有価証券報告書-第28期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 8:55
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

業績等の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や個人消費の回復が見られ、景気は緩やかな回復傾向にあります。一方で消費税引上げに伴う消費マインド減退への懸念や原材料価格の上昇等、国内景気の下振れ懸念もあり、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが属する業界におきましては、消費税増税前の駆け込み需要がみられた分、平成26年度の前半においてはその反動減が懸念され、また業種業態を超えた販売競争も激化しております。
そのような状況のもと、当社グループでは、従来より推進しております「ソフトと価値の提供」をテーマとした商品以外のサービス・満足の提供を目指した施策に加え、人財育成と採用の強化、他社との提携の推進、好調事業の拡大・強化に努めてまいりました。
好調事業の拡大・強化策としては、平成25年4月1日付で、関東・九州地区を中心に和装用品専門店24店舗を展開する株式会社ら・たんす山野の株式を取得し連結子会社といたしました。
また、当社は、平成25年10月1日付で管理コストの削減と資金管理の効率化等を図るため、株式会社ら・たんす山野を吸収合併いたしました。
この結果、連結売上高は247億83百万円(前期比4.6%増)となりました。利益面では、子会社株式の取得によるのれん償却費の発生や、平成25年9月26日付シンジケートローン契約締結によるアレンジメントフィー等を営業外費用に計上したことに伴う減益影響はありましたが、営業利益は5億67百万円(前期比10.3%増)、経常利益は5億51百万円(前期比14.3%増)となり、当期純利益については、子会社の固定資産売却に関連した減損損失を計上したことや前連結会計年度の法人税等の更正、決定等による還付税額がなくなったこともあり、3億20百万円(前期比23.3%減)となりました。
報告セグメントにおける業績は、以下のとおりであります。
なお、平成25年4月1日付のグループ内の組織再編に伴い、セグメントの管理区分を見直したことにより、記載する事業セグメント区分の変更及び名称の変更を行っております。前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等、 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の1.報告セグメントの概要報告「(3)セグメントの変更等に関する事項」に記載しております。
1) 「美容事業」
美容事業につきましては、競合店の増加傾向が継続していることに加えてサービスメニューの多様化など、他社との差別化が困難である状況のもと、ターゲットを明確化した店舗設計として、「ファミリーサロン」へのリニューアルを1店舗、「アンチエイジングサロン」へのリニューアルを7店舗実施、17店舗の閉店・統合を実施いたしました。この結果、平成26年3月31日現在の店舗数は、直営103店舗、FC6店舗となっております。
人財育成強化策として、学校法人山野学苑「山野美容芸術短期大学」との連携によるプロフェッショナルスタイリスト向け講習プログラムをスタートさせたほか、和装・アパレル事業と連携して着付け技術取得者の増員・強化に努め、着付けサービス実施店舗を拡大いたしました。その結果、着付けサービス獲得件数の前年比は、浴衣着付け214%、成人式着付け170%、卒業式着付け185%と大きく伸長いたしました。
また、集客強化施策として、商圏や生活行動に連動した集客広告媒体の選別を図っており、新規顧客獲得数増加の効果が徐々に表れてきております。
美容事業は前連結会計年度において決算期を2月末日から3月末日に変更したため、前連結会計年度の財務諸表には平成24年3月1日から平成25年3月31日の13ヵ月分を反映している影響や店舗数減少の影響により、売上高は27億20百万円(前期比13.1%減)となり、セグメント利益は1億43百万円(前期比25.8%減)となりました。
2) 「スポーツ事業」
スポーツ事業につきましては、専門店ならではの商品提案力強化、体験サービスイベントの開催、他社とのサービス提携等を積極的に推進しております。
当連結会計年度におきましては、美と健康をテーマにした「H&B(ヘルス&ビューティ)部門」の売場拡大リニューアルを4店舗実施、昨今の健康志向の高まりに対応した結果、H&B部門の売上高は前年比で106%と伸長しております。なお、平成26年3月31日現在の店舗数は、店舗の統合を実施したことにより1店舗減少し17店舗となっております。
スポーツ事業では、競合他社との差別化として、従来よりメンテナンス部門の強化に努めておりますが、さらに、広島県下に200万人超の会員様を有する株式会社和多利の「Wポイントカード」とポイントサービス提携を開始し、また昨年に引き続きリクルートライフスタイル主催「雪マジ19」タイアップ企画を実施するなど、地域顧客の地域利便性向上に向けた他社とのコラボを積極的に推進しております。
大型催事については、山陰エリアで初のウィンター大型催事を島根県松江市で開催するなど、来客数、収益とも計画を大きく上回りました。
この結果、スポーツ事業の売上高は45億7百万円(前期比1.1%増)となり、セグメント利益は1億円(前期比8.6%増)となりました。
3) 「DSM事業」
DSM事業につきましては、ミシン点検サービスや布団の丸洗いクリーニングなどのサービス機能を拡充し、催事集客強化による販売施策を行っております。
当連結会計年度は、大型催事である「きものパーティ」や、ミシンによる物づくりの場「ミシンフェア」など、お買い物以外の顧客ニーズに応える催事を継続的に開催する一方で、買い物の場が減少してしまった地方の顧客に対して、各ショップにて洋装品を中心にしたトータルファッションのミニ展示会を積極的に開催し、商品提案の場を広げる施策を行っております。
また、事業所の統廃合を要因とした販売員減少に対応するため、販売員紹介キャンペーンを実施しているほか、統合ショップでのナレッジ共有を推進しており、訪問販売から催事への集客販売への移行を図るなど、売上高の確保と収益力向上に努めております。なお、平成26年3月31日現在の店舗数は83店舗となっております。
この結果、DSM事業の売上高は31億62百万円(前年同期比7.2%減)となり、セグメント利益1億1百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
4) 「和装・アパレル事業」
和装・アパレル事業は、当連結会計年度のグループ内再編により卸売事業に含まれていた洋装小売部門を和装事業へ移管したことに伴い、セグメント区分を変更し、セグメント名称を「和装事業」から「和装・アパレル事業」へ変更しております。
当連結会計年度においては、和装小売店舗を展開する株式会社ら・たんす山野の株式を取得し連結子会社化、また2店舗の出店及び1店舗の閉鎖を実施いたしました。この結果、平成26年3月31日現在の店舗数は、和装小売店舗が64店舗、アパレル小売店舗が9店舗となっております。
和装・アパレル事業においては、「前楽結び着方教室」、「着る機会の提供」、「きものクリニック」の3施策を柱とした顧客活性化に努めるとともに、人財育成の強化に努めてまいりました。各店舗での販売力向上及び平準化を目指した「ステップアップガイドライン」を導入し、現場から管理部門までを含めた組織的な人財育成環境を整備したほか、着物加工工場の見学や、山野美容芸術短期大学内施設である茶室「愛治庵」を活用した茶道を通じたマナー研修を実施するなど、将来の更なる業容拡大を見据えた人財育成に努めております。
この結果、和装・アパレル事業の売上高は54億70百万円(前期比59.3%増)となり、セグメント利益は2億45百万円(前期比110.6%増)の増収増益となりました。
5) 「卸売事業」
卸売事業は、セグメント区分の変更を行っております。
洋装小売店舗部門を和装・洋装事業へ移管しております。
卸売事業につきましては、百貨店における売場コーナー化の拡大や、タケオニシダの新ブランド「LADY NISHIDA」を立ち上げ、ブランドビジネスの拡大を推進しております。平成26年3月31日現在のタケオニシダ直営店の店舗数は17店舗となっております。
しかし2月開催の大型催事「BEAUTY of JAPAN」が大雪の影響を受けて来客数が大幅に減少したことなどにより、卸売事業の売上高は、67億74百万円(前期比6.0%減)となり、セグメント利益は46百万円(前期比39.7%減)となりました。
6) 「宝飾事業」
宝飾事業につきましては、店外大型催事への参加や店頭催事の絞込みなど事業効率の向上に努めてまいりました。
当連結会計年度においては、店外大型催事の参加店増などにより売上高の確保に努めてまいりました。平成26年3月31日現在の店舗数は、3店舗閉鎖し27店舗となっております。
この結果、宝飾事業の売上高は、委託販売契約から買取販売契約への変更等もあり、14億94百万円(前年同期比14.7%増)となり、セグメント利益9百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
7) 「その他の事業」
その他の事業の事業内容は、主に堀田(上海)貿易有限公司の意匠撚糸の販売、株式会社西田武生デザイン事務所のブランド事業、かねもり事業部の代理店を通じた呉服等を中心とした催事販売、株式会社ヤマノセイビングの前払式特定取引業による手数料収益であります。
その他の事業の売上高は、連結子会社の台湾科世夢(股)有限公司の清算による影響があり、6億52百万円(前年同期比13.3%減)となり、セグメント損失5百万円(前年同期はセグメント損失4百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が3億81百万円(前期比14.7%減)となり、有形固定資産の売却による収入や敷金・保証金の返還による収入等があったものの、仕入債務の減少や自己株式の取得による支出等により前連結会計年度に比べ8億58百万円減少し9億95百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、6億25百万円(前期は3億29百万円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益3億81百万円に対し、仕入債務の減少額8億9百万円、法人税等の支払額1億65百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、3億39百万円(前期は2億1百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入1億87百万円、子会社株式の取得による収入1億45百万円、敷金及び保証金の回収による収入1億14百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、5億76百万円(前期比5億30百万円の支出増)となりました。
これは主に、長期借入れの返済による支出2億10百万円、自己株式の取得による支出3億19百万円によるものであります。