有価証券報告書-第57期(令和1年5月21日-令和2年5月20日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年5月21日から2020年5月20日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦や海外の政治情勢の不安定化が継続していることや、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが属するeコマース市場は、新型コロナウイルス感染症を起因とする新たな生活様式が求められている中において、BtoC事業を中心に需要は増加傾向にありますが、配送ドライバー不足等に起因した配送運賃の高止まりや同業他社とのサービス競争が、eコマース企業各社の経営に大きな影響を与えております。
このような状況の中、主力分野であるeコマース事業のBtoB事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う企業活動停滞等の影響により、第4四半期連結会計期間において前年同期比で売上高が減少しましたが、ご利用者数が伸長したこと等により、通期では増収増益となりました。
BtoC事業は、「LOHACO」の損益改善を最優先課題として取り組みました。2019年1月に実施した「LOHACO」の基本配送料が無料となるご注文金額(以下、「配送バー」)改定や2019年7月の「ひと箱eco」(注1)サービスの開始等が購入点数の増加や売上高配送費比率の大幅な低下に繋がり、業績改善は予定通りの進捗となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,003億76百万円(前期比3.3%増)、「LOHACO」の損益改善が寄与し、営業利益88億21百万円(前期比95.1%増)、経常利益86億56百万円(前期比95.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、56億52百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益4億34百万円)となりました。
セグメント別(セグメント間取引を含む)の経営成績につきましては、以下のとおりです。
当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、さらなる成長に向けてeコマース戦略を実行してまいりました。当社で購入経験のないお客様がサーチエンジンで商品を検索した際に当社のWEBサイトが上位に掲載される施策(SEO)やインターネット広告の強化により新規のお客様のご利用が増加いたしました。併せてビッグデータやAI(人工知能)を活用したWEBサイト上の検索機能の進化や名前がわからない商品でも検索できる画像検索機能等を追加し、従来から当社サービスをご利用いただいているお客様の購入点数・単価の増加に向けた取組みも積極的に行ってまいりました。
商品の種類別でみると、店舗等で頻繁に利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスで利用される飲料等の生活用品、注力分野である医療・介護施設向け商材、ロングテール商品を含むMRO商材(注2)の売上高が順調に拡大いたしました。サービス面では、2019年8月の衛生・介護用品を皮切りに、梱包作業用品、飲料と定期配送サービスの対象商品を順次拡大してまいりました。
また、当社グループは、お客様のライフラインを支える一企業としての責任を果たすべく、新型コロナウイルス感染症に対応する経済産業省および厚生労働省からの要請を受け、医療機関・介護施設等への手指消毒液の優先お届け対応等を実施いたしました。これらの経験・実績を基に、今後ともインフラ企業としての使命と責任を果たしてまいります。
この結果、BtoB事業合計では、第4四半期連結会計期間における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う企業活動停滞等の影響により、4月、5月の売上高の落ち込みはあったものの、第3四半期連結累計期間まで順調に推移してきたことから、通期では、前期比で132億57百万円増収の3,290億72百万円(前期比4.2%増)となりました。
BtoC事業につきましては、「LOHACO」における損益改善を最優先課題として取り組んでまいりました。損益改善については、前期2019年1月に実施した「配送バー」改定や2019年7月から始めた「ひと箱eco」サービス等の構造改革の効果が着実に表れてきており、売上総利益の上昇と売上高配送費比率の改善が進みました。
一方、翌期以降の再成長に向けて、新たなお客様の獲得を目的に、2019年10月に「LOHACO」はヤフー株式会社が新たに開始した「PayPayモール」に出店しており、「PayPayモール」経由の売上高は順調に伸長しております。また、「LOHACO」ならではの独自価値商品のラインナップの強化にも取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染予防のための外出自粛が続いたことから、eコマースに対する需要は一層高まっております。「LOHACO」へのご注文も増加しておりますので、出荷体制を整え、翌期以降の売上高の拡大に注力してまいります。
この結果、「LOHACO」の売上高は損益改善を優先した影響等により、前期比で27億74百万円減収の486億20百万円(前期比5.4%減)となり、BtoC事業合計でも、前期比で19億44百万円減収の633億34百万円(前期比3.0%減)となりました。損益面においては、各種損益改善策が功を奏したこと、また、広告等のフィー収入の増加により損益の改善が予定通り進みました。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は3,924億6百万円(前期比3.0%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収や収益力の高い当社オリジナル商品の拡充に加え、「LOHACO」の売上総利益率の改善等により、946億45百万円(前期比4.6%増)となりました。
上述の通り売上高配送費比率が減少したこと、また、前期に「ASKUL Value Center 日高」の固定資産を減損したことにより減価償却費が減少したことで売上高販管費比率が前期比0.6ポイント減少し、販売費及び一般管理費が854億57百万円となり、営業利益は91億88百万円(前期比82.8%増)となりました。
(注) 1 お客様に水・お茶などの飲料対象商品をお求めやすい本数・価格でご提供し、かつ、合計18kgまでの組み合わせなら飲料配送手数料がかからないサービスを指します。各種飲料を詰め合わせても、ご注文頂いた商品が1箱で収まるような買い方を推奨・促進していくことで、荷物を運ぶ配送への負担を減らしながら、売上高配送費比率の低減にも繋がります。
2 Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・ 補修用品等の間接材全般を指します。
<ロジスティクス事業>株式会社ecoプロパティーズの物流施設のアセットマネジメント事業による売上高の増加等がありましたが、物流業務受託の準備期間に係る物流センター賃料等の費用負担があったことから、営業損失となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は71億97百万円(前期比29.5%増)、営業損失は4億円(前期は営業損失5億17百万円)となっております。
<その他>嬬恋銘水株式会社の売上高は概ね前期並みで進捗しました。
当連結会計年度の売上高は13億22百万円(前期比4.2%増)、営業利益は59百万円(前期比168.3%増)となっております。
財政状態の状況は以下の通りであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,741億14百万円となり、前連結会計年度末と比べ50億2百万円増加いたしました。主な増加要因は、現金及び預金が57億91百万円、未収入金が16億6百万円、商品及び製品が8億16百万円、ソフトウエアが5億62百万円増加したことであります。主な減少要因は、受取手形及び売掛金が34億88百万円、減価償却が進んだことによりリース資産が11億19百万円減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,212億89百万円となり、前連結会計年度末と比べ8億8百万円増加いたしました。主な増加要因は、電子記録債務が16億44百万円、未払金が9億40百万円、未払法人税等が8億72百万円増加したことであります。主な減少要因は、リース債務(長期)が11億81百万円、長期借入金が9億66百万円、支払手形及び買掛金が7億23百万円減少したことであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は528億25百万円となり、前連結会計年度末と比べ41億93百万円増加いたしました。主な増加要因は、配当金の支払18億87百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益56億52百万円の計上等により、利益剰余金が37億96百万円増加したことであります。
以上の結果、自己資本比率は30.1%(前連結会計年度末は28.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は632億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億91百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、166億9百万円(前期比103億94百万円増)となりました。これは税金等調整前当期純利益84億60百万円、減価償却費とソフトウエア償却費、のれん償却額の合計59億円および売上債権の減少35億79百万円の増加要因があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、60億55百万円(前期比93百万円減)となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出32億60百万円、有形固定資産の取得による支出18億27百万円の減少要因があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、47億61百万円(前期比1億88百万円増)となりました。これは、長期借入金の返済による支出22億15百万円、配当金の支払18億87百万円、リース債務の返済による支出17億4百万円の減少要因があったこと等によります。
③ 生産、仕入および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 eコマース事業およびロジスティクス事業につきましては、生産業務を行っていないため該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積りを用いております。この会計上の見積りには、その性質上不確実性があり、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等などを含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、5~10年間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を慎重に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、競合とのサービス競争は激化しております。当社グループといたしましては、BtoB事業は、お客様のご要望にあった品揃えの拡大や当社オリジナル商品の拡充、AIやテクノロジーを活用し、お客様にとって最も早く探せるWEBサイトへの進化を続け、他社との差別化を図ってまいります。BtoC事業は、売上総利益率の改善、固定費の大幅な削減により損益改善を進めてまいります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであると認識しておりますが、各種対応策を実施することでリスク要因の低減を図ってまいります。
④ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設・増強やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、BtoC事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。
設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、eコマースのBtoC事業をBtoB事業と並ぶ収益の柱に成長させることを目指し、中期経営戦略の目標指標として、BtoC事業に係る流通総額1,000億円を目標に掲げておりました。当連結会計年度におけるBtoC事業に係る流通総額は、650億16百万円となっております。
一方、BtoC事業につきましては、あらゆる業種でのEC化が進み、競争環境は厳しさを増す中で、配送ドライバーや庫内作業従事者の人手不足等を起因とする賃金の上昇等により、物流変動費が増加し、事業全体のコスト構造が従前から大きく変化していると認識しております。そのため、当面は、収益重視の構造改革を断行することに経営の舵を切り、売上総利益率の改善、固定費の大幅な削減に注力してまいります。BtoC事業の「LOHACO」は、2023年5月期の黒字化を新たな経営上の目標としており、2021年5月期は営業損失44億円(2020年5月期は営業損失61億29百万円)までの改善を計画しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年5月21日から2020年5月20日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦や海外の政治情勢の不安定化が継続していることや、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが属するeコマース市場は、新型コロナウイルス感染症を起因とする新たな生活様式が求められている中において、BtoC事業を中心に需要は増加傾向にありますが、配送ドライバー不足等に起因した配送運賃の高止まりや同業他社とのサービス競争が、eコマース企業各社の経営に大きな影響を与えております。
このような状況の中、主力分野であるeコマース事業のBtoB事業は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う企業活動停滞等の影響により、第4四半期連結会計期間において前年同期比で売上高が減少しましたが、ご利用者数が伸長したこと等により、通期では増収増益となりました。
BtoC事業は、「LOHACO」の損益改善を最優先課題として取り組みました。2019年1月に実施した「LOHACO」の基本配送料が無料となるご注文金額(以下、「配送バー」)改定や2019年7月の「ひと箱eco」(注1)サービスの開始等が購入点数の増加や売上高配送費比率の大幅な低下に繋がり、業績改善は予定通りの進捗となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,003億76百万円(前期比3.3%増)、「LOHACO」の損益改善が寄与し、営業利益88億21百万円(前期比95.1%増)、経常利益86億56百万円(前期比95.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、56億52百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益4億34百万円)となりました。
セグメント別(セグメント間取引を含む)の経営成績につきましては、以下のとおりです。
商品の種類別でみると、店舗等で頻繁に利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスで利用される飲料等の生活用品、注力分野である医療・介護施設向け商材、ロングテール商品を含むMRO商材(注2)の売上高が順調に拡大いたしました。サービス面では、2019年8月の衛生・介護用品を皮切りに、梱包作業用品、飲料と定期配送サービスの対象商品を順次拡大してまいりました。
また、当社グループは、お客様のライフラインを支える一企業としての責任を果たすべく、新型コロナウイルス感染症に対応する経済産業省および厚生労働省からの要請を受け、医療機関・介護施設等への手指消毒液の優先お届け対応等を実施いたしました。これらの経験・実績を基に、今後ともインフラ企業としての使命と責任を果たしてまいります。
この結果、BtoB事業合計では、第4四半期連結会計期間における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う企業活動停滞等の影響により、4月、5月の売上高の落ち込みはあったものの、第3四半期連結累計期間まで順調に推移してきたことから、通期では、前期比で132億57百万円増収の3,290億72百万円(前期比4.2%増)となりました。
BtoC事業につきましては、「LOHACO」における損益改善を最優先課題として取り組んでまいりました。損益改善については、前期2019年1月に実施した「配送バー」改定や2019年7月から始めた「ひと箱eco」サービス等の構造改革の効果が着実に表れてきており、売上総利益の上昇と売上高配送費比率の改善が進みました。
一方、翌期以降の再成長に向けて、新たなお客様の獲得を目的に、2019年10月に「LOHACO」はヤフー株式会社が新たに開始した「PayPayモール」に出店しており、「PayPayモール」経由の売上高は順調に伸長しております。また、「LOHACO」ならではの独自価値商品のラインナップの強化にも取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染予防のための外出自粛が続いたことから、eコマースに対する需要は一層高まっております。「LOHACO」へのご注文も増加しておりますので、出荷体制を整え、翌期以降の売上高の拡大に注力してまいります。
この結果、「LOHACO」の売上高は損益改善を優先した影響等により、前期比で27億74百万円減収の486億20百万円(前期比5.4%減)となり、BtoC事業合計でも、前期比で19億44百万円減収の633億34百万円(前期比3.0%減)となりました。損益面においては、各種損益改善策が功を奏したこと、また、広告等のフィー収入の増加により損益の改善が予定通り進みました。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は3,924億6百万円(前期比3.0%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収や収益力の高い当社オリジナル商品の拡充に加え、「LOHACO」の売上総利益率の改善等により、946億45百万円(前期比4.6%増)となりました。
上述の通り売上高配送費比率が減少したこと、また、前期に「ASKUL Value Center 日高」の固定資産を減損したことにより減価償却費が減少したことで売上高販管費比率が前期比0.6ポイント減少し、販売費及び一般管理費が854億57百万円となり、営業利益は91億88百万円(前期比82.8%増)となりました。
(注) 1 お客様に水・お茶などの飲料対象商品をお求めやすい本数・価格でご提供し、かつ、合計18kgまでの組み合わせなら飲料配送手数料がかからないサービスを指します。各種飲料を詰め合わせても、ご注文頂いた商品が1箱で収まるような買い方を推奨・促進していくことで、荷物を運ぶ配送への負担を減らしながら、売上高配送費比率の低減にも繋がります。
2 Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・ 補修用品等の間接材全般を指します。
<ロジスティクス事業>株式会社ecoプロパティーズの物流施設のアセットマネジメント事業による売上高の増加等がありましたが、物流業務受託の準備期間に係る物流センター賃料等の費用負担があったことから、営業損失となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は71億97百万円(前期比29.5%増)、営業損失は4億円(前期は営業損失5億17百万円)となっております。
<その他>嬬恋銘水株式会社の売上高は概ね前期並みで進捗しました。
当連結会計年度の売上高は13億22百万円(前期比4.2%増)、営業利益は59百万円(前期比168.3%増)となっております。
財政状態の状況は以下の通りであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,741億14百万円となり、前連結会計年度末と比べ50億2百万円増加いたしました。主な増加要因は、現金及び預金が57億91百万円、未収入金が16億6百万円、商品及び製品が8億16百万円、ソフトウエアが5億62百万円増加したことであります。主な減少要因は、受取手形及び売掛金が34億88百万円、減価償却が進んだことによりリース資産が11億19百万円減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,212億89百万円となり、前連結会計年度末と比べ8億8百万円増加いたしました。主な増加要因は、電子記録債務が16億44百万円、未払金が9億40百万円、未払法人税等が8億72百万円増加したことであります。主な減少要因は、リース債務(長期)が11億81百万円、長期借入金が9億66百万円、支払手形及び買掛金が7億23百万円減少したことであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は528億25百万円となり、前連結会計年度末と比べ41億93百万円増加いたしました。主な増加要因は、配当金の支払18億87百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益56億52百万円の計上等により、利益剰余金が37億96百万円増加したことであります。
以上の結果、自己資本比率は30.1%(前連結会計年度末は28.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は632億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億91百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、166億9百万円(前期比103億94百万円増)となりました。これは税金等調整前当期純利益84億60百万円、減価償却費とソフトウエア償却費、のれん償却額の合計59億円および売上債権の減少35億79百万円の増加要因があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、60億55百万円(前期比93百万円減)となりました。これは、ソフトウエアの取得による支出32億60百万円、有形固定資産の取得による支出18億27百万円の減少要因があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、47億61百万円(前期比1億88百万円増)となりました。これは、長期借入金の返済による支出22億15百万円、配当金の支払18億87百万円、リース債務の返済による支出17億4百万円の減少要因があったこと等によります。
③ 生産、仕入および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 (注)1 | 854 | +5.6 |
| 合計 | 854 | +5.6 |
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 eコマース事業およびロジスティクス事業につきましては、生産業務を行っていないため該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| eコマース事業 | 298,177 | +2.1 |
| その他 | 89 | +12.6 |
| 合計 | 298,266 | +2.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| eコマース事業 | 392,406 | +3.0 |
| ロジスティクス事業 | 7,197 | +29.5 |
| その他 | 773 | △5.6 |
| 合計 | 400,376 | +3.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積りを用いております。この会計上の見積りには、その性質上不確実性があり、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等などを含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、新たに減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、5~10年間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を慎重に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、競合とのサービス競争は激化しております。当社グループといたしましては、BtoB事業は、お客様のご要望にあった品揃えの拡大や当社オリジナル商品の拡充、AIやテクノロジーを活用し、お客様にとって最も早く探せるWEBサイトへの進化を続け、他社との差別化を図ってまいります。BtoC事業は、売上総利益率の改善、固定費の大幅な削減により損益改善を進めてまいります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであると認識しておりますが、各種対応策を実施することでリスク要因の低減を図ってまいります。
④ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設・増強やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、BtoC事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。
設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、eコマースのBtoC事業をBtoB事業と並ぶ収益の柱に成長させることを目指し、中期経営戦略の目標指標として、BtoC事業に係る流通総額1,000億円を目標に掲げておりました。当連結会計年度におけるBtoC事業に係る流通総額は、650億16百万円となっております。
一方、BtoC事業につきましては、あらゆる業種でのEC化が進み、競争環境は厳しさを増す中で、配送ドライバーや庫内作業従事者の人手不足等を起因とする賃金の上昇等により、物流変動費が増加し、事業全体のコスト構造が従前から大きく変化していると認識しております。そのため、当面は、収益重視の構造改革を断行することに経営の舵を切り、売上総利益率の改善、固定費の大幅な削減に注力してまいります。BtoC事業の「LOHACO」は、2023年5月期の黒字化を新たな経営上の目標としており、2021年5月期は営業損失44億円(2020年5月期は営業損失61億29百万円)までの改善を計画しております。