有価証券報告書-第142期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 12:51
【資料】
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【項目】
155項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当行は、「熱意」「調和」「誠実」の経営理念のもと、3年間(2021年度~2023年度)を計画期間とする中期経営計画「こうぎん新創造 第Ⅱ期:進化」の概要について、以下のとおりとしております。
こうぎん新創造 第Ⅱ期:進化
~社会環境の急激な変化を踏まえたビジネスモデルと財務力の向上~
「地域の皆さまを起点とした協働」により地域の発展に貢献することを目指し、デジタル技術等を活用した抜本的な業務効率化と、グループの連携体制を強化し事業領域の拡大を図ります。
地域金融機関を取り巻く環境は、国内の低金利環境が長期化していることに加え、デジタル技術の急速な進展によって業種や業態を超えた競争がますます激化しております。また、地域経済は、少子高齢化や社会的な流出による生産年齢人口の減少が進行しているほか、新型コロナウイルス感染症の拡大によって社会・経済活動や人々の価値観が抜本的かつ不可逆的に変化しております。
こうしたなか当行は、マテリアリティ(地域と当行それぞれの重要課題)を踏まえて、中期経営計画における目指す姿と基本方針を以下のとおり設定いたしました。
目指す姿「地域の価値向上に貢献する金融インフラ」
基本方針「地域密着型金融の深化」
「高付加価値サービスの提供」
「生産性の向上」
(2)中期経営計画における基本方針と基本戦略
目指す姿「地域の価値向上に貢献する金融インフラ」の実現に向け、基本方針に基づく従来からの施策を「進化」させ、新たに策定した「営業戦略」と、その効果を最大限に引き出していくための「経営基盤戦略」に取り組んでまいります。
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営業戦略
0102010_002.png事業お取引先が経営環境や社会の価値観などの急速な変化へ対応し、持続的な成長を実現できるよう、ともに経営課題の深堀に取り組み、その解決に向けた方策の提案と活動をサポートしてまいります。
● ポストコロナ対応のソリューションや経営改善支援
● 地域の商流をつくる面的な地域活性化支援
● 現場力強化に向け専門性が高い本部担当者を営業エリア単位で配置
● ヒートマップの活用など本部のデータ分析力と活動状況モニタリングの向上
● Kochi Big Advance等の活用による伴走型サポート強化
0102010_003.png“face to face”とWebなどマルチチャネルを強化し、金融リテラシーにまつわる情報提供や将来のライフイベントへの備えを提案する活動を通じて、地域の皆さまとリレーションを深めるとともに、未来を築くための様々なサポートを展開してまいります。
● 幅広い年代のさまざまなニーズを的確にとらえるマーケティングとライフスタイルに応じたプロモーション
● マネーアドバイザーの適正配置等による“face to face”営業体制のさらなる向上
● 幅広い年代層への金融リテラシーを通じた人生設計サポート
● フィナンシャル・プランニング拠点機能の強化
● Webチャネルの利便性向上などサービスチャネルの拡充
経営基盤戦略
0102010_004.pngBPRの継続に加えてデジタル化や本部集中化などの抜本的な効率化を推し進め、経営資源を再配分するとともに、内外連携を強化して営業活動の質と量を一層向上させてまいります。
● BPRの継続実施やRPA活用等による事務省力化と営業力強化に向けたリソースの最適配置
● 地域ごとのニーズに応じたプラットフォーム型店舗網への進化と顧客利便性向上に向けた新技術の活用
0102010_005.pngお客さま最善の利益に貢献する高質なコンサルティングを行うために、職員それぞれがスキルアップに取り組み持てる力を発揮できるよう、効果的な育成プログラムを実施するとともに、働き方改革を推進してワークライフバランスの向上に努めてまいります。
● 地域貢献活動に有効な資格取得の促進ならびに少人数オペレーションに対応するマルチスキル人財の育成
● 多様な人財の活用と働き方改革への対応に向けた女性活躍施策やワークライフバランスなどの推進
0102010_006.pngグループ全体のコンプライアンス運営を向上させ、「こうぎんグループ」の総合力を発揮し、地域との共通価値創造を通じてSDGsの達成に貢献するとともに、リスク管理の高度化などによって財務基盤の強化を図ります。
● グループ間連携・ガバナンス強化による総合力の発揮と事業開発委員会等による新領域サービスの開拓
● 資本効率向上に向けたリスク・リターン管理体制の高度化
(3)経営環境
2021年度(2021年4月1日から2022年3月31日)の日本経済は、設備投資や生産に持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人消費や雇用環境は弱い動きが継続しており、総じて厳しい状況が続きました。
当行の主要営業基盤である高知県の経済は、公共投資は高水準で推移し、設備投資や住宅投資は緩やかな持ち直しの動きが続きましたが、生産や個人消費は一部に弱さがみられ、雇用・所得環境も安定感に乏しい状況が継続し、全体としては弱い動きとなりました。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
地域経済が生産年齢人口の減少や少子高齢化など基礎的な課題を内包するなか、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化しており、回復に向けた懸命の努力を通じて、人々の価値観や社会活動は変容・刷新されております。
当行の課題は、これらの経営環境に適応して、地域経済の回復をサポートするとともに、それを永続的なものとするために経営基盤をより強固なものとしていくことであり、中期経営計画「こうぎん新創造 第Ⅱ期:進化」では、目指す姿として「地域の価値向上に貢献する金融インフラ」を掲げて、お客さまの事業や暮らしをサポートする営業戦略と組織を最適化する経営基盤戦略に基づく施策を策定しております。
目指す姿の実現に向けて、営業戦略においては地域の皆様の課題等に真摯に向き合い、事業の発展や新しい価値観を共に見出していく「価値共創」に取り組んでまいります。また、「こうぎんSDGs宣言」のとおり、ステークホルダーや様々なパートナーと協働し、サステナブル社会の実現に貢献してまいります。
経営基盤戦略においては、デジタル技術等を活用することによって、情報をより効率的に共有できる体制を構築するとともに、業務の効率化を進め、お客さまの目線による高質な商品・サービスを提供する体制を推進してまいります。また、関連会社との連携を一層充実し、当行グループ全体のガバナンスを強化してまいります。