有価証券報告書-第56期(平成30年5月21日-令和1年5月20日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年5月21日から2019年5月20日まで)におけるわが国経済は、企業収益と雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米中貿易摩擦や海外の政治情勢の不安定化等により、株価や為替等の動向には不確実性が高まっており、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが属するeコマース市場は、引き続き成長が見込まれているものの、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。また、配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向は、eコマース各社の経営に大きな影響を与えております。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は前期比7.5%の成長となりました。主力分野であるeコマース事業のBtoB事業は、前期比4.4%の増収と順調に推移し、BtoC事業は、「LOHACO」の火災からの回復と前連結会計年度の第1四半期末に子会社化した株式会社チャームの連結効果が第1四半期連結累計期間まで寄与したことにより前期比28.7%の増収となりました。
差引売上総利益は、売上総利益率が前期から引き続き堅調に推移したことで、増収により増益となりました。販売費及び一般管理費については、前連結会計年度の第2四半期以降、大手配送会社からの段階的な値上げにより配送運賃が大幅に増加しましたが、「LOHACO」の基本配送料が無料となるご注文金額(以下、「配送バー」)の改定や、配送原価低減策としての①ご購入いただいた商品数量等に合った段ボールサイズでの梱包と配送効率向上、②大手配送会社拠点への荷物持込の実行、③「LOHACO」の自社配送エリアの拡大、「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、「ALP首都圏」)」火災により悪化していた物流センター内の生産性の飛躍的な改善、全社一丸となってのKAIZEN活動等の経営努力による増加コストの吸収にも全力を傾けた結果、売上高販管費比率は低下いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,874億70百万円(前期比7.5%増)、営業利益45億20百万円(前期比7.8%増)、経常利益44億18百万円(前期比12.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失31億23百万円を計上したことにより、4億34百万円(前期比90.7%減)となりました。
固定資産の減損については、主に「ASKUL Value Center 日高(以下、「AVC日高」)」に係るものです。「AVC日高」は、「ALP首都圏」の火災後に開設した物流センターであり、物流生産性の復元に大きく寄与しておりますが、宅配クライシスに起因する配送運賃値上げ等の事業環境の変化やその他リスク等を勘案した結果、減損損失を計上いたしました。なお、前期に火災損失引当金戻入額68億46百万円を計上したこと等も大幅な減益要因となっております。
セグメント別(セグメント間取引を含む)の経営成績につきましては、以下のとおりです。
当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、さらなる成長に向けてeコマース戦略を実行してまいりました。SEOやインターネット広告を強化したことにより新規のお客様のご利用が増加いたしました。さらに、ビッグデータやAI(人工知能)を活用したWEBサイト上の検索機能の進化や名前がわからない商品でも検索できるように画像検索機能を追加する施策等を推し進めた結果、従来から当社サービスをご利用いただいているお客様の購入点数・単価ともに増加いたしました。
サービス面では、2018年2月にコピー用紙から開始した定期配送サービスは対象商品を拡大し、2019年2月にはIoTを活用したコピー用紙自動配送サービスを開始するなど、新技術を活用してお客様の手間を省くサービスを拡張してまいりました。また、2018年8月発刊の「アスクルカタログ 2018秋・冬号」では多様化する働き方やオフィス環境に適した新商品の提案、2019年2月発刊の「アスクルカタログ 2019春・夏号」では「脱プラスチックへできることから。」と題し、紙ストロー等の使い捨てプラスチック商品に替わる商品を増やすなど地球環境への配慮等、企業の社会的責任を意識した事業展開をしてまいりました。商品の種類別でみると、店舗等で頻繁にご利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスでご利用される飲料等の生活用品が成長を牽引し、MRO商材(注)、医療・介護施設向け商材の売上高も増加しました。注力分野であるロングテール商品は取扱い数が610万を超えて売上高が順調に拡大していること等から、BtoB事業の売上高は、前期比で132億12百万円増収の3,158億14百万円(前期比4.4%増)となりました。
BtoC事業の「LOHACO」は、2018年5月21日の「Yahoo!ショッピング」への出店開始やヤフー株式会社と連携した販促施策の強化等により新規のお客様のご利用が拡大いたしました。また、2018年10月に、大手メーカー48社に出展いただき、eコマースならではの独自デザイン商品を揃えた「暮らしになじむLOHACO展2018」を開催し、「LOHACO」ブランドの認知度向上に努めるとともに、メーカーとの共創によるオリジナル商品数の増加を進めてまいりました。一方、配送運賃の値上げの影響は大きく、将来の収益改善をともなった成長を実現するために、「独自価値商品数のさらなる拡大」、化粧品、健康食品等の「戦略カテゴリの強化」、「広告フィー収入の拡大」へと経営資源をシフトすることを2018年12月に決定し、次期の収益の大幅改善に向けて下期より取組みを開始しております。配送原価低減策を実行したことと「配送バー」改定によりお客様の買い回りが進み、ご注文ごとの1箱当たり売上高が上昇したことで、課題の売上高配送運賃比率が低減し、損益は改善傾向にあります。「LOHACO」の売上高は513億95百万円(前期比23.1%増)となり前期比で96億49百万円の増収、前連結会計年度中に子会社化した株式会社チャームの連結効果も寄与し、BtoC事業合計では、前期比で145億64百万円増収の652億78百万円(前期比28.7%増)となりました。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は3,810億93百万円(前期比7.9%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収、収益力の高い当社オリジナル商品の拡充等により、904億99百万円(前期比8.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、配送運賃の大幅な増加、「ASKUL Value Center 関西(以下、「AVC関西」)」開設に係る固定費の増加、前連結会計年度の第1四半期末に子会社化した株式会社チャームの費用分の純増等により、前期比6.8%増の854億74百万円となりましたが、物流センターにおける労働生産性の飛躍的な改善等と売上高の増加により、指標となる売上高販管費比率は前期比で改善いたしました。
この結果、当連結会計年度のeコマース事業における営業利益は50億25百万円(前期比32.3%増)となりました。
(注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。
<ロジスティクス事業>ASKUL LOGIST株式会社においては、当社グループ外の物流業務受託の売上高が増加しましたが、前連結会計年度の売上高には、株式会社ecoプロパティーズの「ALP首都圏」、「ASKUL Logi PARK 福岡」売却等の大型案件に係る不動産仲介手数料が含まれていたことから減収減益となりました。なお、株式会社エコ配の損益は下期以降改善に向かっており、また、株式会社ecoプロパティーズの不動産関連案件の進捗も次期に向けて順調に進んでおります。
この結果、当連結会計年度の売上高は55億58百万円(前期比21.1%減)、営業損失は5億17百万円(前期は営業利益9億97百万円)となっております。
<その他>嬬恋銘水株式会社において、製造装置の改善等により増産が可能となったことで、「LOHACO」を中心に飲料水の販売が順調に進み、売上高が増加いたしました。また、2018年7月18日に販売を開始した、飲み切り410mlサイズで、ゴミの分別の手間が省けるラベルのないペットボトルの新商品「LOHACO Water」は好評を博しており、売上高の増加に寄与いたしました。物流コストを低減するための自社倉庫の竣工により一過性の費用が発生し、減益とはなりましたが、倉庫の稼働によるコストの低減が進み、収益力は着実に向上しつつあります。
この結果、当連結会計年度の売上高は12億69百万円(前期比25.2%増)、営業利益は22百万円(前期比3.1%減)となっております。
財政状態の状況は以下の通りであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,691億12百万円となり、前連結会計年度末と比べ46億1百万円減少いたしました。主な増加要因は、ソフトウエアが16億41百万円、商品及び製品が15億78百万円増加したことであります。主な減少要因は、電子記録債務の減少等により現金及び預金が47億18百万円、減損損失の計上等により機械装置及び運搬具が25億82百万円減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,204億80百万円となり、前連結会計年度末と比べ38億88百万円減少いたしました。主な増加要因は、支払手形及び買掛金が22億6百万円増加したことであります。主な減少要因は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、決済日が期末日である電子記録債務が前連結会計年度末残高に58億88百万円含まれていたこと等により電子記録債務が43億13百万円、未払金が12億14百万円、長期借入金が16億94百万円減少したことであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は486億31百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億12百万円減少いたしました。主な増加要因は、非支配株主との取引に係る親会社の持分変動等により資本剰余金が4億56百万円増加、自己株式の処分により自己株式が2億3百万円減少したことであります。主な減少要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を4億34百万円計上したものの、配当金の支払18億35百万円等により、利益剰余金が14億7百万円減少したことであります。
以上の結果、自己資本比率は28.6%(前連結会計年度末は28.3%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は574億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ47億7百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、前連結会計年度末残高に含まれていた電子記録債務58億88百万円が当連結会計年度において決済されたこと等によります。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、62億15百万円(前期比39億35百万円減)となりました。これは税金等調整前当期純利益11億73百万円、減損損失31億23百万円、減価償却費とソフトウエア償却費およびのれん償却額の合計64億32百万円の増加要因に対し、売上債権の増加11億28百万円、たな卸資産の増加17億30百万円、仕入債務の減少21億77百万円の減少要因があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、59億62百万円(前期比43億74百万円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出16億89百万円、ソフトウエアの取得による支出37億54百万円の減少要因があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、49億50百万円(前期は、65億53百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出17億95百万円、リース債務の返済による支出16億47百万円、配当金の支払18億35百万円等の減少要因があったことによります。
③ 生産、仕入および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 eコマース事業およびロジスティクス事業につきましては、生産業務を行っていないため該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、次の事項が挙げられます。
a.競争環境
当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、BtoC事業については、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。当社グループといたしましては、当社オリジナル商品の拡充等や取扱商品も順次拡大することで他社との差別化を図ってまいります。
b. 配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の増加等
配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向や国内物流業者による取扱い総量規制等は、eコマース事業者にとって重要な経営課題となっております。当社グループといたしましては、グループの配送会社を最大限活用し、配送ドライバーの増員や自社グループ配送網の拡大、自社配送網の高密度を図ってまいります。
④ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、BtoC事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。
設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当社グループのさらなる成長のために、eコマースのBtoC事業を、BtoB事業と並ぶ収益の柱となる事業に成長させることを目指しております。そのため、中期経営戦略の目標指標として、BtoC事業に係る流通総額1,000億円を目標に掲げております。
当連結会計年度におけるBtoC事業に係る流通総額は、668億15百万円となっております。
引き続き、効果的なマーケティング施策の実行により、新たなお客様の獲得とご利用頻度を高めることに注力し、流通総額目標の達成と収益性の改善に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年5月21日から2019年5月20日まで)におけるわが国経済は、企業収益と雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、米中貿易摩擦や海外の政治情勢の不安定化等により、株価や為替等の動向には不確実性が高まっており、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが属するeコマース市場は、引き続き成長が見込まれているものの、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。また、配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向は、eコマース各社の経営に大きな影響を与えております。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は前期比7.5%の成長となりました。主力分野であるeコマース事業のBtoB事業は、前期比4.4%の増収と順調に推移し、BtoC事業は、「LOHACO」の火災からの回復と前連結会計年度の第1四半期末に子会社化した株式会社チャームの連結効果が第1四半期連結累計期間まで寄与したことにより前期比28.7%の増収となりました。
差引売上総利益は、売上総利益率が前期から引き続き堅調に推移したことで、増収により増益となりました。販売費及び一般管理費については、前連結会計年度の第2四半期以降、大手配送会社からの段階的な値上げにより配送運賃が大幅に増加しましたが、「LOHACO」の基本配送料が無料となるご注文金額(以下、「配送バー」)の改定や、配送原価低減策としての①ご購入いただいた商品数量等に合った段ボールサイズでの梱包と配送効率向上、②大手配送会社拠点への荷物持込の実行、③「LOHACO」の自社配送エリアの拡大、「ASKUL Logi PARK 首都圏(以下、「ALP首都圏」)」火災により悪化していた物流センター内の生産性の飛躍的な改善、全社一丸となってのKAIZEN活動等の経営努力による増加コストの吸収にも全力を傾けた結果、売上高販管費比率は低下いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,874億70百万円(前期比7.5%増)、営業利益45億20百万円(前期比7.8%増)、経常利益44億18百万円(前期比12.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失31億23百万円を計上したことにより、4億34百万円(前期比90.7%減)となりました。
固定資産の減損については、主に「ASKUL Value Center 日高(以下、「AVC日高」)」に係るものです。「AVC日高」は、「ALP首都圏」の火災後に開設した物流センターであり、物流生産性の復元に大きく寄与しておりますが、宅配クライシスに起因する配送運賃値上げ等の事業環境の変化やその他リスク等を勘案した結果、減損損失を計上いたしました。なお、前期に火災損失引当金戻入額68億46百万円を計上したこと等も大幅な減益要因となっております。
セグメント別(セグメント間取引を含む)の経営成績につきましては、以下のとおりです。
サービス面では、2018年2月にコピー用紙から開始した定期配送サービスは対象商品を拡大し、2019年2月にはIoTを活用したコピー用紙自動配送サービスを開始するなど、新技術を活用してお客様の手間を省くサービスを拡張してまいりました。また、2018年8月発刊の「アスクルカタログ 2018秋・冬号」では多様化する働き方やオフィス環境に適した新商品の提案、2019年2月発刊の「アスクルカタログ 2019春・夏号」では「脱プラスチックへできることから。」と題し、紙ストロー等の使い捨てプラスチック商品に替わる商品を増やすなど地球環境への配慮等、企業の社会的責任を意識した事業展開をしてまいりました。商品の種類別でみると、店舗等で頻繁にご利用される日用消耗品や消耗紙、オフィスでご利用される飲料等の生活用品が成長を牽引し、MRO商材(注)、医療・介護施設向け商材の売上高も増加しました。注力分野であるロングテール商品は取扱い数が610万を超えて売上高が順調に拡大していること等から、BtoB事業の売上高は、前期比で132億12百万円増収の3,158億14百万円(前期比4.4%増)となりました。
BtoC事業の「LOHACO」は、2018年5月21日の「Yahoo!ショッピング」への出店開始やヤフー株式会社と連携した販促施策の強化等により新規のお客様のご利用が拡大いたしました。また、2018年10月に、大手メーカー48社に出展いただき、eコマースならではの独自デザイン商品を揃えた「暮らしになじむLOHACO展2018」を開催し、「LOHACO」ブランドの認知度向上に努めるとともに、メーカーとの共創によるオリジナル商品数の増加を進めてまいりました。一方、配送運賃の値上げの影響は大きく、将来の収益改善をともなった成長を実現するために、「独自価値商品数のさらなる拡大」、化粧品、健康食品等の「戦略カテゴリの強化」、「広告フィー収入の拡大」へと経営資源をシフトすることを2018年12月に決定し、次期の収益の大幅改善に向けて下期より取組みを開始しております。配送原価低減策を実行したことと「配送バー」改定によりお客様の買い回りが進み、ご注文ごとの1箱当たり売上高が上昇したことで、課題の売上高配送運賃比率が低減し、損益は改善傾向にあります。「LOHACO」の売上高は513億95百万円(前期比23.1%増)となり前期比で96億49百万円の増収、前連結会計年度中に子会社化した株式会社チャームの連結効果も寄与し、BtoC事業合計では、前期比で145億64百万円増収の652億78百万円(前期比28.7%増)となりました。
以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は3,810億93百万円(前期比7.9%増)となりました。差引売上総利益は、オフィス生活用品やMRO商材等の増収、収益力の高い当社オリジナル商品の拡充等により、904億99百万円(前期比8.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、配送運賃の大幅な増加、「ASKUL Value Center 関西(以下、「AVC関西」)」開設に係る固定費の増加、前連結会計年度の第1四半期末に子会社化した株式会社チャームの費用分の純増等により、前期比6.8%増の854億74百万円となりましたが、物流センターにおける労働生産性の飛躍的な改善等と売上高の増加により、指標となる売上高販管費比率は前期比で改善いたしました。
この結果、当連結会計年度のeコマース事業における営業利益は50億25百万円(前期比32.3%増)となりました。
(注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。
<ロジスティクス事業>ASKUL LOGIST株式会社においては、当社グループ外の物流業務受託の売上高が増加しましたが、前連結会計年度の売上高には、株式会社ecoプロパティーズの「ALP首都圏」、「ASKUL Logi PARK 福岡」売却等の大型案件に係る不動産仲介手数料が含まれていたことから減収減益となりました。なお、株式会社エコ配の損益は下期以降改善に向かっており、また、株式会社ecoプロパティーズの不動産関連案件の進捗も次期に向けて順調に進んでおります。
この結果、当連結会計年度の売上高は55億58百万円(前期比21.1%減)、営業損失は5億17百万円(前期は営業利益9億97百万円)となっております。
<その他>嬬恋銘水株式会社において、製造装置の改善等により増産が可能となったことで、「LOHACO」を中心に飲料水の販売が順調に進み、売上高が増加いたしました。また、2018年7月18日に販売を開始した、飲み切り410mlサイズで、ゴミの分別の手間が省けるラベルのないペットボトルの新商品「LOHACO Water」は好評を博しており、売上高の増加に寄与いたしました。物流コストを低減するための自社倉庫の竣工により一過性の費用が発生し、減益とはなりましたが、倉庫の稼働によるコストの低減が進み、収益力は着実に向上しつつあります。
この結果、当連結会計年度の売上高は12億69百万円(前期比25.2%増)、営業利益は22百万円(前期比3.1%減)となっております。
財政状態の状況は以下の通りであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,691億12百万円となり、前連結会計年度末と比べ46億1百万円減少いたしました。主な増加要因は、ソフトウエアが16億41百万円、商品及び製品が15億78百万円増加したことであります。主な減少要因は、電子記録債務の減少等により現金及び預金が47億18百万円、減損損失の計上等により機械装置及び運搬具が25億82百万円減少したことであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は1,204億80百万円となり、前連結会計年度末と比べ38億88百万円減少いたしました。主な増加要因は、支払手形及び買掛金が22億6百万円増加したことであります。主な減少要因は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、決済日が期末日である電子記録債務が前連結会計年度末残高に58億88百万円含まれていたこと等により電子記録債務が43億13百万円、未払金が12億14百万円、長期借入金が16億94百万円減少したことであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は486億31百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億12百万円減少いたしました。主な増加要因は、非支配株主との取引に係る親会社の持分変動等により資本剰余金が4億56百万円増加、自己株式の処分により自己株式が2億3百万円減少したことであります。主な減少要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を4億34百万円計上したものの、配当金の支払18億35百万円等により、利益剰余金が14億7百万円減少したことであります。
以上の結果、自己資本比率は28.6%(前連結会計年度末は28.3%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は574億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ47億7百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、前連結会計年度末残高に含まれていた電子記録債務58億88百万円が当連結会計年度において決済されたこと等によります。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、62億15百万円(前期比39億35百万円減)となりました。これは税金等調整前当期純利益11億73百万円、減損損失31億23百万円、減価償却費とソフトウエア償却費およびのれん償却額の合計64億32百万円の増加要因に対し、売上債権の増加11億28百万円、たな卸資産の増加17億30百万円、仕入債務の減少21億77百万円の減少要因があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、59億62百万円(前期比43億74百万円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出16億89百万円、ソフトウエアの取得による支出37億54百万円の減少要因があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、49億50百万円(前期は、65億53百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出17億95百万円、リース債務の返済による支出16億47百万円、配当金の支払18億35百万円等の減少要因があったことによります。
③ 生産、仕入および販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 (注)1 | 809 | +28.3 |
| 合計 | 809 | +28.3 |
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、水の製造を行っております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 eコマース事業およびロジスティクス事業につきましては、生産業務を行っていないため該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| eコマース事業 | 292,120 | +7.3 |
| その他 | 79 | - |
| 合計 | 292,200 | +7.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 ロジスティクス事業につきましては、物流・小口貨物輸送サービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| eコマース事業 | 381,093 | +7.9 |
| ロジスティクス事業 | 5,558 | △13.5 |
| その他 | 819 | +16.0 |
| 合計 | 387,470 | +7.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a. 経営成績等
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フローの分析
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、次の事項が挙げられます。
a.競争環境
当社グループが属するeコマース市場は引き続き成長が見込まれているものの、BtoC事業については、小売業と通販大手の提携の動きが加速する等、競争が激化しております。当社グループといたしましては、当社オリジナル商品の拡充等や取扱商品も順次拡大することで他社との差別化を図ってまいります。
b. 配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の増加等
配送ドライバー不足等に起因する配送運賃の上昇傾向や国内物流業者による取扱い総量規制等は、eコマース事業者にとって重要な経営課題となっております。当社グループといたしましては、グループの配送会社を最大限活用し、配送ドライバーの増員や自社グループ配送網の拡大、自社配送網の高密度を図ってまいります。
④ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、物流センターの新設やWEBサイトの刷新等の設備投資資金、BtoC事業の成長を加速させるためのシナジー効果のある事業者の買収資金等があります。
設備投資資金や買収資金等の資金については、金利コスト等を勘案しながら、自己資金または金融機関からの借入金、リース契約等により調達しております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当社グループのさらなる成長のために、eコマースのBtoC事業を、BtoB事業と並ぶ収益の柱となる事業に成長させることを目指しております。そのため、中期経営戦略の目標指標として、BtoC事業に係る流通総額1,000億円を目標に掲げております。
当連結会計年度におけるBtoC事業に係る流通総額は、668億15百万円となっております。
引き続き、効果的なマーケティング施策の実行により、新たなお客様の獲得とご利用頻度を高めることに注力し、流通総額目標の達成と収益性の改善に努めてまいります。