期比28.2%増加)、セグメント利益は54百万円(前年同期は10億76百万円のセグメント損失)となりました。
輸入車ディーラー事業は、2019年4月に輸入車ディーラー事業を統括する株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスを設立し、収益拡大に向けた体制整備を行いました。また各拠点の営業体制を強化し、新車・中古車の販売だけでなく、サービスの強化に努めました。
BtoB事業は、整備事業者とのネットワーク構築において、2019年6月に滋賀県に車検・整備、板金事業等を行う正和自動車販売株式会社を完全子会社化し、収益拡大を推進してまいりました。前連結会計年度にカー用品などの卸売2社を統合し設立した株式会社CAPスタイルにおいて、営業活動の最適化を進めたことなどにより、売上および利益が改善いたしました。また、当社において法人需要の取り込みを目的に強化しているフリートビジネスでは、全国規模の事業者との取引が増加し、ドライブレコーダーなど安全支援商品を中心に販売が拡大いたしました。
ネット事業は、引き続き品ぞろえ、プロモーションなどの再構築に取り組むとともに、AIを活用したデジタルマーケティングにより売上の拡大を図りました。また、次期における自社サイトのリニューアルに向けた準備を進めてまいりました。
輸入車ディーラーの運営会社と店舗数
(単位:店)
| 会社名 | 2019年3月末 | 2020年3月末 |
| ㈱アウトプラッツ | 7 | 7 |
| ㈱モトーレン栃木 | 5 | 5 |
その他の事業
その他の事業における売上高は21億17百万円(前年同期比4.1%減少)、セグメント利益は4億10百万円(前年同期比4.2%減少)となりました。
③財政状態に関する分析
a.連結貸借対照表の各項目の状況
流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ96億30百万円減少し982億27百万円となりました。新たな連結子会社による商品等の増加がありましたが、主に、仕入れリベートの減少により、未収入金が減少いたしました。
有形固定資産、無形固定資産
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ10億34百万円増加し421億24百万円となりました。在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」適用により使用権資産を計上したことなどによるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億19百万円増加し68億56百万円となりました。主にのれんの増加およびソフトウエアの増加によるものです。
投資その他の資産
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ8億13百万円減少し255億91百万円となりました。持分法適用関連会社の子会社化に伴う投資有価証券の減少などによるものです。
流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ82億72百万円減少し361億31百万円となりました。主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。
固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ39億1百万円増加し167億1百万円となりました。在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」適用によりリース債務を計上したことなどによるものです。
純資産合計
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ42億20百万円減少し1,199億66百万円となりました。主に自己株式の取得による減少などによるものです。
セグメントごとの資産
(単位:百万円)
| 2019年3月末 | 2020年3月末 | 増減 | |
| 国内オートバックス事業 | 104,136 | 93,420 | △10,715 |
| 海外事業 | 8,870 | 12,353 | 3,483 |
| ディーラー・BtoB・ネット事業 | 17,704 | 17,672 | △32 |
| その他の事業 | 24,154 | 24,048 | △106 |
| 全社(共通) | 26,524 | 25,303 | △1,220 |
| 総合計 | 181,391 | 172,799 | △8,591 |
資産合計/負債純資産合計
資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億91百万円減少し、1,727億99百万円となりました。
b.連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動による資金の獲得106億3百万円、投資活動による資金の支出33億70百万円、財務活動による資金の支出96億84百万円などにより前連結会計年度末に比べ24億80百万円減少し、280億51百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な増減要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が18億49百万円減少した一方で、減損損失が17億35百万円増加、法人税等の支払額が31億96百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ61億56百万円収入が増加し、106億3百万円の資金獲得となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が11億88百万円減少、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が5億94百万円減少した一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入が9億17百万円減少、貸付金の回収による収入が7億48百万円減少および投資有価証券の売却及び償還による収入が7億38百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ2億92百万円支出が増加し、33億70百万円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済(純額)による支出が14億68百万円増加した一方で、自己株式の取得による支出が8億27百万円減少、長期借入れによる収入が6億36百万円増加および長期借入金の返済による支出が5億82百万円減少したことなどにより前連結会計年度に比べ1億92百万円支出が減少し、96億84百万円の資金支出となりました。
設備投資の状況
当連結会計年度は、新規出店や店舗の改装並びに輸入車ディーラー店舗のリロケーションに係る建物および構築物の取得のほか、次期情報基盤の構築などの情報システム投資その他に対し総額34億29百万円の設備投資を実施いたしました。
設備投資の主な内訳
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 新規出店(リニューアル含む) | 2,380 | 372 |
| 既存店改装・改修 | 178 | 497 |
| 土地 | - | 60 |
| 情報化投資 | 781 | 1,592 |
| その他 | 1,278 | 907 |
| 合計 | 4,618 | 3,429 |
セグメント別設備投資額
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 国内オートバックス事業 | 3,250 | 1,721 |
| 海外事業 | 339 | 186 |
| ディーラー・BtoB・ネット事業 | 496 | 809 |
| その他の事業 | 10 | 162 |
| 全社(共通) | 522 | 549 |
| 合計 | 4,618 | 3,429 |
④資金調達の状況
当連結会計年度において、グループ全体として運転資金需要等に対する借り換え等による資金調達を行いました。なお当連結会計年度末の短期借入金および長期借入金の残高が8億99百万円減少した主な要因はグループ内融資の借り換えによるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高および、営業利益は増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は減少いたしました。収益に大きな影響を与えた要因としては、国内オートバックス事業は、記録的な暖冬によりタイヤは前年割れだったものの、前期に引き続きドライブレコーダーが好調に推移いたしました。また、連結子会社の増加や店舗リノベーション、販売促進により販売費及び一般管理費が増加いたしました。海外事業、ならびにディーラー・BtoB・ネット事業の利益改善により営業利益は増益となりました。固定資産の減損損失などにより親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当連結会計年度においては、タイヤの消費税率引き上げに伴う駆け込み需要と、10月からの値上げ告知により、売上が好調に推移いたしましたが、下期はその反動と記録的な暖冬により前年割れとなりました。また、運転時の安全に関する意識の高まりに加え、『あおり運転』報道にともない、ドライブレコーダーが好調に推移したことや、急発進防止装置も注目を集め、当社の業績を押し上げる要因となりました。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、暖冬の影響などにより3月のオートバックスチェン店舗の既存店売上高前年比が減少いたしました。今後の新型コロナウイルス感染症に関する影響の見通しについては、依然不透明でありますが、現時点においては翌連結会計年度を通しての影響は限定的であると想定しております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。
2020年度の目標値は、売上高2,238億円、営業利益76億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
国内オートバックス事業
上期においてタイヤは、消費税増税に伴う駆け込み需要に加え、10月からの値上げ告知もあり、売上が好調に推移いたしましたが、下期においては、その反動減と記録的な暖冬によりタイヤを含む冬季用品が前年割れとなりました。一方で、運転時の安全に関する意識の高まりと、『あおり運転』報道にともない、ドライブレコーダーが好調に推移したことや、急発進防止装置も注目を集め、当社の業績を押し上げました。
フランチャイズチェン加盟法人の子会社化に伴う連結子会社の増加や、店舗リノベーション、販売促進による販売費及び一般管理費の増加などで営業利益が減少いたしました。
本事業においては、事業環境の変化に適応し、お客様を増やし続けるために、「安心・安全」、「体験・発見」、「自己表現」という3つの価値を提供するために、新商品開発、新業態開発に取り組むとともに、引き続き、既存店舗のリノベーションや運営オペレーションの改善、人材育成に注力することで、市場における競争力を高めてまいります。
海外事業
小売事業においては、フランスでは7月に1店舗を営業権譲渡したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上は減少いたしました。シンガポールにおいては、2019年11月にSK AUTOMOBILE PTE. LTD.を連結対象子会社といたしました。
卸売事業においては、中国において、プライベートブランド商品を中心とした中国国内向け卸売が大幅に増加いたしました。また、2019年10月には「愛車小屋グループ」への追加出資により持分法適用関連会社といたしました。オーストラリアにおいて、2018年10月、AudioXtra Pty Ltd.を新たに子会社化し、現地での卸売収益拡大を推進いたしました。
海外事業全体としては、収益性の高い卸売事業の強化により営業損失が縮小いたしました。今後は、不採算の小売事業を縮小して収益性の高い卸売事業を拡大し、現地企業とのパートナーシップにより収益性を向上させてまいります。
ディーラー・BtoB・ネット事業
輸入車ディーラー事業は、輸入車ディーラー事業を統括する株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスを設立し、収益拡大に向けた体制整備を行い、各拠点の営業体制を強化いたしました。今後はサービス構成比を拡大するとともに、各拠点間の連携により資産効率を向上させ、更なる収益の拡大を図ってまいります。
BtoB事業は、整備事業者とのネットワーク構築において、車検・整備、板金事業等を行う会社を完全子会社化し、収益拡大を推進してまいりました。新規取引先の開拓を推進しカー用品卸事業の収益を拡大するとともに、新たなサービスの開拓を推進いたします。
ネット事業は、品ぞろえ、プロモーションなどの再構築に取り組むとともに、AIを活用したデジタルマーケティングにより売上の拡大を図りました。今後は、既存のEC事業を強化するとともに、外部のネット販売事業者とも連携し、拡大し続けるネット市場に対する参入スピードを高めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズチェン加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。従いまして、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。昨今の急激な環境の変化に伴い、手元流動性につきましては、成長に必要な重要な投資は積極化する一方、それ以外の投資については抑制することで確保してまいります。
なお、当連結会計年度における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は、73億3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は280億51百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、不確実性が高く、収束時期等の予測は困難でありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、正常化まで概ね半年程度などと仮定し、固定資産の減損損失および繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。その結果、影響は限定的であると判断しておりますが、今後、状況の変化により会計上の見積りを変更する場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。