有価証券報告書-第78期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における日本経済は、雇用の改善やインバウンド需要の増加等を背景に緩やかな回復基調で推移した一方で、物価上昇による個人消費の低迷が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
国内の自動車関連業界の動向といたしましては、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響で減少していた新車販売台数は、下期には前年を上回る水準に回復いたしました。中古車市場においては、割安感のある中古車需要が底堅く推移したことに加え、下取り車の流通量増加に伴い中古車登録台数も前年を上回りました。
このような環境下において、当社グループは、お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指し、2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」に基づき、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」を戦略骨子とした各種施策を推進しております。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① 連結損益状況
売上高、売上総利益
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比8.6%増加の2,495億25百万円、売上総利益は前年同期比17.2%増加の883億73百万円となりました。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前年同期比13.1%増加の762億47百万円、営業利益は前年同期比51.4%増加の121億26百万円となりました。
販売費及び一般管理費について、主に連結子会社が増加したことにより増加いたしました。
セグメント別の従業員の状況
(単位:人)
(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。前連結会計年度の従業員数は当連結会計年度のセグメント区分に基づき作成しております。
営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、前年同期比5.0%増加の21億74百万円となりました。営業外費用は、前年同期比10.2%減少の17億84百万円となりました。
主に、前年に比べ持分法適用関連会社の収益改善が図られ、持分法による投資利益が増加しております。また、前連結会計年度に稼働を開始した新店舗システムの情報機器賃貸費用が減少いたしました。
この結果、経常利益は前年同期比54.6%増加の125億16百万円となりました。
特別利益、特別損失
特別利益は、負ののれん発生益10億30百万円を計上いたしました。特別損失は、固定資産の減損損失4億62百万円、段階取得に係る差損1億32百万円を計上いたしました。
法人税等合計
法人税等合計は、前年同期比8億87百万円増加の48億3百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比28.0%増加の81億32百万円となりました。
②セグメントごとの経営成績
当社グループ 報告セグメントの概要

セグメントごとの売上高、利益又は損失
(単位:百万円)
オートバックス事業
オートバックス事業の売上高は1,971億円(前年同期比8.1%増加)、セグメント利益は220億50百万円(同33.1%増加)となりました。
営業の状況といたしましては、国内オートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店が4.4%の増加、全店が5.1%の増加となりました。
国内オートバックスチェンでは、車両メンテナンス需要や年末年始の外出需要を背景に、タイヤ・オイル・バッテリーなどのメンテナンス関連商品が伸長し、これらの商品に伴うサービス工賃も好調に推移いたしました。また、降雪に伴いスタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの冬季用品が伸長いたしました。
国内オートバックスチェン売上高および客数(既存店前年比/月別)2024年4月~2025年3月

プライベートブランドにおいては、自信をもっておすすめできる価値ある商品の開発・販売を推進しております。「AQ.(オートバックスクオリティ.)」では、車種専用カー用品のラインアップを拡充するとともに、低価格で高品質なオリジナルピットサービス「AQ.ピットメニュー」の提供を開始いたしました。
車検・整備については、アプリからのピット作業予約が定着しつつあることを背景に、公式アプリからのピット作業予約件数が前年同期比17.2%増加いたしました。車検実施台数は、下期より車検対象車両台数が増加に転じたことにより、前年同期比0.4%増加の約67万台となりました。
車販売については、中古車の単価上昇を背景にオークションへの販売が好調に推移した一方で、新車・中古車の小売販売台数は前年を下回りました。この結果、国内オートバックスチェンにおける総販売台数は前年同期比3.7%減少の約3万台、総販売金額は前年同期比5.5%増加の359億59百万円となりました。
国内における出退店は、新規出店が20店舗、退店が3店舗あり、2024年3月末の1,003店舗(内、併設店およびインショップは414店舗)から2025年3月末は1,020店舗(内、併設店およびインショップは417店舗)となりました。
なお、店舗数記載については、2025年3月期の期首から併設店およびインショップを含む形式に変更しております。
オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)
(単位:百万円)
国内出退店実績
(単位:店)
(注)1. 2025年3月期の期首より併設店およびインショップを含んだ店舗数に変更し記載しております。
2. ※1:()は内、併設店の数、※2:()は内、インショップの数
国内店舗数の内訳
(単位:店)
※関連会社を含む
海外については、フランスにおいて前連結会計年度に2店舗を閉店した影響で売上が減少いたしました。シンガポールにおいては、COE(車両購入権)価格の上昇に伴い増加したメンテナンス需要や、ERP(電子道路課金制度)の変更に伴う車載器交換需要を取り込んだことで、ピットサービスが好調に推移いたしました。
海外における出退店は、新規出店が40店舗、退店が1店舗あり、2024年3月末の109店舗から2025年3月末は148店舗となりました。
海外出退店実績
(単位:店)
海外店舗の内訳
(単位:店)
※関連会社を含む
コンシューマ事業
コンシューマ事業における売上高は293億8百万円(前年同期比22.9%増加)、セグメント損失は8億47百万円(前年同期は12億97百万円のセグメント損失)となりました。
ディーラーにおいては、2024年10月1日付で、当社の連結子会社である株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスがHonda正規ディーラーを運営する会社を連結子会社化いたしました。これにより、同社が運営する正規ディーラーは、Audi、BYDおよびHondaの3ブランドとなりました。加えて、2024年10月1日付で、電気設備の施工・管理を行う会社を連結子会社化いたしました。なお、2023年9月にBMW/MINI正規ディーラーを行う子会社2社を譲渡しております。
ディーラーの運営会社と店舗数
(単位:店)
車買取・販売においては、2024年10月に車買取・販売店「オートバックスカーズ」初の大型店「オートバックスカーズかしわ大井」をオープンいたしました。
また、2024年8月30日付で、自社ローン型中古車販売事業を行う会社を連結子会社化いたしました。
ネット販売においては、販売促進施策に加え、前連結会計年度に実施した公式通販サイトのリニューアルや取扱商品の拡充が奏功し、売上が増加いたしました。
車検・整備においては、車両メンテナンス需要を背景に整備子会社が好調に推移いたしました。加えて、2025年3月に、車両メンテナンスと低価格タイヤを主軸とした新モデル店舗「AUTO IN車検・タイヤセンター熊本玉名店」をオープンいたしました。
ホールセール事業
ホールセール事業における売上高は355億48百万円(前年同期比0.5%増加)、セグメント利益は5億17百万円(同17.4%減少)となりました。
降雪や車両メンテナンス需要の増加を背景に、ホイールおよびエンジンオイル等の卸売が堅調に推移いたしました。また、日産自動車の車種専用アイテムの販売が伸長したことに加え、2024年12月より幹線道路沿いに位置するセブン-イレブン店舗において、プライベートブランド「AQ.」の展開を開始いたしました。
海外卸売においては、日本国内からの輸出取引が大幅に減少し売上が減少いたしました。マレーシアにおいては、オーソライズドディーラー認定店が増加し売上が伸長いたしました。オーストラリアにおいては、インフレや金利上昇を背景に消費者の購買意欲が低下したことなどにより、売上が減少いたしました。中国においては、日本国内への輸出が拡大し売上が増加いたしました。
拡張事業
拡張事業における売上高は91億8百万円(前年同期比9.8%増加)、セグメント利益は4億76百万円(同112.2%増加)となりました。
③ 財政状態に関する分析
a.連結貸借対照表の各項目の状況
流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ148億37百万円増加し、1,270億28百万円となりました。主に売掛金、商品、未収入金が増加したことなどによるものです。
有形固定資産、無形固定資産
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ85億5百万円増加し、567億57百万円となりました。主に新規連結子会社及び新規出店用地の購入により土地、建物及び構築物が増加したことなどによるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ96億6百万円増加し、173億70百万円となりました。主に新規連結子会社におけるのれんが増加したことなどによるものです。
投資その他の資産
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ2億72百万円増加し、270億14百万円となりました。
流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ94億47百万円増加し、584億32百万円となりました。主に銀行からの短期借入金が増加した一方、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ209億62百万円増加し、377億74百万円となりました。主に銀行からの長期借入金が増加したことなどによるものです。
純資産合計
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ28億11百万円増加し、1,319億63百万円となりました。主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加があった一方、利益剰余金の配当による減少があったことなどによるものです。
セグメントごとの資産
(単位:百万円)
資産合計/負債純資産合計
資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ332億21百万円増加し、2,281億70百万円となりました。
b.連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ96百万円減少し311億81百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは39億44百万円の収入(前年同期は144億31百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益129億51百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入78億72百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額40億77百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、180億20百万円の支出(前年同期は4億49百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入9億66百万円および定期預金の払戻による収入5億13百万円等であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出89億26百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出59億29百万円および貸付けによる支出33億69百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、139億73百万円の収入(前年同期は74億13百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入224億70百万円および自己株式の売却による収入2億5百万円等であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額54億71百万円、長期借入金の返済による支出13億60百万円および短期借入金の返済(純額)6億98百万円等であります。
c.設備投資の状況
当社グループでは、新規出店・既存店舗の改装に係る建物および構築物の取得、事務所・店舗用地の取得、情報システム投資その他に対し、総額89億26百万円の設備投資を実施いたしました。
設備投資の主な内訳
(単位:百万円)
セグメント別設備投資額
(単位:百万円)
④ 資金調達の状況
当連結会計年度において、M&A投資資金や設備投資資金等への充当を目的として長期借入金224億70百万円等の資金調達を実施いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における日本経済は、雇用の改善やインバウンド需要の増加を背景に緩やかな回復基調が見られた一方で、物価上昇に伴う個人消費の低迷や、景気の先行きに対する不透明感といった課題が引き続き懸念される状況でした。
当社が属する自動車関連業界においては、新車販売台数が前年を上回る水準に回復したほか、中古車市場においても底堅い需要が継続するなど、市場環境は一定の改善が見られました。
こうした事業環境を背景に、当社グループは、長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」のもと、事業領域の拡大と新たな事業の創造により、2032年度の連結売上高5,000億円の達成を目指しております。
2024年度から2026年度を計画期間とする2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」は、長期ビジョンの達成に向けバックキャストにより策定いたしました。本計画では、お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指し、「小売りと卸売りの2軸に集中し強化する体制への変更」「周辺領域への挑戦」「利益水準の引き上げによる安定的な還元」を基本方針としております。具体的な経営目標として、2026年度に連結売上高2,800億円、連結営業利益150億円、ROIC(投下資本利益率)7.0%の達成を設定しており、これらを実現するために、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」の3つを戦略骨子としております。
中期経営計画の初年度となる2024年度の経営成績につきましては、連結売上高2,495億円(前年比+8.6%)、営業利益121億円(前年比+51.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は81億円(前年比+28.0%)となりました。M&A関連の一時費用が発生したものの、新たに14社を連結子会社化したことで連結売上高が増加したほか、オートバックス事業をはじめとする既存事業の収益改善も大きく貢献いたしました。この結果、全体として増収増益を達成し、当初計画を上回る好調な業績を収めることができました。
中期経営計画における3つの戦略骨子「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」の進捗については以下のとおりです。
「タッチポイントの創出」においては、積極的なM&Aを推進し、お客様との接点の基盤となる拠点の拡大に取り組みました。具体的には、オートバックス店舗13店舗、新ストアブランド3店舗、M&Aによる101拠点を含め、合計117の新規拠点を拡大いたしました。中期経営計画の2年目以降は、シナジーの創出とスケールメリットの最大化に向け、さらなる施策を推進してまいります。
「商品・ソリューションの開発と供給」においては、コスト削減と業務効率化を通じて、価格競争力を強化し、競争優位性の確立を目指しております。具体的には、過去2年間で176名をコスト部門からプロフィット部門へ配置転換するなど、着実にコスト削減と業務効率化を進めております。さらに、商品調達を含む本部機能の統廃合を進め、価格競争力のさらなる強化に取り組むとともに、フランチャイズチェンパッケージを刷新し、全国統一ツールの導入や教育体制の充実を図るなど、顧客満足度向上に向けた施策を強化しております。
「新たな事業ドメインの設定」においては、当社の強みを最大限に活かしながら、新たな領域への積極的な挑戦を通じて、連続的成長と非連続のイノベーションの実現を目指しております。具体的には、ZEVディーラーの運営、EV充電インフラの拡充、マイクロモビリティの販売等を推進しており、当社の新たな事業ドメインとして将来的に収益の重要な柱の一つとすべく、先行的に取り組んでまいります。
これまでの50年間、私たちはオートバックスの店舗を軸にカー用品を販売し、お客様のカーライフを支えることに尽力してまいりました。
これからの50年は、オートバックス事業を中核としながらも、カー用品の卸売・小売事業の枠を超え、お客様にとって身近なメンテナンス拠点となるべく、総合モビリティアフター業への成長を目指してまいります。
目指すべき姿の実現に向けて、中期経営計画を着実に遂行するとともに、環境の変化に応じて柔軟にアプローチを調整しながら、その達成を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③財政状態に関する分析 b.連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源および資金の流動性の状況
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズ加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。したがって、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。
中期経営計画期間である2024年度から2026年度においては、設備投資や事業拡大に向けたM&A投資により、累計約350億円の投資を計画しております。さらに、長期ビジョンの期間である2032年度までに累計約1,000億円の投資を実施する計画です。
中期経営計画の最終年度である2026年度は、利益を刈り取る重要なフェーズと位置づけております。そのため、初年度である2024年度には投資を積極的に行い、3年間の投資計画350億円に対して50%以上の進捗を達成しております。
今後は、残りの投資を効果的に進めながら、収益の刈り取りを図り、利益の増加を実現してまいります。
株主還元方針・資本効率性指標
中期経営計画期間である2024年度から2026年度の株主還元につきましては、長期ビジョンの達成に向けた成長機会への投資を優先し、原則として1株当たり年間60円の安定的な配当を実施することを基本方針としております。また、営業キャッシュ・フローの増加分については投資に充当する計画としております。
資本効率性指標については、ROICおよびROEが改善した一方で、2025年3月末時点のPBRは1倍を下回る結果となり、課題が残る状況です。今後も、資本効率を意識した経営に取り組んでまいります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における日本経済は、雇用の改善やインバウンド需要の増加等を背景に緩やかな回復基調で推移した一方で、物価上昇による個人消費の低迷が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
国内の自動車関連業界の動向といたしましては、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響で減少していた新車販売台数は、下期には前年を上回る水準に回復いたしました。中古車市場においては、割安感のある中古車需要が底堅く推移したことに加え、下取り車の流通量増加に伴い中古車登録台数も前年を上回りました。
このような環境下において、当社グループは、お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指し、2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」に基づき、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」を戦略骨子とした各種施策を推進しております。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① 連結損益状況
売上高、売上総利益
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前年同期比8.6%増加の2,495億25百万円、売上総利益は前年同期比17.2%増加の883億73百万円となりました。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| オートバックス事業 | 177,326 | 192,130 |
| コンシューマ事業 | 23,695 | 29,039 |
| ホールセール事業 | 25,061 | 24,494 |
| 拡張事業 | 3,773 | 3,861 |
| 報告セグメント計 | 229,856 | 249,525 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前年同期比13.1%増加の762億47百万円、営業利益は前年同期比51.4%増加の121億26百万円となりました。
販売費及び一般管理費について、主に連結子会社が増加したことにより増加いたしました。
セグメント別の従業員の状況
(単位:人)
| セグメントの名称 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | |||
| オートバックス事業 | 3,138 | (740) | 3,362 | (1,001) | 224 | (261) |
| コンシューマ事業 | 337 | (25) | 911 | (82) | 574 | (57) |
| ホールセール事業 | 380 | (21) | 395 | (11) | 15 | (△10) |
| 拡張事業 | 159 | (26) | 150 | (23) | △9 | (△3) |
| 全社(共通) | 371 | (3) | 383 | (6) | 12 | (3) |
| 合計 | 4,385 | (815) | 5,201 | (1,123) | 816 | (308) |
(注)従業員数は就業人員であり、出向者は除いております。臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しています。全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。前連結会計年度の従業員数は当連結会計年度のセグメント区分に基づき作成しております。
営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、前年同期比5.0%増加の21億74百万円となりました。営業外費用は、前年同期比10.2%減少の17億84百万円となりました。
主に、前年に比べ持分法適用関連会社の収益改善が図られ、持分法による投資利益が増加しております。また、前連結会計年度に稼働を開始した新店舗システムの情報機器賃貸費用が減少いたしました。
この結果、経常利益は前年同期比54.6%増加の125億16百万円となりました。
特別利益、特別損失
特別利益は、負ののれん発生益10億30百万円を計上いたしました。特別損失は、固定資産の減損損失4億62百万円、段階取得に係る差損1億32百万円を計上いたしました。
法人税等合計
法人税等合計は、前年同期比8億87百万円増加の48億3百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比28.0%増加の81億32百万円となりました。
②セグメントごとの経営成績
当社グループ 報告セグメントの概要

セグメントごとの売上高、利益又は損失
(単位:百万円)
| 報告セグメント | 調整額 | 連結財務諸表計上額 | |||||
| オートバックス事業 | コンシューマ事業 | ホールセール事業 | 拡張事業 | 合計 | |||
| 売上高 | |||||||
| 顧客との契約から生じる収益 | 192,130 | 29,039 | 24,494 | 1,458 | 247,123 | - | 247,123 |
| その他の収益 | - | - | - | 2,402 | 2,402 | - | 2,402 |
| 外部顧客への売上高 | 192,130 | 29,039 | 24,494 | 3,861 | 249,525 | - | 249,525 |
| 対前期増減率 | 8.3% | 22.6% | △2.3% | 2.3% | 8.6% | - | 8.6% |
| セグメント間の内部 売上高又は振替高 | 4,970 | 269 | 11,053 | 5,246 | 21,540 | △21,540 | - |
| 計 | 197,100 | 29,308 | 35,548 | 9,108 | 271,065 | △21,540 | 249,525 |
| 対前期増減率 | 8.1% | 22.9% | 0.5% | 9.8% | 8.5% | - | 8.6% |
| セグメント利益又は 損失(△) | 22,050 | △847 | 517 | 476 | 22,196 | △10,070 | 12,126 |
| 対前期増減率 | 33.1% | - | △17.4% | 112.2% | 37.7% | - | 51.4% |
オートバックス事業
オートバックス事業の売上高は1,971億円(前年同期比8.1%増加)、セグメント利益は220億50百万円(同33.1%増加)となりました。
営業の状況といたしましては、国内オートバックスチェン(フランチャイズ加盟法人店舗を含む)の全業態の売上高は、前年同期比で既存店が4.4%の増加、全店が5.1%の増加となりました。
国内オートバックスチェンでは、車両メンテナンス需要や年末年始の外出需要を背景に、タイヤ・オイル・バッテリーなどのメンテナンス関連商品が伸長し、これらの商品に伴うサービス工賃も好調に推移いたしました。また、降雪に伴いスタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの冬季用品が伸長いたしました。
国内オートバックスチェン売上高および客数(既存店前年比/月別)2024年4月~2025年3月

プライベートブランドにおいては、自信をもっておすすめできる価値ある商品の開発・販売を推進しております。「AQ.(オートバックスクオリティ.)」では、車種専用カー用品のラインアップを拡充するとともに、低価格で高品質なオリジナルピットサービス「AQ.ピットメニュー」の提供を開始いたしました。
車検・整備については、アプリからのピット作業予約が定着しつつあることを背景に、公式アプリからのピット作業予約件数が前年同期比17.2%増加いたしました。車検実施台数は、下期より車検対象車両台数が増加に転じたことにより、前年同期比0.4%増加の約67万台となりました。
車販売については、中古車の単価上昇を背景にオークションへの販売が好調に推移した一方で、新車・中古車の小売販売台数は前年を下回りました。この結果、国内オートバックスチェンにおける総販売台数は前年同期比3.7%減少の約3万台、総販売金額は前年同期比5.5%増加の359億59百万円となりました。
国内における出退店は、新規出店が20店舗、退店が3店舗あり、2024年3月末の1,003店舗(内、併設店およびインショップは414店舗)から2025年3月末は1,020店舗(内、併設店およびインショップは417店舗)となりました。
なお、店舗数記載については、2025年3月期の期首から併設店およびインショップを含む形式に変更しております。
オートバックス事業セグメントにおける商品別売上(連結調整後)
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | |
| タイヤ・ホイール | 51,384 | 52,228 | 843 |
| カーエレクトロニクス | 20,788 | 19,062 | △1,726 |
| オイル・バッテリー | 17,475 | 18,547 | 1,072 |
| アクセサリー・メンテナンス用品 | 38,805 | 38,392 | △413 |
| 車検・サービス | 18,301 | 21,363 | 3,061 |
| 車販売 | 8,751 | 10,969 | 2,218 |
| その他 | 21,818 | 31,565 | 9,746 |
| 合計 | 177,326 | 192,130 | 14,804 |
国内出退店実績
(単位:店)
| 2024年3月末 | 新店 | 退店 | 2025年3月末 | |
| オートバックス | 496 | 13 | - | 509 |
| オートバックスガレージ | 1 | - | - | 1 |
| スーパーオートバックス | 72 | - | 1 | 71 |
| A PIT AUTOBACS | 2 | - | - | 2 |
| オートバックスセコハン市場(※1) | 18(15) | 1 | 1 | 18(15) |
| Smart+1(※2) | 10(8) | 4 | - | 14(11) |
| オートバックスエクスプレス | 11 | - | - | 11 |
| オートバックスカーズ(※1) | 393(391) | 2 | 1 | 394(391) |
| 国内計 | 1,003(414) | 20 | 3 | 1,020(417) |
(注)1. 2025年3月期の期首より併設店およびインショップを含んだ店舗数に変更し記載しております。
2. ※1:()は内、併設店の数、※2:()は内、インショップの数
国内店舗数の内訳
(単位:店)
| 2024年3月末 | 2025年3月末 | |
| 直営 | 11 | 14 |
| 連結対象子会社 | 226 | 278 |
| 連結対象外法人※ | 766 | 728 |
| 合計 | 1,003 | 1,020 |
※関連会社を含む
海外については、フランスにおいて前連結会計年度に2店舗を閉店した影響で売上が減少いたしました。シンガポールにおいては、COE(車両購入権)価格の上昇に伴い増加したメンテナンス需要や、ERP(電子道路課金制度)の変更に伴う車載器交換需要を取り込んだことで、ピットサービスが好調に推移いたしました。
海外における出退店は、新規出店が40店舗、退店が1店舗あり、2024年3月末の109店舗から2025年3月末は148店舗となりました。
海外出退店実績
(単位:店)
| 2024年3月末 | 新店 | 退店 | 2025年3月末 | |
| フランス | 8 | - | - | 8 |
| シンガポール | 2 | - | - | 2 |
| タイ | 82 | 40 | - | 122 |
| 台湾 | 6 | - | - | 6 |
| マレーシア | 5 | - | 1 | 4 |
| フィリピン | 6 | - | - | 6 |
| 海外計 | 109 | 40 | 1 | 148 |
海外店舗の内訳
(単位:店)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 連結対象子会社 | 12 | 12 |
| 連結対象外法人※ | 97 | 136 |
| 合計 | 109 | 148 |
※関連会社を含む
コンシューマ事業
コンシューマ事業における売上高は293億8百万円(前年同期比22.9%増加)、セグメント損失は8億47百万円(前年同期は12億97百万円のセグメント損失)となりました。
ディーラーにおいては、2024年10月1日付で、当社の連結子会社である株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスがHonda正規ディーラーを運営する会社を連結子会社化いたしました。これにより、同社が運営する正規ディーラーは、Audi、BYDおよびHondaの3ブランドとなりました。加えて、2024年10月1日付で、電気設備の施工・管理を行う会社を連結子会社化いたしました。なお、2023年9月にBMW/MINI正規ディーラーを行う子会社2社を譲渡しております。
ディーラーの運営会社と店舗数
(単位:店)
| 会社名 | 2024年3月末 | 2025年3月末 |
| ㈱バックス・アドバンス | 4 | 4 |
| ㈱バックスeモビリティ | 5 | 4 |
| ㈱ホンダカーズ東葛 | - | 12 |
車買取・販売においては、2024年10月に車買取・販売店「オートバックスカーズ」初の大型店「オートバックスカーズかしわ大井」をオープンいたしました。
また、2024年8月30日付で、自社ローン型中古車販売事業を行う会社を連結子会社化いたしました。
ネット販売においては、販売促進施策に加え、前連結会計年度に実施した公式通販サイトのリニューアルや取扱商品の拡充が奏功し、売上が増加いたしました。
車検・整備においては、車両メンテナンス需要を背景に整備子会社が好調に推移いたしました。加えて、2025年3月に、車両メンテナンスと低価格タイヤを主軸とした新モデル店舗「AUTO IN車検・タイヤセンター熊本玉名店」をオープンいたしました。
ホールセール事業
ホールセール事業における売上高は355億48百万円(前年同期比0.5%増加)、セグメント利益は5億17百万円(同17.4%減少)となりました。
降雪や車両メンテナンス需要の増加を背景に、ホイールおよびエンジンオイル等の卸売が堅調に推移いたしました。また、日産自動車の車種専用アイテムの販売が伸長したことに加え、2024年12月より幹線道路沿いに位置するセブン-イレブン店舗において、プライベートブランド「AQ.」の展開を開始いたしました。
海外卸売においては、日本国内からの輸出取引が大幅に減少し売上が減少いたしました。マレーシアにおいては、オーソライズドディーラー認定店が増加し売上が伸長いたしました。オーストラリアにおいては、インフレや金利上昇を背景に消費者の購買意欲が低下したことなどにより、売上が減少いたしました。中国においては、日本国内への輸出が拡大し売上が増加いたしました。
拡張事業
拡張事業における売上高は91億8百万円(前年同期比9.8%増加)、セグメント利益は4億76百万円(同112.2%増加)となりました。
③ 財政状態に関する分析
a.連結貸借対照表の各項目の状況
流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ148億37百万円増加し、1,270億28百万円となりました。主に売掛金、商品、未収入金が増加したことなどによるものです。
有形固定資産、無形固定資産
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ85億5百万円増加し、567億57百万円となりました。主に新規連結子会社及び新規出店用地の購入により土地、建物及び構築物が増加したことなどによるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ96億6百万円増加し、173億70百万円となりました。主に新規連結子会社におけるのれんが増加したことなどによるものです。
投資その他の資産
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ2億72百万円増加し、270億14百万円となりました。
流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ94億47百万円増加し、584億32百万円となりました。主に銀行からの短期借入金が増加した一方、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ209億62百万円増加し、377億74百万円となりました。主に銀行からの長期借入金が増加したことなどによるものです。
純資産合計
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ28億11百万円増加し、1,319億63百万円となりました。主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加があった一方、利益剰余金の配当による減少があったことなどによるものです。
セグメントごとの資産
(単位:百万円)
| 2024年3月末 | 2025年3月末 | 増減 | |
| オートバックス事業 | 101,293 | 106,506 | 5,212 |
| コンシューマ事業 | 10,168 | 43,309 | 33,140 |
| ホールセール事業 | 15,084 | 17,424 | 2,340 |
| 拡張事業 | 33,728 | 33,097 | △631 |
| 全社(共通) | 34,673 | 27,832 | △6,840 |
| 総合計 | 194,948 | 228,170 | 33,221 |
資産合計/負債純資産合計
資産合計、負債純資産合計は、前連結会計年度末に比べ332億21百万円増加し、2,281億70百万円となりました。
b.連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ96百万円減少し311億81百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは39億44百万円の収入(前年同期は144億31百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益129億51百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入78億72百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額40億77百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、180億20百万円の支出(前年同期は4億49百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入9億66百万円および定期預金の払戻による収入5億13百万円等であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出89億26百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出59億29百万円および貸付けによる支出33億69百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、139億73百万円の収入(前年同期は74億13百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入224億70百万円および自己株式の売却による収入2億5百万円等であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額54億71百万円、長期借入金の返済による支出13億60百万円および短期借入金の返済(純額)6億98百万円等であります。
c.設備投資の状況
当社グループでは、新規出店・既存店舗の改装に係る建物および構築物の取得、事務所・店舗用地の取得、情報システム投資その他に対し、総額89億26百万円の設備投資を実施いたしました。
設備投資の主な内訳
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 新規出店(リニューアル含む) | 2,260 | 2,583 |
| 既存店改装・改修 | 2,439 | 340 |
| 土地 | 561 | 2,429 |
| 情報化投資 | 1,780 | 1,224 |
| その他 | 2,107 | 2,347 |
| 合計 | 9,149 | 8,926 |
セグメント別設備投資額
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| オートバックス事業 | 6,451 | 5,797 |
| コンシューマ事業 | 1,427 | 892 |
| ホールセール事業 | 116 | 893 |
| 拡張事業 | 462 | 489 |
| 全社(共通) | 691 | 852 |
| 合計 | 9,149 | 8,926 |
④ 資金調達の状況
当連結会計年度において、M&A投資資金や設備投資資金等への充当を目的として長期借入金224億70百万円等の資金調達を実施いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における日本経済は、雇用の改善やインバウンド需要の増加を背景に緩やかな回復基調が見られた一方で、物価上昇に伴う個人消費の低迷や、景気の先行きに対する不透明感といった課題が引き続き懸念される状況でした。
当社が属する自動車関連業界においては、新車販売台数が前年を上回る水準に回復したほか、中古車市場においても底堅い需要が継続するなど、市場環境は一定の改善が見られました。
こうした事業環境を背景に、当社グループは、長期ビジョン「Beyond AUTOBACS Vision 2032」のもと、事業領域の拡大と新たな事業の創造により、2032年度の連結売上高5,000億円の達成を目指しております。
2024年度から2026年度を計画期間とする2024中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」は、長期ビジョンの達成に向けバックキャストにより策定いたしました。本計画では、お客様にとっての「モビリティライフのインフラ」をグローバルで目指し、「小売りと卸売りの2軸に集中し強化する体制への変更」「周辺領域への挑戦」「利益水準の引き上げによる安定的な還元」を基本方針としております。具体的な経営目標として、2026年度に連結売上高2,800億円、連結営業利益150億円、ROIC(投下資本利益率)7.0%の達成を設定しており、これらを実現するために、「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」の3つを戦略骨子としております。
中期経営計画の初年度となる2024年度の経営成績につきましては、連結売上高2,495億円(前年比+8.6%)、営業利益121億円(前年比+51.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は81億円(前年比+28.0%)となりました。M&A関連の一時費用が発生したものの、新たに14社を連結子会社化したことで連結売上高が増加したほか、オートバックス事業をはじめとする既存事業の収益改善も大きく貢献いたしました。この結果、全体として増収増益を達成し、当初計画を上回る好調な業績を収めることができました。
中期経営計画における3つの戦略骨子「タッチポイントの創出」「商品・ソリューションの開発と供給」「新たな事業ドメインの設定」の進捗については以下のとおりです。
「タッチポイントの創出」においては、積極的なM&Aを推進し、お客様との接点の基盤となる拠点の拡大に取り組みました。具体的には、オートバックス店舗13店舗、新ストアブランド3店舗、M&Aによる101拠点を含め、合計117の新規拠点を拡大いたしました。中期経営計画の2年目以降は、シナジーの創出とスケールメリットの最大化に向け、さらなる施策を推進してまいります。
「商品・ソリューションの開発と供給」においては、コスト削減と業務効率化を通じて、価格競争力を強化し、競争優位性の確立を目指しております。具体的には、過去2年間で176名をコスト部門からプロフィット部門へ配置転換するなど、着実にコスト削減と業務効率化を進めております。さらに、商品調達を含む本部機能の統廃合を進め、価格競争力のさらなる強化に取り組むとともに、フランチャイズチェンパッケージを刷新し、全国統一ツールの導入や教育体制の充実を図るなど、顧客満足度向上に向けた施策を強化しております。
「新たな事業ドメインの設定」においては、当社の強みを最大限に活かしながら、新たな領域への積極的な挑戦を通じて、連続的成長と非連続のイノベーションの実現を目指しております。具体的には、ZEVディーラーの運営、EV充電インフラの拡充、マイクロモビリティの販売等を推進しており、当社の新たな事業ドメインとして将来的に収益の重要な柱の一つとすべく、先行的に取り組んでまいります。
これまでの50年間、私たちはオートバックスの店舗を軸にカー用品を販売し、お客様のカーライフを支えることに尽力してまいりました。
これからの50年は、オートバックス事業を中核としながらも、カー用品の卸売・小売事業の枠を超え、お客様にとって身近なメンテナンス拠点となるべく、総合モビリティアフター業への成長を目指してまいります。
目指すべき姿の実現に向けて、中期経営計画を着実に遂行するとともに、環境の変化に応じて柔軟にアプローチを調整しながら、その達成を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③財政状態に関する分析 b.連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源および資金の流動性の状況
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、カー用品を中心とした商品の購入費用およびシステム等の運営コストの支払等である一方、主にフランチャイズ加盟法人に対する卸売と個人を中心とした一般のお客様への小売を行っているため、仕入債務の支払よりも売上債権の回収が進む傾向にあります。したがって、基本的には営業キャッシュ・フローで得られる資金に加え短期借入を、季節によって変動する運転資金需要と投資に充てております。
中期経営計画期間である2024年度から2026年度においては、設備投資や事業拡大に向けたM&A投資により、累計約350億円の投資を計画しております。さらに、長期ビジョンの期間である2032年度までに累計約1,000億円の投資を実施する計画です。
中期経営計画の最終年度である2026年度は、利益を刈り取る重要なフェーズと位置づけております。そのため、初年度である2024年度には投資を積極的に行い、3年間の投資計画350億円に対して50%以上の進捗を達成しております。
今後は、残りの投資を効果的に進めながら、収益の刈り取りを図り、利益の増加を実現してまいります。
株主還元方針・資本効率性指標中期経営計画期間である2024年度から2026年度の株主還元につきましては、長期ビジョンの達成に向けた成長機会への投資を優先し、原則として1株当たり年間60円の安定的な配当を実施することを基本方針としております。また、営業キャッシュ・フローの増加分については投資に充当する計画としております。
資本効率性指標については、ROICおよびROEが改善した一方で、2025年3月末時点のPBRは1倍を下回る結果となり、課題が残る状況です。今後も、資本効率を意識した経営に取り組んでまいります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の計上に際し、様々な見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(重要な会計上の見積り)」に記載しております。