有価証券報告書-第30期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 13:14
【資料】
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【項目】
77項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当社グループは、「おもてなしの心」と「手づくり」「できたて」による食の感動を通じて“お客様と接する瞬間に、お客様のよろこびを最大化する”ことを追求し、常に変化を恐れず、果敢に挑戦を続けることで成長を遂げてまいりたいと考えております。
その思いをもとに「すべては、お客様のよろこびのために。」を経営理念としております。
(2)経営環境
企業業績や雇用環境の改善が続き緩やかな回復傾向にあるものの、米中貿易摩擦問題をはじめ、中国経済の先行きや海外経済の不確実性が懸念されます。これに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気の先行きは依然として不透明な状況にあり、感染拡大や長期化に伴い、臨時休業・営業時間短縮や消費の低迷などが懸念されます。
外食産業におきましては、労働力不足を背景とした人件費の上昇や原材料費の上昇、業種・業態を超えた競争の激化等により、厳しい経営環境が続いております。このような環境のもと、当社グループでは、利益重視の経営方針に基づき運営してまいりました。
今後、新型コロナウィルス感染症の当社グループへの影響につきましては、2020年度上期まで続き、その後徐々に通常営業に戻ると見込んでおり、売上および利益に及ぼすと想定されるリスクを最大限に考慮しつつ、販促費と本社コストの見直しによる圧縮により、不要不急のコストや投資を抑制します。その上で、丸亀製麺については、テイクアウトを段階的に拡大し、6月からうどん・丼のテイクアウトを全店で展開し、売上収益の向上を図ります。売上・収益が一定の基準に満たない業態については、コンセプトをはじめ商品・オペレーション等の見直しによる業態フォーマットを抜本的に見直すことにより、営業利益率の改善を図ります。海外につきましては、日本の丸亀製麺でのマーケティング施策の成功体験を形式知化し、各国にノウハウを展開し、売上収益の向上を図ります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「複数の成長軸をもつグローバル企業」となることを目指し、次の項目を指標に掲げております。
①連結売上収益3,500億円(FC店の店舗売上を含む場合、5,000億円)
積極的な商品施策の実施や、優秀な人材の確保と育成に注力することにより、国内における安定的な売上を確保すると共に、海外においては、事業基盤(プラットフォーム)も活用し、独資・直営モデルだけでなく、JV、フランチャイズなど、パートナーのノウハウをレバレッジさせ成長を加速させることにより2026年3月期連結売上収益3,500億円(FC店の店舗売上を含む場合、5,000億円)の達成を目指してまいります。
②ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)
投資収益性と成長性の2軸で事業(店舗)運営を判断し、双方のバランスを取りながら、キャッシュ・フローの最大化を目指し、高い株主還元を実現すると共に、企業価値の最大化を目指すためROEを重要な経営指標としてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社グループは、主力業態である「丸亀製麺」を中心に好調な業績を維持してまいりましたが、より一層の飛躍のため、以下の課題について積極的に取り組み、複数の成長軸をもって業容の拡大を図ってまいります。
①国内基盤の更なる強化、収益性の向上
QSCの維持・向上をはじめ、マーケティング施策や教育の充実等により既存店の強化を図るとともに、新業態の開発やM&Aにより、新たな成長軸を設け、更なる事業の安定化を目指してまいります。
また、人的効率の改善等を実施することにより収益性の向上を図ってまいります。
(注)QSCとは、飲食店における重要なキーワードで、Q:クオリティー(品質)、S:サービス、C:クリンリネス(清潔さ)を意味します。
②グローバルマルチブランド戦略による展開
主力業態である「丸亀製麺」で創出した事業基盤を活かし、新たな付加価値を持つ業態を育成するグローバルマルチブランド戦略を展開してまいります。
なお、海外事業においては、地域の食文化に対応し展開を図っておりますが、進出国の許認可制度や不動産取引に関する商習慣などの影響によって、工期の延長、出店日の遅れを招くことも想定されます。
今後につきましては、出店立地の厳選、ノウハウの蓄積による効率的運営等を推し進め、海外事業のリスクを低減し収益性の向上に努めてまいります。