有価証券報告書-第22期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/28 16:33
【資料】
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【項目】
158項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、レストラン事業を主な事業としており、「XEX」をはじめとする高級レストラン及び「PIZZA SALVATORE CUOMO」をはじめとするカジュアルなレストランを展開しております。安心・安全を第一に考えた食材にこだわり、味がよく体にもよいクオリティの高い料理を上質な空間で提供できる店舗作りを行い、お客様に高付加価値を継続的に提供することを基本方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、「売上高」、「営業利益」を重要な経営指標として位置付けております。持続的な成長のため、既存店の売上高を維持するとともに、経営の効率化により利益率の向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
引き続き、お客様に、食事をするだけでなく、愉しく心地よい時間を過ごしていただくということを大切にするとともに、そのような価値を継続的にお客様にご提供できるよう、企業としての収益構造と財務基盤の強化を進めてまいります。
XEXグループにおいては、引き続きブランド強化に取り組むとともに、市場環境の変化を踏まえ、お客様に提供する付加価値の更なる向上を図ります。カジュアルレストラングループにおいては、既存店舗の収益力向上を図ると同時に、事業のポテンシャルを活かし、新しい店舗モデルの開発と市場の開拓にも取り組んでまいります。これらに加え、全社での業務の見直しによる生産性の向上や、コストの見直しにより、収益構造を改善し、利益を確保できる体制を構築してまいります。
(4)連結会社の経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症収束の見通しは依然として不透明である上、外食業界については、外出や大人数での飲食を控える動きの拡大、テレワークの広がりなど、消費者の行動様式に変化が生じ、業界の構造自体が大きな変革を迫られる状況となっております。
当社グループの対処すべき課題として、まず事業につきましては、以下に取り組んでまいります。
(ⅰ)事業環境の変化に応じた売上構造の見直し
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、外食に関する消費者の行動様式は変化してまいりました。セグメントごとの顧客層の動向を踏まえて以下の施策を行うことにより、2022年2月期後半には、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2020年2月期の水準近くまで売上高を回復させることを目指してまいります。
①XEXグループ
新型コロナウイルス感染症拡大の中で、海外から日本への渡航者が激減し、また国内においては不要不急の外出や大人数での飲食を控える動きが広がりました。この結果、「XEX」をはじめとする高級レストラン事業の主要な顧客層であるインバウンド需要と法人需要が大きく落ち込みました。一方で、国内における、家族や親しい間柄の相手との少人数での飲食に対する需要は堅調で、回復も早いと見られます。
このような顧客動向の変化を踏まえ、XEXグループ各店においては、2021年2月期後半より、個人需要をターゲットとして、レストラン予約サイト等の活用やランチブッフェの導入に取り組んでまいりました。これらの取り組みに更に注力することにより、ウィズコロナ及びアフターコロナを見据えた売上構造をつくってまいります。
②カジュアルレストラングループ
カジュアルレストラングループのデリバリー業態は、コロナ下での需要の高まりを受け、2021年2月期を通じて好調に推移してまいりました。デリバリーやテイクアウトの利用経験を持つ消費者が大幅に増加したこと、またフードデリバリーサービスが普及して利便性が高まったことから、デリバリーやテイクアウトに対する消費者のニーズは、新型コロナウイルス感染症の収束後も、従前よりも高い水準を維持すると見込んでおります。
カジュアルレストラングループの店舗の多くは、既にデリバリー業態のノウハウや設備を備えております。これらを活用してデリバリー業態における新しいブランドの導入及び育成に取り組むことで、新規投資を抑制しながら、既存店の売上高の増加に努めてまいります。
(ⅱ)店舗の数値管理強化
厳しい事業環境が続く中、2021年2月期を通じて、主要なコストである食材原価及び人件費を中心に、既存店のコスト管理を強化してまいりました。従前よりも粒度の高いコスト管理を継続することにより、既存店の収益構造を改善し、売上高が伸び悩む局面においても利益を確保できる体制を構築してまいります。
(ⅲ)仕入コストの削減
物流システムを統合して効率化するべく、新規候補先を含む調達先と協議を行っております。また、店舗で取り扱うアイテム(食材、飲料、事務消耗品等)の絞り込みや他社商品の活用により、商品価格の低減と管理コストの削減を図ります。
(ⅳ)本社コストの見直し
2020年2月期より本社コストの削減に取り組んでまいりましたが、事業環境の悪化を受け、2021年2月期は更に取り組みを推し進めました。人件費、租税公課や外部に対する業務委託費等を中心に、既に削減効果が表れております。
今後も引き続き各種コストの見直しに取り組むとともに、売上高の回復後も現状のコスト水準を維持し、利益の確保に努めてまいります。
続いて財務につきましては、以下に取り組んでまいります。
(ⅰ)資金の確保
2021年2月期におきましては、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けて売上高が前年実績を大きく下回ったことから、資金の確保が重要な課題となりました。有価証券報告書提出日現在におきましては、後発事象に記載のとおり、新規の長期借入れ、借換え、及び第三者割当による新株式の発行を行ったことにより、当面の資金繰りに懸念のない水準の手許現預金を確保できております。今後も厳しい経営環境が続くと見込まれる中、引き続き、手許現預金の確保に留意するとともに、金融機関との良好な関係を維持してまいります。
(ⅱ)資本の増強
当社グループは、2021年2月期に親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、2021年2月期末において、債務超過となっております。
後発事象に記載のとおり、第三者割当により新株式を発行し、2021年5月7日に払込みが完了いたしましたが、依然として財政状態は脆弱です。収益性の向上に努めるとともに、必要に応じて更なる資本政策も検討し、資本の増強を図ってまいります。